前提

数千万円規模の新築電気工事を受注し、取引先をあと4〜6社増やしたい会社の現在地

首都圏を中心に、新築建物の電気工事を手がける小規模な専門工事会社があります。施工対象は病院、工場、オフィスビル、学校、公共施設などです。マンションは利益率が合いにくいため、極力避けています。

現在は、ゼネコンや電気設備会社から受注する二次請けが中心です。小規模案件であれば、一次請けも担います。特に相性がよいのは、年商7億〜20億円ほどの設備会社やサブコンです。

ただし、既存取引先から大型案件が出るかどうかはタイミング次第です。

「大型物件があるときもあれば、ないときもあります。こういう取引先を、あと4〜6社増やしたいんです」

一社ごとの受注には波があります。それでも取引先の母数を増やせれば、年間を通じて案件がある状態に近づきます。そのため、新規開拓そのものには必要性を感じていました。

一方で、一般的な営業代行には引っかかる点がありました。

数千万円規模の工事では、面談数を増やすことより、受注判断に必要な情報をどこまで整理して渡してもらえるかが重要です。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
  • 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
  • 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
  • 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
  • 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
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課題

顔合わせまでの営業代行では、案件化した瞬間に仕事が社長へ戻る構造

営業代行に電話やアポイント獲得を任せても、初回面談の後に技術的な話が始まれば、対応は社長に戻ります。現場条件を確認し、施工できるかを判断し、金額を組み立てる必要があるからです。

「アポを取って、挨拶に行くだけなら自分でできます」

「何百件も電話する仕事ではありません。一件の金額が数千万円になるので、コール数ではないんです」

この感覚は、大型案件を扱う専門工事会社ほど強くなります。

たとえば、初回面談の後に「こういう現場があるけれど、見積もりできますか」と連絡が来たとします。営業代行の役割が顔合わせまでなら、その時点から社長がすべてを引き取ります。

すると、アポイントが増えるほど、次の業務も増えていきます。

  • 図面や工事条件の確認
  • 対応できる工種と範囲の判断
  • 工期や施工体制の確認
  • 見積もり作成
  • 提出金額の判断
  • 見積もり提出後の擦り合わせ
  • 案件がすぐ出ない取引先への継続追客

営業代行の成果をアポイント数だけで見ると、受注前の重い工程が社内に残り、社長の負担はかえって増えることがあります。

仕事を10倍に増やしたいわけではありません。必要なのは、自社に合う取引先を絞り、数社との関係を着実につくることです。その目的に対して、大量架電と大量面談が合うとは限りません。

背景

電気工事は部材と条件が多く、見積もりの相場感まで含めた営業が必要になる事情

この会社が営業代行に求めていたのは、電気工事の細部をすべて理解した営業担当ではありませんでした。求めていたのは、相手先で案件の実情を聞き、見積もりに進む前の情報を整理できる人です。

「電気にものすごく詳しい必要はありません。ただ、実際に出向いて、金額感や工事ができるかどうかまで話してきてくれるなら効果がありそうです」

背景には、見積もりの難しさがあります。

面積と使用材料から価格を出しやすい工種もあります。一方、電気工事や内装工事は、扱う部材や施工条件が多くなります。新しい規模の案件では、過去の実績だけで適正な金額を判断できないこともあります。

「いくらで出せば受注できるのか、すごく悩みます。高いと思われたくない。でも、安く出して損をするわけにもいきません」

実際、先方の想定額と自社の見積もりが数千万円単位でずれることもあります。だからこそ、見積もりを一度提出して終わりではなく、初回提示をたたき台にして擦り合わせたい場面が出てきます。

「一回目はジャブなので、少し擦り合わせましょう、と進めたい。でも、どう動けばいいのかわからないことがあります」

組織化が進んだ会社なら、営業部門や積算部門があります。工種ごとの目安や、受注しない採算ラインも蓄積されています。しかし、社長と現場の距離が近い会社では、営業、積算、価格交渉、最終判断が一人に集まりやすくなります。

建設会社の営業は、案件を見つける活動と、受注できる条件へ整える活動が分かれていません。ここが一般的なアポ獲得型の営業代行と噛み合いにくい理由です。

解決

ターゲット選定から見積もり後の追客までを分解し、外部へ任せる範囲を決める進め方

営業を外部化する前に、「営業代行に何件アポを取ってほしいか」ではなく、新規開拓の工程ごとに、社内と外部の役割を決めることが大切です。

1.欲しい案件からターゲットを絞る

最初に整理したいのは、開拓する会社の数ではなく、自社にとって付き合いやすい会社の条件です。

この電気工事会社では、次のような条件が見えていました。

  • 本社から車でおおむね1時間半以内
  • 病院、工場、オフィスビルなどの案件がある
  • 電気設備や自動制御に関わる工事を扱う
  • 年商7億〜20億円前後で、協力会社を必要としている
  • 業績や受注量が伸びている
  • 一件数千万円規模の案件が発生する可能性がある

対象企業を数百社並べても、社長が本当に会いたい会社は一部です。過去の施工案件、取引先、売上推移、施工エリアまで見ながら、優先順位を付けます。

大量に電話する前に「この会社から、どのような案件を受けたいか」を言語化すると、必要な面談数を抑えながら営業の角度を高められます。

2.初回接点で確認する案件条件を決める

アポイントの獲得をゴールにせず、その後の判断に必要な情報まで確認します。

最低限、次の項目が整理されていると、技術担当への引き継ぎがしやすくなります。

  • 発注する工事の種類と規模
  • 新築、改修などの案件特性
  • 元請け、一次請け、二次請けの位置関係
  • 工事エリアと予定時期
  • 協力会社を探している理由
  • 期待する施工範囲
  • 図面や数量表の有無
  • 相手が想定している金額帯
  • 見積もり提出後の調整余地

すべてを外部担当者だけで確定する必要はありません。大切なのは、社長が初回から聞き直さなくてもよい状態をつくることです。

3.技術判断と営業整理を切り分ける

施工可否や最終見積もりは、自社が担うべき領域です。誤った判断は、赤字工事や施工上の問題につながるためです。

一方、外部へ任せやすい業務もあります。

  • 見積もりに必要な資料の回収
  • 不足条件の確認
  • 相手先の予算感や比較状況の把握
  • 見積もり提出日と回答予定日の管理
  • 提出後の反応確認
  • 金額や条件を擦り合わせる場の設定

外部担当者に最終価格を決めてもらうのではありません。社内が技術と採算を判断できるところまで、案件情報を整えてもらう役割として設計します。

4.見積もり後の継続追客まで管理する

工事会社の新規開拓では、初回面談時に案件がないことも珍しくありません。「今はないが、数か月後なら相談できる」という取引先もあります。

そのため、営業管理では面談済みかどうかだけでなく、次の行動を残します。

  • 次に連絡する時期
  • 想定される案件の発生時期
  • 先方の担当者と決裁者
  • 見積もり中、検討中、保留などの状況
  • 次回確認する内容

「案件が出たら連絡をください」で終わると、関係は止まりやすくなります。月次で状況を確認し、対象企業や伝え方も修正します。

建設業の営業代行を選ぶ際は、アポ獲得数ではなく、案件条件の整理、技術担当への引き継ぎ、見積もり前後の調整、継続追客まで担えるかを確認する必要があります。

まとめ

一件当たりの受注額が大きい建設会社にとって、営業代行の価値は面談数だけでは測れません。

アポイントを取った後、技術的な話や見積もり対応がすべて社長へ戻るなら、負担はあまり減りません。むしろ、面談が増えた分だけ仕事が積み上がる可能性があります。

営業を外部化するときは、次の順番で考えると整理しやすくなります。

  1. 受注したい工事と取引先の条件を決める
  2. 優先企業を絞る
  3. 初回接点で確認する項目を決める
  4. 技術判断と営業整理の担当を分ける
  5. 見積もり提出後の擦り合わせと追客を管理する

目指したいのは、アポイントが増える状態ではなく、自社が受注を判断できる案件が、無理のない件数で継続的に入ってくる状態です。

自社に合う営業の任せ方を整理したいときに

「アポ獲得だけでは足りないが、見積もりや技術判断まで外に出すのは難しい」。建設会社の営業外部化では、この間の役割設計が重要になります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。営業面では、狙う取引先の選定から案件条件の整理、商談、見積もり後の管理まで、自社に必要な範囲を一緒に整理します。

「うちの場合は、どこまで任せるべきか」「何から整理すればよいかわからない」という段階でも問題ありません。無理にサービスをおすすめすることはありませんので、現在の営業体制や社長に集中している業務から気軽にお聞かせください。

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