30人弱の組織で15人前後の自社職人を抱え、RC新築の内装工事を売上の柱とする会社の現在地
首都圏でRC新築の内装工事を手がける、30人弱の建設会社があります。売上は4億円台で、その7割ほどを新築工事が占めています。軽量・ボード、クロスなどを中心に15人前後の職人を直接雇用し、施工管理を担う社員も配置しています。
協力会社だけに頼らず、自社で施工できる体制を整えてきたことは、受注面で明確な強みになります。発注者から見ると、工程や品質を管理しやすく、繁忙期にも一定の施工力を確保できるからです。
実際、元請が施工会社を見る際には、協力会社の数だけでなく「自社職人が何人いるか」が判断材料になります。自社施工体制は、元請から選ばれるための営業資産でもあります。
一方で、この会社からは「軽量やクロスの職人が多いので、定期的に仕事をもらわないといけない」という率直な声もありました。自社職人を増やすほど、受注の波をそのままにしておくことは難しくなります。
1週間で 21件の相談 がありました
- 8月6日リフォーム会社千葉県高卒採用の相談
- 8月6日工務店兵庫県業務効率化システムの相談
- 8月6日総合建築広島県案件獲得の相談
- 8月6日内装工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
- 8月5日設備保全会社滋賀県人材確保の相談
- 8月5日プラント工事会社東京都協力会社探しの相談
- 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
- 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
- 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
- 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
- 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
- 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
- 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
- 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
- 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
- 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
- 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
- 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
- 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
- 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
自社施工力が高まるほど、閑散時にも発生する人件費を受注で支える必要がある構造
自社職人を抱える経営では、仕事が多い月だけでなく、少ない月にも人件費などの固定的な支出が発生します。問題は職人が多いことではなく、その施工力に見合う受注を継続的に用意できていないことです。
新築工事を中心にしていると、一つの現場でまとまった売上をつくれる反面、着工時期の変更や工程のずれによって稼働に空白が生まれます。受注残があっても、自社職人の職種と必要な時期が合わなければ、手待ちは解消されません。
そこで原状回復や小規模改修を増やそうとしても、今度は別の問題が出てきます。小工事は件数が多く、現地確認、見積もり、材料手配、日程調整、完了報告、請求といった管理業務が積み上がりやすいためです。
売上だけを見て受注すると、職人は動いていても、会社には十分な利益が残らない状態になりかねません。相談企業でも「薄利の案件を、この人数でどこまで回せるのか」「最終的に利益が大きくなるのか」という点が懸念されていました。
職人を遊ばせないことと、利益を残すことは、別々ではなく同時に設計する必要があります。
新築工事への売上集中と、軽量・クロス職人に合う継続案件の不足
この会社では、自社施工を目指して先に人と協力会社をそろえてきました。建築一式にも対応でき、内装だけでなく外装や修繕にも施工範囲を広げられる状態です。それでも「人数に対して売上が足りない」という感覚が残っていました。
背景にあるのは、受注の総額だけではなく、受注している工事の時期、職種、工期が、自社職人の構成と一致していないことです。
たとえばRC新築の内装工事を受注しても、軽量・ボード、クロスなどの職種が同じタイミングで必要になるわけではありません。一つの大型案件を取れば全員が安定して動けるとは限らず、職種ごとに繁閑差が生まれます。
一方、賃貸物件の原状回復や日常的な小規模改修は、一件ごとの金額は大きくなくても継続的に発生します。小工事から取引を始め、施工品質や対応力を評価してもらった後に、より大きな改修工事へ広げる流れも考えられます。
ただし、継続案件なら何でもよいわけではありません。薄利案件を無制限に受けると、施工管理や事務担当者の時間が細かく分断されます。稼働の空白を埋める案件と、利益をつくる案件の役割を分けて考える必要があります。
職種別の必要稼働量を基準に、継続案件・利益案件・協力会社を組み合わせる受注設計
最初に整理したいのは、会社全体の売上目標ではなく、職種別の必要稼働量です。軽量・ボード、クロスなどに分け、毎月何人が何日動ける状態をつくる必要があるのかを確認します。
その際は、次の順番で整理すると受注目標に落とし込みやすくなります。
- 職種ごとの在籍人数と月間の稼働可能日数を出す
- 人件費や間接経費を含め、毎月確保したい必要粗利額を置く
- 工事別の想定粗利率から、必要な受注額を逆算する
- 受注済み案件を職種別・月別に並べ、稼働の空白を確認する
「月商がいくら必要か」だけでなく、「どの職種に、いつ、何日分の仕事が必要か」まで見える化することが出発点です。
そのうえで、案件を役割別に組み合わせます。
- 原状回復・小規模改修:軽量・クロス職人の稼働を継続的に確保する案件
- 大規模修繕・リノベーション:まとまった粗利を確保する案件
- RC新築の内装工事:既存の施工実績を生かして売上の土台を支える案件
大切なのは、特定の工事を一律に増減させることではありません。受注予定を月別に並べたとき、継続案件が稼働の谷を埋め、規模の大きい案件が利益をつくる構成になっているかを見ます。
薄利案件は粗利率だけでなく、粗利額と管理工数で判断する
原状回復や小工事は、粗利率だけを基準にすると判断を誤りやすくなります。少額案件では一定の粗利率があっても、現地確認や見積もりに時間がかかれば利益が残りません。
受注前に、少なくとも次の点をそろえて判断します。
- 材料費、外注費、自社職人の労務費を引いた後の粗利額
- 現地確認、見積もり、手配、報告、請求に必要な管理時間
- 自社職人の空き日程と合っているか
- 同じ発注者から継続的に受注できるか
- 小工事から規模の大きい改修へ広がる可能性があるか
最低粗利は率だけで決めず、「案件当たりの粗利額」と「管理に使う時間」の両方で設定することが重要です。
一時的に利益が薄くても、職人の空きを埋められ、同じ仕様で継続受注できる案件なら、受ける意味があります。反対に、毎回条件が異なり、見積もりや調整に時間がかかる単発工事は、稼働していても収益を圧迫する可能性があります。
自社職人と協力会社の役割を分ける
固定費を抑えながら施工力を維持するには、すべての職種を自社雇用でそろえる必要はありません。受注が継続しやすく、品質や工程の中心になる職種を自社施工の核とし、繁忙期の増員や周辺職種を協力会社で補う形が現実的です。
相談企業であれば、すでに人数の多い軽量・ボード、クロスを自社施工の軸として、その稼働を原状回復、小規模改修、新築内装で組み立てます。案件量の変動が大きい職種や、自社職人だけでは対応しきれない時期については、協力会社と役割を分担します。
新たに職人を採用する際も、先に人を増やすのではなく、その職種の継続案件で必要稼働量をどこまで埋められるかを確認します。これにより、自社施工の強みを伸ばしながら、固定費だけが先行する状態を避けやすくなります。
まとめ
自社職人を増やした会社に必要なのは、単純な案件数の拡大ではありません。職種別の必要稼働量を把握し、稼働を埋める継続案件と、利益をつくる規模案件を組み合わせる受注戦略です。
整理のポイントは次の4点です。
- 自社職人の必要稼働量を職種別・月別に把握する
- 原状回復や小規模改修を、稼働の土台として確保する
- 薄利案件は最低粗利額と管理工数を含めて判断する
- 自社職人を核にしつつ、繁閑差は協力会社で調整する
自社施工体制は、固定費の負担だけを見ると重く感じることがあります。しかし、受注構成が整えば、元請に対する提案力、品質管理、工程対応の面で大きな強みになります。人を減らすか増やすかの前に、今いる職人を安定して動かせる案件の組み方を整理することが、次の一手になります。
自社職人を遊ばせない受注構成を整理したい方へ
「どの職種にどれだけ仕事が必要なのか」「小工事をどこまで受ければ利益が残るのか」といった判断は、売上計画だけでは整理しにくいものです。案件別の粗利、職人の稼働、管理工数を一緒に並べることで、自社に合う受注構成が見えやすくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価管理、販路拡大、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「うちの場合は何から整理すべきか」という段階でも問題ありません。無理に営業を進めることはありませんので、職人の稼働や案件構成を見直すきっかけとしてご活用ください。































