前提

約60社の営業先リストを持ちながら、次の動き方を決めきれていない10名弱の専門工事会社

首都圏で電気設備工事や内装関連工事を手がける、10名弱の専門工事会社があります。非住宅のビル、福祉施設、商業施設などが主な現場で、売上は1億円台半ばまで伸びてきました。

創業から数年が経ち、職人の採用も比較的順調です。一方、既存顧客の多くは会社がまだ小さかった頃から付き合ってきた取引先でした。施工体制が整ってきた現在は、受けられる工事の規模や量との間にずれが生まれています。

経営者の言葉では、「会社が少しずつ大きくなるにつれて、取引先も変えていかないと物足りなくなってきた」という状態です。

そこで、東京近郊を対象に企業データから約60社を抽出。売上規模が数億円から10億円前後で、ビルやマンションなどの電気設備工事を扱う会社に絞っています。業界の交流会にも参加し、元サブコン営業の外部人材にも新規開拓を任せています。

それでも残るのが、「候補企業は見えているが、誰に、何を伝え、どの順番で受注まで進めるかが定まっていない」という課題です。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
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課題

企業名を並べただけでは、面談と受注に至る営業活動へ変わらない状態

営業先リストは、新規開拓の入口にすぎません。会社名、所在地、売上高、従業員数が揃っていても、それだけで面談が生まれるわけではないためです。

この会社でも、企業情報を使った候補先の抽出自体はすでに終わっていました。ただし、「そこからは自分で営業しなければならない」という状況でした。経営者が現場管理や採用、既存顧客への対応も担う会社では、この“リストの次”が止まりやすくなります。

新規開拓を進めるには、少なくとも次の項目を決める必要があります。

  • 約60社のうち、どこから接触するか
  • 工事部門、調達部門、協力会社担当など、誰をキーマンとするか
  • 自社のどの施工実績や対応力を伝えるか
  • 電話、紹介、訪問など、どの接触方法を使うか
  • 初回接触後、いつ、何を材料に再連絡するか
  • 面談後、見積依頼や小規模案件へどう進めるか

営業先リストを受注につなげるには、企業情報を「接触先」「提案内容」「追客予定」まで具体化する必要があります。

とくに建設業では、面談ができても、すぐに発注されるとは限りません。案件の発生時期、自社班の空き、対応可能な工種、現場の場所、金額などが合って初めて具体的な話になります。そのため、最初の電話だけで成否を判断すると、将来の取引候補まで失いかねません。

背景

狙う会社の大きさと自社が受け切れる案件規模の整理が不十分なまま進む新規開拓

この会社が求めていたのは、単純に大手企業との取引を増やすことではありませんでした。

外部の営業人材からは、年間売上が100億円規模の会社へ挨拶に行く機会も生まれています。しかし、取引先が大きくなるほど案件も大きくなりやすく、自社の施工体制では受け方が難しくなる場合があります。

一方、既存顧客の中で「付き合いやすい」と感じていたのは、売上規模が数億円から10億円前後の設備工事会社でした。自社で対応できる案件規模と合いやすく、非住宅工事の経験も生かせるためです。

経営者も、「大きすぎると物件も大きくなり、難しいところがある」と話しています。さらに、特定の大口顧客だけへ依存するのではなく、複数社と付き合いながら案件の時期や金額を見て受注を判断したいという意向もありました。

つまり、必要なのはリストの件数を増やすことではありません。自社が無理なく受けられる案件を持ち、継続的な関係を築ける会社を優先することです。

また、外部営業人材が人脈から紹介する方法は一定の成果を上げていましたが、個人のつながりに依存しやすい面があります。反対に、業界を問わず大量に電話をかける営業代行には、自社の評判や費用対効果への懸念がありました。

「無限に電話をかけるような営業をされたら、かえって困る」という感覚は、専門工事会社として自然です。建設業の新規開拓では、接触件数だけでなく、自社の施工領域を理解したうえで、取引可能性のある相手へ丁寧に接触できるかが重要になります。

解決

約60社を優先順位づけし、キーマンへの接触から追客までを一つの営業工程にする仕組み

最初に行いたいのは、リストを増やすことではなく、現在ある約60社を受注可能性に応じて整理することです。

1.取引したい会社ではなく、取引を続けやすい会社から選ぶ

候補企業は、売上規模だけで判断せず、次の観点で優先順位をつけます。

  • 自社が得意とする非住宅工事を扱っているか
  • 電気設備工事や内装関連工事で協力会社を必要としているか
  • 自社の職人数と協力会社体制で受け切れる案件規模か
  • 現場の地域が通常の対応範囲に入るか
  • 既存の施工実績を提案材料として使えるか
  • 取引が一度きりではなく、継続する可能性があるか

この会社であれば、知名度の高い大手を無条件に優先するより、既存顧客の中で付き合いやすい数億円から10億円前後の会社を基準にする方が現実的です。

候補企業の優先順位は、相手の大きさではなく、自社の施工能力と案件規模が合うかで決めます。

2.会社単位ではなく、接触すべきキーマンまで決める

「会社の代表番号へ電話する」だけでは、協力会社の選定に関わる人へ届かないことがあります。営業前に、誰へ話を通すべきかを仮決めしておく必要があります。

対象は会社によって異なりますが、工事責任者、設備部門の責任者、協力会社の手配担当などが候補になります。既存の人脈がある場合は、直接案件を求めるより、まず担当者への紹介を依頼する方法も考えられます。

リストには会社情報だけでなく、次の欄を追加しておくと動きやすくなります。

  • 想定する担当部署・役職
  • 紹介経路の有無
  • 最初に伝える施工実績
  • 初回接触日と反応
  • 次回連絡日
  • 面談後の宿題

「どの会社へ連絡するか」から「誰に何を伝えるか」まで決まって、初めて営業リストが実行表になります。

3.自社紹介ではなく、相手が発注を検討できる情報を伝える

初回接触で会社の沿革や工事種目を広く説明しても、相手は発注の可否を判断しにくいものです。提案内容は、自社が対応できる仕事を具体的に伝える構成にします。

今回のような会社であれば、非住宅の電気設備工事を中心に、対応してきた建物用途、現場へ配置できる人数、協力会社を含めた施工体制、自社で対応できる範囲などが提案材料になります。

「学校でも福祉施設でも商業施設でも、対応可能な範囲であれば施工できる」という対応力は強みです。ただし、何でもできますと広げすぎるより、既存実績に近い工事から提示した方が、相手も発注場面を想像しやすくなります。

4.初回接触後の追客を予定として管理する

建設業の新規開拓は、最初の連絡時点で案件があるかどうかに左右されます。そのため、「今は案件がない」という返答を失注として扱わず、次に連絡する理由と時期を残します。

たとえば面談後には、対応可能な工事資料を送付し、一定期間後に案件状況を確認します。見積依頼に至らなくても、相手がどの規模・地域・工種の協力会社を求めているかを聞ければ、次回の提案精度を上げられます。

新規開拓は一度の電話で決めるものではなく、相手の案件発生時期まで関係を切らさない活動として設計します。

5.接触件数ではなく、面談化率と受注までの進捗を見る

営業活動の費用対効果を判断するには、電話件数だけでは不十分です。少なくとも、次の数字を月単位で確認します。

  • 接触した企業数
  • キーマンと会話できた企業数
  • 面談につながった企業数
  • 見積依頼を受けた企業数
  • 受注した企業数
  • 受注金額と見込利益

この記録があれば、「リストの選び方が悪いのか」「担当者へ届いていないのか」「面談後の提案に課題があるのか」を切り分けられます。

受注件数だけでなく、受注した工事が自社の体制や希望する利益に合っていたかも確認します。売上を増やすことが目的になりすぎると、受け切れない大型案件や利益の残らない仕事まで増える可能性があるためです。

6.自社営業・外部営業人材・営業代行は、役割から選ぶ

営業手段は、どれか一つに決める必要はありません。それぞれの役割を分けると判断しやすくなります。

  • 自社営業:施工実績や現場対応を深く説明し、面談後の関係を築く
  • 外部営業人材:既存人脈を使い、通常では会いにくいキーマンへの接点をつくる
  • 営業代行:対象企業への初回接触や面談設定を一定量、継続して行う

選定時に見るべきなのは、電話件数の多さではありません。対象企業の選定、トークの作成、面談後の情報共有、追客、受注までの数値管理をどこまで担うかです。

外部へ任せる場合も、「何件電話するか」ではなく、「自社に合う会社との面談と受注をどう増やすか」で費用対効果を判断します。

経営者がすべての営業活動を担う必要はありませんが、面談後の施工説明や条件確認は自社でなければ難しい部分です。初回接触は外部、具体的な提案は経営者や現場責任者というように、工程を分担する方法も現実的です。

まとめ

営業先リストを作ったのに受注へつながらないとき、候補企業の数が足りないとは限りません。止まっているのは、多くの場合、リストの後にある営業工程です。

必要なのは、次の流れを一つにつなげることです。

  1. 自社が受け切れる案件規模から対象企業を絞る
  2. 接触すべき部署やキーマンを決める
  3. 施工実績と対応力を相手に合わせて伝える
  4. 初回接触後の追客予定を残す
  5. 面談化率、見積化率、受注率を確認する
  6. 自社と外部人材の役割を分ける

営業リストは完成品ではなく、新規開拓を始めるための材料です。受注までの工程と担当者を決めることで、継続して改善できる営業の仕組みに変わります。

自社に合う新規開拓の進め方を整理したいときは

狙いたい会社の規模は見えていても、キーマンの設定や提案内容、追客方法、外部営業に任せる範囲まで自社だけで決めるのは簡単ではありません。「うちの場合は誰に何を伝えるべきか」「営業代行にどこまで任せるとよいか」という段階から整理できます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大を、候補企業の選定だけで終わらせず、営業工程や実行体制、費用対効果まで含めて支援しています。建設業の経営課題を解決し、未来をつくるパートナーとして、現場の施工体制に合った進め方を一緒に考えます。

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