前提

新規開拓で6件の面談が決まり、古い会社案内のまま初回商談を迎えようとしている防水工事会社

関東圏で防水・塗装工事を手がける、ある専門工事会社の事例です。

新規開拓を始め、約330件への電話から担当者や社長につながったのが20件ほど。そこから6件の面談が決まりました。面談先の多くは、塗装や補修、防水を扱い、協力会社を探している建設会社です。

案件の入口はできています。一方、社内にあったのは「昔のパンフレットみたいなもの」でした。新しい会社案内も制作途中で、採用案内と営業資料を兼ねた構成になっていました。

電話では、次のような質問も出ていました。

「ウレタンは何を使っていますか」

「どのメーカーの塗料に対応できますか」

「平米単価はいくらですか」

施工会社にとっては普段の仕事に含まれる情報です。しかし、新しい発注先から見れば、協力会社を選ぶための重要な判断材料です。

新規商談の準備では、自社を紹介する資料ではなく、発注担当者が比較・選定に使える情報をそろえる必要があります。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

物件条件を確認する前に平米単価を答えると、価格だけの比較になりやすいこと

防水・塗装工事では、同じ工法名でも金額が一定になるとは限りません。下地の状態、施工面積、既存防水層、搬入条件、作業時間、工程、材料指定などで原価が変わるためです。

相談した会社の社長も、価格についてこう話していました。

「物件によって変わります。相手によっても変わるんですよね」

コスト管理を担う担当者であれば、単価や原価を細かく確認します。一方、現場を滞りなく回すことを優先する担当者は、対応力や手離れのよさを重く見ることもあります。

ここで電話段階から一律の平米単価を伝えると、その数字だけが先に独り歩きします。施工条件が違う他社の単価と並べられ、「もっと安くならないか」という話にもなりやすくなります。

ただし、価格の質問を避け続ければよいわけでもありません。発注側が確認したいのは、必ずしも最安値だけではないからです。

  • どのような条件で価格が変わるのか
  • 自社の予算感に合う会社なのか
  • 見積もりの根拠を説明できる会社なのか
  • 品質や工期まで含めて任せられるのか

価格を隠すのではなく、適正な価格を出すために確認が必要な条件を先に共有することが大切です。

背景

発注担当者が知りたい施工実績・材料・体制が、古いパンフレットでは伝わりにくいこと

新規の協力会社を選ぶ側は、価格だけで判断しているわけではありません。品質・原価・納期のバランスを見ています。

防水工事であれば、品質を判断する材料には施工実績や対応工法があります。相談企業では、ウレタン防水やアスファルト系防水に対応し、普段使う材料も複数の系統がありました。しかし、その情報は電話で聞かれてから一つずつ答えている状態でした。

「主に使っている材料は何ですか」

「この工法にも対応できますか」

こうした質問が多いのは、発注担当者が施工後の品質だけでなく、仕様への対応力や現場との相性まで見ているからです。

納期についても同じです。現場が埋まっていれば、すぐには入れません。相談企業も繁忙期には施工予定が詰まり、面談時に工事スケジュールを確認する必要がありました。

さらに、対応エリアは会社所在地だけでは決まりません。移動時間の目安は片道1時間半ほどでしたが、実際には相手の本社ではなく現場の場所で負担が変わります。

防水・塗装工事の営業では、「何を施工できるか」だけでなく、「どの条件なら、いつ、どの体制で対応できるか」まで伝えて初めて比較材料になります。

古い会社案内が悪いわけではありません。ただ、沿革や理念、事業内容が中心の資料だけでは、担当者が協力会社として採用できるかを判断しにくいことがあります。採用案内との兼用資料も、誰に何を伝える資料なのかがぼやけやすくなります。

解決

営業資料でQCDを見える化し、現場条件を聞いてから価格の話へ進む商談設計

準備したいのは、立派な冊子よりも、担当者が社内で検討に回せる営業資料です。まずは数ページでも構いません。

盛り込みたい項目は、次のとおりです。

1.施工領域と対応工法

防水、塗装、補修などの対応範囲を分けて記載します。ウレタン防水、シート防水、アスファルト系防水など、対応できる工法も整理します。

「防水工事一式」とまとめるより、発注担当者が自社案件との適合を判断しやすくなります。

2.普段使う材料と仕様対応

主に扱う材料の種類やメーカー体系を記載します。指定材料への対応可否も分けておくと、電話で同じ説明を繰り返さずに済みます。

材料名を並べるだけではなく、次の点も添えると伝わりやすくなります。

  • どの工法で使うことが多いか
  • 改修工事と新築工事のどちらで実績があるか
  • 指定仕様への対応は相談可能か

3.施工実績

実績は、現場名だけでなく工事条件が分かる形にします。

  • 建物の種類
  • 新築または改修
  • 工法と施工範囲
  • 現場の地域
  • 工期
  • 雨漏り対応など、工事前の課題

公開できない現場は、施設名を伏せても構いません。発注側が見たいのは有名な現場名より、自社が発注したい工事に近い経験があるかです。

4.施工体制と対応可能量

自社で担う範囲、協力会社を含めた体制、同時に動かせる現場数などを整理します。繁忙期や急な依頼に対し、何ができて何が難しいかも説明できるようにします。

無理に「何でもできます」と見せる必要はありません。対応条件が明確な会社のほうが、発注側も工程を組みやすくなります。

5.対応エリアと納期の考え方

「県内全域」のような表現だけでなく、移動時間や現場所在地を基準に示します。今回の会社であれば、片道1時間半程度が一つの目安でした。

また、着工可能時期は固定せず、案件ごとの工程確認が必要であることを記載します。

6.見積もりに必要な情報

価格欄には一律の平米単価を載せるのではなく、見積もりに必要な条件を示します。

  • 施工面積と図面
  • 既存防水層と下地の状態
  • 採用予定の工法・材料
  • 足場、搬入、養生の条件
  • 作業可能な曜日と時間帯
  • 希望工期
  • 現地調査の要否

営業資料の役割は安さを証明することではなく、見積もりの前提と自社の対応力をそろえて伝えることです。

初回商談も、会社説明から一方的に始めるより、次の順番で進めると価格だけの話になりにくくなります。

  1. 相手の担当範囲と協力会社を探している理由を聞く
  2. 予定している物件の種類、所在地、工期を聞く
  3. 工法、材料指定、施工範囲を確認する
  4. 下地、搬入、作業時間などの現場条件を確認する
  5. 品質・原価・納期のうち、相手が重視する点を聞く
  6. 自社の近い実績、対応工法、施工体制を伝える
  7. 図面や現地確認を踏まえ、見積もりの次の段取りを決める

電話で単価を求められた場合は、「物件条件で変わるため、面積や下地、工法を確認してからお出ししています」と伝えます。そのうえで、図面や仕様書の有無を聞きます。

これなら価格を拒んでいる印象を抑えながら、不適切な単価比較も避けやすくなります。

まとめ

防水・塗装工事の新規商談では、価格を聞かれること自体は珍しくありません。問題になりやすいのは、条件を確認しないまま一律単価を伝え、価格だけで比較されることです。

準備したいのは、会社の歴史を紹介するだけのパンフレットではありません。施工実績、工法、材料、施工体制、対応エリア、納期、見積もり条件をまとめた営業資料です。

価格競争を避ける第一歩は、単価を出さないことではなく、品質・原価・納期を同じテーブルに載せることです。

初回商談では、相手の役割と選定基準を確認し、物件条件を聞き、自社の近い実績を示します。その後に価格の話へ進めば、安さだけではない比較をつくりやすくなります。

自社の強みが伝わる営業資料と商談手順を整理したい方へ

「昔の会社案内しかない」「材料や実績をどう見せればよいか分からない」「商談が平米単価の話で終わってしまう」といった段階でも、整理できることはあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大をはじめ、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して課題を整理し、実行を支援しています。

自社の場合に何を営業資料へ載せるべきか、初回商談で何から聞くべきか。まだ考えがまとまっていなくても問題ありません。無理に営業を進めることはありませんので、次の整理先として気軽にお声がけください。

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