職人不足を背景に、壁部材を工場でつくり現地で組み立てる体制を模索する小規模な建築会社
大阪府に拠点を置く、建築用3Dプリンターを活用した建物づくりに取り組む会社があります。自社工場は持たず、提携先の工場に約10台のロボットを置き、建物の壁部材を製造しています。
現場で一から壁をつくるのではありません。工場で出力した部材をトラックで運び、現地では基礎への設置と組立を中心に進めます。これまでには、約10平方メートルの建物を1日以内、1LDK相当の建物を2日弱で組み立てた実績があります。無人駅の建て替えでは、終電から始発までの間、約3時間で主要部分を組み上げました。
この施工体制を選んだ出発点は、現場の人手不足でした。
「職人が減り、高齢化も進んでいます。特に暑い夏に続けられなくなる人もいる。現場で何カ月もかけて壁をつくるのではなく、工場でロボットにつくらせようと考えました」
目指しているのは職人の仕事をなくすことではなく、現場でしかできない組立や仕上げに人を集中させることです。 1件に長く張り付く施工から、短期間で組み立てて次の現場へ移る施工へ変われば、限られた人数でも対応件数を増やしやすくなります。
1週間で 15件の相談 がありました
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
- 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
- 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
- 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
- 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
- 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
- 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
- 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
- 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
- 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
- 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
- 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
- 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
- 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
工場で部材をつくるだけでは、施工量も原価も安定しない状態
省人化を実現するには、工場生産、部材設計、輸送、基礎、現地組立までを一つの生産工程として組み直す必要があります。
たとえば、ロボットを現場へ持ち込んで出力すれば輸送を減らせるように見えます。しかし、ロボットの移動や分解・再設置には手間がかかります。さらに、コンクリートが固まる前にゲリラ豪雨を受ければ、製造中の部材が使えなくなる可能性もあります。
一方、すべてを工場で完成させると、今度は部材が重くなります。輸送費が増え、トラックへの積載や現場への搬入も難しくなります。そのため、相談企業では壁を中空の状態で出荷し、現地で断熱材やコンクリートを充填する方法を採っています。
さらに、現状はBtoB案件が中心です。用途や形状に応じて一件ずつ設計し、構造計算やデザインを個別に進めています。ロボットを増やしても、案件ごとに仕様が異なれば連続生産にはつながりません。
「ロボットを朝から晩まで動かして、毎日のように出荷できればコストは下げられます。ただ、今は一個ずつ設計して、丁寧につくっている段階です」
設備の能力だけを増やしても、同じ仕様を繰り返し生産できなければ量産効果は生まれません。 人手不足対策とコスト低減を両立するには、施工方法より先に「何を共通化するか」を決める必要があります。
自由設計、構造計算、輸送、現地施工が案件ごとに変わることによる量産の難しさ
3Dプリンターは、データどおりに動くため、曲線や模様を含む自由な形をつくれます。ただし、自由度の高さをそのまま商品に反映すると、案件ごとに構造計算や調整が必要です。設計期間も費用も増えます。
そこで現在は、同じ形の壁部材を繰り返し生産し、横方向への組み合わせで建物の大きさを変える方法を基本にしています。一定の大きさまで構造計算を済ませ、同じ部材を複数案件で使えば、構造計算費を一棟ごとに負担する状態を避けやすくなるためです。
現地での作業も単純化しています。基礎から鉄筋を立ち上げ、工場でつくった壁部材を上から差し込む方法です。駅舎では基礎と部材を一体に近い状態で搬入し、順番に設置してから屋根を載せることで、夜間の限られた時間に組立を終えました。
ただし、共通部材をつくれても、それだけでは全国へ展開できません。遠方の施工会社を連れていけば、移動費、滞在費、時間がかかります。相談企業でも、施工地域に協力会社がいない場合は、案件が決まってから近隣の会社を探していました。
現地では、基礎、部材の組立、内装、電気などの工事が残ります。壁だけ、床だけと分離発注すると、少人数の本部が複数社と調整し続けなければなりません。そのため、基礎から内装まで一式で任せられる地域の工事会社との連携を重視しています。
工場側の省人化だけではなく、現地施工を担う会社の選定と教育まで整って初めて、全体の施工量を増やせます。 工場と現場のどちらか一方を効率化する話ではありません。
標準部材を起点に、生産・輸送・組立の境界を決める進め方
最初に整理したいのは、ロボットを導入するかどうかではなく、どの工程を工場へ移し、どの工程を現地に残すと全体が最も軽くなるかです。
相談企業の取り組みをもとにすると、判断軸は次の順番で整理できます。
- 繰り返し使える部材を決める
形状や寸法をそろえ、組み合わせによって建物の大きさを変えられるようにします。自由設計をなくすのではなく、標準仕様と個別仕様を分けます。個別形状には、追加の構造計算や日数がかかることを明確にします。
- 構造計算を共通化できる範囲を決める
どの大きさ、組み合わせ、用途まで同じ計算条件を使えるのかを整理します。標準範囲が広すぎると検証負担が増え、狭すぎると案件ごとの再計算が増えます。
- 輸送時の完成度を決める
工場で仕上げるほど現場作業は減りますが、重量と輸送費は増えます。中空で運び、断熱材やコンクリートを現地で充填する方法のように、重量、トラックの積載、搬入経路を見ながら境界を決めます。
- 工場生産が天候リスクをどこまで減らせるか確認する
雨の影響を受ける材料は、屋根のある工場で製造し、硬化と養生を済ませてから出荷します。現場製造より工程を読みやすくできるかが判断のポイントです。
- 現地施工を短期間で習得できる形にする
相談企業では、最初にオンラインで施工方法を説明し、部材が届く日に現地で誘導しています。組立自体は、基礎から出した鉄筋へ部材を差し込み、順番に設置する方式です。施工会社が1〜2日程度の指導で対応できる状態を目指しています。
- 地域ごとに一式対応できる施工会社を確保する
工種ごとに会社を増やすほど、本部の調整負担も増えます。少人数で展開する場合は、基礎、組立、内装、設備までまとめて相談できる会社を優先する考え方があります。
この進め方で大切なのは、最初から全面的な量産を狙わないことです。相談企業も、現時点では案件を一つずつ進め、施工手順を確認しています。
標準部材で数件を施工し、工場の製造時間、輸送条件、現地の組立時間、指導に必要な日数を確かめてから対象地域を広げるほうが、再現性のある体制をつくりやすくなります。
まとめ
人手不足のなかで施工量を増やすには、現場の人数を増やす以外の選択肢もあります。壁などの部材を工場で生産し、現地作業を短期間の組立に変えれば、職人が一つの現場に拘束される期間を短くできます。
ただし、工場生産だけで省人化が完成するわけではありません。
- 同じ部材を繰り返し使えるか
- 構造計算を共通化できるか
- どの状態で運べば輸送効率がよいか
- 現地に残す工程を短期間で施工できるか
- 地域の施工会社へ再現可能な形で伝えられるか
この一連のつながりが重要です。
施工量を左右するのは、設備の台数だけではなく、標準部材を中心に工場・輸送・現場を同じ工程として設計できているかどうかです。 自社の施工で繰り返し発生している部材や作業から整理すると、工場へ移せる工程が見つけやすくなります。
自社に合う工場生産と現地組立の形を整理するために
「自社では何を標準化できるのか」「工場と現場の境界をどこに置くべきか」がまだ明確でなくても、現行の施工工程を書き出すところから始められます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。工場生産に移せる工程の整理、地域の施工会社との連携、量産を見据えた業務体制づくりについても、自社の状況に合わせて一緒に検討できます。
まだ構想段階でも問題ありません。無理にサービスをご案内することはありませんので、次に何を整理するべきかを確認する場としてご活用ください。




























