前提

現場5名がフル稼働するなか、電気4割・空調3割から事業の軸を移したい会社

東北地方で電気・空調工事を手がける、8名弱の専門工事会社があります。年間売上は約6,000万円。現場に入る5名に加え、営業や事務を兼任するメンバーで会社を回しています。

現在の売上構成は、おおよそ電気工事4割、空調工事3割、清掃2割、その他1割です。主力はもともと電気工事で、今後は法人向けの業務用パッケージエアコンやルームエアコン、LED更新工事を増やし、電気5割・空調4割・その他1割ほどの構成に変えたいという考えがあります。

「人は動いているんですけど、あまり利益につながりにくい仕事があります。一方、空調は自信を持ってやれますし、技術も悪くありません」

現場が不足しているわけではありません。むしろ社員の予定はかなり埋まっており、突発的な依頼にも対応しています。それでも会社に利益が残りにくい。ここに、単なる売上不足とは異なる難しさがあります。

必要なのは仕事を増やすことではなく、限られた人員をどの工事に振り向けるかを決め直すことです。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
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課題

売上は立っても、人を動かした時間に見合う利益が残らない工事

大きな課題は、受注量ではなく売上構成です。社員が忙しく動いていても、単価が低く、外注費や移動時間を差し引くと利益がほとんど残らない工事があります。

受注の立ち位置も3次・4次に近い案件が多く、場合によっては直接受注でも下位請負とあまり変わらない単価になることがあります。協力会社へ仕事を振る場合も、自社が仲介して受注額の大半をそのまま渡す形になり、管理や調整を担っているのに利益を確保できていません。

「会社はボランティアではないので、売上も利益も必要です。協力会社に仕事を振るにしても、利益を上げていく必要があると思っています」

ここで注意したいのは、利益の薄い工事を抱えたまま、得意な電気・空調工事を上乗せしようとしないことです。現場の5名はすでにフル稼働に近く、新しい案件を受ける余白は大きくありません。

電気・空調工事の売上を増やすには、先に既存工事の一部を減らし、人員と日程の枠を空ける必要があります。

売上比率だけを目標にすると、「電気と空調の受注は増えたが、残業や外注も増えて利益は変わらない」という状態になりかねません。見るべきなのは売上高だけではなく、工事ごとの粗利、拘束日数、手戻り、移動、管理負担まで含めた採算です。

背景

頼まれた工事を広く受けてきた結果、自社の強みと売上構成がずれた状態

現在の事業構成は、明確な計画に沿って広げたものばかりではありません。たとえば内装工事は、自社社員の専門性を生かすためというより、つながりのある親方や協力会社から「仕事はありませんか」と声をかけられ、自社が受注して振り分ける形で増えてきました。

「内装をメインでやっているというより、やれるなら取って振ります、という感じです」

取引先との関係を維持し、協力会社へ仕事をつなぐことには意味があります。ただし、それが積み重なると、売上は増えても自社の技術蓄積や利益には結びつきにくくなります。

一方、空調工事では顧客に満足してもらえる品質を出せており、電気工事ではLED更新に自信があります。テナントが入るオフィスビルや商業施設、共用部、改修現場など、これまでの取引実績ともつながっています。法人から依頼を受けるBtoBの形が中心で、施工エリアもできれば県内を8〜9割にしたいという希望があります。

つまり、電気・空調工事は「やりたい工事」というだけではありません。

  • 社員が経験を持っている
  • 品質に自信を持てる
  • 既存顧客との接点がある
  • 法人向け工事として継続受注を狙える
  • 県内中心に組めれば移動負担を抑えられる

という条件がそろっています。

ただし、社内の方向性はまだ完全には一致していません。担当者は電気・空調へ軸を移したいと考えている一方、それが社員全員の共通認識になっているわけではありません。経営側には会社を早く大きくしたい意向もあり、現場側には「安心して任せられる体制が先ではないか」という慎重な見方があります。

事業転換が進まない理由は、案件がないことだけではなく、何を増やし、何を減らすかが社内で決まり切っていないことにもあります。

解決

工種別の採算と再現性を並べ、減らす工事から先に決める進め方

最初に行いたいのは、電気・空調・清掃・内装・その他の工事を、同じ基準で並べることです。感覚だけで「空調は良さそう」「内装は減らしたい」と判断するのではなく、直近半年から1年程度の工事を工種別に分けて確認します。

1.工種別に四つの判断軸をそろえる

評価したいのは、次の四つです。

  • 粗利:売上から材料費、外注費、交通費などを引いた後に、いくら残ったか
  • 再現性:同じ顧客や似た施設から、繰り返し受注できるか
  • 人員適性:現在の社員が品質を保って施工・管理できるか
  • 受注可能性:既存顧客への提案変更や新規開拓によって、現実的に増やせるか

工期が短く見えても、遠方移動や突発対応、協力会社との調整が多ければ、実際の負担は重くなります。反対に、単価が特別高くなくても、県内で工程を読みやすく、同じメンバーで繰り返せる工事は利益を安定させやすくなります。

そのため、可能であれば「1件当たりの粗利」だけでなく、自社社員の延べ稼働日数で割った粗利も見ます。人が足りない会社ほど、1日をどの工事に使うかが利益を左右するからです。

2.注力・維持・縮小の三つに分ける

工種を評価したら、すべてを一度にやめるのではなく、三つに分けます。

  • 注力する工事:業務用空調、ルームエアコン、LED更新など
  • 維持する工事:定期性があり、採算と人員負担が見合う清掃など
  • 縮小する工事:単独受注では利益が薄く、自社の強みも生かしにくい工事

ここで重要なのは、売上がある工事を一律に残すのではなく、次の主力事業へ人を移すために縮小工事を決めることです。

ただし、既存顧客との関係まで切る必要はありません。新規の単独受注を抑え、契約更新や次回依頼のタイミングで受け方を変えていくほうが現実的です。

3.周辺工事は単独で取らず、電気・空調の付帯工事にする

内装や設備周辺の工事を完全になくす必要はありません。空調更新に伴う換気設備周辺の施工など、電気・空調工事と一緒に提供できるものは、付帯工事として生かせます。

判断基準は明確です。

その工事単独では利益が薄くても、電気・空調工事の受注単価、提案力、顧客の利便性を高めるなら残す価値があります。

反対に、周辺工事だけを受けて社員や協力会社の手配に時間を取られ、主力工事の予定を圧迫するなら、縮小候補になります。

「何でもできます」という見せ方から、「電気・空調を中心に、必要な周辺工事までまとめて対応できます」という見せ方へ変えることで、対応範囲を保ちながら事業の軸を明確にできます。

4.既存顧客への提案内容を先に変える

新規顧客だけで売上構成を変えようとすると、時間がかかります。まずは取引実績のあるテナント管理会社やビル関連会社に対し、今後増やしたい工事を具体的に伝えるほうが進めやすくなります。

たとえば、単に「電気工事と空調工事ができます」と伝えるのではなく、次のように得意領域を分けて提示します。

  • テナントや共用部のLED更新
  • 業務用パッケージエアコンの新設・更新
  • 法人施設のルームエアコン交換
  • 電気・空調工事に伴う周辺工事の一括対応
  • 県内を中心とした突発対応

既存顧客の上位3社で売上の7割弱を占めている会社であれば、その関係を無視して事業転換するのは現実的ではありません。まずは各社から受けている工事を分類し、利益の薄い依頼を減らしながら、同じ顧客から電気・空調の相談を増やせないかを考えます。

5.経営陣と社員で、一枚の方針を共有する

事業の軸を変えるときは、売上目標だけでなく、現場の受け方も変わります。少なくとも、次の内容は経営側と現場側でそろえておきたいところです。

  • 目標とする売上構成は電気5割・空調4割・その他1割
  • 優先して受ける工事は何か
  • 単独受注を減らす工事は何か
  • 対応エリアをどこまでにするか
  • どの程度の粗利を下回ったら受注条件を見直すか
  • 誰が品質確認と協力会社への指示を担うか

「会社を早く大きくしたい」という意向と、「安心して任せられる体制を整えたい」という現場の認識は、どちらかが間違っているわけではありません。成長速度と施工品質を両立させるには、注力工事を絞り、その工事に人員と教育を集中させる必要があります。

方向性をそろえるとは、気持ちを合わせることではなく、受注判断に使う基準を共通化することです。

まとめ

人が動いているのに利益が残らない場合、受注件数を増やすだけでは状況が変わりにくいことがあります。まず確認したいのは、自社の限られた人員が、どの工事に時間を使っているかです。

今回のような会社では、電気・空調工事に技術と品質の強みがあり、既存の法人顧客との接点もあります。一方、内装などの一部工事は、協力会社へ仕事をつなぐ過程で増えたもので、自社の利益や技術蓄積につながりにくい状態でした。

進め方は、次の順番が現実的です。

  1. 工種別に粗利・再現性・人員適性・受注可能性を確認する
  2. 注力・維持・縮小の工事を決める
  3. 周辺工事は電気・空調の付帯工事として位置づける
  4. 既存顧客への提案内容を電気・空調中心に変える
  5. 経営陣と社員で受注判断の基準を共有する

事業の軸を移す第一歩は、新しい仕事を探すことではなく、今ある仕事のどれを残し、どれを減らすかを決めることです。

自社に合う工事の残し方から整理したい方へ

工種別の採算を見直そうとしても、社員の稼働、既存顧客との関係、協力会社への発注、今後伸ばしたい事業が絡み合い、社内だけでは優先順位を決めにくいことがあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、販路拡大、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合、どの工事を残すべきか」「電気・空調へ軸を移したいが、何から整理すればよいかわからない」という段階でも構いません。状況を一緒に整理するところから進められます。無理にサービスを勧めることはありませんので、次の整理先として気軽にお声がけください。

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