前提

応募はあるものの、求める若手を数年間採用できていない15名規模の設備工事会社

関西圏で電気・通信系の工事を手がける、社員15名ほどの会社があります。役員と管理者、現場リーダーを中心に、50社前後の協力会社と現場を動かしている会社です。

採用活動は数年前から継続しています。求人媒体への掲載だけでなく、採用記事やSNSでの情報発信にも取り組んできました。応募自体がないわけではありません。

それでも、採用にはなかなか至りません。

「応募は来ています。でも、自分たちと一緒にやりたいという感じがないんです」

求めているのは、単に若い人ではありません。考え方に柔軟性があり、「やりたいことがある」「もっと稼ぎたい」といった本人なりの意欲を持つ人です。会社としても、指示された工事だけをこなす人を増やしたいわけではありません。

社内には30代前半の次世代候補が育ちつつあります。採用人数を増やして会社を大きくすることより、今の組織を良くしながら次の世代へ引き継げる状態をつくることが優先されています。

この会社の採用課題は応募数の不足ではなく、自社に合う若手を見極め、選び合うための基準が十分に伝わっていないことです。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

「若くて意欲のある人」という希望だけでは、応募者との違いを見極めにくい状態

採用が進まないと、求人の露出を増やしたり、募集条件を広げたりしたくなります。ただ、応募がすでに来ている会社では、入口を広げるだけで解決するとは限りません。

「柔軟な人がいい」「野心のある人がいい」という希望は、経営側には明確でも、応募者や面接を担当する管理者には解釈の余地があります。

たとえば、柔軟性には複数の意味があります。

  • 未経験の仕事にも関心を持てる
  • 工事以外の役割にも抵抗がない
  • 状況に応じて考え方を変えられる
  • 上司の指示を待たず、自分で動ける

どれを重視するかによって、選ぶ人は変わります。意欲についても同じです。収入を上げたい人、技術を身につけたい人、現場を任されたい人では、入社後に期待する仕事が異なります。

この会社では、採用の優先順位を管理者が判断しています。経営者一人がすべての選考を動かしているわけではありません。だからこそ、求める人物像が感覚のままだと、面接担当者ごとに採用判断が変わりやすくなります。

一方で、人数確保だけを優先する考えも取っていません。

「無理をして20代前半を採って会社を混乱させるなら、今の状態を維持しながら良くしたほうがいいと思っています」

応募者を増やすことより先に、「どのような人なら採るのか」と「どのような場合は採らないのか」を社内でそろえる必要があります。

背景

かつて成功した友人紹介が、会社と社員の年齢変化によって再現しにくくなった事情

この会社は、創業から数年で社員40名を超える規模まで成長した経験があります。当時の採用を支えたのは、人のつながりでした。

「誰かが友達を呼んで、その友達がまた別の友達を連れてくる感じでした」

経営者も社員も20代前半が中心でした。同年代のつながりが自然に広がり、現在でいうリファラル採用が機能していたのです。報奨金を設けた制度ではなく、一緒に働く仲間が仲間を呼ぶ形でした。

現在は経営者が40代前半となり、社員の最年少も20代半ばです。以前と同じように友人を誘う方法には、慎重さも感じています。年齢を重ねた社員が知人を無条件で会社へ連れてくると、人間関係と仕事上の評価が混ざりやすくなるためです。

ただし、過去の成功がまったく使えないわけではありません。若手社員を一人、二人と採用できれば、同世代のつながりが再び生まれる可能性はあります。問題は、以前のような自然発生を待つだけでは再現しにくいことです。

また、この会社では、電気・通信工事だけに人を当てはめようとしていません。自社の経験をもとに人を育て、将来的には管理や経営を担える人が育つ環境をつくろうとしています。

若手に伝えるべき魅力は「建設業で働けること」だけではなく、仕事の幅や役割を広げ、次の管理者を目指せる環境にあります。

解決

採用基準、発信、選考、紹介の順番をそろえて若手とのミスマッチを減らす進め方

最初に取り組みたいのは、求人媒体の追加ではなく、採用基準の言語化です。経営者と管理者が集まり、現在活躍している社員の行動をもとに整理すると進めやすくなります。

1.求める人物像を、面接で確認できる行動に置き換える

「柔軟性」「意欲」「野心」といった言葉を、そのまま採用基準にしないことがポイントです。次のように、確認可能な項目へ置き換えます。

  • 経験のない仕事に直面したとき、どのように動くか
  • 仕事を通じて何を実現したいと考えているか
  • 技術、収入、役割のうち、何を伸ばしたいか
  • 周囲から指示される前に動いた経験があるか
  • 一つの職種に限らず、仕事の幅を広げることをどう捉えるか

すべてに模範解答を求める必要はありません。大切なのは、本人の言葉で話しているか、その考え方が自社の働き方と合うかです。

同時に、採用しない基準も決めます。たとえば、会社の仕事に関心がないまま条件だけで応募している場合や、本人が望む働き方を自社で用意できない場合は、無理に採用しない判断も必要です。

採用基準は人を厳しく選別するためではなく、入社後に双方が「思っていた会社と違う」とならないために設けます。

2.求人では仕事内容だけでなく、任される役割と成長の道筋を見せる

若手採用では、「未経験歓迎」「資格取得支援」といった一般的な表現だけでは会社の違いが伝わりにくくなります。

この会社であれば、現場作業だけでなく、現場リーダーや管理者を目指せること、自社の経験をもとに教育していることが特徴です。工事を会社の目的ではなく、さまざまな仕事をつくるための手段として捉えている点も、柔軟な考えを持つ若手には響く可能性があります。

採用記事やSNSでは、次の内容を具体的に示すとよいでしょう。

  • 入社後に最初に担当する仕事
  • 一人で任せるまでに教えること
  • 現場リーダーや管理者が担う役割
  • 自分で考え、提案できる範囲
  • 会社が若手に期待していること

格好よく見せることより、入社後の姿を想像できることが重要です。

3.面接を「意欲があるか」ではなく、価値観を確かめる場に変える

「やる気はありますか」と聞けば、多くの応募者は「あります」と答えます。これだけでは、自社が求める意欲を判断できません。

過去の行動を聞きながら、本人が何を大切にしているかを確かめます。たとえば、仕事を続けられた理由、苦手なことへ取り組んだ経験、自分から覚えたことなどです。

会社側からも、良い面だけでなく、求める姿勢を率直に伝えます。幅広い仕事に関わる可能性があることや、将来は管理を担ってほしいことを伝え、その環境を本人が望んでいるかを確認します。

面接は会社が応募者を評価する時間ではなく、双方の「やりたいこと」が重なるかを確かめる時間です。

4.リファラル採用を「友達を連れてくる仕組み」から再設計する

過去と同じ友人紹介を再現する必要はありません。現在の社員が安心して声をかけられる形に整えることが先です。

紹介を依頼するときは、「若い人がいたら誰でも」ではなく、求める人物像と実際の仕事内容を社員へ共有します。紹介者が採否の責任を負わないことも明確にします。紹介後は通常の応募者と同じ基準で面接し、人間関係と採用判断を分けます。

報奨金を前提にしなくても、誰に、どのような言葉で声をかけてほしいかをそろえるだけで動きやすくなります。特に若手社員には、自分が入社してから任された仕事や成長した点を、同世代へ伝えてもらう方法があります。

リファラル採用の再設計では、紹介人数よりも「自社に合う人を社員が説明できる状態」をつくることが先です。

まとめ

応募があるのに採用できない場合、求人の露出不足だけが原因とは限りません。求める人物像が抽象的で、情報発信と面接、社内の採用判断がつながっていない可能性があります。

今回のように、人数を増やすこと自体を目的としていない会社では、採用しない判断も大切です。若手を一人採ることが、必ずしも組織にとってプラスになるとは限りません。

整理したい順番は次のとおりです。

  1. 柔軟性や意欲を、確認可能な採用基準へ置き換える
  2. 若手に任せたい仕事と成長機会を具体的に発信する
  3. 面接で本人の行動と価値観を確認する
  4. 同じ採用基準を使ってリファラル採用を再設計する
  5. 基準に合わない場合は、無理に採用しない

採用の目標は若手の人数を増やすことではなく、今の組織と次の世代をつなげる人と出会うことです。

自社に合う若手採用の条件を整理したいときに

「求める人物像をうまく言葉にできない」「応募はあるが、何を基準に判断すべきかわからない」という段階でも、採用活動の整理は始められます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題を、求人だけでなく、教育体制や組織づくり、その後の定着まで含めて整理し、実行を支援しています。自社の場合は何から見直すべきかを確認したいときは、現在の採用状況をお聞かせください。

無理にサービスをおすすめすることはありません。建設業の経営課題を解決し、未来をつくるパートナーとして、次に整理すべきことを一緒に考えます。

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