営業強化に使う8ページの会社案内を、既存Webサイトを土台に作る段階
ある改修工事系の専門工事会社では、営業活動に使う8ページの会社案内を制作していました。もともとは採用向け資料の構想もありましたが、社長から「これから営業を強化していきたい」という意向が出たため、既存の簡易的な資料を作り直し、法人営業で名刺代わりに渡せる内容へ整えることになりました。
すでにWebサイトの制作も進んでおり、会社案内には、Webサイトに掲載している事業内容や会社のこだわりを反映する方針です。デザインも、Webサイトのモノトーンを基調とした表現や、専門工事会社らしい力強さを踏まえて検討されていました。
一方、制作側が8ページの構成案を出しても、社長から返ってくるのは「全体はいい」「この雰囲気でいい」「あとは任せます」といった大きな方向性への回答が中心でした。
営業用であること、8ページであること、Webサイトと連動させることまでは決まっていても、各ページの文言・写真・実績が決まらなければ制作物は完成しません。
ここで整理しておきたいのは、社長が制作に関心を持っていないわけではないという点です。現場に出ることが多く、平日の夕方以降や土曜日でなければ打ち合わせが難しい状況では、白紙の状態から細かな要望を言葉にする時間を確保しにくいのです。
1週間で 15件の相談 がありました
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
- 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
- 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
- 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
- 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
- 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
- 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
- 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
- 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
- 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
- 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
- 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
- 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
- 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
- 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
- 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
社長の「お任せします」ではコピー・写真・実績が確定しない制作の停滞
会社案内が止まっていた主因は、社長の返答が遅いことそのものではありません。社長が答えやすい形まで、確認事項が具体化されていなかったことにあります。
たとえば、構成案には次のような未確定部分が残っていました。
- 表紙や見開きに入れるキャッチコピー
- 会社の強みを説明する文章
- 施工実績として掲載する案件
- 工事の流れを掲載するかどうか
- 各ページで使用する写真
- Webサイトの表現をそのまま使うか、会社案内向けに変えるか
社長に構成案を一式渡して「修正点をください」と依頼しても、具体的な指示が出にくいのは自然です。ページ数が増えるほど確認範囲が広くなり、どこから答えればよいかも分かりにくくなります。
実際、この会社の社長については、「自分から『こうしてほしい』とは、なかなか出てこない。こちらから案を出して、『どちらがいいですか』と聞くと具体的な要望が出る」という認識が共有されていました。
つまり、必要なのは自由回答ではなく選択です。
「どうしたいですか」と考えてもらうのではなく、「A案とB案のどちらが近いですか」と選べる状態をつくることが、確認待ちを減らすポイントです。
現場に出る社長へ自由回答を求め、確認単位と期限が曖昧な工程
制作が止まりやすい背景には、会社案内の目的、確認方法、素材管理、進行管理が一つの工程としてつながっていないことがあります。
まず、会社案内の目的が途中で変化していました。当初の採用向けという構想から、法人営業で使う資料へと役割が変わっています。目的が変われば、強調する内容も変わります。採用向けなら働く人や職場の情報が中心になりますが、営業向けなら施工領域、対応力、実績、仕事の進め方などが判断材料になります。
また、Webサイトとの関係も確認事項になっていました。Webサイトのキャッチコピーをそのまま使うのか、ニュアンスだけ残して変えるのか、別の切り口にするのかが決まっていなかったのです。
ただし、営業先が会社案内を受け取った後にWebサイトを見ることを考えると、両者の印象が大きく異なる状態は避けたいところです。社長もWebサイトの表現を気に入っていたため、ゼロから別の言葉をつくるより、既存の表現を土台にする方が進めやすい状況でした。
写真についても、新規撮影を前提にしていたわけではありません。Webサイト制作時などに集めた写真は、制作側へおおむね共有されていました。しかし、「素材がある」ことと「どのページに、どの写真を使うかが決まっている」ことは別です。工事実績やメイン写真の一部にはダミーが入り、最終的な選定が必要でした。
さらに、回答期限とフォロー担当も明確ではありませんでした。制作側はほかの案件との兼ね合いがあるため、回答が1週間ずれると、その後の制作日程まで崩れてしまいます。一方で、現場に出る社長へ一律に短い期限を設定しても、現実的に対応できない可能性があります。
「社長が多忙」という事情を制作の外側に置くのではなく、回答に必要な期間とフォロー方法まで工程に組み込む必要があります。
営業先と利用場面を起点に、複数案・対面ヒアリング・ページ別確認を組み込む進め方
進行を安定させるには、社長から要望が出るのを待つのではなく、制作側で判断材料をそろえたうえで、社長には経営判断が必要な部分を選んでもらう形にします。
1.営業先と利用場面を最初に固定する
最初に確認するのは、好みのデザインではなく、誰に、どの場面で渡す資料なのかです。この会社では、法人営業の訪問時に名刺代わりとして使うことが想定されていました。
この前提が決まれば、掲載内容の判断もしやすくなります。
- 主な施工領域をどこまで詳しく見せるか
- 工事実績をどの粒度で掲載するか
- 工事の流れを入れる必要があるか
- 会社のこだわりをどのページで伝えるか
- Webサイトへ誘導した後も説明がつながるか
会社案内の内容は、社長の好みだけでなく、「営業先が初回訪問で何を知りたいか」を基準に選びます。
2.初回だけは対面で確認し、社長の判断傾向をつかむ
Web会議やメールだけでは、言葉になっていない好みや違和感を拾いにくいことがあります。そのため、このケースでは、初回だけ制作担当者、進行を支援する担当者、社長の3者で対面ヒアリングを行う方針になりました。
対面の目的は、すべての文章をその場で決めることではありません。次のような大きな判断軸をそろえることです。
- 会社案内を渡したい営業先
- 表紙の方向性
- Webサイトとの統一度
- 特に伝えたい施工領域
- 掲載する実績と写真の基準
- 必要なページと不要なページ
初回でここまでそろえば、その後はメールや電話でページ単位の確認を進めやすくなります。
3.キャッチコピーとデザインは複数案から選べるようにする
社長へ「キャッチコピーを考えてください」と依頼するのではなく、制作側で複数案を用意します。たとえば、次のような出し分けです。
- A案:Webサイトの表現をそのまま使う案
- B案:Webサイトの言葉を会社案内向けに調整した案
- C案:同じ強みを別の角度から表現した案
それぞれに「Webサイトとの統一感を優先」「営業先への分かりやすさを優先」など、意図を一言添えておくと選びやすくなります。
デザインも同様です。方向性の異なる案を無制限に増やすのではなく、社長が気に入っている雰囲気を土台に、表現の強さや写真の置き方を変えた案を提示します。
多忙な社長に求めるのは制作作業ではなく、複数案から会社として採用する方向を選ぶことです。
4.既存写真を棚卸しし、ページごとの候補を先に置く
写真は「使いたいものを選んでください」と一括で依頼すると止まりやすい項目です。まず制作側で既存素材を棚卸しし、各ページに候補写真を仮置きします。
そのうえで、社長への確認を次のように具体化します。
- 表紙写真は候補1と候補2のどちらにするか
- 施工領域の説明に使った写真は実態と合っているか
- 工事実績は指定された案件と写真が対応しているか
- Webサイトで使用した画像を会社案内にも転用するか
- 不足素材がある場合、既存データを追加で取り寄せられるか
この会社では、新規撮影ではなく、すでに共有されている写真を基本に進める方針でした。Webサイトで使った画像やイラストが必要になった場合も、制作元から取り寄せられる状態を確認しています。
写真の確認は「素材を集める」「候補を仮置きする」「社長が選ぶ」の順に分けると、社長の作業量を抑えられます。
5.確認事項をページ単位に分け、回答期限を設定する
8ページ全体を一度に確認してもらうのではなく、ページごとに確認事項を整理します。
たとえば、表紙なら「コピー案の選択」「写真の選択」、事業紹介なら「内容の正誤」、実績ページなら「掲載案件の確定」というように、確認の種類を分けます。質問も、「問題ありませんか」ではなく、「どちらを採用するか」「掲載するか、外すか」と答え方を明確にします。
回答期間は、初期と仕上げで変えるのが現実的です。構成やコピーを考える初期段階は1週間程度の幅を取り、終盤の細かな修正は短い間隔で確認します。
スケジュールには、少なくとも次を記載します。
- 制作側が案を提出する日
- 社長が回答する期限
- 回答後に修正版を提出する日
- 最終確認日
- 返答がない場合にフォローする担当者
期限を過ぎても自動的に承認扱いにはせず、フォロー担当が社長へ連絡します。このケースでも、制作担当者から返答がない旨を受けた担当者が、社長へ直接確認できる体制を取ることになりました。
回答期限だけでなく、「誰が社長をフォローするか」まで決めて初めて、制作スケジュールは実行可能になります。
まとめ
営業用の会社案内が進まないとき、社長のレスポンスだけを問題にしても状況は変わりにくいものです。確認待ちの多くは、社長が答えにくい依頼の出し方と、回答を支える工程が不足していることから起きます。
進め方の要点は次のとおりです。
- 営業先と利用場面を先に決め、掲載内容の判断基準にする
- Webサイトの訴求や表現を土台にし、会社案内との一貫性を保つ
- 初回は対面で大きな方向性を確認する
- コピーやデザインは複数案から選べる状態にする
- 既存写真を棚卸しし、ページごとに候補を仮置きする
- 確認事項、回答期限、フォロー担当をスケジュールへ組み込む
社長にすべてを考えてもらう必要はありません。制作側が案と判断材料を用意し、社長が会社として必要な選択に集中できる形をつくれば、営業で使える会社案内を無理なく完成へ近づけられます。
営業資料の目的と確認工程から整理したいときに
会社案内は、デザインだけを整えても営業で使いやすい資料にはなりません。誰に何を伝えるのか、Webサイトとどうつなげるのか、社内の誰がどこを確認するのかまで整理する必要があります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大や元請け開拓を含む経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「うちの場合は会社案内に何を載せるべきか」「社長確認が止まらない工程をどう組むべきか」という段階からでも一緒に整理できます。
無理にサービスをおすすめすることはありません。まずは現在の営業先、既存資料、Webサイト、社内の確認体制を確認し、次に整えるべきことを考えていきます。

































