前提

売上約4.5億円のうち新築工事が約8割を占める、30名弱の建設会社

神奈川県にある創業6期目の建設会社は、RC造の新築工事を主力とし、売上約4.5億円まで事業を伸ばしてきました。内装工事一式を中心に受注しながら、建築一式にも対応できる体制を整えています。

社員は30名弱で、そのうち15名ほどが職人です。クロスや軽量下地などの内装工事に対応でき、施工管理技士も在籍しています。協力会社も集まり、施工できる工種は増えてきました。

一方で、売上の約8割を新築工事が占めています。経営陣からは、今後について次のような考えが示されていました。

「新築は土地の制約もあり、このまま大きく伸び続けるとは考えにくい。将来的には改修やリノベーションを基盤にしたい」

すでに改修・修繕工事は売上の一部を占めています。まったく新しい事業をゼロから始めるのではなく、既存の職人、施工管理、協力会社を生かして、売上構成を新築中心から複線型へ移す段階にあります。

1週間で 21件の相談 がありました

  • 8月6日リフォーム会社千葉県高卒採用の相談
  • 8月6日工務店兵庫県業務効率化システムの相談
  • 8月6日総合建築広島県案件獲得の相談
  • 8月6日内装工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月5日設備保全会社滋賀県人材確保の相談
  • 8月5日プラント工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
  • 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
  • 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
  • 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
  • 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
  • 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
  • 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
  • 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
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課題

改修・修繕の案件数を増やすだけでは、職人を安定稼働させる収益柱にならない状態

改修・修繕事業を育てるうえでの課題は、単純な案件不足だけではありません。どの工事なら自社の人員で円滑に回せて、最終的に利益を残せるのかが、まだ整理し切れていないことです。

改修・修繕には、日常的な小工事、原状回復、内装リノベーション、防水・塗装、大規模修繕など、性質の異なる案件があります。受注窓口が増えても、すべてを同じ基準で引き受けると、現場管理が分散しやすくなります。

相談企業からも、管理会社経由の工事について、次の懸念が挙がっていました。

「数をこなせば売上にはなりますが、この人数で回せるのか。薄利にならず、最終的にどれだけ利益が残るのかが気になります」

小規模工事は実績をつくりやすい反面、現地確認、見積もり、手配、報告などの管理業務が案件ごとに発生します。売上だけを見ると伸びていても、施工管理者の時間が細切れになり、粗利が残らない場合があります。

反対に、大規模修繕は一件当たりの金額が大きいものの、最初から継続的に受注できるとは限りません。発注側は、協力会社の数だけではなく、自社職人の体制や過去の対応品質も見ています。

「仕事が取れるか」と「第二の収益柱として回るか」は別の問題です。受注量だけでなく、粗利、工期、管理負荷、人員稼働率をそろえて見る必要があります。

背景

自社職人を増やしたことで、仕事量の確保と受注採算を同時に考える必要が生じた状況

この会社が改修・修繕を急ぎたい背景には、自社施工を目指して職人を増やしてきた事情があります。

自社職人は、発注者に施工力を示すうえで大きな強みです。協力会社だけで構成する場合と比べ、工程や品質を自社で管理しやすく、急な依頼にも対応できる可能性があります。

ただし、固定的に抱える人員が増えるほど、仕事の波を小さくする必要があります。新築工事は一件の規模が大きい一方、着工時期のずれや案件間の空白が、そのまま稼働率に影響します。とくにクロスや軽量下地を担う職人については、「定期的に仕事を確保したい」という意向が明確でした。

そこで候補になるのが、年間を通して発生する改修・修繕です。管理会社が扱う工事には、小規模改修や原状回復が継続的に発生し、その先に防水・塗装や大規模修繕があります。

ただし、発注側の部署や担当領域は、小規模工事と大規模修繕で分かれていることがあります。入り口が同じとは限りません。そのため、小規模工事を単発売上として見るのではなく、施工品質、報告、対応速度を示す実績づくりとして位置づけることが重要になります。

「まず小さい工事で力を見せ、その後に大規模な工事へ広げたい」という考えは、改修・修繕事業の育て方として筋が通っています。大切なのは、小工事を無制限に増やすのではなく、将来受けたい工事につながる案件を選ぶことです。

解決

内装・防水塗装など自社が回しやすい工種から入り、小工事の実績を大型修繕へつなげる段階設計

改修・修繕を第二の柱にするには、受注先を増やす前に、自社が勝ちやすく、利益を管理しやすい工事の範囲を決めることが先です。

今回の会社であれば、クロスや軽量下地を含む内装工事に自社職人がおり、外装では防水・塗装の大規模修繕を目指しています。この施工体制を起点に、次の順番で進めると整理しやすくなります。

1.自社の施工能力に合う工種を絞る

「建築工事であれば幅広く対応できる」という状態は強みですが、事業の立ち上げ時にすべてを受けると、採算管理が難しくなります。

まずは工種ごとに、次の項目を整理します。

  • 自社職人だけで対応できる範囲
  • 協力会社の手配が必要な範囲
  • 現場代理人や施工管理者の必要人数
  • 工期の読みやすさ
  • 材料費と外注費の変動幅
  • 手直しや追加対応が発生しやすい箇所

工種選定の基準は、売上の大きさではなく、自社で原価・品質・工期をコントロールできるかどうかです。当初は、内装改修、原状回復、防水・塗装など、現在の技能と協力会社網を生かしやすい領域から始めるのが現実的です。

2.小規模工事を「信用を積む期間」と定義する

管理会社や元請けとの取引では、最初から大規模修繕だけを狙うより、小規模改修や日常工事から入る方法があります。

この段階で評価されるのは、施工そのものだけではありません。

  • 見積もり提出までの速さ
  • 工程と入居者・利用者への配慮
  • 写真や完了報告の正確さ
  • 追加工事が出た際の説明
  • 手直しへの対応

こうした対応をそろえることで、「次も任せられる会社」という評価が積み上がります。小工事の目的を売上だけに置かず、大型修繕を任せてもらうための実績と運用能力を示す機会として扱います。

一方、受注後に大型案件へつながる見込みが薄く、管理負荷だけが高い工事は、継続条件を見直す必要があります。小さい案件を断らないことより、どの取引先で実績を積むかを選ぶことのほうが重要です。

3.受注可否を四つの数字で判断する

案件を判断するときは、受注金額だけでなく、少なくとも次の四つを見ます。

  1. 予定粗利額・予定粗利率

材料費、外注費、自社職人の投入原価を差し引き、いくら残るかを確認します。

  1. 工期と入金までの期間

工期が長い案件は、人員と資金を長く拘束します。売上規模だけでなく、月当たりの粗利で比べます。

  1. 管理負荷

現地調査、見積もり、工程調整、報告、手直しに必要な時間を見積もります。小工事ほど、売上に対して管理時間が大きくなりやすいためです。

  1. 人員稼働率

自社職人の空き期間を埋められるか、反対に特定の技能者や施工管理者へ負荷が集中しないかを確認します。

案件ごとに予定値を記録し、完工後に実績と比較します。予定粗利と実績粗利の差、予定工期と実際の工期の差を蓄積すると、自社が取るべき改修工事が見えてきます。

4.売上構成は段階的に変える

現在、新築が約8割、改修・修繕が約2割なら、いきなり比率を逆転させる必要はありません。比率だけを追うと、採算の低い工事を大量に受けてしまう可能性があります。

3年間の目安を置くなら、たとえば次のように段階を分けます。

  • 1年目:改修・修繕の売上比率を2〜3割で安定させ、工種別の採算を把握する
  • 2年目:利益の出る工種と取引先へ寄せ、3〜4割を目指す
  • 3年目:施工管理体制を確認しながら、新築と改修・修繕を半々に近づける

これは一例であり、目標比率は会社ごとに異なります。判断基準は、改修・修繕の粗利が安定しているか、自社職人の稼働が平準化したか、管理者を増やさずに回せるかです。

比率を変えること自体が目的ではありません。新築工事の強みを残しながら、改修・修繕でも安定的に粗利を確保できる状態をつくることが目的です。

まとめ

新築工事への依存を減らすには、新しい案件を大量に獲得することから始めるのではなく、自社が利益を出しやすい改修・修繕工事を見極める必要があります。

今回の会社には、自社職人、施工管理者、協力会社という土台があります。この強みを生かし、内装改修や防水・塗装などから実績を積み、小規模工事で得た信用を大規模修繕へつなげる流れが考えられます。

改修・修繕を第二の柱にする鍵は、案件数ではなく、粗利・工期・管理負荷・人員稼働率を見ながら、受注する工事を選ぶことです。そのうえで、3年程度の段階的な売上構成目標を置けば、新築の強みを失わずに収益構造を変えていけます。

自社に合う改修・修繕事業の形を整理するために

改修・修繕へ広げたいと思っても、「どの工種から始めるべきか」「小工事をどこまで受けるべきか」「現在の人数でどれほど回せるか」は、施工体制や取引構造によって変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価管理、販路拡大、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。新築と改修・修繕の売上構成、狙うべき工種、受注判断の基準など、まだ方針が固まっていない段階でも一緒に整理できます。

「うちの場合は何から考えるべきか」という段階でも問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、次の収益柱を検討するための整理先としてご活用ください。

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