30階規模のマンションでは数量拾いだけで1週間かかる内装工事会社の現在地
栃木県で軽量下地・ボード工事を中心に手がける、ある内装工事会社では、図面からの数量拾いが大きな負担になっていました。
物件規模によっては自社で拾うだけで数日かかり、30階規模のマンションで住戸タイプが複数ある案件では、1週間ほどを見込むこともあります。そこで外部へ依頼しても、完成までに時間がかかり、できたフロアから順に受け取るような進め方になっていました。
「図面を読み込ませたら、材料の数量まで一度に出てくるのが理想なんです」
求めているのは、既存の積算ソフトへ人が図面情報を入力する仕組みではありません。図面の読み取りから数量拾い、できれば材料表の作成まで、人が手を動かす工程そのものを減らしたいということです。
ただし、内装工事の拾い出しは単純な面積計算ではありません。得意先によって積算条件や提出形式が異なり、同じように見える部位でも、材料規格や拾い方が変わります。AI積算を検討する際は、この違いを前提に置く必要があります。
1週間で 15件の相談 がありました
- 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
- 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
- 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
- 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
- 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
- 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
- 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
- 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
- 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
- 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
- 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
- 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
- 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
- 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
外注しても納期と再確認が残り、AIに任せても正しさを判断できない状態
数量拾いを外注すれば、社内で図面を追う時間は減らせます。一方で、発注時には「ここはこの条件で拾ってほしい」と積算条件を伝え、納品後には数量が合っているかを確認しなければなりません。
海外で手拾いし、日本人が最終確認するサービスを利用した場合も、納期と確認作業は残りました。拾い出す作業を外へ移しただけでは、条件整理と検算の責任まではなくならないということです。
AIでも同じ問題が起こります。実際、見積項目を二つに分ける簡単な計算を生成AIへ依頼したところ、合計額は合っていても、それぞれの単価と数量を掛けた金額が一致しないことがありました。数百項目ある積算で同様の誤差が発生すれば、すべてを目視で確認するのは現実的ではありません。
そのため、目標を「AIが数量を出せる状態」だけに置くと不十分です。AIの出力が自社の積算条件に沿っているかを、短時間で検証できる状態まで設計することが必要です。
得意先ごとの条件と材料規格が担当者の頭の中に残る拾い出し業務
内装工事のAI積算が難しい理由は、図面が複雑だからというだけではありません。図面に書かれていない判断条件が、社内や得意先ごとに存在するためです。
例えば、同じような納まりでも、ある案件では40×40の規格を使い、別の得意先では40×45を使うことがあります。ゼネコンごとに積算や見積提出のシステムが異なる場合もあります。
こうした条件を外注先へ渡すには、担当者が一度図面を見て、拾い方を言葉にして伝えなければなりません。AIに任せる場合も同じです。過去図面だけを読み込ませても、なぜその数量や材料規格になったのかが分からなければ、自社らしい判断は再現できません。
AIに参照させる情報として、少なくとも次の対応関係を整理しておく必要があります。
- 得意先ごとの積算条件と提出形式
- 図面上の表記と、実際に採用する材料規格
- 自社で拾う範囲と、拾わない範囲の判断
- 過去図面と、最終的に確定した数量・材料表
- 担当者が修正した箇所と、その修正理由
大切なのは、図面の枚数を増やすことではなく、図面と正解を対にすることです。担当者が修正した最終データまで残っていれば、AIの出力と比較できます。
AI積算の精度は、AI製品の性能だけでなく、自社の積算条件をどこまで整理できているかで決まります。
対象工種を限定し、正解データとの比較から導入範囲を広げる進め方
AI積算は、いきなり全工種・全図面を自動化するより、対象を限定して検証する方が進めやすくなります。最初に決めるべきなのは、導入するシステムではなく、どの作業をどこまで減らしたいかです。
1.欲しい出力を先に決める
「積算をAI化したい」だけでは、必要な仕組みを定められません。まず、最終的に何を出したいのかを分けます。
- 図面からの数量だけを出したい
- 材料規格まで判定したい
- 材料表まで作成したい
- 得意先指定の形式へ反映したい
出力範囲が広がるほど、AIへ渡す条件と確認項目も増えます。最初の検証では、時間がかかっている一つの工種や一種類の図面に絞ることが現実的です。
2.過去案件から正解データをつくる
検証には、図面だけでなく、人が確認済みの数量や材料表が必要です。過去案件の中から、図面と最終データがそろっているものを選びます。
そのうえで、得意先の条件、採用した材料規格、途中で修正した点をひもづけます。条件が担当者の頭の中にしかない場合は、AI開発より先に、その判断を一覧化する作業が必要です。
正解データがなければ、AIの出力が合っているのか、偶然近い数字になっただけなのかを判定できません。
3.精度と時間を同時に比較する
AIの評価を数量の一致率だけで決めると、実務上の効果を見誤ります。次の項目を、人による拾い出し結果と比較します。
- 項目の抜けや重複がないか
- 数量の差がどれくらいあるか
- 材料規格の判定が合っているか
- 修正と確認に何時間かかったか
- 最終的に何時間の作業を減らせたか
完全一致を求めるのか、一定の誤差を人が補正する前提にするのかは、会社によって異なります。どの項目に、どこまでの誤差を許容するかを、検証前に決めておくことが重要です。
4.AIの認識と計算結果を分けて確認する
生成AIは、もっともらしい回答を出しても、計算過程が正しいとは限りません。図面から拾った長さや面積の認識と、その数値を使った集計・計算は分けて確認した方が安全です。
特に導入初期は、次のように人の確認工程を残します。
- AIが図面から数量候補を抽出する
- 自社条件に沿って材料規格を当てる
- 計算・集計結果を出す
- 担当者が差異の大きい箇所を確認する
- 修正内容と理由を次の検証データとして残す
AIにすべてを任せるのではなく、人が見るべき箇所を減らす仕組みとして始めることがポイントです。
5.効果を確認してから対象を広げる
一つの工種で精度と時間削減効果を確認できたら、別の図面や得意先へ対象を広げます。得意先が変われば積算条件も変わるため、一度精度が出たからといって、そのまま全案件へ適用できるとは限りません。
導入範囲を広げる判断では、次の三点を確認します。
- 人が拾う場合と比べて、確認を含む総作業時間が減ったか
- 誤差が見積金額や材料手配に与える影響を許容できるか
- 特定の担当者がいなくても条件を更新できるか
AI積算は、一度つくって終わるシステムではなく、修正結果を蓄積しながら自社の判断基準へ近づけていく仕組みとして考えると進めやすくなります。
まとめ
内装工事の数量拾いは、規模によって数日から1週間以上を要し、外注しても条件の伝達や納品後の再確認が残ります。AIを導入すれば、図面を読み取る作業は減らせる可能性がありますが、図面だけを渡して自動化できるわけではありません。
導入前に必要なのは、得意先ごとの積算条件、材料規格、自社独自の判断基準、過去図面と確定数量を整理することです。
そのうえで、対象工種や図面を限定し、正解データとの比較、人による確認、許容誤差の設定を行います。効果が確認できた範囲から広げれば、過剰な開発を避けながら、実務で使えるAI積算へ近づけられます。
目指すべきは完全自動化そのものではなく、何日もかかっていた拾い出しと確認を、経営上意味のある時間まで短縮することです。
自社の積算条件を整理するところから始めたい方へ
AI積算を検討していても、「自社の条件をどう整理すればよいか」「既存システムを使うべきか、自社向けに設計すべきか」がまだ決まっていないケースは少なくありません。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の業務を整理し、積算条件や過去データの確認、デジタル活用の範囲設定から実行まで支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、現場に合う進め方を一緒に整理します。
まだ構想段階でも問題ありません。無理にサービス導入を勧めることはありませんので、自社の場合に何から整理すべきかを確認したい段階でご相談ください。





























