前提

監督6〜7名がほぼフル稼働のなか、年間売上に匹敵する大型案件を見積中の建設会社

兵庫県で住宅や工場、倉庫の新築・改修を手がける、売上10億円前後の建設会社があります。施工は約80社の協力会社と連携し、自社の現場監督6〜7名が工程・品質・安全などの管理を担っています。

既存の現場だけで監督の稼働はほぼ埋まっており、仕事を増やそうと思えば声をかけられる取引先もあります。ただ、現場を管理する人が足りないため、積極的に受注を増やしていません。

その状況で、年間売上に匹敵する規模の大型案件が持ち上がりました。受注できた場合の工期は1年半ほど。施工そのものは協力会社へ依頼できますが、規模が大きく、既存の監督を2名配置しても管理人員が不足する見込みです。

経営者の希望は明確でした。

「受注できたら、即戦力の現場監督を契約社員のような形で一人確保したい。ただ、まだ案件が決まっていないので採用を始めていません」

案件は欲しい。しかし、受注できても管理できなければ引き受けられない。かといって受注前に採用すれば、人件費だけが先に発生する。大型案件を狙う会社ほど起こりやすい悩みです。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
建設業界のプロ人材による360度経営支援 資料ダウンロード
課題

受注後では即戦力が間に合わず、受注前では固定人件費が先に立つ採用時期の迷い

大型案件の採用で難しいのは、受注決定と人員配置のタイミングが一致しないことです。

受注が決まってから求人を出せば、不要な人件費を抱えるリスクは抑えられます。一方、経験のある施工管理人材が、求人を出してすぐに見つかるとは限りません。採用できても、入社日の調整や現場情報の共有が必要です。受注決定から着工までの猶予が短ければ、配置が間に合わない可能性があります。

反対に、受注前から雇用を確定させれば、必要な時期に人員を置きやすくなります。ただし、失注した場合には、担当させる現場がないまま固定人件費を負担することになります。

ここで避けたいのは、採用を「今すぐ雇うか、受注後まで何もしないか」の二択にすることです。

受注前に始めるべきなのは、必ずしも雇用そのものではありません。必要な人材の定義、採用経路の選定、候補者との接点づくりは、受注未確定の段階から進められます。

特に今回のように、既存監督がすでにパンパンで、受注できれば追加人員が必要だと分かっている場合、受注決定後に初めて採用方法を検討するのでは時間が足りません。

背景

施工は協力会社に任せられても、大型現場の管理だけは自社で増員が必要な受注構造

この会社のボトルネックは、職人や協力会社の数ではなく、施工管理を担う自社人材です。

工場や倉庫の案件を増やすための営業余地はあります。既存のつながりから「仕事が欲しい」と伝えれば、案件を紹介してもらえる関係もできています。それでも受注を増やしていないのは、現場監督がすでに高い稼働率で動いているからです。

大型案件についても、実際の施工は協力会社へ任せられます。しかし、発注者との調整、工程管理、品質管理、安全管理などは自社で持つ方針です。そのため、協力会社を増やすだけでは受注余力が生まれません。

「仕事がない」のではなく、「仕事を管理できる人がいない」状態では、営業を強めるほど現場側の負荷が高まります。

採用を決める際は、案件金額の大きさだけでなく、次の点を分けて考える必要があります。

  • 新たに必要なのは現場代理人なのか、既存監督を補佐する担当者なのか
  • 着工時から必要なのか、工事が本格化する段階から必要なのか
  • 対象案件だけの配置なのか、その後も別現場で必要なのか
  • 既存監督の配置を組み替えても、本当に一人足りないのか
  • 失注した場合に、その人へ任せられる別の現場があるのか

今回の会社では、既存監督を2名入れても足りず、自社管理を維持するには追加の即戦力が必要でした。加えて、現在の現場もすでに埋まっています。こうした状況では、採用は単なる大型案件対策ではなく、今後の受注上限を引き上げるための体制整備でもあります。

解決

採用日ではなく「探索開始日・雇用判断日・配置日」を分けて決める採用計画

採用時期は、一つの日付で決めるより、候補者を探し始める時期、雇用を判断する時期、現場へ配置する時期の三つに分けると整理しやすくなります。

1.必要な役割を先に固定する

最初に決めたいのは、「現場監督を一人採用する」という人数ではなく、その一人に何を任せるかです。

今回のケースでは、施工は協力会社が行い、自社で管理人員を追加する必要がありました。そこで、既存監督と新規採用者の役割を分けます。

  • 発注者との折衝を担うのは誰か
  • 工程・品質・安全のうち、どこまで単独で任せるか
  • 現場経験や資格はどの水準まで必要か
  • 既存監督の補佐から始められるのか
  • 着工時点から即戦力として動く必要があるのか

単独で大型現場を管理してほしいなら、採用難易度は上がります。一方、既存監督2名を支える役割であれば、候補者の幅を広げられる可能性があります。

「即戦力」という言葉を、任せる業務まで分解することが、採用時期と採用手段を決める出発点です。

2.案件の確度ではなく、必要配置日から逆算する

次に、受注決定日ではなく、現場で人が必要になる日を基準にします。

見積提出から受注決定まで数週間あり、決定後すぐに現場が動く場合、受注後に求人媒体を比較し始めるのでは間に合いません。受注未確定の段階でも、次の準備は進められます。

  • 募集する役割と必要経験の整理
  • 正社員と有期契約のどちらが合うかの検討
  • 求人媒体や人材紹介など、採用経路の比較
  • 候補者に説明する案件内容と入社時期の整理
  • 受注した場合、失注した場合の配置案の作成

そのうえで、受注確度が上がった段階から候補者との面談を進め、正式な雇用条件の提示時期を判断します。

受注前は採用準備と候補者探索、受注の見通しが立った段階で最終判断、受注後は配置に集中する流れが現実的です。

3.案件期間と受注後の仕事で雇用形態を選ぶ

雇用形態は、目先の採用しやすさだけでなく、案件終了後も仕事を任せられるかで選びます。

正社員が合いやすいのは、対象案件が終わった後も工場・倉庫案件を増やし、継続的に施工管理体制を厚くしたい場合です。現在の監督がすでにフル稼働で、追加案件の引き合いもあるなら、一つの案件が失注しても別の役割を持たせられる可能性があります。

一方、対象案件の期間が明確で、その後の仕事量がまだ読めない場合は、契約社員などの有期雇用を検討しやすくなります。今回のように1年半ほどの大型案件で、一時的に管理体制を補強したい場合には、期間と役割を合わせやすい選択肢です。

判断の目安は次のとおりです。

  • 案件終了後も監督不足が続くなら、正社員を軸に考える
  • 特定案件だけの増員なら、有期の契約社員を軸に考える
  • 受注確度がまだ低いなら、雇用確定より先に候補者探索を始める
  • 失注時にも別現場へ配置できるなら、受注前採用のリスクは下がる

雇用形態は「案件が確定しているか」だけでなく、「案件終了後にも役割が残るか」で決めることが大切です。

4.監督がパンパンなら、営業拡大より先に施工管理体制を整える

仕事を増やせる取引先がすでにあり、既存監督の稼働が埋まっている会社では、営業より採用の優先順位が高くなります。

営業によって見積依頼を増やしても、管理人員がいなければ受注できません。無理に引き受ければ、既存現場へのしわ寄せも生まれます。

この場合、採用によって一人分の受注余力をつくってから、その余力に合わせて営業を広げる順番が自然です。

受注機会があり、施工体制もあるのに、現場監督だけが足りない会社では、採用が売上拡大の前提になります。

まとめ

大型案件に備えた現場監督の採用は、受注前か受注後かだけでは判断できません。必要な役割、配置時期、案件期間、既存監督の稼働状況、失注した場合の配置先まで整理する必要があります。

今回のように、既存監督がほぼフル稼働で、大型案件を受注すると明らかに管理人員が不足する場合、受注決定まで何もしないのは得策ではありません。ただし、受注前から雇用を確定させる必要があるとも限りません。

受注未確定の段階から募集要件と採用経路を整え、候補者探索を始めておく。受注確度が上がった時点で雇用判断を行い、決定後は配置に集中する。この段階設計が、機会損失と固定人件費の両方を抑える考え方です。

正社員か契約社員かについても、一つの大型案件だけを見るのではなく、その後も現場監督が必要かどうかで判断すると、自社に合った選択肢が見えやすくなります。

大型案件に合わせた施工管理体制を整理したい方へ

大型案件の採用では、求人媒体を選ぶ前に「誰を、いつから、どの役割で配置するか」を整理する必要があります。受注確度や既存監督の稼働状況によって、採用を始める時期も、正社員と有期契約のどちらが合うかも変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「うちの場合は受注前から動くべきか」「何から整理すればよいか分からない」という段階でも問題ありません。

状況を伺ったうえで次の整理先を一緒に考えます。無理にサービスを勧めることはありませんので、必要なタイミングでお声がけください。

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