大口顧客への依存を減らしたい、5名規模の設備メンテナンス会社
関東圏で冷却設備の洗浄や水質管理を手がける、創業間もない5名規模の会社があります。社長は同分野で10年以上の経験を持つ技術者です。冷却設備に詰まりが起きる仕組みや、雑菌繁殖を防ぐために清掃が必要な理由は、具体的に説明できます。
一方、売上の6割超は以前からつながりのある大口顧客に集中しています。新規開拓で獲得した工場の設備交換工事もありますが、定期案件には育っていません。
社長が目指しているのは、工場やビルで継続的に発生する洗浄・水質点検を増やすことです。設備の台数を積み上げ、年間を通じて受注を見通せる状態にしたいと考えています。
そのためには営業が必要です。ただ、社長からは率直な言葉が出ました。
「足りないのは、間違いなく営業です。でも私は技術系なので、ぐいぐい営業するのが難しいんです」
技術に強い会社が新規受注を増やすには、社長を営業上手に変えるより、営業を工程に分けて仕組みにするほうが進めやすいです。
1週間で 15件の相談 がありました
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
- 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
- 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
- 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
- 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
- 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
- 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
- 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
- 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
- 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
- 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
- 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
- 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
- 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
アポイントは取れても、商談と追客を社長一人で抱える営業体制
この会社では、営業電話を外部のテレアポサービスに依頼しています。営業先のリストは社長自身が作成。地図上で冷却設備が確認できる工場を一件ずつ探し、数百件をリストアップして渡しています。
月に約200件の電話をかけ、アポイント率は1%前後です。アポイントが取れた後は、社長が商談を担当します。
しかし、そこで別の難しさが出てきました。
「この前は、訪問して1分くらいで話題がなくなってしまいました」
技術説明はできます。ただ、相手の設備管理上の悩みや、既存業者への不満、点検頻度、発注経路まで質問で掘り下げる経験は多くありません。商談後にいつ連絡するか、どの情報を追加で渡すかも、社長の判断に委ねられています。
営業人材を補うため、副業人材を採用したこともありました。ただ、仕事が片手間になり、3カ月ほどで終了しています。資金面から専任営業をすぐに採用するのも簡単ではありません。
問題は「社長に営業力がないこと」ではなく、リスト作成、アポイント、商談、追客が分断され、最後はすべて社長に集まっていることです。
テレアポでアポイントを増やしても、商談で得た情報が次のターゲットやトークに反映されなければ、営業の精度は上がりません。社長の負担だけが増える可能性もあります。
ニッチな専門サービスほど、電話の本数より事前レクチャーと狙い先の整理が必要
冷却設備の洗浄や水質管理は、電話口でひと言説明しただけでは価値が伝わりにくいサービスです。
ビルでは定期清掃が必要でも、すでに既存業者が入っていることがあります。工場では設備を洗浄しないリスクがあっても、「まだ問題は起きていない」「必要性が分からない」と受け止められることがあります。
そのため、テレアポ担当者にも相応の事前レクチャーが必要でした。
「サービスを知らない方に電話してもらうので、最初の説明がかなり必要です。スクリプトも一緒に作り込まないと難しいですね」
これは、外部サービスの良し悪しだけの話ではありません。専門性の高い工事やメンテナンスでは、誰に、どの課題を入口に、どの言葉で話すかによって反応が変わります。
同社が想定していた営業先も一つではありませんでした。
- 冷却設備を持つ工場
- ビルメンテナンス会社やビル管理会社
- 工場に出入りする設備工事会社
- 継続的な水質点検を必要とする施設
工場へ直接提案する場合と、ビル管理会社から外注を受ける場合では、相手のニーズが異なります。前者では設備停止や衛生管理への対応が論点になります。後者では、人手不足や内製コストを補える外注先であることが重要です。
ニッチな専門工事の営業では、電話件数を増やす前に「どの相手の、どの困りごとを解決するか」を分ける必要があります。
また、商談は受注を取る場であると同時に、営業先を見直すための情報収集の場でもあります。
「この層には必要性が伝わらない」「設備会社経由なら話が進みやすい」「単発工事より毎月の点検に可能性がある」。こうした結果を残すほど、次に狙う相手が見えやすくなります。
営業が苦手な社長ほど、話術を磨くことだけに寄せず、商談で得た一次情報を次の営業活動へ戻す流れをつくることが大切です。
新規営業を6工程に分け、商談記録からターゲットとスクリプトを更新する仕組み
営業体制は、次の6工程に分けると整理しやすくなります。
- ターゲット選定
- リスト作成
- アポイント獲得
- 商談設計
- 追客
- 受注判断
社長がすべてを得意になる必要はありません。各工程で「誰が、何を、どこまで担うか」を決めることが営業体制づくりの出発点です。
1.ターゲット選定は、定期性と受注経路で分ける
最初に、「設備がありそうな会社」を一括りにしないことです。
今回のような設備メンテナンスであれば、工場への直接提案、ビル管理会社からの外注、設備会社経由の受注では、営業の入口が違います。さらに、単発の交換工事なのか、毎月・毎年の点検につながるのかでも優先順位が変わります。
判断軸は、少なくとも次のように置けます。
- 継続的な点検や洗浄が発生するか
- 自社の施工エリアで無理なく対応できるか
- 直接受注と協力会社としての受注のどちらが現実的か
- 相手が人手不足や外注先不足を抱えているか
売上を安定させたい場合は、案件単価だけでなく、定期化の可能性と発注経路を見て営業先の優先順位を決めます。
2.リスト作成は、社名と電話番号だけで終わらせない
地図から設備のある工場を探す方法は、専門設備ならではの有効な調査です。ただし、社長が毎回ゼロから探し続けると時間がかかります。
リストには、設備の有無だけでなく、営業仮説も残します。たとえば「工場へ直接提案する先」「設備工事会社として協業を提案する先」「ビル管理会社として外注需要を確認する先」と分類します。
分類があれば、テレアポ担当者も相手に合わせて話しやすくなります。反応が良かった層も把握できます。
3.アポイント獲得は、丸投げではなく共同改善にする
テレアポ代行を使うこと自体に問題はありません。社長が現場や経営に集中するうえで、有効な選択肢です。
ただし、専門サービスでは、最初のレクチャーとスクリプトの共同作成が欠かせません。電話担当者には、作業内容だけでなく、顧客が相談するきっかけまで共有します。
運用開始後は、断られた理由も確認します。「既存業者がいる」「設備担当につながらない」「必要性を感じていない」では、次の改善策が違うためです。
テレアポの役割は電話をかけることですが、営業体制の役割は反応を集め、狙い先と伝え方を改善することです。
4.商談設計は、説明より質問の順番を決める
「話題がなくなる」という悩みには、話す内容を増やすより、確認する順番を決める方法が合います。
商談では、次のような流れを用意しておきます。
- 現在の設備管理や清掃は誰が担っているか
- 点検や洗浄はどの頻度で行っているか
- 詰まり、衛生面、設備停止などで困った経験があるか
- 既存業者との役割分担や見直し予定はあるか
- 外注先を選ぶ際に重視する条件は何か
相手の回答を聞いた後で、自社の施工内容を必要な範囲だけ説明します。これなら、一方的な技術説明になりにくくなります。
商談の型は、流暢に話すためではなく、顧客ニーズを聞き漏らさないためにつくります。
5.追客は、次の接点を商談中に決める
専門工事では、初回商談で即受注になるとは限りません。既存業者との契約時期や、設備の点検時期を待つこともあります。
そこで、商談の最後に次の接点を決めます。「点検時期の前に再度連絡する」「設備情報を確認してもらう」「施工範囲が分かる資料を送る」など、相手の状況に合わせます。
追客日と次の行動を記録しておけば、社長の記憶だけに頼らずに済みます。
6.受注判断は、売上だけでなく継続性と施工条件で見る
問い合わせが来た案件をすべて追う必要はありません。少人数の会社では、移動時間や施工体制も受注判断に影響します。
直接受注なのか協力会社として入るのか。単発工事で終わるのか定期点検につながるのか。施工エリアや必要人数に無理がないか。こうした条件をそろえて判断します。
さらに、受注・失注の結果をターゲット選定へ戻します。商談記録を見ながら、営業会議で次のリストやスクリプトを修正します。
営業の型は一度つくって終わりではなく、商談記録を基にターゲット、リスト、スクリプトを繰り返し更新して完成度を高めます。
外部のテレアポや営業支援を使う場合も、最終的に社内へ残したいのはアポイント件数だけではありません。「どの顧客層に、何を伝え、何を聞けば、次へ進みやすいか」という判断材料です。
まとめ
技術者出身の社長が営業を苦手に感じるのは、珍しいことではありません。現場で求められる説明力と、新規商談で求められる質問や追客には、異なる準備が必要だからです。
大切なのは、社長個人の話術だけで解決しようとしないことです。
新規営業をターゲット選定、リスト作成、アポイント獲得、商談設計、追客、受注判断に分ければ、苦手な工程と外部へ任せる工程が見えます。
外部へ任せる場合も、事前レクチャー、スクリプト改善、商談記録の共有まで一つの流れにすると、再現可能な営業機能が社内に残ります。
まずは現在の営業活動を書き出し、どこで止まっているかを確認するところからで十分です。アポイントが少ないのか。商談でニーズを聞けていないのか。追客が途切れているのか。詰まり方が分かれば、次に整える工程も見つけやすくなります。
自社に合う営業の進め方を整理したい方へ
「うちの場合は、どの業種から狙うべきか」「テレアポは続けながら、商談の型だけ整えたい」といった段階でも、営業体制は整理できます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を横断して整理し、販路拡大や元請け開拓の企画から実行まで支援しています。単にアポイントを増やすだけでなく、ターゲット選定や商談設計、追客方法を見直し、自社に営業機能を残す進め方を一緒に考えます。
何から整理すべきか決まっていない状態でも問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、自社の営業活動を棚卸しする場としてお気軽にお声がけください。




























