前提

売上3億円弱まで伸びる一方、現場経費の上昇に利益を削られている少人数の内装工事会社

埼玉県南部に拠点を置く、5名規模の内装工事会社があります。主力は、マンションの買取再販物件における内装一式工事です。解体から仕上げまでまとめて請け負えること、仕上がりがきれいでクレームが少ないことを強みに、長年付き合いのある発注元から安定して受注しています。

仕事量は十分にあり、対応しきれず断る案件もあるほどです。売上も数年間で3億円弱まで伸びました。それでも、経営者の実感は売上ほど明るくありません。

「売上だけ伸びても、利益率が悪いんです。半分の売上でも利益が上がるなら、そのほうがいいと思っています」

材料価格と職人の手間賃が上がる一方、発注単価の改定が追いついていません。さらに重くなっているのが、見積書の表面に出にくい駐車場代です。都心部では、以前は1日3,000円台で済んだコインパーキングが、現在は6,000円台になることもあります。

仕事が増えて売上が伸びても、実行原価の上昇を受注単価へ反映できなければ、利益は残りにくくなります。

1週間で 14件の相談 がありました

  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
  • 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
  • 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
  • 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
  • 7月17日電気設備工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 7月16日外構工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月16日塗装工事会社大阪府人材育成の相談
  • 7月16日内装工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 7月16日総合建築岐阜県原価管理の相談
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課題

「現場によって儲かる」が感覚のままで、受注前の採算判断につながっていない状態

この会社では、見積もりや請求、出面などを業務ソフトで管理していました。それでも、現場ごとの採算には差がありました。特に影響が大きいのは、工事内容だけでなく現場の場所です。

郊外のファミリー向けマンションでは比較的利益を確保できる一方、都心部の高額物件では駐車場代などが膨らみ、思ったほど利益が残りません。過去には、採算が合わない商業施設や新築工事から撤退した経験もあります。

つまり、問題は単純に「単価が安い」「材料が高い」という話ではありません。同じ内装一式工事でも、次の条件によって採算が変わっています。

  • 現場のエリアと駐車環境
  • マンション再販、商業施設、新築などの工事種別
  • 材料費と職人の手間賃
  • 工期と現場へ入る日数
  • 発注元ごとの単価や経費負担の考え方

現場が終わってから「今回は利益が薄かった」と分かるだけでは、次の受注判断を変えにくいものです。必要なのは、現場別の実績を、次の見積もりと受注可否に戻す仕組みです。

現場別の採算管理は、赤字を確認するためではなく、受けるべき仕事を受注前に見極めるために行うものです。

背景

材料費だけでなく、駐車場代などの「見えにくい上昇分」が固定価格の中に埋もれている構造

利益率が下がる背景には、見積もりで目立つ原価と、現場が始まってから発生する原価のずれがあります。

材料価格が上がれば、見積単価の改定を相談しやすくなります。職人の手間賃も、人工単価の上昇として説明できます。一方、駐車場代は案件ごと、エリアごと、日ごとに変わるため、固定金額で受注すると自社側が上昇分を負担しやすくなります。

現場へ車で資材や道具を運ぶ以上、駐車場を使わないという選択肢は現実的ではありません。それでも発注元へ追加負担を依頼すると、すぐには認められないことがあります。その結果、材料費の改定だけでは埋まらない小さな原価差が積み重なります。

また、売上が増えている会社ほど、この問題を見落としやすくなります。受注量が多く、資金が回っている間は、個別現場の利益低下が全体の売上に隠れるためです。

利益率低下の原因は大きな赤字案件だけではなく、各現場で回収できなかった数千円、数万円の経費が積み重なることにもあります。

この会社の場合、既存の発注元との関係は良好で、仕事量にも困っていません。一部では単価改定にも応じてもらえています。だからこそ、取引先を一斉に入れ替えるより、まず既存案件の中で「何が合わないのか」を具体化するほうが現実的です。

解決

現場別・エリア別・工事種別の実行原価を、受注基準と単価改定の根拠に変える進め方

最初に行いたいのは、すべての管理方法を作り直すことではありません。すでに使っている業務ソフトから直近の現場を抜き出し、売上と実際にかかった費用を並べます。

1.現場別に実行原価をそろえる

少なくとも、次の項目を同じ基準で集計します。

  • 受注金額
  • 材料費
  • 外注費・職人の手間賃
  • 駐車場代
  • 現場へ入った日数
  • 実際に残った粗利益額と粗利益率

駐車場代は「雑費」などにまとめず、独立した項目にするのがポイントです。どの現場で増えているのかが分からなければ、見積もりへ反映できないためです。

見積書に表れにくい経費ほど、実行原価では独立して記録する必要があります。

2.エリア・工事種別・発注元で比較する

現場別に集計した後は、利益率の高い順に並べるだけでなく、共通点を確認します。

たとえば、都心部と郊外、マンション再販と新築、発注元ごとに分けて比較します。すると、「都心部は駐車場代で利益が落ちる」「新築は拘束期間が長く採算が合いにくい」「郊外の再販物件は工事を回しやすい」といった傾向が見えてきます。

単発の現場だけで判断すると、たまたま工程が乱れた可能性もあります。複数の現場で同じ傾向が出ているかを見ることが大切です。

3.受注可否の基準を決める

採算の傾向が分かったら、受注前に確認する基準へ落とし込みます。判断軸は、利益率だけに限定しないほうが実務的です。

  • 最低限確保したい粗利益率を満たすか
  • 粗利益額が必要な水準に届くか
  • 駐車場代を現実的な金額で見込んでいるか
  • 長期間拘束され、既存顧客の仕事を断ることにならないか
  • 自社や協力会社の得意な工事内容か

発注額が大きくても、長期間にわたって人員を固定され、既存の利益率が高い仕事を受けられなくなるなら、必ずしも条件のよい案件とはいえません。

受注判断では、売上額ではなく「実行原価を引いた後に、いくら、何%残るか」を基準にします。

4.見積もりへ現場経費を反映する

駐車場代のように変動が大きい費用は、従来の工事単価へ曖昧に含めるだけでは回収しにくくなります。案件や発注元のルールに応じて、次のような反映方法を検討します。

  • 想定日数をもとに駐車場代を見積もる
  • 都心部など一定エリアの現場経費を加算する
  • 駐車場代を実費精算にする
  • 工事単価へ過去の平均経費を織り込む

どの方法を選ぶかは、工期の確定度と発注元の運用に合わせます。重要なのは、前回と同じ金額をそのまま使うのではなく、直近の実績を次回見積もりの前提にすることです。

5.単価改定は現場データを根拠に相談する

発注元との交渉では、「全体的に厳しいので上げてほしい」と伝えるより、費用の変化を分けて示したほうが話を進めやすくなります。

たとえば、同じエリアの複数現場について、以前と現在の駐車場代、現場へ入った日数、総額への影響を整理します。そのうえで、工事単価の改定、エリア経費の設定、実費精算のいずれが可能かを相談します。

すべての費用を一度に認めてもらう必要はありません。材料費、手間賃、駐車場代を分け、発注元が受け入れやすい項目から進める方法もあります。

単価改定交渉は値上げのお願いではなく、現場を継続して任せてもらうための原価条件のすり合わせです。

まとめ

売上が伸びているのに利益が残らないときは、案件数をさらに増やす前に、現場別の実行原価を確認することが先です。

特に内装工事では、材料費や職人の手間賃だけでなく、駐車場代のような現場経費が利益率を左右します。同じ工事でも、エリア、工事種別、発注元、工期によって「割に合う・合わない」は変わります。

現場別の実績を、エリア別・工事種別・発注元別に整理し、受注基準、見積もり、単価改定へ戻すことが利益改善の基本です。

売上規模を追うこと自体が問題なのではありません。ただ、仕事が十分にある会社ほど、売上よりも「どの仕事を選ぶか」が経営に与える影響は大きくなります。利益の残る条件が分かれば、既存の取引関係を大切にしながら、無理のない成長を選びやすくなります。

自社の現場採算をどこから整理するか迷ったときに

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

「現場ごとの利益が正確に見えていない」「どの費用を見積もりへ反映すべきか分からない」「発注元との単価改定をどう進めるべきか」といった段階からでも、一緒に整理できます。

ものづくりに集中できる経営環境をつくるための次の整理先としてご活用ください。無理にサービスをおすすめすることはありませんので、自社の場合に何から確認すべきかを整理したい段階でも気軽にご相談いただけます。

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