前提

戸建リフォームで手一杯の中、住宅市場の先細りを見て商業施設へ目線が向き始めている会社の現在地

中国地方で戸建リフォームや内装まわりを手がける、10名台規模の専門工事会社の相談です。

今の仕事は回っています。むしろ忙しい状態です。小さな修繕や住宅リフォームが重なり、社長自身も現場に入り、安全大会や打ち合わせにも出ています。

ただ、先の見通しには引っかかりがあります。

「住宅は確実に減っていくのは分かっていて、商業店舗とかにシフトしていかないといけない気持ちはあるんです」

この感覚は、多くの地域の建設会社に近いものがあると思います。戸建住宅の新築・リフォームだけで十分に仕事があった時代から、少しずつ流れが変わっています。金利上昇で住宅取得の心理的なハードルも上がっています。

一方で、非住宅や商業施設に進むには、今の体制のままでは不安があります。

いま忙しい会社ほど、新しい工事領域に進む判断が難しくなります。目の前の仕事はある。けれど、先の柱もつくらないといけない。この板挟みが出発点です。

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  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
  • 6月8日防水工事会社兵庫県
  • 6月8日電気設備工事会社神奈川県
  • 6月8日内装工事会社大阪府
  • 6月5日リフォーム会社愛知県
  • 6月5日プラント工事会社香川県
  • 6月5日ビルメンテナンス兵庫県
  • 6月5日内装工事会社長崎県
  • 6月4日防水工事会社東京都
  • 6月4日内装工事会社東京都
  • 6月3日総合建築埼玉県
  • 6月3日空調設備工事会社香川県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

仕事が先か人が先かを決めようとすると、どちらにもリスクが見えて動きにくくなる

非住宅や商業施設に進むとき、一番悩ましいのは「仕事が先か、人が先か」です。

先に案件を取りに行けば、受注できたときにさばき切れない不安があります。社長が今でも現場を見ている会社なら、なおさらです。

「仕事をこなすのは、なんとかこなせると思うんです。ただ住宅関係も、小さいのがいっぱいあるんで。トイレだけ、コンセントだけとか。相当な労力がかかっているんですよね」

この言葉には、現場の実感があります。

住宅の小工事は、金額以上に手間がかかります。現調、段取り、職人手配、近隣対応、追加確認、請求。ひとつひとつは小さくても、数が増えると管理者の時間を削ります。

では、先に人を採ればよいか。

それも簡単ではありません。固定費が増えます。しかも、非住宅に入れる人なら誰でもよいわけではありません。

「非住宅に入れる人間って限られてくるんです。グリーンサイトやキャリアアップ、書類関係が厳しくなるんで」

「100人おって20人もおらんのじゃないかなと思うんです」

ここが住宅リフォームとの違いです。腕がある職人でも、書類・登録・現場ルールへの対応を嫌がることがあります。「そこまでせんでも仕事はある」という感覚もあります。

つまり課題は、人を採るか仕事を取るかの二択ではありません。新しい領域を受けられる最小限の体制をどこまで先に持つか、という設計の問題です。

背景

住宅だけで十分だった地域でも、非住宅へ進むには書類対応と現場管理の壁がある

この会社が迷っている背景には、地域の仕事の変化があります。

これまでは住宅だけで十分に仕事がありました。地元には建築会社も多く、戸建やリフォームの仕事も回っていました。社長自身も、少し特殊な工事や細かな対応を積み重ねてきました。

「今日も天カセのエアコンの仕事台の交換をしたり、ちょっと特殊なことばっかりやっているんで。僕の代わりもいないですし、いっぱいっぱいで仕事を回している感じなんです」

この状態で商業施設に入ると、現場の性質が変わります。

住宅では、社長の経験と職人の融通で回せる場面があります。ところが非住宅では、元請や施設側のルールが強くなります。入場管理、グリーンサイト、建設キャリアアップシステム、作業員名簿、資格確認、安全書類。こうした手続きが前提になります。

現場で手を動かせる人がいても、非住宅の現場に入る準備ができていなければ戦力化しづらい。ここに壁があります。

また、地域の内装会社を見ると、自社で職人を20人抱えている会社ばかりではありません。外注を組み合わせて仕事をこなしています。だから、全員を社員化する必要はありません。

一方で、すべてを外注に任せるのも危ういです。

「即戦力が1人だけでも関われれば、全然終わらせられると思うんです。あとは外注だけで」

この感覚は大事です。

非住宅参入で社内に必要なのは、大人数の職人部隊ではなく、まずは現場を受け止めて外注を動かせる管理機能です。

解決

先に大きく採用するのではなく、最小限の管理機能と試せる案件条件を決めてから動く

進め方は、いきなり大きく人を採ることではありません。逆に、何の受け皿もないまま案件だけ取りに行くことでもありません。

最初に決めたいのは「この条件なら受ける」「この条件なら今は見送る」という社内の線引きです。

まず整理したいのは、社内に最低限持つべき機能です。

非住宅や商業施設に入るなら、少なくとも次の役割は社内側で握っておきたいところです。

  • 元請や施設側との窓口になる
  • 工程と職人手配を組む
  • グリーンサイトやキャリアアップなどの書類対応を確認する
  • 外注先の入場可否を事前に見る
  • 追加・変更・トラブルの判断をする
  • 社長に全部戻さず、現場を前に進める

これは、必ずしも何人も必要という話ではありません。相談企業でも「現場の管理者みたいなのが一人おれば、展開は変わってくる」という感覚がありました。

最初の一手は、職人を何人も抱えることではなく、非住宅の現場を社内で管理できる1人を置けるかどうかです。

次に、外注で補える範囲を分けます。

施工そのものは、外注で組める部分があります。地域の内装会社でも、多くは外注を組み合わせています。ただし、誰でもよいわけではありません。非住宅に入るなら、書類対応や入場登録に前向きな職人・協力会社を把握しておく必要があります。

ここを曖昧にしたまま案件を取ると、受注後に「入れない」「登録できない」「書類が揃わない」という詰まり方をします。

そのうえで、試験的に受ける案件の条件を決めます。

たとえば、最初から大きな商業施設を丸ごと狙うのではなく、管理範囲が見えやすい案件から始める考え方です。

  • 工程が極端に短すぎない
  • 書類要件が事前に確認できる
  • 外注先の入場条件が読める
  • 住宅の小工事が集中する時期と重ならない
  • 社長がすべて抱えなくても進められる
  • 粗利だけでなく管理工数も見合う

この条件を決めておくと、営業も採用も判断しやすくなります。

「商業施設をやる」と大きく構えると重くなります。けれど、「この条件の小さな非住宅案件を1件試す」と置き換えると、現実的になります。

最後に、余力をつくることです。

相談の中で、印象的な言葉がありました。

「余力がないと、結局トラブルになるんで」

これは本当にその通りです。

新しい領域は、初回から想定通りには進みません。書類で止まる。職人の段取りが変わる。施設側のルールで手戻りが出る。だから、最初の案件ほど余力が必要です。

余力は、人員だけでなく、社長の時間にも必要です。安全大会や細かな現場対応をすべて社長が担っている状態では、新しい案件の判断に時間を割きにくくなります。

非住宅参入の準備は、採用だけではありません。社長に集中している判断・現場管理・対外対応を少しずつ分けることも、同じくらい大事です。

まとめ

戸建リフォーム中心の会社が、商業施設や非住宅に進むとき、「仕事が先か、人が先か」は自然に出てくる悩みです。

ただ、この問いをそのまま二択で考えると、動きにくくなります。

仕事を先に取りすぎると、さばき切れない。人を先に抱えすぎると、固定費が重くなる。しかも非住宅では、グリーンサイトやキャリアアップなど、住宅とは違う現場ルールへの対応も必要です。

だからこそ、最初に見るべきは大きな採用計画ではありません。

社内に最低限の現場管理機能を置けるか。外注で補える範囲はどこか。最初に試す案件の条件は何か。トラブルを防ぐ余力をどう作るか。

ここが整理できると、「いま採るべき人」も「いま取りに行くべき仕事」も見えやすくなります。

新しい領域に進むことは、今の仕事を否定することではありません。住宅リフォームで培った対応力を活かしながら、次の柱を小さく試す動きです。

忙しい今だからこそ、いきなり大きく変えるのではなく、受けられる形を先に設計することが大切です。

自社の場合の進め方を一度整理したいときは

非住宅や商業施設に進むべきか。先に人を採るべきか。まず案件を取りに行くべきか。

このあたりは、会社の現場体制、協力会社、社長の稼働、既存の住宅案件の量によって答えが変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。新しい工事領域に進む前の体制整理や、必要な人材像の言語化、案件を受ける条件づくりも一緒に考えられます。

「うちの場合は、仕事が先なのか人が先なのか分からない」という段階でも大丈夫です。無理に何かを進める前提ではなく、今の状況を整理するところからお話しできます。

ものづくりに集中できる建設業界へ。必要なときに、次の整理先としてご活用ください。

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