前提

県外業者との相見積もりのなかで雨漏り修繕を提案する地域密着の専門工事会社

関東近郊で防水・修繕工事を手がける、ある専門工事会社の事例です。近隣の事業会社から、建物の雨漏りについて相談を受けました。

相談先では、前任の社長が5年ほど前に改修工事をまとめて実施していました。その後、経営者が代わり、今後の修繕を任せられる業者をあらためて探していたところでした。

すでに付き合いのある工事会社は5社ほどありましたが、その大半は県外です。最も近い業者でも現場まで1時間近くかかるため、雨漏りなどが発生した際の初動に課題がありました。

一方、今回提案する専門工事会社から現場までは車で数分です。担当者は「雨の日に事務所にいれば、すぐ見に行けます。何かあれば携帯に連絡してください」と伝えました。

発注側からは費用を抑えたいという要望もありました。ただし、単純な最安値を求めているわけではなく、「適正な価格で対応してほしい」という意向です。

この案件で問われていたのは、工事単価の安さだけではありません。雨漏りが起きたときに現場を確認できる距離と、その後も任せ続けられる対応力でした。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
  • 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
  • 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
  • 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
  • 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
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課題

相見積もりになると数分で駆けつけられる価値が見積金額に埋もれる構造

修繕工事は仕様を完全にそろえにくい一方、発注時には見積金額が比較されやすい仕事です。特に初回取引では施工実績をまだ見てもらえていないため、価格が分かりやすい判断材料になります。

今回も「費用を抑えたい」という話が先に出ていました。ここだけを受け取ると、値下げしなければ受注できないように見えます。

しかし、雨漏りには新築工事とは異なる難しさがあります。この建物では、台風に近い強い雨でなければ漏水せず、発生するのは年に3〜4回ほどでした。晴れた日に現地を見ても、原因や浸入経路を十分に確認できるとは限りません。

発注側にとっては、次に強い雨が降ったときに、すぐ現場を見てもらえることが重要です。県外から1時間かけて来る業者と、数分で動ける会社では、同じ修繕工事でも提供できる価値が異なります。

ところが、見積書に工事項目と金額だけを並べると、この違いが伝わりません。近い会社であることも、雨天時に確認できることも、単なる営業上の補足として扱われてしまいます。

価格競争を避けるには、近さを「交通費が安い」という話で終わらせず、漏水時の現場確認まで含めた対応品質として示す必要があります。

背景

発注側が求めていたのは最安値よりも業者を替え続けなくてよい関係

発注側の言葉をたどると、選定基準が見えてきます。

「一度契約して工事をお願いした会社とは、ずっと一本で付き合いたい。あっちへ行ったり、こっちへ行ったりするのは面倒なんです」

この発言から分かるのは、発注側が毎回の相見積もりを望んでいるわけではないということです。最初の業者選定には慎重でも、一度信頼できると判断した相手とは継続して付き合いたいと考えています。

修繕工事の発注側には、業者を替えるたびに説明し直す負担があります。建物の状態、過去の改修内容、雨漏りが起きる条件、予算感などを毎回共有しなければなりません。現地調査や日程調整もその都度必要です。

そのため、比較されているのは工事費だけではありません。

  • 強い雨が降ったときに現場を見てもらえるか
  • 建物の状態を継続して把握してもらえるか
  • 必要以上に工事範囲を広げず、適正価格で提案してもらえるか
  • 一度任せた後も相談先として付き合えるか

今回の専門工事会社も、最初から大規模な改修を提案したわけではありません。現地を軽く確認したうえで、まずは補修工事から始め、初回の金額を抑えながら信頼をつくる方針を考えていました。

これは単なる値引きとは異なります。全面改修が必要な段階なのか、まず部分補修で様子を見られるのかを切り分け、発注側の初回負担を抑える提案です。

発注側が継続取引を望んでいる場合、初回工事の目的は利益を最大化することではなく、「次もここに連絡できる」と感じてもらうことにあります。

解決

雨天時の即応と小規模補修を入口に長期的な修繕先として選ばれる進め方

地域密着の価値を受注につなげるには、「近い」「すぐ行ける」と伝えるだけでなく、初回対応から継続取引までを一つの流れとして設計することが大切です。

1.価格を聞かれたら、まず適正価格の前提をそろえる

費用を抑えたいという要望に対し、すぐ値下げで応える必要はありません。対象範囲や施工条件が分からない段階では、安い単価を約束するより、現地を確認して必要な補修範囲を見極めるほうが発注側にも安心です。

修繕工事では、同じ防水工事でも材料、工程、既存下地の状態などによって金額が変わります。材料費も変動しているため、坪単価や平米単価だけでは適正性を判断しにくくなっています。

そのため、価格の話では次の順番をそろえます。

  1. 雨漏りが発生する条件を確認する
  2. 漏水時または雨天時に現場を見る
  3. 補修で対応する範囲を整理する
  4. 対象工事に合わせて見積もる

単価表で価格競争をするのではなく、現場の状態に対して必要な工事を見積もる姿勢が、適正価格への納得につながります。

2.「近い」を緊急時の行動まで具体化する

地域密着を価値に変えるには、距離を具体的な行動として伝えます。

今回のように「会社から数分」「雨の日ならすぐ確認できる」「携帯に直接連絡してほしい」と伝えると、発注側は依頼後の動きを想像できます。

とくに、年に数回の強い雨でしか症状が出ない雨漏りでは、その瞬間を逃さず見に行けること自体が強みです。常に即日対応を約束するというより、自社の移動距離や現場体制のなかで、どこまでなら確実に動けるかを示すことが重要です。

地域密着の強みは所在地ではなく、「症状が出たときに現場を確認できる」という実行力です。

3.初回は小規模補修で発注側の負担を抑える

長期取引を見据える場合でも、最初から大きな改修工事を前提にする必要はありません。今回のように、現地を確認して補修工事から始められるのであれば、発注側は依頼の判断をしやすくなります。

ここでの判断軸は、安く受けられるかどうかではなく、部分補修で対応できる状態かどうかです。補修で様子を見られるなら、その範囲を明確にして提案します。反対に、補修だけでは難しい場合は、その理由を伝えたうえで次の改修を考えます。

初回工事を小さく始めることには、双方に利点があります。発注側は工事品質や対応を確認でき、施工側も建物の状態や意思決定の進め方を理解できます。

小規模補修は安売りではなく、お互いが継続して付き合える相手かを確かめる最初の仕事です。

4.初回工事後を見据えて「一本で付き合う理由」を積み上げる

単発工事を継続取引につなげる決め手は、特別な営業トークではありません。連絡を受けたときの動き、現場確認、見積もり、施工品質を一つずつ積み上げることです。

今回の発注側は、信頼できる会社が決まれば「ずっと一本で付き合いたい」と明確に話していました。このような相手には、初回の利益額だけで案件を判断するより、今後の保守・修繕を含めた取引全体で考える余地があります。

継続受注に向いているかは、次の点から判断できます。

  • 自社から無理なく駆けつけられる距離か
  • 今後も補修や改修が発生する建物か
  • 発注側が長期的な相談先を求めているか
  • 適正価格と対応品質を見てもらえる相手か

すべての相見積もり案件で価格競争を避けられるわけではありません。ただし、近さと初動対応を必要としており、信頼できる業者との継続取引を望む発注者であれば、地域の専門工事会社が選ばれる余地は十分にあります。

まとめ

修繕工事で価格以外の理由から選ばれるには、施工品質だけでなく、発注後の安心まで具体的に伝えることが必要です。

今回の事例では、現場まで数分という距離、強い雨が降った際に確認できる対応力、初回を小規模な補修から始める提案が、県外業者にはない価値になっていました。

また、発注側は最安値を探し続けたいのではなく、「一度任せた会社と長く付き合いたい」と考えていました。こうした意向を捉えられれば、初回工事を単発の売上ではなく、長期的な保守・修繕取引の入口として設計できます。

価格競争を避ける鍵は、単価を説明することだけではありません。近さ、初動、小さく始められる提案、対応品質を通じて、「次も頼める会社」であることを示すことです。

自社が継続して選ばれる理由を整理したい方へ

修繕工事の営業では、「価格を聞かれると何を返せばよいか」「地域密着をどう提案に落とし込むか」「どの発注者なら継続取引につながりやすいか」が曖昧になりがちです。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大や元請け開拓を、現場体制や原価、組織の状況も踏まえて整理し、実行まで支援しています。「うちの場合は何を強みにすべきか」「まずどの取引先を狙うべきか」という段階からでも問題ありません。

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