前提

年間休日125日前後を掲げながら、現場ごとの休日出勤を代休で調整している建設会社の現在地

関東圏にある数十名規模の建設会社では、求人票に年間休日125日前後と記載していました。完全週休2日に近い日数で、数字だけを見れば、建設業の求人として十分に魅力があります。

実際、内勤部門はおおむね予定どおり休めており、現場部門でも複数人を配置し、土曜日に出勤した場合は平日に休めるよう調整していました。社員から「もっと休ませてほしい」という声が強く出ているわけでもありません。

一方で、休日の内訳を確認していくと、年間休日、休日出勤後の代休、有給休暇の計画付与が混在していました。社員からも、次のような言葉が出ています。

「自分が休んだのか、有給を使ったのか、代休だったのか、よく分からないんです」

休めていない会社というより、実際には休めているものの、その休みを会社として説明できる形に整理できていない状態でした。

採用情報を見直す際には、休日数を増やすことより先に、現在の運用を正確に言葉と数字へ置き換える必要があります。

1週間で 15件の相談 がありました

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  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
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  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
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  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
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  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
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課題

年間休日、有給、代休が一つの数字に混ざり、応募者へ説明できない求人票

採用上の課題は、年間休日125日前後という数字そのものではありません。その数字に何が含まれ、職種ごとに実際どの程度取得できているのかを、経営者や採用担当者が説明できないことです。

休日には、少なくとも次のような違いがあります。

  • 年間休日:会社の休日カレンダーで、あらかじめ働かない日として定めた休日
  • 有給休暇:年間休日とは別に、社員が保有する年次有給休暇
  • 代休:休日に勤務した後、別の日に休む運用
  • 有給休暇の計画付与:会社と社員側の取り決めに基づき、取得日を計画的に設定する運用

これらをまとめて「年間休日」と見せると、入社後に認識のずれが生まれやすくなります。応募者が年間休日125日を見れば、通常は「会社の休日が125日あり、さらに有給休暇を取得できる」と受け取るからです。

ところが、実際には土曜日の現場稼働があり、その代休や計画付与の有給休暇を含めた数字だった場合、「求人票と違う」という印象につながります。

採用では、数字が大きいことより、求人票、面接時の説明、入社後の運用が一致していることのほうが重要です。

実態より高く見える数字は、応募の入口では有利に働くかもしれません。しかし、入社後に違いが分かると、小さな疑問が会社への不信として残ります。休日制度が比較的整っている会社ほど、説明不足だけで評価を落とすのは避けたいところです。

背景

現場都合に合わせた柔軟な休暇運用が、部門ごとの実態を見えにくくしている構造

休日の内訳が曖昧になった背景には、建設業特有の現場運営があります。

この会社でも、会社の休日カレンダー上は土曜日が休みでも、現場は動くことがありました。その場合は休日出勤とし、平日に代休を取る運用です。さらに、有給休暇をなかなか申請しない社員がいるため、年に5日程度は会社側で取得日を設定していました。

休ませるための仕組みはあります。ただし、次の運用が並行すると、社員本人から見ても休暇の区分が分かりにくくなります。

  • 会社カレンダー上の休日
  • 現場都合による土曜日の出勤
  • 休日出勤後の代休
  • 個人が申請する有給休暇
  • 会社が取得日を設定する有給休暇

加えて、取得状況は一律ではありません。内勤部門は予定どおり休みやすい一方、現場部門では工期や担当現場によって差が出ます。一部には、交代要員がいても「自分が出なければ」と考え、責任感から出勤する社員もいました。

会社としては交代で休める人数を配置しており、無理に出勤させているわけではありません。それでも、個人の判断に休暇取得を委ねると、同じ部門でも取得日数に差が生まれます。

制度上の休日数、実際の取得日数、社員の休み方は別々に確認しなければ、休日制度の実態はつかめません。

一方で、「現場の状況によって休みは変わるが、複数人で担当しているため融通は利かせられる」という運用は、この会社の強みです。数字を大きく見せるより、こうした実際の働きやすさを整理して伝えたほうが、応募者にも納得されやすくなります。

解決

職種別の取得実績を確認し、年間休日と有給、代休を分けて示す見直し手順

休日制度の見直しは、求人票の年間休日を何日にするか決めることから始めるのではなく、社員が実際にどの区分で何日休んでいるかを確認することから始めます。

1.休日を三つの区分に分ける

まず、勤怠情報を次の三つに分けます。

  1. 会社カレンダー上の年間休日
  2. 休日出勤後に取得した代休
  3. 個人取得と計画付与を含む有給休暇

「休んだ日数」だけを集計すると、年間休日と有給休暇が混ざります。いつ休んだかだけでなく、何の休暇として処理したかを確認することが必要です。

総務が管理していても、経営者や社員が説明できないのであれば、区分を一覧で見られる形に整えます。少なくとも本人が、自分の有給残日数と代休の取得状況を確認できる状態が望ましいでしょう。

2.全社平均ではなく、職種・部門別に取得状況を見る

次に、内勤、施工管理、現場作業など、働き方が異なる単位で実績を確認します。

見るべき項目は次のとおりです。

  • 会社カレンダー上の休日数
  • 休日出勤の日数
  • 代休を取得できた日数
  • 有給休暇の取得日数
  • 代休や有給が残りやすい社員の偏り

全社員の8割が予定どおり休めていても、一つの部門や特定の担当者に休日出勤が偏っている可能性があります。平均値だけではなく、偏りまで見ることで、求人票に記載できる数字の根拠が明確になります。

3.現在の年間休日数を、内訳から組み直す

年間休日125日前後と記載していても、その中に有給休暇の計画付与分が含まれているなら、会社カレンダー上の休日とは分けて表現します。

例えば、会社として定めた休日が120日で、別に有給休暇の計画付与が5日あるなら、求人票でも両者を分けて記載する方法があります。現在の数字を維持することが目的ではありません。

多少数字が下がっても、根拠を説明できる年間休日数に直すほうが、入社後まで考えた採用では強くなります。

ただし、実績を確認した結果、ほとんどの社員が年間休日相当の日数を取得できているなら、その事実を根拠に掲載できます。重要なのは、感覚ではなく実績で判断することです。

4.現場部門は「土曜日に出勤する場合がある」まで明記する

現場都合を隠す必要はありません。土曜日に現場が動く可能性があるなら、そのまま伝えたうえで、会社の対応を続けて記載します。

例えば、次のような表現です。

  • 現場の工程により土曜日に出勤する場合があります
  • 休日出勤時は平日に代休を取得しています
  • 複数人で現場を担当し、交代で休める体制を整えています
  • 家庭の予定などに合わせ、休暇日を調整できます

この会社では、交代要員を配置できる人数があり、現場の状況に応じて柔軟に休めることが強みでした。建設業では、毎週必ず同じ曜日に休めることだけが働きやすさではありません。現場を止めずに休める体制も、十分に採用上の魅力になります。

5.求人票と面接で同じ説明ができる状態にする

最後に、求人票を作成する担当者だけでなく、面接を担当する経営者や部門責任者まで説明をそろえます。

応募者から「年間休日には有給が含まれますか」「土曜日に出勤した場合はどうなりますか」と聞かれたとき、誰が答えても内容が変わらない状態を目指します。

説明する項目は、次の程度に絞ると運用しやすくなります。

  • 会社カレンダー上の年間休日数
  • 職種ごとの休日出勤の有無
  • 代休の取得方法
  • 有給休暇の計画付与の有無と日数
  • 家庭都合などによる休暇調整の考え方

制度を立派に見せる必要はありません。現状と改善中の取り組みを分け、「以前より段階的に休みを増やしている」と伝える方法もあります。改善の途中であること自体より、会社として実態を把握し、説明できることが安心材料になります。

まとめ

求人票の年間休日と実態が合わない問題は、単純に「休みが少ない」という話ではありません。現場ごとの休日出勤、代休、有給休暇の計画付与が混在し、会社も社員も内訳を説明できなくなっていることが本質です。

見直しの順番は次のとおりです。

  1. 年間休日、有給休暇、代休を分ける
  2. 職種・部門別の取得実績を確認する
  3. 根拠を説明できる年間休日数へ組み直す
  4. 現場都合と会社の対応をセットで記載する
  5. 求人票と面接時の説明をそろえる

休日数を大きく見せることより、実態を正確に伝え、入社後の働き方まで想像できる求人票にすることが、応募者の信頼につながります。

現場によって休日が動く会社でも、交代要員を置けることや、家庭の予定に合わせて休暇を調整できることは強みになります。まずは今ある制度と運用を棚卸しし、自社らしい働きやすさを見つけるところからで十分です。

自社の休日制度を採用情報へどう落とし込むか整理したい方へ

年間休日、有給休暇、代休の内訳は、会社ごとの現場運営や人員配置によって異なります。「うちの場合は何日と書くべきか」「職種ごとに求人票を分けたほうがよいか」と迷う場合は、勤怠実績と現場の運用を並べて整理すると方向性が見えやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。休日制度の整理だけでなく、応募者に伝わる求人条件や面接時の説明まで一緒に組み立てることも可能です。

まだ課題が明確でなく、「何から確認すればよいか分からない」という段階でも問題ありません。状況を伺いながら次の整理先を考えます。無理にサービスを勧めることはありませんので、必要なタイミングでお声がけください。

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