現場に出る社長が新規商談から見積、追客まで一人で担う数名規模の専門工事会社
茨城県内で設備の清掃・メンテナンスを手がける、数名規模の専門工事会社があります。今後の売上拡大に向けて新規開拓を進めていますが、営業専任者はおらず、社長自身が現場と営業を兼務しています。
外部のテレアポ支援を使い始めたほか、建設業向けのマッチングサービスからも見込み客へ連絡していました。営業活動が止まっているわけではありません。むしろ複数の施策が同時に動き始めたことで、別の問題が見えてきました。
社長から出たのは、次のような言葉です。
「会うだけなら時間は取れます。ただ、その後に施工できるかを考え、条件を確認し、見積を作る時間まで考えると、アポイントをさばききれません」
営業の処理能力は、商談件数ではなく、現地確認・施工可否の判断・見積提出・追客まで完了できる件数で捉える必要があります。
1週間で 22件の相談 がありました
- 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
- 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
- 9月8日工務店広島県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
- 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
- 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
- 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
- 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
- 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
- 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
- 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
- 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
- 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
- 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
- 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
- 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
- 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
- 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
アポイントの入口だけが増え、商談後の判断と見積が社長のもとで滞る状態
新規営業では架電数やアポイント数が分かりやすい指標になります。しかし、専門工事会社の営業は、相手と会えれば終わりではありません。
商談後には、少なくとも次の対応が発生します。
- 相手が求める工事や作業内容の確認
- 自社で施工できるかどうかの判断
- 現地確認が必要かどうかの判断
- 人員や施工条件の確認
- 見積の作成と提出
- 提出後の状況確認と追客
この会社では、これらを社長がほぼ一人で担っていました。しかも、相談の時間も作業場から携帯電話で参加するほど、日中は現場対応が中心です。
その状態で外部施策からアポイントが増えると、社長の予定表は埋まっていきます。一方で、見積提出や追客が後ろ倒しになれば、せっかく作った接点を受注まで運べません。
アポイントが増えているのに受注が増えないときは、営業力ではなく「商談後の処理能力」がボトルネックになっている可能性があります。
入口を増やすほど営業が滞るのは、施策が間違っているからではありません。入口と出口の量が合っていないことが問題です。
外部施策を複数動かしても、営業全体を管理する役割が社内にない構造
この会社では、テレアポ、問い合わせフォームへの送信、建設業向けマッチングサービスなど、複数の営業施策が並行していました。それぞれに接点を増やす機能はありますが、施策をまたいで案件を整理する役割は定まっていませんでした。
その結果、社長のもとには異なる経路から情報が集まります。
- どの施策から得たアポイントなのか
- 相手はどのような仕事を抱えているのか
- 自社の施工領域と合っているのか
- 現地確認や見積提出はいつまでに必要なのか
- 次に誰が、何をするのか
こうした情報が一つの場所にまとまっていなければ、社長が頭の中で管理することになります。現場に出ながら判断している会社では、案件が数件増えただけでも抜け漏れが起こりやすくなります。
また、外部の営業支援会社は、それぞれ自社が担当する架電数や送信数を追います。個別には動いていても、会社全体として「どの案件を優先し、どこまで進めるか」を決める機能は自動的には生まれません。
複数の営業施策を使うほど、社長と各施策の間に立ち、案件の優先順位と次の行動を管理する機能が必要になります。
社長にしか施工可否や見積条件を判断できないことも、処理が集中する理由です。会社のことを最も理解している社長が営業方針を考えるのは自然ですが、すべての確認と作業まで抱えると、営業量を増やせる上限が早い段階で訪れます。
受注まで処理できる件数から営業量を逆算し、判断と記録を分担できる体制
最初に見直したいのは、架電数ではなく、社長が1か月に何件の案件を受注判断まで進められるかです。
たとえば、商談後に現地確認が必要な案件、資料だけで概算判断できる案件、現時点では対応範囲外の案件では、社長が使う時間が異なります。すべてを同じ「1アポイント」として扱うと、必要な工数を見誤ります。
まず、現在動いている案件を次の段階に分けます。
- アポイント獲得
- 初回商談
- 現地確認または施工条件の確認
- 見積作成
- 見積提出
- 追客
- 受注または見送り
各段階に何件あり、どこで止まっているかを一つのスプレッドシートなどで確認できるようにします。高機能な営業管理システムを最初から導入する必要はありません。会社名、流入経路、相談内容、現在の段階、次の行動、期限、担当者がそろえば、案件管理は始められます。
営業量は「何件アポイントを取れるか」ではなく、「何件なら見積と追客まで終えられるか」から逆算します。
次に、社長が担う仕事と、社長以外でも進められる仕事を分けます。
社長に残すべきなのは、施工可否、重要な条件、見積方針など、経験が必要な判断です。一方、商談記録の整理、確認事項の一覧化、現地確認の日程調整、見積提出後の連絡、案件一覧の更新などは、社内担当者や外部支援先に分担できます。
商談記録も、自由記述だけではなく、最低限確認する項目をそろえておくと判断が早くなります。
- 相手が管理・保有する施設や現場の種類
- 求めている作業内容
- 現在の発注方法や協力会社の状況
- 実施を検討している時期
- 現地確認の要否
- 見積に必要な追加情報
見積についても、金額を機械的に決めるのではなく、見積作成へ進むための判断基準をそろえることが重要です。自社の施工領域と合うか、必要な情報が集まっているか、現地確認が可能か、案件化する時期が見えているかを確認し、優先順位を付けます。
複数の営業施策は、同じ仕事を重複させるのではなく、役割別に整理します。ある施策は接点づくり、別の施策は本命企業への開拓、社内または外部の担当者は商談後の案件管理というように分けると、社長に情報が一気に集中しにくくなります。
定例の確認では、架電数やアポイント数だけでなく、次の数字を見ます。
- 初回商談から現地確認へ進んだ件数
- 見積を提出できた件数
- 見積提出までにかかった日数
- 追客できていない案件数
- 受注または見送りになった理由
この記録が残れば、「どのターゲットに、どのような話をすると案件化しやすいか」を検証できます。アポイントの量を増減する判断も、社長の感覚だけに頼らず行えるようになります。
営業のPDCAは、電話をかけた結果ではなく、商談後に何が起き、どこで受注に至らなかったかまで記録して初めて回り始めます。
まとめ
現場を兼務する社長にとって、新規営業の負担は商談時間だけではありません。施工可否の判断、現地確認、見積作成、追客まで含めると、1件のアポイントから複数の仕事が生まれます。
そのため、外部施策を追加する前に確認したいのは、次の3点です。
- 見積と追客まで完了できる月間件数
- 社長にしかできない判断と、分担できる作業
- すべての施策を横断して案件を管理する役割
営業体制の改善は、アポイントを減らすことではなく、受注まで運べる量に整えることです。
処理能力に余裕ができれば、その時点で架電数や対象企業を増やせます。入口と出口をそろえながら段階的に営業量を広げることが、現場と営業を両立させる進め方です。
自社で受注まで回せる営業量を整理したい方へ
営業施策が増えたものの、「うちの場合は月に何件が適正なのか」「どこまで社長が担当すべきか」と迷うこともあると思います。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大を、アポイント獲得だけでなく、案件管理、商談後の進め方、見積や追客の体制まで横断して整理し、実行を支援しています。現場に無理をかけず、ものづくりに集中できる営業体制を一緒に考えます。
まだ課題が明確になっておらず、何から整理すべきか分からない段階でも問題ありません。無理にサービスをご案内することはありませんので、自社の営業体制を整理する機会として気軽にお声がけください。



































