前提

事務1人に紙・LINE・表計算の処理が集まる10名未満の内装工事会社

九州地方にある10名未満の内装工事会社では、経費申請、勤怠集計、協力会社の出面確認、現場ごとの原価管理などを、ほぼ1人の事務担当者が担っていました。

現場から経費の写真がLINEで送られ、事務担当者が内容を確認し、最後に社長が承認する流れです。勤怠や協力会社の出面も、紙の記録や電話で確認していました。現場別の材料費や労務費も、複数のファイルに分かれているため、リアルタイムでは把握できません。

この体制でも、担当者が毎日処理している間は業務が回ります。しかし、その担当者が突然退職すると、保存場所や処理手順、確認基準まで分からなくなります。実際に「事務員が急にいなくなって、社長も何を見ればよいのか分からなくなった」という状態に陥った会社もありました。

問題は事務担当者が1人であることではなく、その人がいなければ業務の流れを再現できないことです。 小規模な建設会社ほど事務を何人も配置するのは難しいため、人数を増やす前に、誰でも最低限の処理を続けられる形を整えておく必要があります。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
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課題

担当者の退職と同時に経費・勤怠・出面・原価の流れが見えなくなる状態

属人化した事務では、情報だけでなく、判断と権限も1人に集中しています。

たとえば、経費精算で必要な作業は領収書の入力だけではありません。「どの現場の経費か」「何の費目にするか」「不明点を誰に確認するか」「社長へいつ承認を回すか」といった判断があります。勤怠や出面も同様で、記録の抜けを誰に確認し、締め日に間に合わせるかまで担当者の経験に支えられています。

属人化は、主に次の3つが重なって起こります。

  • 紙、LINE、表計算などに情報が散らばっている
  • 入力項目や確認基準が決まっておらず、担当者が都度判断している
  • 承認や修正、データ出力の権限が特定の人に集中している

情報の所在、処理の判断、操作権限のいずれかが個人に閉じていると、担当者が不在になった時点で業務が止まります。

厄介なのは、社長から見ると「今は処理できている」ため、問題が見えにくいことです。事務担当者は紙やLINEの内容を頭の中でつなぎ、足りない情報を電話で補いながら処理しています。その見えない調整が多いほど、引き継ぎの難度は高くなります。

背景

入力場所・判断基準・承認権限が担当者の頭に残る業務設計

事務の属人化は、単にシステムを導入していないから起こるわけではありません。既存の勤怠アプリや経費精算ツールを導入していても、それぞれが分かれていれば、最後に誰かが情報を集め直すことになります。

ある会社では、協力会社に「何人が何日出勤したか」を毎回電話で確認していました。別の会社では、経費の写真をLINEで受け取り、事務担当者が内容を転記してから社長へ承認を回していました。現場別の原価も紙のファイルで管理されていたため、材料費や労務費が予算を超えていても、確認できる頃には対応が遅れてしまいます。

紙やLINEが悪いのではなく、それらを見て次に何をするかが担当者しか分からないことが課題です。

また、機能を増やせば解決するとも限りません。位置情報を使った勤怠など、便利に見える機能でも、現場や端末によって精度に差が出ます。実際には不要と判断され、機能を外すケースもあります。

「できる機能」を基準にすると、現場が使わない仕組みになりやすくなります。見るべきなのは、次の2点です。

  • その処理が止まると、請求、支払い、給与、現場管理のどこに影響するか
  • その処理に毎日・毎月どれだけ時間がかかっているか

属人化解消の目的は高機能なシステムを持つことではなく、担当者が変わっても同じ手順と基準で処理できる状態をつくることです。

解決

業務の棚卸しから共通画面・権限・引き継ぎまでを小さく標準化する仕組みづくり

最初に行いたいのは、システム選びではなく、現在の業務フローの棚卸しです。経費、勤怠、出面、原価を一度に作り替える必要はありません。まずは、止まったときの影響が大きい業務から整理します。

1.担当者の作業ではなく、業務の流れを書き出す

直近1か月の処理を見ながら、業務ごとに次の項目を並べます。

  • 誰が情報を出すのか
  • どこへ入力・送信するのか
  • 誰が内容を確認するのか
  • 誰が承認するのか
  • どこへ保存するのか
  • 月に何時間かかっているのか
  • 担当者が不在なら誰が代行するのか

「事務担当者が経費を処理する」では不十分です。「現場担当者が領収書を提出し、事務担当者が現場名と費目を確認し、社長が承認する」と分けることで、どこが個人の判断に依存しているかが見えてきます。

人を起点に仕事を見るのではなく、情報の発生から承認・保存までを一つの流れとして整理することが第一歩です。

2.入力項目と確認基準をそろえる

次に、誰が入力しても同じ情報がそろう状態をつくります。たとえば経費申請なら、日付、現場名、金額、費目、領収書画像、申請者を必須項目にします。協力会社の出面なら、現場名、会社名、作業者、出勤日を共通項目にします。

入力項目が決まっていれば、事務担当者がLINEや電話で不足情報を聞き直す回数を減らせます。判断が必要なものは、「現場名が不明なら申請者へ戻す」など、簡単なルールとして残します。

3.正本となる情報の置き場所を一つにする

LINEは連絡手段として便利ですが、過去の申請を探したり、現場別に集計したりする用途には向いていません。紙も一覧性や即時性に限界があります。

そのため、LINEは通知、紙は証憑、表計算や業務画面は管理の正本というように、情報の役割を分けます。 最終的に何を見れば正しい情報が分かるのかを一つに決めることが重要です。

最初からフルオーダーのシステムを作る必要はありません。既存の表計算でも、入力項目と保存先、閲覧権限が統一されていれば、属人化はかなり軽減できます。そのうえで、転記や集計に時間がかかる部分が明確になった段階で、アプリ化や自動連携を検討すると投資判断がしやすくなります。

4.利用者ごとに画面と権限を分ける

現場担当者、事務担当者、社長では、必要な機能が異なります。

  • 現場担当者は、スマートフォンから経費や勤怠を入力する
  • 事務担当者は、不備の確認と集計を行う
  • 社長は、承認と現場別の原価・異常値を確認する

現場側の画面は、入力項目を増やしすぎないことが大切です。一方、社長や管理側には、現場別の原価や未承認件数など、判断に必要な情報をまとめます。

全員に同じ画面を見せるのではなく、役割ごとに必要な操作だけを表示するほうが、引き継ぎやすく、誤操作も防ぎやすくなります。

5.退職を前提にアカウントと引き継ぎ手順を整える

退職時に慌てないためには、共有パスワードではなく個人別のアカウントを発行し、役割に応じて閲覧・入力・承認の権限を設定します。管理者権限を1人だけにせず、会社側で複数名が管理できる状態も必要です。

退職時の手順として、少なくとも次を決めておきます。

  • アカウントを停止する担当者
  • 未処理の申請や承認を確認する方法
  • 保存データを会社側へ残す方法
  • 後任者へ権限を付け替える方法
  • 月次業務の締め日と確認先

引き継ぎ資料は、一度作って終わりではありません。実際に社長や別の社員が手順を見ながら処理し、分からない箇所を直すことで使えるものになります。

6.削減時間と停止リスクで導入範囲を決める

仕組み化の優先順位は、「何ができるか」より「どれだけ業務が軽くなり、止まりにくくなるか」で決めます。

たとえば、毎日1時間かかっている転記や電話確認を減らせれば、月単位ではまとまった時間になります。一方で、利用頻度が低い機能や、現場で使いにくい機能を追加しても効果は限られます。

止まったときの影響、現在かかっている時間、現場での使いやすさの3点で優先順位を決めると、必要以上に大きな仕組みを作らずに済みます。

まとめ

事務担当者への業務集中は、小規模な建設会社では珍しくありません。ただし、1人で担当することと、その人しか処理できないことは別の問題です。

まずは経費、勤怠、協力会社の出面、原価管理について、情報の発生から承認・保存までを書き出します。そのうえで、入力項目、確認基準、保存場所、承認権限、代行者をそろえていきます。

属人化解消のゴールは、担当者を不要にすることではなく、担当者が休んでも辞めても、会社として同じ業務を再現できる状態です。 システムはそのための手段であり、表計算や既存ツールで十分な場合もあります。

最初からすべてを変えず、止まると影響が大きい業務から一つずつ整えるほうが、現場にも定着しやすくなります。

事務担当者が不在でも回る業務体制の整理

「うちの場合は、どの業務から整理すべきか」「紙やLINEを残したままでも仕組み化できるか」と迷う段階でも、業務フローを確認することで優先順位は見えてきます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行できる状態づくりを支援しています。システム導入を前提にせず、既存の表計算やツールを活かす方法も含めて検討します。

無理にサービスを勧めることはありません。まずは現在どこに情報と判断が集中しているのかを整理したい、という段階からお話しいただけます。

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