前提

店舗・クリニックの設計施工力はある一方、オフィス案件だけが少ない内装会社の現在地

首都圏にある10名弱の内装会社では、現場監督3名、社内設計2名に加え、外部の設計者や施工管理者と連携して案件を進めています。受注の9割近くはエンドユーザーからの元請で、クリニックや飲食店を中心に、設計施工から施工のみの案件まで対応してきました。

100坪前後のテナント工事、スケルトンからの内装、空調・防災設備を含む施工、商業施設への提出書類など、内装会社としての基礎体力は十分にあります。各工種で複数の協力会社を確保し、遠方の大型案件では現場に常駐した経験もあります。

それでも、実績一覧の中で少ないのがオフィスです。

「店舗とクリニックは一通り経験してきましたが、大型オフィスの発注者とのつながりがありません」

この状態は、施工力が足りないというより、既存の経験がオフィス市場の受注経路につながっていない状態と捉えるほうが実態に合っています。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
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  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
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  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
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  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
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  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
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課題

施工できる会社でも、オフィス実績と設計事務所・PM会社との接点がなければ入札前に出遅れる構造

オフィス内装への参入で難しいのは、工事そのものよりも案件に入るタイミングです。

オフィス案件では、入居企業だけでなく、ビル側、デベロッパー、設計事務所、プロジェクトマネジメント会社、家具メーカーなど、複数の関係者が早い段階から関わります。施工会社に入札の声がかかる頃には、設計方針や候補会社がある程度固まっていることも珍しくありません。

そのため、元請としてオフィス工事を取りにいこうとしても、次の二つが壁になります。

  • オフィス内装として提示できる実績が少ない
  • 設計事務所やPM会社など、案件の上流にいる関係者との接点がない

店舗やクリニックで設計施工を重ねていても、発注者側からは「オフィスを任せた実績があるか」という別の見方をされます。オフィスでは家具メーカーが内装まで一体で提案する場合もあり、施工会社同士だけの競争ではありません。

オフィス参入では、施工能力を一からつくるのではなく、入札に呼ばれるための実績と接点を先につくる必要があります。

背景

元請中心で成長してきた会社ほど、オフィス市場に入るための協力会社経験が不足しやすい事情

この会社は、これまで元請案件を中心に成長してきました。エンドユーザーから直接相談を受け、設計施工で空間をつくる進め方が主力です。

元請中心であることは強みですが、新しい市場へ入る場面では入口を狭めることがあります。オフィスの発注スキームや関係者間の調整を経験する前に、元請受注だけを狙うことになるからです。

一方で、店舗やクリニックの案件には波があります。案件が続く時期もあれば、先の予定が読みづらい時期もあります。既存の元請事業を続けながら、協力会社として一定量の仕事を組み合わせることは、受注経路を増やす意味でも検討に値します。

また、オフィス内装は店舗内装と完全に別物ではありません。相談企業には、すでに次の経験があります。

  • 実施設計や設備図を扱える設計体制
  • 空調、防災を含む設備工事への対応
  • 商業施設や大型ビルでの書類提出と施工管理
  • 外部設計者から図面を受け、施工のみを担当した経験
  • B工事があるテナントでの元請経験

足りないのは技術の全面的な作り直しではなく、オフィス案件の発注スキームに沿って、既存の設計・施工力を証明する機会です。

解決

協力会社としての施工参加とB工事を入口に、B・C工事の一体対応から元請実績へ広げる順序

最初から設計施工の元請を狙うより、オフィス案件の中に担当範囲を限定して入るほうが現実的です。入口として考えやすいのが、オフィス実績を持つ会社の協力会社として施工に参加する方法と、B工事に関わる方法です。

B工事は、ビル側が指定する施工会社によって行われる設備工事などを指します。すぐに指定業者になることが難しい場合は、既存の元請やB工事会社の施工パートナーとして参加するところから始めます。

B工事に関わると、ビル側、設計者、入居者、C工事の施工会社などとの調整が生まれます。そこで発注の流れや必要書類を理解でき、次の案件につながる接点もできます。さらにB工事と入居者側のC工事を一体で扱えれば、設備と内装の工程調整もしやすくなります。

参入の順序は「協力会社として参加する→B工事または施工範囲を担当する→B・C工事をまとめて対応する→設計事務所やPM会社から入札に呼ばれる→元請の設計施工へ移る」が基本です。

1.最初の案件は規模よりも担当範囲で選ぶ

初回案件では、売上規模よりも、オフィス実績として説明できる担当範囲を重視します。単一工種だけで終わる案件より、内装、設備、施工管理の連携が見える案件のほうが次につながります。

ワンフロアのシェアオフィスや共用ラウンジのように、区画全体で工程を組める案件は、関係者との調整経験も得やすい対象です。ただし、経験のない規模をいきなり丸ごと請け負う必要はありません。自社が管理できる範囲を明確にしたうえで参加します。

判断したいのは、次の3点です。

  • 自社の現場監督で品質と工程を管理できるか
  • 設備図や実施図を扱える設計者を配置できるか
  • 完工後に担当範囲を実績として示せるか

2.既存の体制をオフィス向けに組み直す

相談企業には、社内設計者と外部設計者、現場監督、各工種の協力会社があります。新しい部署を先につくるより、まず案件ごとに責任者を決めるほうが進めやすいでしょう。

特に確認したいのは、誰が設計者との窓口になり、誰が設備を含む施工調整を担うかです。オフィスでは発注側のスキームに合わせた管理が求められるため、施工力だけでなく、図面・書類・工程調整を一つの窓口でまとめられる体制が重要になります。

3.店舗実績をオフィス向けの言葉に置き換える

「オフィス実績が少ないから見せられるものがない」と考える必要はありません。店舗やクリニックの施工事例から、オフィスでも評価される能力を切り出します。

たとえば、単に「クリニックを施工」と書くのではなく、以下のように整理します。

  • 約100坪のテナントを設計施工で対応
  • スケルトン状態から内装を構築
  • 空調、防災を含む設備調整を担当
  • 大型ビルの施工ルールと提出書類に対応
  • 外部設計者の図面に基づく施工にも対応

そのうえで、オフィス案件に参加した後は、元請・協力会社・B工事・C工事のどの立場だったかを明記します。実績を大きく見せるのではなく、何を任され、どこまで管理したかを正確に示すほうが次の発注者には伝わります。

4.接点づくりは受注後まで設計する

協力会社として入る目的は、目の前の工事を終えることだけではありません。現場で接点を持った設計者やPM担当者に、自社の対応範囲を知ってもらうことも大切です。

工事中の調整、書類対応、引き渡しまでを安定して行うことで、次回の見積もりや入札に呼ばれる可能性が生まれます。名刺交換だけで案件化を急ぐより、まず一件を無理なく納め、再現できる実績にするほうが近道です。

まとめ

店舗やクリニックで十分な施工経験があっても、オフィス内装では実績と発注者との接点が別に求められます。設計事務所やPM会社との関係がないまま元請受注だけを狙うと、入札の声がかかる前に候補が固まってしまいます。

そこで、既存の元請事業を続けながら、オフィス実績を持つ会社の協力会社として施工に参加し、B工事やC工事を入口に経験を積みます。案件を重ねる中で対応範囲を広げ、設計者やPM会社から直接入札に呼ばれる状態をつくっていきます。

オフィス参入で最初に決めるべきなのは、何を一括受注するかではなく、どの立場で最初の一件に入り、次に示せる実績を何にするかです。

オフィス内装への入り方を自社の体制から整理する

オフィス内装に参入したくても、協力会社として入るべきか、B工事を狙うべきか、既存実績をどう見せるべきかは会社ごとに異なります。現在の設計・施工体制、協力会社網、元請案件とのバランスから順番を整理すると、無理のない入口が見つけやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「うちの場合はどの案件から入るべきか」「何から整理すればよいかわからない」という段階でも構いません。無理に営業を進めることはありませんので、次の整理先としてご活用ください。

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