100社強の顧客情報はあるものの、営業活動に使える状態ではない建設関連会社の現在地
ある建設関連会社では、100社強の顧客情報を保有していました。ただし、営業担当者が持つ情報、別部門で精査した情報、既存システムから出力したデータが分かれており、形式もそろっていませんでした。
会社名や代表者名は分かります。一方で、実際の連絡窓口、役職、電話番号、直近の接触状況、現行の運用方法、自社サービスの導入状況までは、一覧で確認できません。
導入済みかどうかは、元のリスト上でセルの色によって区別されていました。担当者情報も古く、営業側でも「この会社には、もう入っているのか」が分からない状態でした。
顧客リストが存在することと、営業に使える顧客リストがあることは別です。 営業先を絞り込み、次の連絡を決められるところまで整って、初めて日々の活動に使えるリストになります。
1週間で 21件の相談 がありました
- 9月10日内装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 9月10日外構工事会社神奈川県協力会社探しの相談
- 9月10日総合建築宮崎県利益率向上の相談
- 9月9日総合土木兵庫県人材育成の相談
- 9月9日内装工事会社秋田県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
- 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
- 9月8日工務店広島県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
- 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
- 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
- 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
- 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
- 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
- 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
- 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
- 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
- 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
- 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
色分けと担当者の記憶に頼り、誰にいつ何を確認したか追えない顧客管理
最も大きな課題は、情報不足そのものではありません。同じ情報を、全員が同じ意味で読める形式になっていないことです。
たとえば「連絡実績あり」という項目だけでは、多くの会社が該当してしまいます。数年前に名刺交換した会社も、先週電話した会社も、同じ「あり」になるからです。
実際にも、「連絡実績で聞くと、みんな『あり』になってしまう。直近1カ月以内に接触したかの方がいい」という整理がされました。
また、現行の業務が紙なのかソフトなのかを確認する欄があっても、ヒアリングしていない会社は空欄になります。この空欄が、未確認なのか、回答なしなのか、入力漏れなのかは、後から見ても判断できません。
営業で使うには、少なくとも次の問いに一覧で答えられる必要があります。
- 連絡できる窓口は誰か
- その人の役職は何か
- 最後に接触したのはいつか
- 現在は紙とソフトのどちらで運用しているか
- 自社の商品やサービスは導入済みか
- 現在の商談ステータスはどこか
- 次に誰が対応するのか
色、空欄、個人の記憶を見ないと判断できないリストでは、営業の優先順位を決められません。 情報が分散している会社ほど、まず判断に必要な項目を言葉に置き換える必要があります。
部署ごとの管理目的が違い、顧客情報を更新する基準も決まっていない状態
顧客情報が分散する背景には、部署や担当者ごとにリストを作る目的が違うことがあります。
営業担当者は、自分が連絡するために会社名と電話番号を管理します。別部門は、導入済み企業を確認するために色を付けます。既存の営業管理システムには、取引先情報が別の形式で保存されています。それぞれの用途では問題がなくても、営業全体で使おうとすると情報がつながりません。
今回も、複数のリストを突き合わせるなかで、導入済み情報が新しい一覧へ引き継がれていないことが分かりました。連絡窓口も、代表者名ではなく、実際に話せる担当者を登録する必要がありました。
さらに、顧客リストは一度整理して終わりではありません。担当変更や新たな接触があれば、情報はすぐに古くなります。
「担当者が古いから、更新してもらわないといけない」という状況は、多くの会社で起こります。原因は入力する人の意識よりも、更新日や更新担当、選択肢が決まっていないことにあります。
リストが乱れるのは、管理する人の問題ではなく、入力と更新のルールが設計されていないことが主な原因です。
取引先コードを軸に必要項目を一枚へそろえ、スプレッドシートで更新を回す設計
最初に行いたいのは、高機能なCRMの導入ではありません。営業判断に必要な情報を、一社一行のリストへ統合することです。
最低限そろえたい項目を決める
最初から項目を増やしすぎると、入力が止まります。まずは、次の行動を決めるために必要な項目へ絞ります。
- 取引先コード
- 会社名
- 営業上のセグメント
- 連絡窓口の氏名
- 役職
- 電話番号・メールアドレス
- 直近の接触日
- 現行の運用方法
- 利用中のソフト
- 導入済みフラグ
- 商談ステータス
- 営業担当者
- 注意事項
代表者名が別データで確認できるなら、営業リストでは「決裁者名」を重ねて持つより、実際の連絡窓口を優先した方が使いやすくなります。役職は「社長」「取締役」「執行役員」「担当者」「その他」などの選択式にすると、表記の揺れを抑えられます。
空欄を情報として扱わない
紙かソフトかを確認できていない場合、何も入力しないのではなく「未確認」を選べるようにします。
空欄をなくす目的は、無理に回答を埋めることではなく、確認できていない会社を抽出できるようにすることです。
同じ考え方で、導入状況や商談ステータスも選択式にします。導入済みを色だけで示すのではなく、専用列にフラグを持たせます。これにより、フィルターで導入済み企業を除外したり、未確認企業だけを抽出したりできます。
会社名ではなく取引先コードで名寄せする
複数のリストを統合すると、株式会社の有無、略称、支店名などによって会社名が一致しないことがあります。
既存システムに取引先コードがあるなら、そのコードを統合の軸にします。会社名の文字列ではなく取引先コードで突き合わせることで、同一企業の重複や導入済み情報の引き継ぎ漏れを減らせます。
取引先コードがない会社だけ、会社名や所在地などを確認して個別に名寄せします。
自動連携より先に定期更新を決める
最初から既存システムとの自動連携を組む必要はありません。一定期間ごとに最新データを出力し、取引先コードで突き合わせる運用でも十分に始められます。
更新時には、少なくとも次の点を確認します。
- 新規の取引先が増えていないか
- 連絡窓口や営業担当者が変わっていないか
- 導入済みフラグが更新されているか
- 直近の接触日と商談ステータスが一致しているか
- 「未確認」のまま残っている項目は何か
更新頻度は、営業活動の量に合わせて決めます。重要なのは、頻繁に更新することより、誰がいつ更新するかを固定することです。
CRM導入前にスプレッドシートで運用を確かめる
100社強の顧客を対象に、フィルターで営業先を絞り込む段階であれば、まずは一枚のスプレッドシートでも管理できます。
たとえば、導入前の企業、直近1カ月で接触していない企業、特定のセグメントだけを抽出できれば、営業リストとしての役割は果たせます。「関係の深い取引先に候補企業を5社見せたい」といった場面でも、条件に合う会社をすぐに出せます。
判断軸は、機能の多さではありません。
- 一枚の表で必要な情報を管理できるか
- フィルターで次の営業先を抽出できるか
- 担当者が無理なく更新できるか
- 既存システムのデータと定期的に突き合わせられるか
これらで運用できる間は、スプレッドシートから始める選択肢があります。更新量や利用者が増え、手作業での突き合わせが負担になった段階で、CRMや自動連携を検討すると順番を誤りにくくなります。
先に管理ルールをつくり、その後に必要な機能を選ぶ方が、システムを入れたものの使われない状態を避けやすくなります。
まとめ
顧客リストを営業へ生かすには、情報を集め直す前に、判断に必要な項目と入力ルールをそろえることが大切です。
今回のように、色分けされた導入状況、古い担当者情報、空欄のヒアリング項目が混在していても、次の順番で整理できます。
- 営業判断に必要な項目を絞る
- 一社一行のリストへ統合する
- 役職やステータスを選択式にする
- 未確認情報を空欄にしない
- 導入済み情報を専用の列で管理する
- 取引先コードで既存データと突き合わせる
- 更新担当と更新時期を決める
営業管理の第一歩は、高機能なCRMではなく、次に連絡する会社を迷わず選べる一枚のリストです。 小さく運用を始め、実際の営業活動に合わせて項目や仕組みを育てていく形が現実的です。
自社の顧客情報を営業に使える形へ整理するために
顧客情報が部署ごとに分かれていると、「どのリストを正とするか」「何を最低限管理するか」から整理が必要になります。自社だけでは、既存システムとの関係や更新方法を決めにくいこともあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を横断して整理し、案件獲得や元請け開拓につながる営業管理、業務整理、デジタル活用の実行まで支援しています。
「うちの場合はどの項目が必要か」「CRMを入れる前に何から整えるべきか」という段階でも構いません。状況を伺いながら次の整理先を一緒に考えます。無理にサービスを勧めることはありませんので、必要なタイミングでご相談ください。




























