前提

若手中心の電気工事会社で、外国人職人が半数近くになる成長前夜

首都圏で戸建てを中心に電気工事を手がける、千葉県のある会社があります。年商は7,000万円前後。現在は6名弱で動いており、近く外国人職人2名が加わって8名弱の体制になる予定です。

社員の多くは20代です。将来的には15名を超える規模を目指しており、協力会社に頼るだけでなく、自社職人を育てながら施工体制を広げたいと考えています。

一方で、外国人職人の比率は今後、半数近くになります。経営者から出てきたのは、次のような言葉でした。

「今は土台をつくる時期です。まず外国人職人を教育して、しっかり現場を納められるようになってもらいたいです」

いま優先すべきなのは採用人数をさらに増やすことではなく、すでに採用した職人が現場で力を発揮できる育成体制をつくることです。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
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課題

一人で対応できる戸建て現場にも、教育のため二人で入らなければならない状態

この会社が抱えているのは、外国人採用そのものの問題ではありません。教えられる社員の人数に対して、育成する職人の人数が増えていることが課題です。

通常なら一人で対応できる現場でも、新人を育てる期間は教育担当者と二人で入る必要があります。施工人数が増えても、すぐに受注できる現場量が増えるわけではありません。むしろ初期は、一人分の現場に二人分の人員を配置する場面が生まれます。

特に戸建て工事は、一軒ごとに現場が分かれます。本来なら社員を別々の現場へ向かわせたいところですが、教えられる社員が少ないため、教育担当者と新人をまとめて動かさなければなりません。

「現場が何個もあるので、それぞれに回ってもらいたい。でも、教える人が少ないから、まとめて動かさないといけないんです」

採用後の教育では、人数ではなく「一度に何人を教えられるか」という受け入れ容量が成長の上限になります。

背景

小規模現場を複数回る施工体制と、一定人数をまとめて育てたい事情のずれ

教育負担が大きくなる背景には、現在の施工体制があります。

戸建て工事は一件ごとの単価だけでなく、現場間の移動も発生します。複数の小規模現場を回るほど、教育担当者が新人の施工を継続して見られる時間も限られます。

そこで同社が検討しているのが、新築マンションやアパートなどの集合住宅です。単価や受注量だけが理由ではありません。

「大きな現場に何人か入れて、そこで教えながら見ていけるのであれば、今より育てやすいと思っています」

一つの現場に一定人数を配置できれば、教育担当者が新人の作業を確認しやすくなります。作業場所がまとまるため、現場を移動しながら個別に教える負担も抑えられます。

ただし、大きな現場であれば何でも教育に向くわけではありません。未経験の施工分野へ同時に挑戦すると、教える側も施工内容を整理し切れず、育成の難易度が上がります。

教育期間中の現場は、規模の大きさだけでなく「自社がすでに対応できる施工を、一定人数で繰り返せるか」で選ぶことが大切です。

解決

施工内容、配置、独り立ちの基準を先に決めてから、育成に向く現場を選ぶ進め方

育成体制は、立派な研修制度からつくる必要はありません。まずは、現場で教えている内容を会社としてそろえるところから始めます。

1.教える施工内容を絞り、手順と完成状態をそろえる

最初に決めたいのは、「何を教えるか」です。現在受注している電気工事を作業単位に分け、次の内容を整理します。

  • 作業を始める前に確認すること
  • 基本となる施工手順
  • 教育担当者が途中で確認する箇所
  • 手直しなく完了と判断できる状態
  • 新人だけで進めず、確認を求める場面

文章を増やすことが目的ではありません。現場で使える一枚の確認表などにまとめ、教育担当者によって教え方や完成基準が変わらない状態をつくります。

施工の標準化とは、すべてを細かくマニュアル化することではなく、手順と合格ラインを社内でそろえることです。

2.教育担当者と新人の組み合わせを決める

その日の都合だけで組み合わせを変えると、新人がどこまで教わったのか分かりにくくなります。育成期間中は、教育担当者と新人の組み合わせをできるだけ固定します。

同時に、教育担当者一人が無理なく見られる人数も決めます。外国人職人が4名いるからといって、4名全員を同じ速度で育てる必要はありません。まず担当者が継続して確認できる人数から始め、独り立ちした職人が出た段階で次の育成枠を空けます。

「何人採用できるか」ではなく、「教えられる社員一人につき何人を育てられるか」から配置を決めます。

3.複数の小規模現場より、一定人数をまとめられる現場を選ぶ

育成場所として集合住宅などを検討する場合は、次の観点で現場を見ます。

  • 教育担当者と新人を同じ現場に配置できるか
  • 自社が経験している施工内容が中心か
  • 同種の作業を繰り返し経験できるか
  • 一定期間、継続して入れるか
  • 教育担当者が施工状況を確認できるか

単価だけで選ぶと、教育担当者が工程対応に追われ、新人を見る余裕がなくなることがあります。育成期間中は、利益だけでなく、教育のしやすさも現場選定の判断軸に含めます。

4.「覚えてきた」ではなく、独り立ちの基準を決める

次の採用へ進むには、現在の外国人職人がどの段階にいるかを判断できなければなりません。「だいぶ覚えた」「そろそろ任せられそう」だけでは、配置や採用の判断が人によって変わります。

独り立ちの基準は、作業ごとに分けて設定します。

  • 指示された内容を理解して着手できる
  • 決めた手順で施工できる
  • 途中確認が必要な場面を判断できる
  • 自社の完成基準を満たせる
  • 教育担当者が付き続けなくても担当範囲を納められる

すべての施工を一人でできる状態まで待つ必要はありません。まずは「この作業なら任せられる」という範囲を増やします。

独り立ちは職人全体への評価ではなく、任せられる作業範囲で判断すると、現場配置に反映しやすくなります。

5.教育担当者の余力が戻った時点で、次の採用へ進む

同社は、外国人職人が育った後に、電気工事の知識を持つ日本人の即戦力採用を検討しています。その判断は、期間ではなく現場の状態で行うのが現実的です。

次の採用へ進みやすいのは、次の条件がそろったタイミングです。

  • 既存の外国人職人に、単独で任せられる作業がある
  • 一人で対応できる現場を、二人で回る場面が減っている
  • 教育担当者が次の新人を見る時間を確保できる
  • 増員後の職人をまとめて配置できる現場がある

次の採用は、既存社員が完全に育ち切った時ではなく、教育担当者の余力と配属先を確保できた時が目安です。

まとめ

外国人職人の採用後に教育が追いつかなくなるのは、本人の意欲だけで解決できる問題ではありません。教えられる社員の人数、現場の分散、施工内容、独り立ちの基準がつながって起きています。

まず取り組みたいのは、次の4点です。

  • 教える施工内容と完成基準をそろえる
  • 教育担当者と新人の配置を決める
  • 一定人数をまとめて育てられる現場を選ぶ
  • 作業ごとの独り立ち基準をつくる

採用を止めるか増やすかの二択ではなく、現在の教育容量を見えるようにすることで、無理のない成長速度を判断できます。

自社に合う教育体制と次の採用時期を整理するために

育成体制は、社員数や施工領域、現在入っている現場によって形が変わります。「うちの場合は誰を教育担当にすべきか」「どの現場ならまとめて育てられるか」といった段階から整理しても問題ありません。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。外国人職人の教育体制や、次の採用へ進む判断基準についても、現在の人員配置と案件状況から一緒に整理できます。

無理に施策や契約を勧めることはありません。ものづくりに集中できる体制をつくるための、次の整理先としてご活用ください。

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