前提

高級住宅向けの門扉・手すり・フェンスを設計から取付まで手がける、売上2億円台の専門工事会社

ある専門工事会社は、門扉や手すり、フェンスなどの金物を、設計から製作、現場での取付まで一貫して手がけています。主な納入先は大手ハウスメーカーで、戸建て住宅向けの仕事が中心です。

長年の取引実績があり、主要なハウスメーカーとの取引口座も開いています。売り込み先がないわけではありません。経営者も「何か開発できれば、売り込みに行くところはいくらでもあります」と話していました。

一方、これまで評価されてきた製品は、落ち着いた雰囲気や重厚感を持つ、高価格帯住宅向けのものが中心です。注文住宅の施主から「門はこうしたい」と要望を受け、それに応える形で技術と実績を積み重ねてきました。

この会社の現在地は、販路不足ではなく、既存の設計・製作力を生かして「次に何を作るか」を決める段階です。

1週間で 21件の相談 がありました

  • 8月6日リフォーム会社千葉県高卒採用の相談
  • 8月6日工務店兵庫県業務効率化システムの相談
  • 8月6日総合建築広島県案件獲得の相談
  • 8月6日内装工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月5日設備保全会社滋賀県人材確保の相談
  • 8月5日プラント工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
  • 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
  • 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
  • 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
  • 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
  • 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
  • 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
  • 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
建設業界のプロ人材による360度経営支援 資料ダウンロード
課題

高級感を保ったまま、より多くの住宅購入者が選べる価格へ落とし込む難しさ

目指しているのは、単なる低価格品ではありません。経営者の言葉を借りると、「みんなが使っているけれど、おしゃれだと思えるもの」です。

高級住宅のための一品物から、幅広い住宅に採用できる商品へ移るには、価格だけを下げても成立しません。材料を安価なものに置き換えた結果、これまで評価されてきた質感まで失えば、自社が作る意味が薄れてしまいます。反対に、意匠や仕様を盛り込みすぎれば、従来の高価格帯から抜け出せません。

整理すべきなのは、次の3点です。

  • 顧客が魅力を感じているデザインや機能は何か
  • 価格を押し上げている材料、加工、取付工程はどこか
  • 標準化しても自社らしさを失わない部分はどこか

商品開発の中心課題は「どこまで安くするか」ではなく、「何を残し、何を変えるか」を決めることです。

背景

新築戸数と住宅予算の変化に対し、受注生産で培った強みを商品へ変換できていない状態

新築住宅の母数が縮小し、住宅一棟にかけられる予算も変化するなか、高価格帯住宅だけを前提にした製品には市場の限りがあります。これまでのように施主ごとの要望を聞いて作るだけでなく、より多くの住宅に採用できる商品を持つことが、次の成長余地になります。

ただし、この会社は長く受注起点で事業を続けてきました。門扉や手すり、フェンスも、自社から企画して市場へ出したというより、「こういうものを作ってほしい」という顧客の要望に応えて発展してきた経緯があります。

そのため、設計・製作・取付の技術はあっても、市場のニーズを先に捉え、仕様と価格を決めて商品化する進め方は別途整える必要があります。後継予定者は建築設計の経験を持ち、社内でも新しい方向を模索していますが、「これだ」という対象はまだ定まっていません。

また、販売方法にも制約があります。既存製品が施主の紹介によって広がることはあるものの、直接販売を増やすと、ハウスメーカーとの価格関係や取引上の信用、施工責任の整理が必要になります。経営者も、広がるほど取引上の問題が増える可能性を感じており、SNSを使った不特定多数への販売は望んでいませんでした。

技術力や販売先はすでにある一方で、顧客ニーズの把握、商品仕様の決定、量産しやすい工程、既存商流との整合性が一つの流れになっていないことが背景にあります。

解決

顧客の声から残す価値を決め、材料・工程・商流を小さな試作で検証する進め方

手頃でデザイン性の高い商品は、最初から完成品を狙うより、仮説を小さく検証したほうが進めやすくなります。軸になるのは、顧客価値、製造原価、施工性、販売方法の4つを同時に確認することです。

1.既存案件から「選ばれた理由」を集める

まず、過去に納入した門扉、手すり、フェンスを振り返ります。売れた製品を並べるだけでなく、施主や設計担当者が何を評価したのかを確認することが重要です。

例えば、評価されていたのが重厚な材料そのものなのか、線の細さや色、納まりの美しさなのかによって、残すべきものは変わります。ハウスメーカーの担当者や設計者に、次のような点を聞くと整理しやすくなります。

  • 採用の決め手になった意匠や機能
  • 価格が理由で採用されなかった仕様
  • 標準住宅でも提案しやすい価格帯とデザイン
  • 現場で取付しやすかった点、手間がかかった点

顧客ニーズは「安いものが欲しい」とまとめず、デザイン、機能、価格、施工性に分けて収集します。

2.残す部分と標準化する部分を分ける

次に、従来品の価値を構成している要素を分解します。すべてを簡素化するのではなく、見た目に影響する部分は残し、顧客から見えにくい部分や個別対応が多い部分を標準化できないか検討します。

判断基準は、自社らしいデザインを保てるか、住宅に取り付けたときの安全性や機能を損なわないか、製作と取付の手間を減らせるかです。仕様の種類を絞ることも、材料調達と製造工程を安定させる方法になります。

3.材料と製造工程をセットで見直す

材料単価だけを比較すると、品質低下につながりやすくなります。見るべきなのは、材料費に加え、切断、加工、仕上げ、組立、運搬、取付まで含めた全体の手間です。

例えば、材料を変えなくても、部材寸法の共通化や加工回数の削減によって価格を抑えられる可能性があります。反対に、材料が安くても加工や現場調整が増えるなら、全体原価は下がりません。

価格を抑える際は、材料の変更だけでなく、設計から取付までの総工程で原価を見直す必要があります。

4.試作品を既存取引先と検証する

仕様を机上で決め切るのではなく、候補を絞って試作品を作り、既存のハウスメーカーや設計者に見てもらいます。確認したいのは、見た目の評価だけではありません。

  • 想定する住宅に合わせやすいか
  • 提案時に価格を説明しやすいか
  • 標準仕様や選択仕様として扱えるか
  • 製作と取付を無理なく繰り返せるか

評価を受けて設計と材料を調整し、再度試す。この小さな循環を作ることで、大きな投資をする前に商品としての成立性を確認できます。

5.外部の力は不足部分を明確にして借りる

経営者も「自分のところだけでは限界がある」と話しています。外部連携では、誰かに商品開発を丸ごと任せるのではなく、自社に不足している役割を明確にすることが大切です。

意匠の整理であれば外部の設計者、住宅市場のニーズ確認であればハウスメーカーや取引先、材料や加工方法の検討であれば仕入先や協力会社との連携が考えられます。社内には設計から取付までの知見があるため、外部には異なる視点と検証機会を求める形が合います。

6.既存商流に乗せられる商品から始める

良い商品ができても、販売方法が既存取引と衝突すれば継続しません。この会社の場合、まずは関係の深いハウスメーカーを通じて採用できる商品として設計するほうが、信用、価格、施工責任を整理しやすくなります。

直接販売やSNSでの拡散を前提にせず、既存取引先が提案しやすい仕様、価格、納期を整える。市場の反応が確認できてから販売経路を広げるかどうかを判断すれば、これまで築いた関係も守れます。

商品そのものだけでなく、「誰が提案し、誰が施工し、誰が責任を持つか」まで決めて初めて、継続して売れる商品になります。

まとめ

新築市場が縮小するなか、高価格帯住宅向けで培った技術を幅広い層へ届けるには、値下げではなく商品設計の組み替えが必要です。

進める順番は、顧客ニーズを集め、残すデザインと機能を決め、材料と製造工程を見直し、試作品を取引先と検証する流れです。そのうえで、既存のハウスメーカーとの価格や信用、施工責任に無理がない販売方法を選びます。

販路がある会社ほど、先に売り方を広げるのではなく、既存商流で繰り返し提案できる商品を小さく作ることが次の一手になります。

自社の商品開発をどこから整理するか迷ったときに

「手頃でおしゃれな商品」という方向は見えていても、顧客ニーズ、原価、仕様、試作、販売方法を社内だけで同時に整理するのは簡単ではありません。特に、既存取引先との関係を保ちながら新商品を育てるには、商品開発と商流を一緒に考える必要があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価、販路、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「うちの場合は、何を残して何を変えるべきか」「誰と検証すればよいか」という段階からでも構いません。無理にサービスを勧めることはありませんので、次の整理先としてご活用ください。

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