前提

採用と営業が動き始める一方、工場と施工管理の余力が限られている北陸の内装・家具会社

北陸地方で店舗内装や造作家具を手がける、40名弱の建設会社があります。設計事務所との関係づくりが進み、新しい営業先からも一定の受注が入るようになってきました。まだ開拓できていない取引先も多く、営業面だけを見れば伸ばせる余地があります。

採用活動にも手応えがあり、高校や専門学校、大学から複数の応募が集まり始めています。隣接する建物が空く予定もあり、工場を拡張して製作能力を高める構想も出ています。

ただし、現状の工場では塗装工程が上階にあり、製作物を上げ下ろししなければなりません。経営者からは「できれば物が横に流れて、そのまま出荷できる工場にしたい」という声がありました。設備やレイアウト、人員体制には、まだ改善の余地が残っています。

営業機会は増えていても、施工管理、製作、塗装、出荷の能力が同じ速度で増えるわけではありません。 受注拡大を考えるときは、営業力だけでなく、会社全体の処理能力を同時に見る必要があります。

1週間で 21件の相談 がありました

  • 8月6日リフォーム会社千葉県高卒採用の相談
  • 8月6日工務店兵庫県業務効率化システムの相談
  • 8月6日総合建築広島県案件獲得の相談
  • 8月6日内装工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月5日設備保全会社滋賀県人材確保の相談
  • 8月5日プラント工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
  • 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
  • 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
  • 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
  • 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
  • 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
  • 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
  • 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
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課題

営業先を一気に広げると施工管理と製作部門が先に詰まる構造

受注を増やせる会社ほど注意したいのが、売上より先に現場が限界を迎えることです。

この会社でも、「営業先をいっぺんに開拓したら、こっちが大変になる」「何でも取ってきたらいいという話ではない」という認識がありました。過去には、仕事を流し込みすぎたことで社内が混乱し、うまく回らなくなった経験もあります。

特に負荷が集中しやすいのが施工管理です。製作担当者を増やせても、現場との調整、工程管理、図面確認、納まりの判断ができる人材はすぐには増やせません。外部人材を使う場合も、力量が合わなければ社内側の確認や手直しが増え、かえって「会社の中がワチャワチャになる」ことがあります。

受注上限を決めるのは、営業担当者の人数ではなく、最も先に詰まる工程です。 この会社では、施工管理者の人数、工場の製作能力、塗装と搬出の動線が、その候補になっています。

さらに、すべての案件が同じ負荷で終わるわけではありません。受注金額が同程度でも、図面や支給品に問題がある案件は、確認、加工、再運搬、現場調整に多くの時間を取られます。

売上額だけで案件を積み上げると、見かけの受注残は増えても、粗利と品質を守れなくなる可能性があります。 営業拡大の前に必要なのは、どこまで受けられるかと、何を受けるかの整理です。

背景

図面の不一致や支給品の不良が、見積もりに表れない手戻りを増やす実情

現場を圧迫する大きな要因は、契約時には見えにくい手戻りです。

たとえば、現場で取り付ける支給品の寸法が合わず、切断や再加工が必要になるケースがあります。現場では加工できず、工場へ持ち帰らなければならないこともあります。通常の取り付けを前提に見積もっていた仕事が、実際には「3倍くらい手間がかかる」状態になるわけです。

それでも、追加工事として認められるとは限りません。運搬費を出せないと言われたり、施工側の対応範囲として扱われたりすると、増えた工数を自社で抱えることになります。

同じように、次のような問題も起きています。

  • 図面と現場の寸法が一致していない
  • 支給品が想定どおりに納まらない
  • 塗装色や仕上がりの品質が合わない
  • 組み込み後に不良が分かり、部分交換では済まない
  • 責任の所在が曖昧なまま手直しを求められる

こうした案件は、製作時間だけでなく、施工管理者の判断時間も奪います。取引先との調整や追加費用の協議が増え、その間にほかの現場の管理が薄くなれば、品質低下や工程遅延にもつながります。

一方、設計段階から関与できる案件では、納まりや部材の使い方を事前にすり合わせやすくなります。この会社でも、造作家具は完成時の見た目を大きく左右する一方、設計者だけでは細部の納まりを判断しにくいため、設計事務所との関係が重要だと捉えています。

手戻りを減らすには、施工段階で頑張るより、設計段階から入り込んで条件を整える方が効果的です。 継続取引があり、互いの責任範囲を理解している設計会社や元請けとの案件は、単発の新規案件より負荷を予測しやすくなります。

そのため、この会社では、過去に問題が多かった取引構造の案件には「今は近づかない」という判断もしています。仕事を断ることが目的ではなく、限られた人員を、品質と利益を守れる案件へ振り向けるためです。

解決

受注上限と案件基準を先に決め、採用・設備投資に合わせて開拓する進め方

営業拡大は、人員、設備、生産能力、管理者数の見通しと連動させて段階的に進めるのが現実的です。

まず整理したいのは、月間売上の目標ではなく、各工程が処理できる仕事量です。少なくとも次の四つを確認します。

  1. 施工管理者一人が同時に管理できる現場数
  2. 工場が月内に製作できる数量や工数
  3. 塗装、保管、検品、搬出で滞留する量
  4. 図面確認や設計調整を担える人の処理量

このうち、最も余力が少ない工程が現在の受注上限になります。売上目標から逆算して無理に仕事を入れるのではなく、繁忙期や手戻りも含めて、その工程が無理なく処理できる範囲を基準にします。

受注上限は、設備や人員の最大能力ではなく、品質を落とさず繰り返せる能力で見積もることが大切です。 常に残業や応援要員を前提にした能力は、通常の受注枠には含めない方が安全です。

次に、採用と育成の時間差を織り込みます。新卒者を採用できても、すぐに一人で施工管理や納まりの判断を任せられるわけではありません。誰の下で何を学び、何年後にどの役割を担ってもらうかを組織図に置く必要があります。

たとえば、次のように営業開拓の段階を分けられます。

  • 現在は、既存取引先と設計段階から関われる案件を優先する
  • 新人の育成中は、新規営業先を限定して増やす
  • 施工管理を任せられる人が増えた段階で、次の営業先を開拓する
  • 工場拡張後は、改善した工程の能力を確認してから受注枠を広げる

営業先を一気に増やすのではなく、数社ずつ開拓して、実際にどこへ負荷が出るかを確認します。採用人数や工場面積が増えたことだけで受注枠を広げず、施工管理と設計調整まで含めて回るかを見ることが重要です。

案件を選ぶ基準も、社内で共有しておきたいところです。見るべきなのは売上額だけではありません。

  • 予定粗利を確保できるか
  • 図面と現場条件を事前に確認できるか
  • 支給品の品質責任が明確か
  • 不具合時の追加加工、運搬、手直し費用を協議できるか
  • 設計段階から納まりを提案できるか
  • 同様の案件が継続する見込みがあるか
  • 現場を丸投げされる取引構造になっていないか

優先したいのは、売上が大きい案件ではなく、粗利、手戻りリスク、責任分担を事前に読める案件です。 特に継続案件は、過去の実績から必要工数を見積もりやすく、改善も積み重ねられます。

受注前には、営業、施工管理、製作の担当者で短時間の確認を行い、「受けられるか」だけでなく「受けるべきか」を判断します。営業担当者だけに受注判断を任せないことが、社内混乱を防ぐポイントです。

まとめ

営業機会があることは、会社の強みが市場に認められている証拠です。ただし、受注を増やすほど現場が苦しくなる状態では、その強みを長く生かせません。

営業拡大の前には、施工管理、製作、塗装、出荷、図面確認のうち、どこが最初に詰まるかを把握する必要があります。そのうえで、採用・育成と設備投資の進み具合に合わせ、営業先を段階的に広げます。

営業、採用、育成、設備投資は、別々の計画ではなく、一つの受注能力計画として考える必要があります。

そして、案件選びでは売上額だけを見ず、粗利、手戻り、追加費用の扱い、取引先との責任分担を確認します。設計段階から関与できる案件や、条件を理解し合える継続案件を優先することが、品質と利益を両立しやすい進め方です。

取れる仕事をすべて取るのではなく、自社の能力を高めながら、きちんと利益を残せる仕事を増やすことが持続的な営業拡大につながります。

自社に合った受注上限と案件基準を整理したいときに

人員や工場の余力は把握できていても、それを営業計画や採用計画へ落とし込む段階で迷うことがあります。「うちの場合は何件まで受けられるのか」「どの案件を優先すべきか」という整理からでも問題ありません。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、採用、組織づくり、原価管理、デジタル活用を横断して整理し、実行まで支援しています。受注を増やすことだけを目的にせず、ものづくりに集中できる体制を一緒に考えます。

無理にサービスを勧めることはありませんので、まずは現在の受注状況や現場の詰まりを整理する場としてご活用ください。

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