5名程度から30名弱へ増員し、自社施工への切り替えを進める内装工事会社
首都圏でRC造の内装工事を中心に手がける、30名弱の専門工事会社があります。数年前までは5名程度の体制でしたが、自社施工を進めるため、若手社員や十数名の外国人材を一気に採用しました。
社員だけでなく、協力会社との横のつながりもあります。相談者は「困っている現場があれば、2日、3日ほどで人を集められます」と話します。応援を含めれば、1日60名程度を動員できる体制です。
人手不足が続く建設業では、この動員力は明確な強みです。実際、既存の取引先から工程直前に声がかかり、現場を助けてきた実績もあります。
一方で、社員を抱えると毎月の人件費は固定で発生します。案件の開始が後ろへずれれば、そのまま稼働不足につながります。
「今までは少人数でやってきました。でも、今は人がいるのに十分に稼働できていません」
自社施工化では、採用人数を増やすだけでなく、その人数が毎月動ける仕事量を先に設計する必要があります。
1週間で 15件の相談 がありました
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
- 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
- 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
- 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
- 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
- 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
- 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
- 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
- 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
- 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
- 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
- 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
- 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
- 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
- 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
- 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
継続案件が1カ月ずれるだけで固定費が先行する受注構造
いま目の前にある課題は、施工能力の不足ではありません。増えた職人を継続的に稼働させる受注量と、案件の開始時期を合わせきれていないことです。
この会社では、RC造の内装工事が売上の大半を占めています。今後は対応工種を広げる構想もあります。ただ、足元では「まず内装工事の仕事量を増やし、資金繰りのベースをつくりたい」という優先順位が共有されていました。
社員を増やした直後は、仕事の有無にかかわらず、給与や社会保険料などの支出が続きます。案件が予定どおり始まれば問題は小さくても、着工が1カ月ずれるだけで収支は変わります。
「固定で抱えているので、仕事が1カ月ずれると赤字になりやすいんです」
ここで注意したいのは、「受注予定がある」と「来月の職人が埋まっている」は同じではないことです。大型案件ほど、発注や業者選定まで時間がかかります。紹介を受けて挨拶できても、実際の工事開始が1年先、2年先になることもあります。
売上見込みではなく、何人が、いつから、何日間動けるかまで見えなければ、人員計画には使えません。
動員力を先に高めた一方で、月ごとの必要稼働量と受注残が結びついていない状態
この会社が先に人を増やしたのは、無計画だったからではありません。職人不足が深刻になるなか、自社で工事を完結できる会社を目指していました。協力会社だけに頼らず、若い職人を抱えることは、中長期で見れば大きな競争力になります。
現場から急に応援を求められたときの対応も早い会社です。「明日1人必要」「数日後に数人ほしい」といった要望にも応えられます。既存取引先にとっては、職人を個別に探す手間が減ります。
ただし、急な応援需要だけでは、30名弱の社員を毎月安定して動かすには足りません。応援案件は強みを知ってもらう入口になりますが、発生時期や仕事量を自社で完全にはコントロールできないためです。
また、新しい取引先の開拓には時間がかかります。建設業では、本社へ挨拶をしても、実際に協力会社を選ぶのは現場所長や工事責任者というケースが少なくありません。内装工事には発注のタイミングがあり、その時期を逃すと次の現場まで待つことになります。
「入口を開けてもらうだけでは、すぐ仕事になるわけではない。関係を続けて、必要になった瞬間に入れる状態をつくらないといけません」
人を増やす速度と、受注が立ち上がる速度には差があります。この時間差を資金と稼働の計画に織り込むことが、自社施工化の要点です。
得意な内装工事を基盤に、必要人工・受注残・着工時期を月単位でそろえる計画
最初に行いたいのは、得意な内装工事で毎月必要な仕事量を明らかにすることです。新しい工種や事業へ広げる前に、現在抱えている社員を安定して動かせる基盤をつくります。
整理する項目は、次の4つです。
- 社員数と月間の稼働可能日数から算出した必要人工
- 受注済み案件の開始月、終了月、必要人数
- 見込み案件の確度と、発注判断が行われる時期
- 協力会社を含めた最大動員力と、自社社員の固定稼働量
たとえば、社員数に予定稼働日数を掛けると、月間で確保したい人工の基準が見えます。そこへ受注済み案件を月ごとに当てはめれば、何月に何人分が不足するのかを早めに把握できます。
ここでは、自社社員と協力会社を分けて見ることが大切です。1日60名を動員できても、その全員が固定費ではありません。まず埋めるべきなのは、自社社員の稼働です。協力会社は、工程のピークや大型案件への対応力として位置づけます。
「最大で何人集められるか」と「最低でも毎月何人を動かす必要があるか」は、別の数字として管理します。
受注計画も、短期と中長期に分けると整理しやすくなります。
短期では、既存取引先や得意な内装工事を軸に、継続的な仕事量を確保します。急な人手不足に対応できる強みを入口にしながら、一度入った現場で実績をつくり、次の案件につなげます。
中長期では、準大手や地場ゼネコンなど、新しい取引先との関係を育てます。ただし、ここで期待する案件を来月の稼働計画に入れるのは早計です。発注時期が見えるまでは見込み案件として分け、資金繰りを支える受注済み案件とは混ぜません。
対応工種の拡大や不動産などの新規事業へ進む判断も、同じ表の延長で考えられます。見るべきなのは、売上の大きさだけではありません。
- 得意工種で数カ月先まで一定の受注残があるか
- 自社社員の必要人工を安定して埋められているか
- 案件がずれた場合にも資金繰りを維持できるか
- 新しい取り組みに割ける人と時間が残っているか
内装工事の基盤が安定してから次へ進めば、新規事業で想定外が起きても本業へ戻って立て直しやすくなります。
まとめ
自社施工化は、外注費を減らすだけの取り組みではありません。人を抱え、育て、継続的に仕事を割り当てる経営への切り替えです。
今回の会社には、若い職人、外国人材、協力会社とのつながり、急な依頼への対応力がありました。足りなかったのは施工能力ではなく、それを毎月の受注へ変える計画です。
まずは得意な内装工事で基盤をつくる。必要人工を月単位で出す。受注済みと見込みを分ける。案件の開始時期を確認する。そのうえで、協力会社を含む動員力を大型案件への強みに変えていきます。
職人を遊ばせない受注計画は、「もっと営業する」ことからではなく、いつまでに何人工を埋める必要があるかを見えるようにすることから始まります。
自社施工を支える仕事量と受注時期を一緒に整理する
人を増やしたものの、「自社の場合は月にどれだけ仕事が必要なのか」「既存案件だけで足りるのか」「新規開拓をどこまで急ぐべきか」が見えにくいこともあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価、販路拡大、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。自社施工化に伴う必要稼働量や受注残の整理など、何から手をつけるべきか決まっていない段階でも大丈夫です。
無理にサービスを勧めることはありません。まずは現在の人員と案件状況を整理する場として、気軽にお声がけください。

































