前提

数週間から数カ月前に受注が決まり、社員と協力会社で施工体制を組む通信工事会社の現在地

関東を中心に弱電・電気通信工事を手がける、35名規模の会社があります。データセンターなどの大型プロジェクトでは、社員4名ほどに対して協力会社から10名ほどが入り、現場を動かすこともあります。一方、慣れた現場は協力会社だけに任せるなど、案件ごとに施工体制を変えています。

悩みは、案件がないことではありません。データセンター関連をはじめ、今後もまとまった需要は見込まれています。問題は、スポット工事の集合体であるため、必要な施工人員が見えるのが受注の数週間から数カ月前になることです。

「案件が決まってから募集しても、時期が合わないことがあります。まず会って名刺交換をして、半年以内に発注できればいい、という感覚です」

この会社が求めているのは、今すぐ稼働できる作業員だけではありません。平時から協力会社との接点を増やし、案件が発生したときに声をかけられる状態をつくることです。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

案件確定後の募集では、必要な工種・人数・時期がそろわない構造

大型案件の受注後に協力会社を探し始めると、募集条件が具体的になる一方で、相手側の予定はすでに埋まっている可能性が高くなります。特に2〜3名規模の会社は、普段からペアで現場を動いていることが多く、「1名だけ来てほしい」と頼んでも調整できない場合があります。

今回の会社も、既存の協力会社が手いっぱいになるたび、新しいパートナーへ個別に発注してきました。しかし、その場で探す方法では、候補企業の施工経験や現場対応力を十分に確認できません。

過去には協力会社募集のマッチングサービスを利用し、現在も取引が続く会社と出会えた実績があります。ただし、案件情報を出しても返事がないことがあり、継続利用するほどの費用対効果は感じにくかったといいます。企業交流会でも接点は生まれていますが、案件と時期が合わず、そのまま関係が止まるケースがありました。

ここで整理したいのは、協力会社の開拓を「いま発注できる会社を募集する活動」だけにしないことです。スポット工事では、案件の有無と協力会社の稼働時期が偶然一致するのを待つだけでは、安定した施工体制をつくりにくくなります。

背景

協力会社を増やしたくても、日々の業務と「すぐ発注できない」事情が開拓を止める状態

平時の開拓が進みにくい理由は、必要性が低いからではありません。営業担当者がいても、日々の案件対応が優先され、新しい協力会社を探す活動までは手が回りにくいからです。この会社でも、自社の営業担当者が協力会社開拓に動く予定はなく、「日々の仕事が忙しいですから」というのが実情でした。

担当者自身が候補企業への電話や交流会への参加を進めた時期もありましたが、何度かうまくいかず、直接開拓は一度止めています。新規顧客の開拓なら動き方を想像できても、協力会社候補へ無作為にメールを送る方法では成果を見込みにくく、紹介のほうが早いのではないかという感覚もあります。

さらに難しいのが、接点を持ててもすぐには仕事を出せないことです。相手から「パートナーシップを組みませんか」と声をかけられても、ちょうどよい案件がなければ具体的な取引に進みません。そこで連絡が途切れると、いざ大型案件が決まったときには、改めて相手の稼働状況から確認することになります。

自社雇用だけで繁忙期に備える方法もありますが、スポット工事では閑散期の仕事を確保する必要があります。協力会社であれば、自社の繁忙期には応援を依頼し、それ以外の時期は相手が自社案件を動かせます。この需給調整のしやすさが、会社間取引を増やしたい理由です。

課題の中心は候補企業が存在しないことではなく、候補との接点、条件、関係性が発注可能な形で管理されていないことにあります。

解決

関東・弱電・6名以上などの条件を先に決め、発注前提ではない接点をストックする進め方

協力会社開拓は、案件が決まる前から「条件整理」「候補抽出」「初回接点」「関係維持」「案件発生時の打診」の順で進めると動かしやすくなります。

1.欲しい会社の条件を、案件名ではなく施工体制から決める

最初に行うのは、候補企業数を増やすことではなく、自社がどのような会社へ声をかけるべきかを明確にすることです。

今回の会社では、次の条件が見えていました。

  • 対応エリアは、まず関東を優先する
  • 弱電・電気通信工事に対応できる
  • データセンター関連工事の施工体制を組める
  • 個人への依頼ではなく、会社間取引ができる
  • できれば6名以上、理想は10名以上の体制がある
  • 1〜2名を応援に出す場合でも、現場内で旗振りや調整ができる
  • 発注元の看板を背負う意識を持ち、決めた条件に沿って動ける

過去に全国案件を扱った経験があっても、協力会社網がない地域では社員が移動することになります。そのため、「まずは関東で足場を固める」という判断になりました。

エリアや工種を広げすぎず、自社が継続的に仕事を出せる範囲から開拓することが、使えるネットワークをつくる第一歩です。

2.一つの募集手段に絞らず、候補企業との接点を複線化する

候補企業との接点は、マッチングサービスだけに頼らないほうが安定します。今回の会社では、業界団体の横のつながり、企業交流会、既存取引先からの紹介、過去に利用した外部サービスなど、すでに複数の入口がありました。

平時の開拓では、これらを別々の活動にせず、一つの候補リストへ集約します。直接連絡する場合も、無作為に問い合わせ先へメールを送るのではなく、条件に合う会社を絞り、「直近の発注依頼ではなく、今後の大型案件に備えた情報交換」であることを先に伝えます。

初回接点で確認したいのは、受注可否ではなく、次のような基礎情報です。

  • 主な工種と得意な施工領域
  • 対応可能な地域
  • 社員・常用を含む施工体制
  • 何名単位で動くことが多いか
  • スポット応援の相談が可能か
  • 現場管理や職長相当の役割を担えるか
  • 過去の類似工事の経験
  • 連絡窓口と打診しやすい時期

この段階で案件を約束する必要はありません。「すぐ仕事は出せないが、条件が合う案件が出た際に相談したい」と率直に共有し、双方の期待値をそろえることが大切です。

3.名刺交換で終わらせず、発注できる候補リストへ変える

協力会社リストは、会社名と電話番号だけでは十分ではありません。案件発生時の判断に必要な情報を、同じ形式で残す必要があります。

最低限、次の項目を管理します。

  • 会社名、所在地、担当者、連絡先
  • 対応エリアと工種
  • 施工人数と応援可能な人数の目安
  • データセンターなどの類似工事経験
  • 現場管理を任せられる人材の有無
  • 初回面談日と接点の経緯
  • 発注実績と現場からの評価
  • 最終連絡日
  • 次に確認する内容

案件がなくても、近況確認や対応範囲の更新はできます。企業交流会で出会った会社も、案件が合わなかったという理由だけで候補から外さず、条件と稼働傾向を残しておけば、次の相談先になります。

4.最初の発注を小さな評価機会として社内へ展開する

新しい協力会社へ、最初から大型現場の大部分を任せる必要はありません。実際に一度依頼し、施工や現場対応がよければ社内へ展開する進め方が現実的です。

見るべきなのは施工品質だけではありません。連絡の速さ、条件の認識、現場での調整、発注元の看板で動く姿勢なども、継続取引の判断材料になります。評価を担当者個人の記憶にとどめず、リストへ記録することで、他の案件担当者も同じ会社へ声をかけやすくなります。

5.案件発生時に一斉打診できる状態まで準備する

大型案件が見えた時点では、候補リストから条件に合う会社を抽出し、同じ情報をまとめて打診します。工期、場所、工種、必要人数、求める役割などをそろえて伝えることで、候補企業も判断しやすくなります。

ただし、リストの社数だけを目標にする必要はありません。今回の会社も「まず一社だけでもつながれれば」と考えていました。大切なのは、登録数ではなく、必要なときに具体的な相談ができる関係の数です。

協力会社のストックとは、人員を確保しておくことではなく、案件発生時に条件を確認し、一斉に相談できる関係と情報を整えておくことです。

まとめ

受注の数週間から数カ月前に施工人員が必要になるスポット工事では、案件確定後の募集だけで需給を合わせるのは簡単ではありません。相手の予定が埋まる前から接点をつくり、発注できない期間も関係を切らさない仕組みが必要です。

進め方は、次のように整理できます。

  1. 対応エリア、工種、施工人数、現場管理力などの条件を決める
  2. 業界団体、交流会、紹介、直接開拓などから候補を集める
  3. すぐ発注できないことを伝えたうえで情報交換する
  4. 候補企業の体制と接点履歴を一つのリストで管理する
  5. 小さな発注で対応を確認し、評価を社内共有する
  6. 大型案件が見えたら、条件に合う候補へ一斉に打診する

大型案件が決まる前の平時こそ、協力会社を探す時間ではなく、発注できる関係へ育てる時間です。一社でも確かな候補が増えれば、既存の協力会社が手いっぱいになったときの選択肢が広がります。

自社に合う協力会社の条件と開拓手順を整理したい方へ

協力会社を増やしたいと思っても、「どの会社へ声をかければよいか」「案件がない時期に何を話せばよいか」「候補をどう管理すればよいか」が曖昧なままでは、日々の業務が優先されやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。協力会社開拓についても、対応エリアや工種、必要な施工体制の整理から、候補企業の抽出、接点づくり、リスト整備まで、自社の状況に合わせて検討できます。

「うちの場合はどの条件から決めるべきか」「まだ案件はないが、何を準備すればよいか」という段階でも問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、次の大型案件に備えた整理先としてご活用ください。

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