前提

営業・積算・新システムに三つの材料マスターが併存する現在地

関東圏で内装関連の建材を扱う、ある建設関連会社では、営業、積算、新しい業務プラットフォームで、それぞれ異なる材料マスターが使われていました。

各データはまったく別物ではありません。商品名や規格、材料構成、単価など、似た情報が入っています。ただし、内容は少しずつ違います。

社内から出てきたのは、「データは持っている。でも、ばらばらで、どれが正しいかは誰も答えられない」という声でした。ずれがあることは分かっていても、どの項目が、何件、どの程度ずれているのかまでは見えていません。

さらに、既存の材料マスターは、作成当時の経緯や判断基準を知る人がほとんど残っていない状態でした。新しいプラットフォームへの移行時にも、データ構造は調整されていても、中身の鮮度までは十分に見直されていない可能性があります。

マスター整備の出発点は、新しい表を作ることではなく、社内にある複数のデータを集めて「何が違うのか」を見える状態にすることです。

1週間で 21件の相談 がありました

  • 9月10日内装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 9月10日外構工事会社神奈川県協力会社探しの相談
  • 9月10日総合建築宮崎県利益率向上の相談
  • 9月9日総合土木兵庫県人材育成の相談
  • 9月9日内装工事会社秋田県人材確保の相談
  • 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
  • 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
  • 9月8日工務店広島県人材確保の相談
  • 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
  • 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
  • 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
  • 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
  • 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
  • 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
  • 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
  • 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
  • 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
  • 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
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課題

どれが正しいか分からず、古い製品と不足項目が残り続ける構造

材料マスターが部門ごとに分かれていると、日常業務では大きく三つの問題が起こります。

  • 同じ商品でも名称、規格、単価、材料構成が一致しない
  • 新製品や定番品が入っておらず、廃止品や古い情報が残る
  • 修正しても、別部門のファイルやシステムには反映されない

この会社でも、営業用、積算用、プラットフォーム用の三つを比較する必要がありました。新しい高壁向けの商品など、近年追加された製品が材料マスターに入っていない可能性も指摘されていました。

材料構成に不足があると、影響は積算だけにとどまりません。顧客から届いた注文書を読み取り、商品候補を出し、受発注システムへ流し込む工程でも精度が落ちます。表記の揺れを吸収できても、参照する材料マスターに商品がなければ、正しい候補は出せません。

現場では、手書きに近い注文内容や、規格・耐火性能などの情報が不足した依頼も届きます。その際、ベテラン担当者は過去の取引や現場名から補えますが、経験の浅い担当者は確認先すら判断しにくくなります。

単価表や材料マスターの不一致は、単なるデータ整理の問題ではなく、見積もり、積算、受発注の判断を人の経験に戻してしまう問題です。

背景

全件整備を目指すほど、確認できる人と部門責任が曖昧になる事情

マスター整備が止まりやすい理由は、対象件数の多さよりも、「誰が何を正しいと判断するのか」が決まっていないことにあります。

自社製品であれば、最新カタログや設計書、計算書など、正しさを確認できる資料があります。一方、仕入れ品には複数のメーカーや規格があり、案件の価格条件によって採用品が変わる場合もあります。積算上の標準品と、営業が実際に選ぶ商品が一致するとは限りません。

この状態で一人の担当者に全件確認を任せても、作業は進みにくいものです。実際に、「内容を本当に分かる人は社内でもごく限られる」という話が出ていました。積算部門が作業できる部分はあっても、何を正とするかのガイドラインがなければ判断できません。

また、すべての商品を最初から整えようとすると、過去に一度しか出ていない特殊品や、特定地域だけで使われる資材まで対象になります。確認工数が膨らむ一方で、日常業務への効果は限定的です。

一方、直近1か月分の受注データや、数十件から100件程度の注文書を既存マスターと照合すると、「実際に注文されているのに、マスターにない商品」を抽出できます。売上や発注回数で並べれば、優先して整えるべき商品群も見えてきます。

全件を人の記憶で確認するより、実際の売上・発注データから不足を洗い出し、よく使う商品に確認作業を集中させるほうが現実的です。

解決

三つの差異を可視化し、主要商品群から正本と更新ルールを作る進め方

進め方は、データの突合、正本の決定、優先順位付け、部門確認、更新フローの順に整理すると動かしやすくなります。

1.最新版を集め、三つのマスターを機械的に突合する

最初に、営業、積算、受発注・業務プラットフォームで使われている最新版を集めます。この段階では、どれが正しいかを先に決めません。

商品コード、商品名、メーカー、規格、材料構成、単価、更新日など、比較できる項目をそろえ、次のように分類します。

  • 三つすべてで一致している
  • 同じ商品だが、一部の項目が違う
  • 一つのマスターにしか存在しない
  • 商品名は似ているが、同一商品か判断できない
  • 廃止品または旧仕様の可能性がある

名称に長さや仕様が含まれている場合は、そのまま比較すると別商品として扱われやすくなります。商品名を「品種」「寸法」「仕様」などに分解してから比べる工夫も必要です。

最初に作るべき成果物は完成版マスターではなく、差異の件数と内容が分かる一覧です。

2.正本は「どのファイルか」だけでなく「どの項目を誰が保証するか」で決める

正本となるマスターは一つに定めます。ただし、すべての項目を一つの部門だけで保証する必要はありません。

たとえば、次のように項目ごとの根拠を分けられます。

  • 自社製品の規格・仕様:最新カタログや設計資料
  • 材料構成・数量:積算で使用している構成表や計算根拠
  • 商品コード・取引実績:受発注システム
  • 仕入れ品の標準候補:売上、発注頻度、営業上の採用実態

正本を決めた後は、営業用や積算用に別ファイルを複製するのではなく、正本から必要項目を連携する形に寄せていきます。

「正しいデータの置き場所」と「正しさを確認する部門」を分けて設計すると、責任が曖昧になりません。

3.売上と発注頻度から、最初に整える商品群を絞る

初回整備では、全商品を対象にしないことが重要です。直近の売上明細や注文書を集計し、カテゴリー、メーカー、発注回数、売上構成などで分けます。

この会社では、軽量下地材や石こうボードなど、ほぼすべての案件で登場する主要商品群を優先候補としました。上位の商品を整えるだけでも、日常の見積もりや受発注の相当部分をカバーできる可能性があるためです。

一度しか出ていない特殊品は、無理に最初から登録しなくても構いません。「マスター未登録」と明示し、個別判断へ回すほうが、誤った候補を出すより安全です。

整備対象は商品数ではなく、日常業務をどれだけカバーできるかで決めます。

4.部門ごとの確認範囲を小さく切る

差異一覧を一括で回覧するだけでは、確認が止まりやすくなります。各部門には、判断できる範囲だけを依頼します。

  • 商品開発・管理部門:自社製品の規格、新製品、廃止品
  • 積算部門:材料構成、数量、計算条件
  • 営業部門:仕入れ品の標準候補、実際によく使うメーカー
  • システム・データ管理担当:コード統合、変更履歴、各システムへの反映

確認依頼には、元データ、差異の内容、判断してほしい項目、回答期限を付けます。「全部見てください」ではなく、「この233件の自社製品について規格と構成を確認してください」と切ったほうが、現場も動きやすくなります。

5.追加・更新は申請から反映までを一つの流れにする

初回整備が終わっても、更新ルールがなければ再びずれます。少なくとも、次の流れは決めておきたいところです。

  1. 新製品、仕様変更、未登録品を発見した人が申請する
  2. 必須項目と根拠資料を添付する
  3. 項目を所管する部門が確認する
  4. データ管理担当が正本へ登録する
  5. 営業、積算、受発注の各システムへ反映する
  6. 変更日、変更者、変更理由を残す

未登録品は、実際の注文データとの照合から継続的に拾えます。一定期間ごとに未登録件数と発注頻度を確認し、頻出するものから追加します。新製品や仕様変更は定期確認を待たず、発売・変更時点で登録する運用が合います。

更新ルールは「誰が入力するか」だけでなく、「誰が承認し、どこまで反映されたら完了か」まで決める必要があります。

まとめ

部署ごとに単価表や材料マスターが分かれている会社では、いきなり一つに統合しようとすると確認作業が膨らみます。

まずは営業、積算、受発注などで使われている最新版を集め、差異を機械的に可視化します。そのうえで、正本となるデータと項目別の確認責任を決めます。

整備対象は、売上や発注頻度の高い主要商品群からで十分です。実際の注文データを既存マスターに当て、不足項目を検出しながら範囲を広げるほうが、業務への効果も確認しやすくなります。

複数マスターの統合は一度きりのデータ修正ではなく、正本・確認責任・追加フローを一つの運用として作る取り組みです。

自社のマスター整備を業務の流れから整理するために

「どのファイルが最新版か分からない」「営業と積算のどちらを正本にすべきか決められない」という段階では、システム導入より先に、データと業務の関係を整理する必要があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。単価表や材料マスターについても、対象データの棚卸し、部門ごとの役割分担、更新フローの設計から一緒に整理できます。

「うちの場合は何から比べればよいか」という段階でも問題ありません。状況を伺ったうえで次の整理先を考えます。無理にサービスを勧めることはありませんので、必要なときにお声がけください。

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