前提

後継者と技能人材が加わり、受注拡大を考え始めた10名弱の測量会社

九州に拠点を置く、10名弱の測量会社があります。自治体や建設コンサルタント、ゼネコンなどと取引し、測量や墨出しを手がけています。案件によっては関東まで出向き、中堅社員を配置して長期の現場にも対応してきました。

前年度は赤字決算となりましたが、取引先の入れ替えを進め、キャッシュフローは改善しつつあります。そこへ後継者となる子息と複数の技能人材が加わりました。

「人が入ったので、もう少し仕事を増やしていきたい」

自然な次の一手です。一方で、公共工事を増やすのか、建設コンサルタントとの取引を広げるのか、ゼネコンから継続案件を獲得するのかは決めきれていません。

人員が増えたときに最初に考えたいのは営業量ではなく、どの案件なら利益を残しながら確実に対応できるかです。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
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課題

公共工事・建設コンサルタント・ゼネコンのどこを狙うか決めきれない状態

販路拡大で難しいのは、仕事の入口を増やすことより、増やすべき仕事を選ぶことです。

この会社には、自治体案件の実績があります。建設コンサルタントや大手建設会社との取引経験もあり、測量や墨出しに対応できる技術があります。全国へ動ける機動力もあります。そのため、営業先の候補自体は少なくありません。

ただし、選択肢が多いほど判断は難しくなります。

公共工事は、案件規模の幅が広く、入札情報の確認や書類対応が必要です。建設コンサルタントとの取引は、自社の測量技術と合うか、継続的な発注につながるかを見なければなりません。ゼネコン案件では、大規模・長期の現場に対応できる一方、管理者を現地へ置けるかが重要になります。

発注者の種類だけで「良い仕事」と判断することはできません。同じ公共工事でも、工期、利益率、入金条件、配置人数によって経営への影響は変わります。

「どこから受注するか」ではなく、「どの条件の案件を増やすか」まで決めることが販路拡大の出発点です。

背景

全国対応の強みの裏側で、社長と管理者に業務が集中している体制

受注拡大の判断が難しい背景には、現場人数だけでは測れない供給体制があります。

この会社では、社長自身が現場に関わりながら、入札や事務対応も担っていました。一般入札へ広く参加しようとしても、対象案件を探し、条件を確認し、必要書類をそろえる時間が限られます。入札情報を十分に確認できなければ、参加する母数も増えません。

現場側にも同じ問題があります。職人や技能人材が増えても、工程を組み、品質を管理し、発注者と調整できる人が同じ割合で増えるとは限りません。遠方案件では、移動できる作業員だけでなく、現地を任せられる管理者が必要です。

「全国どこでも行ける」という機動力は大きな強みです。ただし、遠方の長期案件を重ねれば、管理者が固定され、地元案件へ対応できる余力が小さくなる可能性もあります。

施工余力は作業員数だけでは決まらず、社長の判断時間、入札事務、現場管理者の配置まで含めて考える必要があります。

過去に取引先を見直してキャッシュフローを改善した経験も、重要な判断材料です。売上を増やしても、入金までの期間が長かったり、遠方対応の立替負担が大きかったりすれば、資金繰りが再び窮屈になることがあります。

人員が増えた今は、受注件数を増やすだけでなく、改善してきた収支や資金の流れを崩さない案件選びが必要な段階です。

解決

供給体制を確認したうえで、利益・入金・継続性の基準から案件を選ぶ進め方

販路を広げる前に、まず「あと何件受けられるか」ではなく、「どの条件なら受けられるか」を整理します。確認したいのは、次の6項目です。

  • 利益率:売上ではなく、移動費、宿泊費、外注費、管理工数を差し引いて利益が残るか
  • 入金条件:着工から入金までの期間と、先行して発生する支出に耐えられるか
  • 継続性:単発案件か、一定期間の現場か、次の発注につながる取引か
  • 対応エリア:地元中心か、遠方まで広げるか。移動負担に見合う金額か
  • 技術的な強み:測量や墨出しなど、自社の経験を生かして品質を出せるか
  • 管理者の配置:作業員だけでなく、現場を任せられる社員を置けるか

案件は売上額の大きさではなく、利益率・入金条件・継続性・対応エリア・技術適合・管理者配置の6軸で比較します。

そのうえで、取引先ごとに狙い方を整理します。

公共工事を増やす場合

公共工事は、少額案件から規模の大きな案件まで幅があります。参加できる案件を増やすには、入札情報の確認と書類対応を継続できる体制が欠かせません。

社長が現場と入札対応を兼務している場合は、営業先を増やす前に、情報収集や書類準備を誰が担うかを決めます。社内採用だけでなく、既存のつながりや外部の事務機能を活用できるかも検討材料になります。

建設コンサルタントとの取引を増やす場合

建設コンサルタントとの取引では、自社の測量技術がどの業務で評価されているかを整理します。過去案件を振り返り、利益が残った工事、継続発注につながった業務、他社と差が出た技術を確認すると、狙う案件が具体的になります。

幅広く声をかけるより、「自社の施工体制が生きる業務」を示せる取引先から当たるほうが、受注後のミスマッチを抑えやすくなります。

ゼネコン案件を増やす場合

ゼネコンの大規模・長期案件を狙う場合は、管理者の配置とエリア対応が大きな判断軸になります。関東などの遠方案件へ中堅社員を置いたとき、地元の既存案件を誰が管理するのかまで確認します。

受注額が大きくても、特定の管理者へ負担が集中する案件は、同時に受けられる仕事を減らします。管理者一人あたりの担当現場、移動日数、現地滞在期間を見ながら判断する必要があります。

営業を始める前に、受注後の人員配置と事務対応を仮組みし、既存案件へ影響が出ないことを確認します。

最初から複数の販路を一斉に広げる必要はありません。まずは候補案件を6つの基準で比較し、自社との相性がよい取引先を一つに絞ります。小さく受注し、実際の利益、入金、管理負担を確認してから、同じ条件の案件を横に広げる進め方が現実的です。

まとめ

後継者や技能人材が加わると、売上を伸ばす好機が生まれます。ただし、作業員が増えたことと、どの案件でも受けられることは同じではありません。

公共工事であれば入札事務、建設コンサルタントとの取引であれば技術との相性と継続性、ゼネコン案件であれば管理者配置と遠方対応が重要です。そこへ利益率と入金条件を重ねることで、自社が増やすべき案件が見えやすくなります。

販路拡大は営業先の数を増やす活動ではなく、自社が無理なく利益を残せる受注構造をつくる取り組みです。

人員が増えたタイミングだからこそ、営業を急ぐ前に供給体制を一度棚卸しする。そのひと手間が、売上だけでなく利益と継続性を伴った成長につながります。

自社に合う案件と販路を整理したい方へ

「公共工事と民間案件のどちらを増やすべきか」「人は増えたが、どこまで受注できるかわからない」といった段階でも、整理できることはあります。

ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。販路拡大についても、狙う取引先を紹介するだけでなく、施工余力、管理者配置、収支条件を確認しながら進めます。

まだ方針が固まっていなくても問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、自社の場合に何から整理すべきかを考える場としてご活用ください。

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