前提

ハローワークへの求人掲載を考えながら、自社の魅力を言葉にできずにいる首都圏の専門工事会社

首都圏で内装関連の工事を手がける10名未満の会社が、ハローワークへの求人掲載を検討していました。採用したいのは、これから長く働いてくれそうな30代から40代の人材です。

ただ、求人票を作ろうとすると手が止まります。給与や休日、勤務地、仕事内容は書けても、自社ならではの魅力が思い浮かばないからです。

以前、求人媒体を利用した際には社員インタビューも実施しました。しかし、経営者の印象は次のようなものでした。

「悪くはないんだけど、刺さるようなトゲのある言葉はなかった。無難な言葉で終わっていたんじゃないかな」

これは珍しい悩みではありません。専門工事会社の仕事は、一般の求職者に馴染みが薄く、現場によっては汚れやにおい、高所作業、体力的な負担もあります。経営者自身が日常的に見ている仕事だからこそ、魅力を聞かれても「特別なものはない」と感じやすいものです。

一方で、社内には10年、15年と働き続けている社員がいます。その事実は、給与や休日だけでは説明できない何かが、その会社にあることを示しています。

採用で使える強みは、経営者が新しく考え出すものではなく、社員が働き続けている理由の中から見つかることが少なくありません。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

「働きやすい会社です」という無難な表現では、数ある求人の中で違いが伝わらないこと

採用で難しいのは、会社に魅力がないことではありません。社内では当たり前になっている魅力を、特定の求職者が興味を持つ言葉へ変換できていないことです。

たとえば、求人でよく見かける次のような表現があります。

  • アットホームな職場です
  • やりがいのある仕事です
  • 未経験でも丁寧に教えます
  • 社会に貢献できる仕事です
  • 風通しのよい会社です

どれも間違いではありません。ただ、他社も同じことを書けるため、その会社で働く姿までは想像しにくい表現です。

求職者が知りたいのは、抽象的な長所よりも「具体的に何をするのか」「ほかではできない経験は何か」「どんな人が長く続いているのか」です。

地下インフラの点検を行う、ある専門工事会社では、経営者自身が採用を半ば諦めていました。

「汚れるし、においも付く。こんな仕事、みんなやりたくないでしょう。うちの魅力が分からない」

そこで、求人のキャッチコピーを何度も変え、無料掲載で反応を確かめました。「地域を支える仕事」「未経験から技術が身につく」といった正しいけれど広い表現ではなく、最終的に打ち出したのは、「マンホールの中に入れる仕事です」という仕事の意外性でした。

万人に好かれる表現ではありません。それでも、「一度入ってみたい」「普通では経験できない仕事に興味がある」と感じる人には、具体的に届きます。反応が確認できてから有料掲載へ切り替え、毎年数名を採用できるようになりました。

100人全員に好かれようとするより、100人のうち1人が思わず振り向く特徴を示すほうが、専門工事会社の採用では有効です。

背景

経営者には欠点に見える仕事の特徴が、求職者には希少な経験として映ること

経営者が自社の魅力を見つけにくい背景には、仕事をよく知っているからこその思い込みがあります。

現場の汚れや大変さを知っていると、それを求人に載せるのは不利だと考えます。小規模で知名度がなければ、大手と比べて見劣りすると感じることもあります。その結果、欠点を隠しながら「安定」「やりがい」「成長」といった無難な言葉に寄せてしまいます。

しかし、求職者が魅力を感じるポイントは、経営者の想定と一致するとは限りません。

地方のある建設会社では、15年以上勤める社員3名に「なぜ、この会社で働き続けているのですか」と尋ねました。すると、3名からほぼ同じ答えが返ってきました。

理由は、仕事そのものだけではなく、休日に釣りや森林浴を楽しめる生活環境でした。それをもとに「余暇を楽しむ会社」という打ち出しを採用サイトの中心に据えたところ、毎年の採用につながるようになりました。

会社側から見れば、自然が身近にあることは日常です。求人に載せるほどの特徴とは思っていなかったかもしれません。しかし、都会を離れて趣味の時間を持ちたい人にとっては、転職先を選ぶ理由になります。

別の小規模な防水工事会社では、施工箇所が完成後に見えなくなる仕事でありながら、寸法や施工精度を細かく積み上げる姿勢が取引先から評価されていました。そこで、単なる「防水工事スタッフ募集」ではなく、仕事の精密さを表す言葉として「防水は工芸である」と打ち出しました。

社員へのインタビュー、施工品質への評価、経営者が仕事に込めてきた考えをつなぐことで、防水工事を「汚れる現場仕事」ではなく、「見えない部分の精度を突き詰める仕事」として表現したのです。

仕事の弱みに見える特徴は、見る角度を変えると、希少性や意外性、技術への誇りになります。

その角度は、経営者だけで考えても見つからないことがあります。社長にとって当たり前の対応が、社員には「この会社だから続けられた理由」になっている場合もあるからです。

社員の率直な声を確認すると、魅力だけでなく改善点も出てきます。経営者からは「この社員がこんなことを思っていたとは知らなかった」「そこを強みだと感じていたのか」という反応が出ます。採用の言葉を探すことは、社内にある価値を再発見する作業でもあります。

解決

長期勤続者の具体的な経験を掘り下げ、求人の言葉と応募後の情報へ順番に反映する進め方

採用で刺さる強みを見つけるには、最初からキャッチコピーを考えるのではなく、長く働いている社員の事実を集めるところから始めます。

「何が魅力ですか」と聞くのではなく、「なぜ辞めずに続けてきたのか」を具体的な経験まで掘り下げることが出発点です。

1.長期勤続者を中心にインタビューする

まず、在籍年数が長い社員を複数人選びます。可能であれば、職種や年齢が異なる社員にも話を聞きます。一人だけの意見ではなく、複数人に共通する言葉を探すためです。

聞く内容は、次のように事実を思い出してもらえる形にします。

  • 入社前は、この仕事や会社にどのような印象を持っていたか
  • 実際に働いてみて、入社前の想像と違ったことは何か
  • 辞めようと思った時期はあったか、そのとき残った理由は何か
  • ほかの会社ではなく、ここで働き続けている一番の理由は何か
  • 社長や先輩にしてもらい、今も覚えていることは何か
  • 友人から仕事について聞かれたら、どのように説明するか
  • この仕事だからこそ見られる場所、使える機械、身につく技術は何か
  • どのような人なら、この会社で無理なく続けられそうか

「人間関係がいいです」という答えが出たら、そこで終わらせません。「どのような場面でそう思いましたか」「誰が何をしてくれましたか」と聞きます。

「仕事にやりがいがあります」という答えにも、「どの現場で感じましたか」「完成したとき、何がうれしかったですか」と重ねます。

抽象的な回答のあとに、場面・人物・行動を聞くと、その会社にしかない言葉が出やすくなります。

また、経営者が同席すると、社員が遠慮して無難な回答に寄ることがあります。率直な声を集めたい場合は、社員だけで話せる時間をつくり、内容を整理したうえで経営者へ共有する方法も考えられます。

2.複数人に共通する「定着理由」を見つける

インタビュー後は、発言を次のような観点で整理します。

  • 仕事内容の意外性
  • 技術や品質への誇り
  • 社長や先輩との関係
  • 休日を含めた暮らし方
  • 入社後に身についた能力
  • 小規模な会社だから任された経験
  • 長く続けられた具体的な理由

判断の軸は、実際に働く社員が経験していること、複数人の話に共通していること、入社後も約束できることの3点です。

一人だけが感じている魅力も大切ですが、会社の中心的な訴求にするなら、ほかの社員にも確認したほうが安心です。また、実態が伴わない理想を求人に載せると、入社後の違和感につながります。

「社員同士の仲がよい」と書くなら、それを感じられる具体的な行動があるか。「未経験でも成長できる」と書くなら、実際に未経験から仕事を覚えた社員の経験があるか。言葉と事実を必ずセットにします。

3.弱みを隠さず、興味を持つ人の言葉へ置き換える

仕事の特徴を整理したら、それを万人向けに丸めず、特定の人が興味を持つ表現へ変えます。

たとえば、次のような考え方です。

  • 汚れる仕事 → 普段は入れない場所で社会インフラを点検する仕事
  • 完成後に見えない仕事 → 見えない部分の精度が建物を守る仕事
  • 地方の会社 → 休日に釣りや自然を楽しめる暮らし
  • 小規模な会社 → 社長や先輩の近くで技術を覚えられる環境
  • 知名度が低い専門工事 → 多くの人が知らない設備や工法に触れられる仕事

ここで大切なのは、弱みを無理に長所へ言い換えることではありません。汚れる仕事であれば、その事実も説明したうえで、それでも興味を持つ人に届く特徴を提示します。

採用の言葉は、仕事をきれいに見せるためではなく、仕事の実態と相性のよい人を見つけるために使います。

4.小さく掲載し、反応を見ながら言葉を修正する

最初に考えた言葉が、すぐ応募につながるとは限りません。地下インフラの点検会社でも、キャッチコピーを何度も変え、掲載と停止を繰り返しながら反応を確かめていました。

そのため、ハローワークや無料掲載できる求人サービスを使い、まずは小さく試す進め方が現実的です。

確認したいのは応募数だけではありません。

  • 求人ページが見られているか
  • どのキャッチコピーで反応が変わったか
  • 応募者が何に興味を持ったと話しているか
  • 面接時の認識と実際の仕事にずれがないか

反応がよかった言葉が見つかった段階で、有料媒体への掲載や採用サイトの整備へ広げれば、費用をかける前に訴求の方向性を確認できます。

キャッチコピーは一度で完成させるものではなく、求職者の反応を見ながら磨いていくものです。

5.キャッチコピーだけでなく、社員紹介と1日の流れまでつなげる

興味を引く言葉が見つかっても、キャッチコピーだけでは応募の判断材料が足りません。求職者はハローワークや求人媒体で会社を知ったあと、社名を検索してホームページを見ることがあります。

そこで、抽出した強みを次の情報へ一貫して反映します。

  • 求人票の見出しと仕事内容
  • 採用ページのキャッチコピー
  • 長期勤続者の社員紹介
  • 入社前後で印象が変わった点
  • 写真付きの1日の流れ
  • 実際の施工内容や仕事の特徴

たとえば「見えない部分の精度を追求する仕事」と打ち出すなら、社員紹介では技術を身につけた経緯を伝え、1日の流れではどこで品質確認をしているのかを示します。

1日の流れは、毎日が完全に同じでなくても構いません。「現場によって変動する」と補足したうえで、代表的な一日を掲載すれば、求職者は入社後の姿を想像しやすくなります。

求人、社員紹介、1日の流れ、採用サイトで同じ強みを具体化すると、興味を持った求職者が応募を判断しやすくなります。

まとめ

「うちの仕事には魅力がない」と感じるときほど、経営者一人でキャッチコピーを考える必要はありません。

長く働いている社員に理由を聞くと、経営者には当たり前だったことが、定着の決め手として語られる場合があります。汚れやにおい、知名度の低さ、小規模であることも、視点を変えれば仕事の希少性や暮らし方、技術を身につける環境として伝えられます。

整理の順番は次のとおりです。

  1. 長期勤続者に、続けている理由を具体的な場面まで聞く
  2. 複数人に共通する定着理由を探す
  3. 仕事の実態を、特定の求職者が興味を持つ言葉へ変える
  4. 無料掲載などで小さく試し、反応を見て修正する
  5. 求人票、社員紹介、1日の流れ、採用サイトへ一貫して反映する

採用で刺さる強みは、万人受けするきれいな言葉ではなく、自社で実際に働く人の具体的な経験から生まれます。

自社で長く働く理由から、採用の言葉を整理したい方へ

社員に聞いても無難な答えしか出ない、どの言葉を求人の中心に置けばよいか分からないという段階でも、整理は始められます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題について、社員インタビューによる強みの抽出から、求人の訴求、採用サイトへの反映、実行までを一緒に整理しています。採用だけを切り離さず、現場や組織の実態も踏まえながら、建設企業の持続的な成長につながる形を考えます。

「うちの場合は、誰に何を伝えるべきか」「まず誰に話を聞けばよいか」といった初期段階でも構いません。無理にサービスを勧めることはありませんので、採用の言葉を見直す際の整理先として気軽にお声がけください。

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