月20件ほどまで落ちた現場数を戻すため、EPC・販売会社との新規口座を増やしたい施工会社の現在地
関西を拠点に、関東や中部でも太陽光発電設備の施工に対応する、ある専門工事会社がありました。協力会社のネットワークを持ち、以前は月70〜80件ほどの現場を動かしていた会社です。
ところが、社長が別事業に時間を割いたことで、現場数は月20件ほどまで減少。再び50〜60件を安定して回せる体制を目指していました。
既存の販売先への依存度が高く、社長が営業から離れると案件数も下がりやすい状態です。そのため、太陽光発電設備を販売する会社やEPC会社との新規口座を増やす必要がありました。
同社には、営業代行を利用した経験もありました。しかし、1年間取り組んでも、手応えのある成果にはつながりませんでした。
社長の言葉は率直です。
「アポイントの数が多いわけでもないのに、『何の話でしたっけ』『今日でしたっけ』という先が混じっていたんです」
新規開拓で本当に増やしたいのは、アポイントではありません。自社に合う販売先との口座を開き、現場を継続的に発注してもらうことです。
営業代行を比較するときも、このゴールから逆算して見る必要があります。
1週間で 15件の相談 がありました
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
- 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
- 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
- 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
- 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
- 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
- 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
- 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
- 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
- 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
- 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
- 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
- 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
- 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
アポイント件数は上がっても、対象外企業との面談で社長の時間だけが減る営業活動
アポイント獲得をゴールにすると、営業代行会社と依頼する建設会社の間で、成果の定義がずれやすくなります。
営業代行会社は、設定した件数を達成すれば活動実績を示せます。一方、建設会社が必要としているのは、施工案件を発注できる販売会社や元請けとの接点です。
両者の違いが整理されていないと、次のような面談が増えてしまいます。
- 自社施工で完結しており、協力会社を必要としていない会社
- 施工エリアが合わない会社
- 案件を持たない仲介会社
- 利益を確保しにくい取引構造の会社
- 面談の目的を十分に認識していない担当者
- 情報収集だけで、具体的な発注予定がない会社
アポイントとしては1件です。しかし、その面談には社長や営業責任者が参加します。現場確認、見積もり、社内調整を抱える中で、30分や1時間を確保しなければなりません。
相談した社長は、質の低い面談を「それ、拾えへんで、というトスでした」と表現していました。
一方、別の経路から紹介された案件については、「サーブを打とうと思えば打てるトスだった」と話します。実際、その紹介から全国規模の設備工事や地域の電気工事会社との接点が生まれていました。
違いは、単なる紹介件数ではありません。自社の施工領域、対応エリア、得意工事を理解したうえで接点がつくられていたことです。
面談の質が低ければ、営業を外注しても社長の営業工数は減りません。むしろ、対象外企業への説明と見極めに時間を使うことになります。
「とりあえずかける」が生む、業界理解・リスト精査・商談分析・追客の分断
受注につながらない原因は、電話担当者の話し方だけではありません。ターゲット設計から追客までが分断されていることにあります。
リストが業種名だけでつくられている
太陽光関連企業という条件だけで抽出すると、対象は約2,000社に及びます。しかし、そのすべてが施工会社の販売先候補になるわけではありません。
同社の場合、候補になり得るのは、たとえば次のような会社でした。
- 個人や法人へ太陽光発電設備を直接販売している会社
- 機器販売とEPCを手がける会社
- 売上が伸び、既存の施工体制では対応しにくくなっている会社
- 工場や社屋の屋根を使った産業用案件を持つ会社
- 同社の施工拠点と案件エリアが重なる会社
反対に、従業員数がごく少ない会社や、自社施工で完結できる会社は、優先度を下げる必要があります。間に複数の会社が入る取引も、利益面を考えると慎重な判断が必要です。
実際に、約2,000社から業態で500社弱まで絞り、さらに規模、販売方法、施工体制、対応エリア、売上の伸びを確認すると、優先候補は100社前後になりました。
社長はそのリストを見て、「これこれ。的外れではないですね」と反応しています。
リストの精度は、保有する企業データの量ではなく、誰を外し、誰を優先するかという仮説の質で決まります。
在宅か出社かではなく、誰を配置し、どう品質を管理するか
電話担当者が在宅で働いていること自体は問題ではありません。相談した会社でも、メーカー勤務経験のある在宅スタッフが、図面から設備設計を行っていました。
社長も「経験があり、品質を管理できるならオンラインでも構わない」と話しています。
問題は、建設業や対象工事への理解が浅い人を配置し、件数だけを消化する運用です。
施工店、販売会社、商社、EPC会社では、保有する案件も外注ニーズも異なります。「協力会社を募集していますか」と一律に聞くだけでは、相手の状況を引き出せません。
担当者には、少なくとも次の理解が必要です。
- 依頼企業が対応できる工事
- 対応エリアと施工能力
- 販売会社と施工会社の取引構造
- 相手が施工会社を必要とするタイミング
- 面談前に確認すべき発注量や案件種別
アポイント後の情報がリスト戦略へ戻っていない
商談を行うと、「成長中の販売会社は反応がよい」「EPC会社でも大型案件の繁忙期に需要がある」など、次の営業に使える情報が得られます。
ところが、電話担当、商談担当、戦略を決める担当が分かれ、情報が戻らないと、同じリストへ同じ電話を続けることになります。
「商談の中身を深掘りしたら、こちらの属性をもっと増やしたほうがよいと分かることもあります」
営業代行の価値は、電話をかけることではなく、商談で得た情報を次のターゲットと訴求へ戻せることにあります。
口座開設がゴールになっている
口座ができても、工事が流れてくるとは限りません。
相談した会社には、直接取引があり、相当額の資材を購入している商社がありました。経営者同士の関係もあり、施工協力店にもなっています。それでも、工事の発注は「半年に1本あるかどうか」でした。
この状態では、口座数が増えても現場数は増えません。案件状況を確認し、対応可能なエリアや工事を伝え、発注のタイミングを逃さない追客が必要です。
「つながった会社」と「仕事が継続的に流れる会社」は分けて管理する必要があります。
架電数ではなく受注への転換率で、営業代行を選び運用する評価設計
営業代行を選ぶときは、アポイント単価や架電可能数だけでなく、受注までの工程をどこまで担えるかを確認します。
確認したいのは、主に次の5点です。
1.狙う会社と狙わない会社を説明できるか
「建設会社へ電話します」「太陽光関連企業を抽出します」だけでは不十分です。
業態、企業規模、販売方法、対応エリア、成長性、自社施工の有無など、優先順位の根拠を確認します。候補リストを数社提示してもらい、自社が付き合いたい会社に近いかを契約前にすり合わせる方法も有効です。
2.リストを作って終わらず、1社ずつ実態を確認するか
データベース上の業種分類だけでは、現在の事業内容や施工ニーズまでは分かりません。
ホームページ、施工実績、販売対象、拠点、売上推移などを確認し、電話で現在の案件状況を確かめる運用が必要です。
3.担当者の業界理解と品質管理の方法が見えるか
担当者の雇用形態ではなく、経験、教育内容、管理者の確認方法を見ます。
「誰が電話するか」に加えて、次の点を聞いておくと判断しやすくなります。
- 建設業や対象工事をどう学ぶのか
- 面談化してよい条件が定義されているか
- 通話内容を誰が確認するか
- 面談の質が低い場合に何を修正するか
- 担当者ごとのばらつきをどう管理するか
4.商談内容を分析し、リストとトークを変えられるか
月次報告が「何件電話し、何件アポイントを取ったか」だけなら、改善材料が足りません。
反応のよかった業態、断られた理由、相手が抱える案件、施工会社を探す時期まで整理し、次月のリストとトークへ反映できるかを確認します。
5.口座開設後の追客まで役割に含まれるか
新規口座ができた後、誰が案件状況を確認するのかを決めておきます。
初回面談から、見積もり、条件調整、口座開設、初回受注、再発注までを一つの営業工程として管理することが大切です。
そのうえで、KPIも架電数やアポイント数だけに置かないほうが実態を把握しやすくなります。
- 有効商談率:実施した面談のうち、対象条件と具体的な発注可能性を確認できた割合
- 次回接続率:有効商談から、見積もり提示、案件情報の共有、再面談など次の約束へ進んだ割合
- 見積もり化率:有効商談から、具体的な工事条件を受け取り、見積もりへ進んだ割合
- 受注転換率:見積もりや口座開設から、初回工事を受注できた割合
- 継続取引への転換率:初回受注した会社のうち、再発注につながった割合
架電数は、活動量を把握するうえで必要です。ただし、それだけでは成果を判断できません。
営業代行のKPIは、「どれだけ電話したか」ではなく、「何社が次の工程へ進み、何社が継続的な販売先になったか」までつなげて設計します。
最初からすべてを完璧に決める必要はありません。まずは優先度の高いリストで動き、商談結果を見ながら対象を調整します。その改善を一緒に進められるかどうかが、営業代行を選ぶ重要な判断軸になります。
まとめ
アポイントが取れていても、受注につながらなければ、新規開拓の目的は達成できません。特に建設会社では、社長が見積もり、現場確認、取引条件の判断まで担っていることが多く、質の低い面談が増えるほど負担も大きくなります。
営業代行を選ぶ際は、次の流れがつながっているかを確認したいところです。
ターゲット設計、リスト精査、担当者の品質管理、商談分析、口座開設、追客、初回受注、継続取引までを一つの営業活動として見ることが重要です。
そして、成果指標も架電数やアポイント数だけでなく、有効商談率、次回接続率、見積もり化率、受注転換率、継続取引への転換率まで置きます。
営業代行は、電話業務を外へ出すだけのものではありません。自社だけでは止まりやすい新規開拓を、改善しながら継続するための機能として考えると、比較すべきポイントが見えやすくなります。
自社に合う販売先と営業の進め方を整理したいときに
「営業代行を使うべきか、紹介や既存取引先の掘り起こしを優先すべきか」「どの会社を狙えば、継続的な案件につながるのか」。この段階では、まだ営業手法を一つに決める必要はありません。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の案件獲得や元請け開拓について、ターゲット、営業リスト、商談後の追客まで横断して整理し、実行を支援しています。
「うちの場合は何から整理すべきか」という段階からでも、現在の取引構造や施工体制に合わせて次の一手を考えられます。無理に契約を勧めることはありませんので、営業活動を見直すきっかけとして気軽にお声がけください。




























