数億円規模への成長に向けて、取引先をあと5社ほど増やしたい首都圏の電気工事会社
首都圏に拠点を置く、ある電気工事会社では、数億円規模への成長を見据えて新規取引先の開拓を考えていました。
主に手がけているのは、新築建物の電気工事です。病院、工場、オフィスビル、商業施設、学校、庁舎など、建物用途に大きな制限はありません。地場ゼネコンや電気設備のサブコンから受注し、二次請けとして施工に入る案件が中心です。小規模な現場であれば、一次請けにも対応しています。
施工エリアは、本社から車でおおむね1時間半以内。東京、埼玉、神奈川の一部までが現実的な範囲です。
既存取引先との関係は良好です。ただし、発注量には波があります。
「大型物件があるときもあれば、ないときもあります。そういう会社を、あと5社くらい増やしたいんです」
求めているのは、常に大量の仕事を発注する1社ではありません。案件が出るタイミングの異なる取引先を複数持ち、年間を通じて受注の波を小さくすることです。
1週間で 15件の相談 がありました
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
- 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
- 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
- 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
- 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
- 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
- 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
- 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
- 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
- 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
- 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
- 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
- 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
- 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
営業先の母数は多くても、本当に会うべき会社が見えていない状態
電気工事会社という条件だけで探せば、首都圏には数百社の候補があります。売上規模やエリアの条件を緩めれば、候補はさらに増えます。
しかし、この会社が必要としていたのは、候補社数を増やすことではありませんでした。
「何百コールするような仕事ではないと思うんです。1件の金額が数千万円になることもあるので、コール数ではないなと」
建設業の新規開拓では、面談件数が多ければ受注が増えるとは限りません。1件の工事金額が大きく、受注後には職人の配置や施工管理、資金繰りまで動くからです。
受けにくい案件まで増えれば、現場の負担が先に大きくなります。利益率の合わない工事を取れば、売上は増えても利益が残りません。
実際、この会社ではマンション工事を極力避けていました。
「結局は案件次第ですが、マンションは利益率があまり良くないので、できるだけやっていません」
一方、ビルや工場、自動制御に関係する電気工事など、一定の技術が求められる案件には相性の良さを感じていました。
つまり、営業先を選ぶ前に必要なのは、業種や所在地だけのリストではありません。自社が受けたい工事から逆算して、発注元となり得る会社を選ぶことです。
「付き合いやすい会社」という感覚が、営業条件に落とし込まれていない状況
これまでの取引は、独立前からの知人や、「人手が足りない会社がある」という紹介から始まったものが中心でした。10年以上続く関係もあります。
既存取引先には、共通する特徴がありました。
- 年商が数億円から十数億円程度の電気設備会社
- 新築のビル、病院、工場などを継続的に受注している
- 自社だけでは施工人員を賄い切れず、協力会社を必要としている
- 自社の対応エリアと施工エリアが重なっている
- 単発ではなく、案件が出るたびに相談できる関係をつくりやすい
相談者は、こうした会社を「付き合いやすい」と表現していました。ただ、「付き合いやすさ」の中身を分解しなければ、営業先の選定条件にはなりません。
営業先を探す際には、会社の売上規模だけでなく、業績の推移も参考になります。前年より売上が伸びている会社は、抱えている工事量が増え、協力会社を探している可能性があります。
過去の施工案件も重要です。病院や工場、公共施設など、自社が得意とする建物を継続して受注している会社であれば、接点を持つ理由が明確になります。大手設備会社や特定系列からの受注実績も、今後の案件傾向を考える材料になります。
ただし、業績が伸びている会社ならどこでもよいわけではありません。遠方の現場ばかり、マンション中心、自社では対応しにくい規模の工事が中心という会社では、接点ができても受注にはつながりにくくなります。
売上規模、成長率、過去案件、施工エリアを、自社の受注条件と重ねて見る必要があります。
受けたい工事を先に定め、発注可能性と案件の波から営業先を絞る進め方
営業先の絞り込みは、「どの会社に電話するか」から始めるより、「どの工事を受けたいか」から始めるほうが整理しやすくなります。
まず、既存案件を振り返り、次の条件を書き出します。
- 工事の種類:新築、改修、一般電気、自動制御関連など
- 建物用途:工場、病院、オフィスビル、公共施設など
- 施工規模:自社で無理なく配置できる人数と工期
- 受注金額:資金負担を含めて対応できる範囲
- 利益率:積極的に受けたい案件と避けたい案件
- 受注ポジション:一次請け、二次請けのどちらを狙うか
- 対応エリア:本社からの移動時間と現場管理のしやすさ
この会社の場合は、「車で1時間半程度」「マンション以外の新築電気工事」「ビルや工場など一定の技術が必要な案件」「二次請けを中心に、小規模なら一次請け」という条件が見えてきます。
次に、その案件を発注しそうな企業の条件を定めます。
候補企業を見るときは、次の5点が判断軸になります。
- 過去にどのような工事を受注しているか
- 自社の施工エリアと重なる案件があるか
- 売上が伸び、協力会社を必要としている可能性があるか
- 自社が対応できる金額・工期の案件を持っているか
- 一度きりではなく、継続的な発注が期待できるか
広い条件では数百社あった候補も、ここまで重ねると数十社程度まで絞り込めます。そのうえで優先順位をつけます。
例えば、次の3段階です。
- 優先度A:案件、エリア、規模が合い、継続発注の可能性も高い
- 優先度B:条件は合うが、直近の発注状況が見えない
- 優先度C:将来的な候補だが、現在は案件やエリアが合いにくい
500社へ広く連絡するより、条件の合う50社を調べ、その中の20社と関係をつくるほうが、建設業では現実的な営業になりやすいです。
さらに、営業先は1社単位ではなく、組み合わせで考えます。
大型案件の有無によって発注量が変わる会社を複数持つ場合、それぞれの案件時期が重なりすぎると、繁忙期には対応できず、閑散期には仕事が減ります。初回の面談では、現在の案件だけでなく、年間の発注傾向も確認しておきたいところです。
- どの時期に案件が増えやすいか
- 新築と改修の比率はどうか
- 協力会社に不足を感じるのはどの工種か
- どの程度の施工規模を外注したいか
- 新規の協力会社へ最初に任せる工事は何か
こうした情報を取引先候補ごとに並べると、案件の波を補い合える組み合わせが見えてきます。
新規開拓の目標も、「アポイントを何件取るか」だけでは足りません。繁閑の異なる発注企業と、継続的に相談をもらえる関係を何社つくるかまで置くことが大切です。
すぐに案件がなくても、次に連絡する時期を決めておきます。過去の案件傾向や決算情報を更新し、発注量が増えそうなタイミングで再接触します。これにより、単発の顔合わせで終わらず、将来の受注候補として関係を育てられます。
まとめ
新規取引先を増やすとき、最初から営業件数を追う必要はありません。
まず整理したいのは、自社が受けたい工事です。工事種類、利益率、施工規模、対応エリア、受注ポジションを明確にします。そのうえで、発注企業の業績、過去案件、施工エリア、継続発注の可能性を重ねます。
営業先選びの基準は、「連絡できる会社」ではなく、「自社が受けたい工事を継続的に発注し得る会社」です。
また、1社へ依存するのではなく、案件が出る時期や工事規模の異なる複数社と関係をつくることで、受注の波を平準化しやすくなります。
「どこへ営業するか」が曖昧なときは、既存取引先の中から、付き合いやすかった会社を3社ほど選んでみてください。なぜ付き合いやすかったのかを分解すると、次に探すべき会社の条件が見えてきます。
自社に合う営業先の条件から整理したい方へ
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大を、営業先のターゲット設計から候補企業の抽出、案件獲得に向けた実行まで支援しています。
「うちの場合は、どの工事を軸に営業先を選ぶべきか」「候補はあるが、何を基準に優先順位をつければよいかわからない」といった段階でも構いません。
現場の対応力や既存取引、利益の出やすい工事を踏まえ、無理のない開拓方法を一緒に整理します。無理に営業を進めることはありませんので、次の整理先として気軽にご活用ください。



























