前提

二次請けが中心で、売上の波を抑えるために元請け案件を増やしたい少人数の施工会社

東北地方で設備工事を手がける、少人数の専門工事会社があります。現在は二次請けの案件が多く、年間を通じた売上の波を小さくするため、元請け案件を増やすことを検討していました。

新たな柱として考えていたのは、防犯カメラの販売・設置から、その後の点検や補修までを直接受注する事業です。想定しているのは、会社から車で90分ほどの範囲にある医療・介護施設、小売店、倉庫など。中小規模の施設を主な対象としていました。

案件のイメージは、カメラ10台前後を2〜3人で1日施工し、受注額は35万〜45万円ほど。粗利率は約2割で、1件当たり10万円前後の粗利を見込んでいます。当初は月1〜2件から始め、施工体制が整えば月3〜4件へ増やしたいという計画です。

一方、既存現場はすでに動いており、新規案件の営業、見積もり、受注判断、現場管理は社長に集中しています。相談者からも「元請けは仕事をもらって動くのではなく、自分たちで取りに行かなければならない。そこが大変です」という言葉がありました。

元請け化を考える際は、受注額の大きさだけでなく、営業から施工、入金までを自社で回せるかを先に確認する必要があります。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
  • 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
  • 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
  • 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
  • 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
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課題

元請け比率を高めても、価格競争と営業負担で利益が残らない可能性

元請け案件には、顧客と直接関係をつくり、自社で案件を選びやすくなる利点があります。ただし、「元請けだから高粗利で安定する」とは限りません。

直接受注では、施工品質だけでなく価格で比較される場面も増えます。実際、元請け開拓では、面談や現地調査まで進んでも「最終的には価格次第」という反応になることがあります。施工単価を自社で決められるように見えても、相見積もりが前提なら価格調整は難しくなります。

さらに、下請け案件では発注元が担っていた業務を自社で引き受けることになります。

  • 営業先の選定とリスト作成
  • 電話やメールによる接点づくり
  • 顧客との面談、現地調査
  • 見積書や提案内容の作成
  • 受注後の日程調整と問い合わせ対応
  • 請求、入金確認、未入金時の対応

今回の会社では、見積もりと最終判断を社長が担い、受注後も社長と協力会社で現場を回す想定でした。営業件数だけを増やすと、見積もりや施工が追いつかず、既存案件にも影響する可能性があります。

元請け案件を増やす判断では、工事単体の粗利ではなく、受注までに使う社長の時間と顧客対応の工数まで含めて採算を見ることが重要です。

背景

下請けと元請けの優劣ではなく、自社に合う案件構成がまだ見えていない状態

この課題が難しいのは、下請けと元請けのどちらか一方が、常に有利とはいえないからです。

下請け案件でも、発注元との関係が安定し、見積もり負荷が小さく、一定の単価を確保できる案件なら十分に採算が合います。営業に使う時間が少なく、施工へ集中できることも、少人数の会社にとっては大きな利点です。

一方、元請け案件は受注単価を高めやすい可能性があるものの、案件ごとに顧客を開拓しているだけでは売上の波はなくなりません。継続発注や複数拠点への展開、点検・補修への接続まで設計できて、初めて安定した売上の柱に近づきます。

今回も、当初は医療・介護、小売、飲食、倉庫など幅広い業種を候補としていました。しかし、どの業種にニーズがあり、どの規模なら採算が合うかは、まだ絞り切れていませんでした。

また、営業と施工を同時に広げるための人員にも余裕がありません。既存の職人は他の現場に入っており、新たに受注しても、社長と協力会社で回すことになります。採用を先行させれば固定費が増えますが、受注を先行させすぎると施工できません。

この状態で必要なのは、元請け化を一気に進めることではありません。既存の下請け案件を土台として維持しながら、少数の元請け案件で採算と運営負荷を検証することです。

解決

粗利と社長工数を記録し、既存案件を残したまま元請け開拓を段階的に進める方法

最初に決めたいのは、元請け比率の目標ではなく、受注してよい案件の条件です。少なくとも、次の6項目を元請け案件と既存の下請け案件で比較します。

判断項目

確認する内容

粗利

材料費、施工人件費、外注費、移動費を差し引いていくら残るか

受注の安定性

単発か、複数拠点や点検・補修へ広がる可能性があるか

見積もり負荷

現地調査や提案を含め、受注までに何時間かかるか

顧客対応

日程調整、問い合わせ、追加要望を誰が担当するか

施工人員

既存案件を圧迫せず、必要な人数を確保できるか

入金リスク

支払条件、請求時期、取引先の信用を確認できているか

特に見落としやすいのが、社長の営業工数です。たとえば1件で10万円の粗利が出ても、受注までに複数回の訪問や見積もり修正が発生し、施工後の対応まで社長が担えば、実質的な利益は小さくなります。

「1件いくら儲かるか」ではなく、「1件を受注して入金されるまでに、会社全体で何時間使うか」を記録すると、元請け案件の本当の採算が見えてきます。

進め方は、次の4段階に分けると整理しやすくなります。

1.既存の下請け案件で守る売上と人員を決める

現在の受注をすべて元請けへ置き換える必要はありません。まずは、毎月確保しておきたい売上、粗利、施工日数を既存案件から算出します。

そのうえで、元請け案件に充てられる人数と日数を決めます。今回のように2〜3人で1日施工する案件なら、「月に何日までなら既存現場へ影響しないか」を先に置くと、営業件数の上限も決めやすくなります。

2.既存の接点から1〜2件を試し、採算の基準をつくる

最初から広い地域へ営業をかけるより、まずは知人や既存取引先など、接点のある相手から小規模案件を受注します。

この段階の目的は、売上を一気に増やすことではありません。現地調査、見積もり、施工、請求までを一通り経験し、次の数字を残すことです。

  • 受注金額と粗利額
  • 営業開始から入金までの日数
  • 訪問、見積もり、顧客対応に使った時間
  • 施工人数と施工日数
  • 追加対応や見積もりとの差異
  • 顧客が発注を決めた理由

数件を実施すると、「10台前後なら1日で終わる」「遠方だと移動費で利益が薄くなる」「複数拠点を持つ会社は次の相談につながりやすい」といった、自社固有の判断材料が残ります。

3.狙う顧客を、業種ではなく受注条件で絞る

「病院を狙う」「小売店を狙う」という業種だけのターゲット設定では、営業先が広がりすぎます。試験受注の結果を基に、次のような条件を組み合わせます。

  • 会社から90分圏内
  • 中小規模の施工で対応できる
  • 複数店舗や複数施設を運営している
  • 導入後の点検や補修が見込める
  • 価格以外の対応力も評価される
  • 自社の支払条件に合う

ターゲットは、会社名の一覧をつくって終わりではなく、面談・見積もり・受注の結果を見ながら更新するものです。

4.社長が担う業務を最終判断に寄せる

元請け営業を続けるには、社長がすべての電話、面談、見積もり、追客を抱えない体制が必要です。ただし、最初から営業担当者を採用するのも固定費の負担があります。

まずは営業業務を分解し、社内外で分担できる部分を切り出します。

  • ターゲット設計と営業先リストの作成
  • 初回連絡と面談設定
  • 面談内容と顧客反応の記録
  • 見積もり提出後の状況確認
  • 社長が判断すべき案件の選別

社長は、技術的な可否、価格、施工人員、受注の最終判断へ集中します。活動履歴や顧客の反応を共通の表へ残しておけば、将来営業担当者を採用した際にも、そのまま営業の土台として使えます。

検証期間は、たとえば3か月程度に区切ります。アポイント数だけではなく、現地調査数、見積もり数、受注数、粗利、社長工数まで確認し、続ける営業先と外す営業先を決めます。

営業の成果は商談数ではなく、無理なく施工でき、必要な利益が残り、次の受注につながったかで判断します。

まとめ

下請け中心の会社が元請け案件を増やすとき、元請けと下請けを一律に優劣で分ける必要はありません。採算が合い、営業負担が小さい下請け案件は、経営を支える大切な土台です。

その土台を残しながら、元請け案件を少数受注し、粗利、社長工数、施工人員、顧客対応、入金までの流れを確認します。そこで採算が見えた顧客層に営業を広げれば、施工体制を崩さずに案件構成を変えられます。

元請け比率を高めること自体を目的にせず、自社が安定して利益を残せる案件の組み合わせをつくることが本来のゴールです。

自社に合う元請け案件と営業体制を整理したい方へ

元請け開拓では、「どの業種へ営業すべきか」だけでなく、既存案件をどこまで残すか、社長が何を担うか、何件まで施工できるかを一緒に整理する必要があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の案件獲得や元請け開拓を、現場の施工体制や原価、人材、デジタル活用まで含めて整理し、実行を支援しています。

「うちの場合は元請けを増やすべきか」「何から数字を出せばよいかわからない」という段階でも構いません。状況を伺ったうえで次の整理先をご案内し、無理にサービスをおすすめすることはありません。

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