前提

10名強の社員が現場管理を担い、施工は約100社の協力会社に委ねる体制

近畿圏を中心に戸建ての新築工事を手がける、10名強の建設会社があります。設計は協力会社や発注元が担当し、自社は施工を一式で請け負う形です。

社員の多くは現場管理を担当しています。実際の施工は、大工、電気、水道などの協力会社に発注しています。

「監督以外は自社にいません。管理会社のようなものです」

この会社が取引してきた業者は、全体で約100社。工種ごとに2〜3社の発注先を持ち、戸建て新築だけでなく、リフォームや工場・倉庫といった非住宅工事にも対応しています。

一見すると、協力会社は十分に確保できているように見えます。しかし、実際の感覚は少し違いました。

「新しく探すところまではいかなくても、まだ何とかぎりぎりで回っている感じです」

協力会社が100社あることと、必要なときに必要な工事を頼める会社がそろっていることは別です。 外注中心で現場を回す会社ほど、総数ではなく「実際に動ける施工体制」で協力会社を捉える必要があります。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

100社という取引実績と、今日頼める実働先の数のずれ

外注体制を不安定にするのは、協力会社の少なさだけではありません。登録されている会社と、現在も発注できる会社の間にずれが生まれることが大きな課題です。

協力会社との関係は、固定されたものではありません。

  • 廃業や代替わりなどで自然に取引がなくなる
  • 繁忙期には予定が合わない
  • 過去に取引していても、現在の対応状況が分からない
  • 同じ工種でも、案件の種類によって得意不得意がある
  • 対応できる地域や工事規模が異なる

約100社と取引実績があっても、特定の工種で3社しか候補がなく、そのうち1社が繁忙、1社がしばらく取引のない状態なら、実質的な発注先は1社です。

その1社も別現場に入っていれば、急な依頼を受けたときに施工体制を組めません。現場監督が電話を重ね、その場で新しい業者を探すことになります。

見るべき数字は協力会社の総数ではなく、「工種ごとに、今頼める会社が何社あるか」です。 ここが見えていないと、案件はあるのに着工の判断ができない状態が起こります。

背景

新築・リフォーム・非住宅では、同じ電気工事でも適した業者が異なる事情

この会社では、仕事が入るたびに必要な業者を探し、紹介などを通じて協力会社を増やしてきました。さまざまな工事に対応してきた結果、約100社のつながりができています。

ただし、100社がひとつの施工部隊として動くわけではありません。

「同じ電気業者でも、新築を頼む会社と、リフォームだけを頼む会社は別です。非住宅なら、また別の業者群があります」

新築は、工程が比較的読みやすく、同じ仕様の工事を一定の流れで進めやすい案件です。一方、リフォームは既存部分の状態に合わせた対応が必要になります。工場や倉庫などの非住宅工事では、住宅とは施工条件や工事規模が変わります。

そのため、「電気工事会社が5社ある」と分かっていても、それだけでは十分ではありません。確認すべきなのは、次のような内訳です。

  • 戸建て新築を任せられる会社は何社か
  • リフォームの細かな対応を頼める会社は何社か
  • 工場・倉庫などの非住宅に対応できる会社は何社か
  • それぞれの会社が現在動ける状態か

外注体制は工種だけで分けるのではなく、新築・リフォーム・非住宅などの案件タイプまで掛け合わせて考える必要があります。

案件の幅が広がるほど、協力会社の総数も増えます。しかし、実際には案件タイプごとに別の施工チームが必要です。総数だけを見て「協力会社は足りている」と判断すると、現場を受けた後で不足が表面化します。

解決

工種と案件タイプごとに代替先を持ち、稼働状況と品質を更新する外注体制

見直しの軸は、協力会社を一律に増やすことではありません。必要な工種と案件タイプごとに、実際に頼める複数の発注先を確保することです。

まず、協力会社の一覧を「工種×案件タイプ」で整理します。たとえば電気工事なら、戸建て新築、リフォーム、工場・倉庫の3つに分けます。そのうえで、各領域に主な発注先と代替先が何社あるかを確認します。

整理する項目は、複雑にしすぎなくて構いません。

確認項目

把握する内容

工種

大工、電気、水道、内装など

案件タイプ

新築、リフォーム、工場・倉庫など

対応エリア

通常対応できる地域

対応規模

得意な工事規模や建物用途

稼働状況

現在の余力、依頼しやすい時期

品質

過去の施工状況や手直しの有無

最終発注

最後に依頼した時期

一覧化すると、「取引先は多いのに、非住宅の水道工事を頼める会社が1社しかない」といった偏りが見えてきます。ここが、新しい協力会社を探すべき領域です。

工種ごとに2〜3社ではなく、案件タイプごとに代替先を考える

工種ごとに複数社を確保する考え方は有効です。ただし、3社すべてが新築向けであれば、リフォームや非住宅の代替先にはなりません。

「電気工事会社を3社持つ」ではなく、「新築の電気工事を頼める会社を複数持つ」と捉えることがポイントです。

すべての枠を一度に埋める必要はありません。優先順位は、次の3点で決めると整理しやすくなります。

  1. 受注頻度が高い工事か
  2. 発注先が見つからないと工程全体が止まりやすいか
  3. 現在の代替先が1社以下になっていないか

頻度と影響が大きく、代替先が少ない領域から補強します。これなら、協力会社をむやみに増やさず、現場を安定させるために必要なつながりだけを増やせます。

稼働状況と品質を定期的に更新する

協力会社の一覧は、作成して終わりではありません。取引先の繁忙状況や対応力は変わります。過去に頼めた会社が、現在も同じ条件で動けるとは限りません。

主力の協力会社については、日常の連絡や発注時に次の内容を更新します。

  • 今後数カ月の稼働状況
  • 対応できる案件タイプ
  • 対応可能な地域
  • 最近の施工品質
  • 発注時に注意したい点

更新の負担を抑えるなら、発注頻度の高い会社は毎月、それ以外は四半期ごとなど、重要度に応じて確認時期を分ける方法があります。

協力会社名簿を連絡先一覧ではなく、受注判断に使える施工体制表に変えることが重要です。 急な案件が来たときも、誰に頼めるかを探すところから始めずに済みます。

まとめ

協力会社が多い会社でも、現場がぎりぎりになることはあります。原因は、協力会社の総数が少ないからとは限りません。

外注体制の安定性を決めるのは、必要な工種と案件タイプごとに、現在も頼める代替先があるかどうかです。

見直す際は、次の順番で進めると整理しやすくなります。

  1. 協力会社を工種と案件タイプで分類する
  2. 現在も発注できる会社だけを確認する
  3. 主な発注先と代替先の不足を洗い出す
  4. 稼働状況と施工品質を定期的に更新する
  5. 受注頻度と工程への影響が大きい領域から補強する

約100社との取引実績があることは、大きな経営資産です。ただし、その価値を現場で生かすには、「何社知っているか」から「どの案件を誰に頼めるか」へ管理の軸を変えることが欠かせません。

協力会社をただ増やすのではなく、今あるつながりを整理するだけでも、施工体制の組みやすさは変わります。

自社に合う協力会社ネットワークの整理

「協力会社は多いはずなのに、特定の工種だけ毎回探している」「新しい案件を受けたいが、施工体制を組めるか判断しにくい」と感じる場合は、工種と案件タイプごとの棚卸しから始められます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。協力会社の不足なのか、管理方法の問題なのか、受注する案件との不一致なのかが分からない段階でも、一緒に整理できます。

自社の場合は何から確認すべきか、という段階の相談でも問題ありません。 無理にサービスを勧めることはありませんので、今後の外注体制を考えるための整理先としてご活用ください。

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