前提

社員15名ほど・協力会社50社前後で設備通信工事と複数事業を動かす現在地

ある地方都市の専門工事会社は、設備・通信工事を中心に、物販や撮影・映像制作などの事業も手がけています。現在は社員15名ほど。役員と管理者、現場リーダーが中心となり、その下に50社前後の協力会社がつく体制です。

創業時は一人で現場に入り、数年で正社員50名ほどまで拡大しました。その規模を数年間維持した後、現在は組織を絞っています。

「工事で会社を大きくしたいわけではありません。今ある仕事で、どれだけ利益を取り続けられるかを考えています」

この会社が目指しているのは、建設事業を捨てることではありません。工事売上だけを追わず、他の事業を少しずつ育て、一つの業種に依存しない会社をつくることです。

建設事業を維持しながら多角化する場合、売上規模ではなく、会社全体で利益を残し続けられるかが出発点になります。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

工事需要と単価が読めないなかで人員拡大が経営負担に変わる構造

人が増えれば、受けられる工事の範囲は広がります。ただし、増やした人数に見合う工事需要が続くとは限りません。受注量があっても、単価が下がれば利益は薄くなります。

この会社も、採用できるなら人は多いほうがよいとしながら、工事事業の拡大には慎重です。

「人を増やして大きくなる選択を取るほど、うちのような会社はしんどくなるのではないかと思っています」

社員を抱えると、案件が減った局面でも固定費は残ります。人を遊ばせないために条件の合わない工事を受ければ、忙しいのに利益が残らない状態にもなりかねません。

実際、この会社は工事を減らしたことで、「今はすごくやりやすい」と感じています。現在は、対応できる工事をすべて取るのではなく、自社が本当にやりたいと思える工程や案件を選ぶ方針です。

人員拡大と売上拡大をセットで考えるだけでは、需要変動と単価下落の負担まで会社が抱えることになります。

背景

正社員50名規模を経験したからこそ見えた「拡大しない」という選択

工事事業の拡大に慎重なのは、成長意欲がないからではありません。正社員50名規模を実際に運営した経験があり、人が増えることで生まれる売上と負担の両方を見てきたからです。

また、大手企業との直接取引も減らしています。取引規模が大きくなる一方で、関係を切り替えにくくなり、会社として動ける範囲が狭まる感覚があったためです。現在は、必要に応じて取引の間に別会社を挟み、移動しやすい形を選んでいます。

この考えは、多角化の進め方にも表れています。新事業のために外部から専門人材を採り、先に大きな組織をつくる方法は取っていません。社員がこれまでの経験をもとに教育内容をつくり、既存メンバーが協力しながら事業を動かしています。

「専門の人を入れて事業を始めると、事業をやること自体が目的になってしまいます。その塩梅を見ながら進めています」

まだ事業ごとに人員を完全に分けられる段階ではありません。だからこそ、新しい事業を増やすほど、売上だけでなく、誰が動くのか、既存事業にどれだけ負担がかかるのかを見る必要があります。

多角化は事業数を増やすことではなく、限られた人員と管理能力の範囲で、依存先を分散させる取り組みです。

解決

事業別の利益・経営資源・相乗効果・撤退条件を先にそろえる進め方

建設事業をむやみに拡大せず、多角化を進めるには、各事業を同じ基準で見られる状態をつくることが大切です。すべての事業を同じ規模にする必要はありません。

まず、既存の建設事業を「売上」だけで評価しないようにします。事業別、できれば工事区分別に次の項目を並べます。

  • 売上高と粗利益額
  • 粗利益率
  • 社員と協力会社の稼働量
  • 管理者が使っている時間
  • 入金までの期間と先行支出
  • 需要や単価の変動幅
  • 取引を継続・変更・終了しやすいか

この会社が重視する「どれだけ利益を取り続けられるか」を判断するには、粗利益だけでなく、管理負担や資金負担まで含めて見る必要があります。

建設事業は「拡大するか、やめるか」の二択ではなく、利益の残る範囲だけ維持し、負担の大きい工事を縮小する選択ができます。

次に、新しい事業は既存事業との相乗効果を確認します。判断材料になるのは、既存の管理者や教育ノウハウを使えるか、現在の社員が無理なく関われるか、建設事業で培った現場管理力を生かせるかです。

相乗効果が弱くても、独立して利益が出るなら取り組む余地はあります。ただし、その場合は専任人材や追加資金が必要になりやすいため、既存事業への影響をより慎重に見ます。

新事業を始める前には、次の四つを決めておくと整理しやすくなります。

  1. 試す範囲:最初に提供する商品やサービスを絞る
  2. 使える経営資源:担当者、管理時間、投資額の上限を決める
  3. 継続条件:一定期間後に確認する売上、粗利益、受注状況を決める
  4. 撤退条件:赤字額、経営負担、既存事業への影響から終了基準を決める

撤退条件は、失敗を前提にするものではありません。始めた事業に引っ張られ、投資を重ね続けないための判断材料です。

事業ごとの数字が見えたら、「維持する事業」「小さく試す事業」「伸ばす事業」「縮小する事業」に分けます。四半期など一定の間隔で見直せば、最初から大きな賭けをせず、段階的に事業構成を変えられます。

多角化では、伸ばす条件と同時に縮小・撤退する条件を決めておくことで、利益と経営の自由度を守りやすくなります。

まとめ

建設会社の成長は、社員数や工事売上を増やすことだけではありません。需要や単価が変動するなかでは、工事事業を維持・縮小しながら、別の収益源を育てる方法もあります。

大切なのは、何となく新事業を増やさないことです。事業別の収益性、必要な人員と管理時間、既存事業との相乗効果、撤退条件をそろえて判断します。

  • 工事売上ではなく、継続して残る利益を見る
  • 人を増やす前に、需要変動と固定費負担を確認する
  • 新事業は小さく試し、既存事業への影響を見る
  • 維持・成長・縮小・撤退の条件を事前に決める

「大きくする経営」ではなく「利益と選択肢を残す経営」と捉えると、建設事業と新事業の役割を整理しやすくなります。

自社に合う事業構成を整理するところから

建設事業をどこまで維持するか、新事業にどの程度の人員と資金を使うかは、会社ごとに判断が変わります。「うちの場合は何を残し、何を試すべきか」「事業別の収支をどう見ればよいか」という段階から整理しても問題ありません。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価、資金、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。無理に話を進めることはありません。ものづくりに集中できる経営体制を考えるための整理先として、気軽にお声がけください。

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