年商2億円台から3年後の5〜7億円を目指し、一次請けに近い取引を増やす電気工事会社
首都圏でテナント、新築マンション、オフィスなどの電気工事を手がける、10名弱の工事会社があります。売上は2億円台で、施工の大半が電気工事。取引はすべて法人向けです。
現在は地域のゼネコン、内装工事会社、電気工事会社などから受注しています。会社をさらに成長させるため、社長自身が知人の外部顧問と動き、取引先開拓を続けています。
目指しているのは、いきなり建築工事全体の元請けになることではありません。電気工事の立場で二次・三次請けをできるだけ減らし、発注元に近いポジションへ移ることです。
「建設業はポジション取りが大事です。二次、三次は基本的になくして、ポジションによる利益の上がり幅を増やしたいんです」
そのために原価管理やコスト削減も進めていますが、3年後に売上を現在の約3倍へ伸ばすには、既存取引先からの受注だけでは波があります。仕事が少ない時期がある一方、多い時期には施工体制がパンクするほど集中することもあるためです。
一次請けに近づく目的は、売上を増やすことだけではなく、受注単価と案件の選択肢を改善して利益を残すことにあります。
1週間で 15件の相談 がありました
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
- 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
- 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
- 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
- 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
- 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
- 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
- 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
- 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
- 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
- 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
- 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
- 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
- 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
発注企業の売上が大きくても、厳しい現場管理と提出書類で利益が薄くなる取引構造
新規開拓では、売上50億円以上の電気工事会社や、より規模の大きい建設会社、内装工事会社などを候補にしていました。発注企業の規模が大きければ、保有する工事量も大きく、継続受注や受注拡大を期待しやすいからです。
ただし、規模が大きい会社ほど自社に合うとは限りません。
「大きすぎて管理が厳しいところになると、余計な出費がかさむんです。現場に必要以上の人を出さないといけないこともあります」
大手との取引では、施工単価だけを見ると悪くなくても、提出書類の作成や細かな現場管理への対応、追加の管理要員などに費用がかかる場合があります。受注金額から材料費や施工人件費を引いただけでは、実際に残る利益を判断できません。
一方で、最上位の大手より一段下の元請けでは、一次請けに近い単価を確保しながら、管理面の負担が比較的軽いこともあります。企業規模そのものではなく、自社との取引条件の組み合わせを見る必要があります。
取引先開拓で見るべきなのは発注企業の売上高ではなく、現場管理や提出書類にかかる費用まで差し引いた後に、自社へいくら利益が残るかです。
受注の波をならすには、売上高ではなく自社へ回る外注工事のパイを見極める必要性
この会社が規模の大きい取引先を探しているのは、大手との取引実績が欲しいからだけではありません。自社の採用や施工体制に合わせて、受注量を増やせる余地を確保したいからです。
たとえば、売上規模の大きい内装工事会社でも、電気工事として外注する割合が小さければ、自社へ回る可能性のある工事量は限られます。反対に、会社全体の売上は半分以下でも、電気工事会社で外注比率が高ければ、対象となる工事量は大きい可能性があります。
社長は、この違いを「パイ」という言葉で捉えていました。
「その会社が持っている電気工事のうち、最初は1%でも2%でも取れればいい。そこから3%を目指して営業を続けられる会社がいいんです。できるだけパイは大きいほうがいい」
ここで重要なのは、一件の大型案件を取れるかどうかではありません。最初の工事を問題なく納めた後、同じ発注元から受注を増やせるかどうかです。実際、この会社でも大手内装工事会社から一件を受注して納め、その後も継続的に営業を続けている取引先がありました。
また、取引先を複数持つことには、閑散期を埋める意味もあります。一社への依存度が高いと、その会社の発注状況に自社の売上や稼働が左右されます。複数の受注基盤があれば、案件の単価、時期、施工体制を比べながら、自社に合う工事を選びやすくなります。
安定受注に必要なのは、単発の大型案件ではなく、外注工事量が十分にあり、自社の成長に合わせて発注を増やせる取引先です。
外注工事量・単価・継続性・間接コストの6項目で候補企業を絞り込む取引先選定
取引先候補は、売上高だけでリストアップせず、次の6項目で比較すると判断しやすくなります。
判断軸 | 確認したい内容 |
|---|---|
外注する工事量 | 自社の施工領域について、年間どの程度の工事を外部へ発注しているか |
単価と利益 | 一次請けに近い単価を確保でき、材料費や施工人件費を差し引いて利益が残るか |
継続発注 | 一件の施工後も、別現場や次年度案件につながる可能性があるか |
受注拡大の余地 | 自社の人員増加に合わせ、取引額を1億円、2億円と伸ばせるだけの工事量があるか |
間接コスト | 提出書類の作成や現場管理要員に、どの程度の工数と人件費がかかるか |
締め付けの程度 | 発注条件や管理ルールが、自社の規模と体制で無理なく対応できる範囲か |
「規模が大きい会社」ではなく、「工事量があり、適正な単価で、管理負担を含めても利益が残り、取引を広げられる会社」を狙うことが基本です。
進め方は、候補抽出、接点づくり、初回工事での検証という3段階に分けられます。
1.候補企業の業種ごとに、外注工事量の仮説を立てる
建設会社、内装工事会社、電気工事会社では、同じ売上高でも電気工事の保有量や外注比率が異なります。企業情報データベースなどで売上や業績を確認するだけでなく、どの種類の工事を、どの程度外注している会社なのかを仮説として整理します。
売上高は候補を探す入口にはなりますが、それだけでは取引価値を判断できません。
2.担当者との面談で、単価以外の条件を確認する
接点を持てたら、案件の種類や年間発注量に加えて、提出書類、現場管理、必要な管理要員、継続発注の考え方を確認します。会社案内や決算情報だけでは、こうした運用面までは分かりません。
問い合わせ窓口へ一律に営業するよりも、工事の発注量や協力会社選定を把握している事業責任者、支店責任者、現場管理側の担当者へ接点をつくれるかも重要です。
3.最初の一件を、今後の取引を見極める検証案件にする
取引前に、すべての間接コストを正確に把握するのは難しいものです。そのため、最初の工事では受注額や表面的な粗利だけでなく、提出書類に使った時間、現場管理に投入した人数、追加対応の内容まで記録します。
工事後には、次の受注可能性も含めて振り返ります。
- 管理負担を含めても利益が残ったか
- 同じ条件で再受注しても問題ないか
- 発注量を増やしたとき、自社の管理体制で対応できるか
- 他の取引先より優先して営業を続ける価値があるか
一件目で利益と運用の両方を確認できれば、その取引先へ営業を深めるのか、別の候補へ移るのかを判断できます。
新規取引の初回案件は売上実績をつくるだけでなく、継続して利益を出せる相手かを確かめる機会として扱うことが大切です。
まとめ
二次・三次請けを減らして一次請けに近づくことは、利益率を改善する有効な選択肢です。ただし、発注企業の規模だけを基準にすると、提出書類や現場管理にかかる間接コストが増え、期待したほど利益が残らないことがあります。
取引先を選ぶ際は、次の点を一つのセットとして確認する必要があります。
- 発注企業の売上高ではなく、自社領域で外注される工事量を見る
- 単価だけでなく、書類作成や管理要員を含めた実質利益を見る
- 一件の受注額より、継続発注と受注拡大の余地を見る
- 受注の波をならせるよう、利益の残る取引先を複数つくる
自社に合う元請けは、必ずしも業界最大手とは限りません。適正な金額で発注され、管理負担が過度ではなく、自社の成長に合わせて取引を増やせる相手が、利益の残る取引先です。
自社に合う元請け候補と開拓の優先順位を整理したい方へ
取引先開拓では、「どの会社に営業するか」だけでなく、「その会社と取引したときに利益が残るか」「誰に接点をつくるべきか」まで整理する必要があります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大を、候補企業の整理から接点づくり、受注後の収支確認まで支援しています。現場、採用、組織、原価、デジタル活用も含め、建設企業の持続的な成長につながる形で一緒に整理します。
「うちの場合は、どの規模の元請けを狙うべきか」「候補はあるが、優先順位を決められない」という段階でも問題ありません。状況を伺ったうえで次の整理先を考えます。無理にサービスを勧めることはありませんので、必要なタイミングでお声がけください。




























