元請比率8割超で店舗・クリニックの設計施工を担う10名弱の内装会社
首都圏に拠点を置く、10名弱の内装工事会社があります。社内には現場監督が4名、設計担当が2名おり、外部の設計者や監督とも継続的に連携しています。
主な案件はクリニックや飲食店などのテナント内装です。設計施工を一貫して請け負う案件が多く、契約の8割以上はエンドユーザーから直接受注する元請案件です。商業施設への提出書類や施工管理にも対応し、複数の協力会社を束ねながら中規模以上の現場も動かしてきました。
案件の入口は、既存顧客からの相談、紹介、外部設計者からの依頼、案件マッチングサービスなどです。特定業態の出店や改装が続くと、同じ顧客から複数の相談が入ることもあります。
一方で、元請案件には時期の偏りがあります。相談者の言葉を借りれば、「集中するときは集中するし、先の案件はなかなか読めない」状態です。
そこで検討されていたのが、元請案件を続けながら、他社の下請・協業案件も受ける形です。これは元請から下請へ切り替える話ではありません。既存顧客からの直接受注を事業の中心に置きつつ、人員の空きを埋める別の受注経路を持つ取り組みです。
1週間で 15件の相談 がありました
- 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
- 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
- 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
- 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
- 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
- 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
- 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
- 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
- 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
- 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
- 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
- 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
- 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
- 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
- 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
元請案件だけでは現場監督と協力会社の稼働を読み切れない受注の波
元請案件は、設計提案から見積もり、契約、着工まで自社で関与できる範囲が広く、顧客との関係や実績も蓄積しやすい仕事です。ただし、自社の都合だけで発注時期を決められるわけではありません。
テナントの引き渡し、出店計画、施設側との調整、設計変更などによって、着工時期は動きます。複数案件が同じ月に重なる一方、その先の予定が急に薄くなることもあります。
特にこの会社は、現場監督4名を中心に、専属に近い外部設計者や監督、各業種の協力会社を組み合わせて施工しています。案件が重なれば外部監督を追加できますが、常に増員できるとは限りません。反対に案件が空けば、自社の社員だけでなく、継続的に動いてきた協力会社の稼働にも影響します。
元請案件の受注力が弱いのではなく、受注時期を自社で完全には制御できないことが課題です。
そのため、下請・協業案件を受けるかどうかを「仕事があれば受ける」という判断にすると、かえって運営が難しくなります。空いている時期には助かっても、後から既存顧客の元請案件が入れば、監督や協力会社の取り合いが起きるためです。
平準化のために受けた案件が、本来優先したい元請案件を圧迫してしまっては意味がありません。必要なのは案件数を増やすことではなく、元請案件と競合しない受注枠をつくることです。
直接受注の先行きが読みにくい一方で協業案件には継続性がある構造
元請案件の波が大きくなる背景には、案件ごとに受注までの経路と工程が異なることがあります。
既存顧客からの相談であっても、出店や改装の判断時期は顧客側の事情に左右されます。紹介案件やコンペ案件では、提案に参加しても受注が確定するとは限りません。一度案件が動き出すと複数の工事が続くこともありますが、開始時点を正確に読むのは難しいものです。
一方、大手内装会社や元請会社から受ける下請・協業案件は、発注側が継続的に複数のプロジェクトを抱えている場合があります。自社単独では入りにくかったオフィスや大型施設の案件にも、施工や管理の協力会社として参加できる可能性があります。
ただし、協業案件では発注側の管理方法や書式、工程、報告ルールに合わせる必要があります。元請案件と比べると、工程や協力会社の選定に関する主導権が限られる場合もあります。
つまり、両者には次のような違いがあります。
- 元請案件は粗利や工程を設計しやすい一方、着工時期に波が出やすい
- 下請・協業案件は継続受注を期待しやすい一方、発注側の工程や管理ルールに左右される
- 元請案件は顧客との関係が自社に蓄積される
- 協業案件は新しい用途や発注経路の実績をつくりやすい
元請と下請のどちらが優れているかではなく、収益性、継続性、工程の主導権が異なる仕事として組み合わせることが重要です。
この会社には、商業施設の書類対応、設計施工、設備を含む複数業種の管理、遠方案件での協力会社編成といった実績があります。こうした対応力は、他社の発注スキームに入って協業する際にも活かせます。
相談者からも「規模を大きくしていくためには、下請の仕事があってもいい」という意向がありました。ここで求められているのは、単なる売上の上乗せではありません。元請案件の波を吸収しながら、自社の施工体制を安定して維持できる案件構成です。
粗利・継続性・工程主導権・人員の空き・元請との競合で受注枠を設計する進め方
下請・協業案件を組み込む際は、案件ごとの印象ではなく、共通の判断軸で受注可否を整理すると進めやすくなります。見るべき軸は、次の5つです。
1.必要な管理負担を含めて粗利を確認する
協業案件では、見積書上の粗利だけでなく、発注側への報告、指定書式への対応、定例会議、追加変更の調整なども含めて考える必要があります。
粗利率だけでなく、現場監督が使う時間と調整負担を差し引いて判断することが大切です。監督の拘束が長い案件では、元請案件を受けられる余地が小さくなります。
2.単発か、継続的な発注が見込めるかを見る
受注の平準化に使うなら、単発案件を増やすだけでは十分ではありません。発注元がどの程度の案件数を持っているか、得意分野に合う案件が続くか、次回以降も声がかかる条件は何かを確認します。
多少の粗利差があっても、一定の品質を満たせば継続発注が見込める案件は、稼働安定への貢献度が高くなります。
ただし、継続性を期待するあまり、初回から大きな受注枠を空ける必要はありません。まずは一つの現場で、発注方法や支払い条件、変更対応、担当者間の連携を確認する進め方が現実的です。
3.工程の主導権がどこにあるかを確認する
着工日や工期を発注側が固定する案件は、元請案件と重なった際の調整が難しくなります。一方、部分施工や施工エリアごとの分担など、一定の工程調整ができる案件なら、空き枠に組み込みやすくなります。
確認したいのは、次のような点です。
- 着工時期と工期に調整余地があるか
- 自社が担当する工種と範囲が明確か
- 協力会社を自社で選定できるか
- 追加変更の決定者と承認方法が決まっているか
- 現場監督の常駐が必要か
受注の平準化に向くのは、工程と担当範囲を事前に読みやすい案件です。
4.売上ではなく人員の空き状況で受注枠を決める
案件構成を考える際は、月別売上だけでなく、監督・設計・協力会社の稼働を並べて見る必要があります。
たとえば、監督4名を一つの総枠として捉えるのではなく、各担当者が持てる案件の規模、現場の距離、設計対応の有無、常駐の必要性を整理します。外部監督を追加できる条件も、あらかじめ決めておきます。
「売上が空いているから受ける」のではなく、「誰が、どの期間、どこまで管理できるか」で受注を決めることがポイントです。
月ごとの工程表には、確定案件だけでなく、受注確度の高い元請案件も仮置きします。そのうえで、協業案件に使える枠を見えるようにしておくと、後から元請案件が入った際の衝突を減らせます。
5.既存の元請案件と競合しない条件を決める
協業案件を増やす前に、自社として守る優先順位を明確にしておく必要があります。
既存顧客から継続的に相談がある会社なら、その対応余力まで埋めてしまわないことが重要です。特に、得意とするクリニックや飲食店の案件と、同じ監督・設計担当・協力会社を使う協業案件は競合しやすくなります。
そのため、次のような受注ルールを置く方法があります。
- 元請案件のために一定の監督枠を残す
- 繁忙期は協業案件の新規受注を抑える
- 協業案件は担当者や工種を限定する
- 元請案件と同時期になる場合の優先順位を事前に決める
- 発注元にも受けられる時期と規模を明確に伝える
下請・協業案件は、余った時間に入れる仕事ではなく、元請案件を守る条件まで含めて設計する受注枠です。
進め方としては、最初に全社の案件を「元請の基幹案件」「継続型の協業案件」「空き枠に入れる単発案件」に分けます。その後、過去半年から1年程度の稼働を振り返り、監督や協力会社が不足した時期と空いた時期を確認します。
そのうえで、協業先ごとに5つの判断軸を評価し、小さな受注枠から試します。実際に一つの案件を終えた段階で、粗利だけでなく管理時間、工程変更、追加対応、次回発注の可能性まで振り返ると、自社に合う協業先が見えやすくなります。
まとめ
元請案件の受注に波があることは、営業力だけで解決できる問題ではありません。顧客の出店計画や施設側の工程に左右される以上、一定の変動は残ります。
そこで有効なのが、既存顧客からの元請案件を軸にしながら、下請・協業案件を安定稼働のために組み込む考え方です。
ただし、案件数を増やすだけでは平準化にはつながりません。
粗利、継続性、工程の主導権、人員の空き状況、元請案件との競合リスクを同じ基準で確認し、協業案件に使う受注枠を決めることが重要です。
元請と下請を対立するものとして捉える必要はありません。直接受注で利益と顧客関係をつくり、継続的な協業案件で施工体制の波を抑える。両方の役割を分ければ、現場監督や協力会社が動きやすい案件構成に近づけます。
自社に合う案件構成と受注枠を整理したい方へ
元請案件をどこまで優先し、下請・協業案件にどれだけの枠を持たせるかは、監督人数、得意工種、既存顧客からの相談頻度によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の案件構成や販路拡大、原価管理、組織体制を横断して整理し、実行まで支援しています。「自社の場合は何を基準に分ければよいか」「まず稼働状況から整理したい」という段階でも大丈夫です。
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