前提

積算ソフトを導入済みでも民間工事の見積修正が3回、5回と続く15名弱の建設会社

兵庫県南部で土木工事を中心に、建築土工や外構工事なども手がける15名弱の建設会社では、見積業務を効率化するために積算ソフトを導入しています。それでも、社内の負担は思うように減っていません。

官公庁案件では、一度提出した見積で区切りがつくこともあります。一方、民間工事では発注条件や工事内容の調整が入り、同じ案件について何度も見積を作り直すことがあります。

経営者の言葉を借りれば、「積算ソフトは当然入れている。でも、民間は一つの案件で3回も5回も見積を直す」という状況です。

さらに、土木工事全般を扱っているため、図面を読める人なら誰でも見積を作れるわけではありません。工種が変われば、数量の捉え方や施工条件の読み方も変わります。事務経験者や他工種の施工管理経験者を採用しても、そのまま任せられるとは限らないのが実情です。

積算ソフトの導入と、見積業務全体の省力化は別の課題です。ソフトが扱える計算作業だけでなく、その前後にある条件確認、数量拾い、修正、承認まで整理する必要があります。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
  • 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
  • 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
  • 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
  • 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
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課題

見積金額の計算ではなく前後の確認と修正が経験者に集中している状態

積算ソフトが得意なのは、登録した単価や数量を使った計算、見積書の出力、過去データの参照といった作業です。しかし、見積業務にはソフトだけでは完結しにくい工程があります。

大きく分けると、見積は次の工程で成り立っています。

  1. 発注者から図面や見積条件を受け取る
  2. 対象範囲と施工条件を確認する
  3. 図面から数量を拾う
  4. 単価や原価を反映して見積書を作る
  5. 条件変更に応じて修正する
  6. 社内で金額や条件を承認して提出する

ソフトを導入していても、2番目の条件確認、3番目の数量拾い、5番目の修正対応に経験者の判断が残っていれば、経営者や限られた担当者の仕事は減りません。

特に民間工事では、「数量が変わった」「仕様が変わった」「施工範囲が調整された」といった変更に合わせて、見積全体を見直す必要があります。単に数字を打ち替えるだけではなく、前回から何が変わったのか、その変更が他の工種や原価に影響しないかを確認する作業も発生します。

見積業務が減らない原因は、ソフトの機能不足とは限りません。経験者しか判断できない工程と、他の社員でも担える工程が一つの仕事として固まっていることが負担を重くしています。

背景

土木工事全般を扱う専門性と民間案件の変更対応が属人化を生みやすい構造

見積業務を簡単に分担できない背景には、工種ごとの専門性があります。

この会社では、河川などを含む土木工事全般に対応し、民間では建築土工や外構工事なども扱っています。同じ「図面を読む仕事」であっても、工事内容が違えば見るべき箇所や施工上の前提が変わります。そのため、一般的な事務処理の経験がある人や、別分野の施工管理経験者を採用しただけでは、すぐに見積を任せにくい状態です。

また、見積以外にも社内処理や安全関係の書類があります。少人数の会社では、一人の担当者が複数の業務を抱えるため、見積の専任者を置かないまま経営者や施工管理者が対応し続けるケースも少なくありません。

ここで注意したいのは、属人化そのものがすべて悪いわけではないことです。工事内容を理解した人が最終判断をすることは、原価の見落としや施工条件の読み違いを防ぐうえで欠かせません。

問題は、本来は他の人に渡せる入力や転記、修正箇所の整理まで、判断できる人が抱えていることです。これでは案件が重なったときに処理が集中し、経営や現場管理に使う時間まで圧迫されます。

属人化をなくすのではなく、経験者に残すべき判断だけを明確にすることが重要です。専門性の高い部分を守りながら、周辺作業を切り離す発想が必要です。

解決

見積工程を分解し標準化できる作業から既存社員や外部へ移す進め方

最初に取り組みたいのは、新しいソフトを探すことではなく、現在の見積業務を工程別に分けることです。直近の民間案件を振り返り、誰がどの工程を担い、どこで修正や確認が発生したのかを整理します。

そのうえで、各作業を次の二つに切り分けます。

  • 標準化しやすい作業:資料の整理、決められた箇所の入力、見積書の出力、修正箇所の反映、前回版との照合
  • 経験者の判断が必要な作業:施工範囲の確認、数量拾いの判断、工種間の影響確認、単価や原価の決定、最終承認

前者は、手順と確認項目が決まれば、既存社員への分担や外部活用を検討しやすくなります。後者は、経営者や施工管理経験者が担いつつ、判断の根拠を残していく必要があります。

進める際は、最初から見積作成を丸ごと引き継がせないことがポイントです。まずは資料整理や入力、修正反映など、判断の少ない工程から渡します。経験を積んだ後に、数量拾いや条件確認の一部へ担当範囲を広げていくほうが、見積精度を保ちやすくなります。

人員配置については、次の基準で考えると整理しやすくなります。

専任者を採用する場合

見積案件が継続的にあり、入力や修正だけでなく、将来的に数量拾いや条件確認まで社内で任せたい場合に向いています。ただし、「積算経験者」という大きなくくりだけで判断せず、自社の工種に近い経験があるかを確認する必要があります。

既存社員に分担する場合

見積量に波があり、専任者を一人置くほどではない場合に向いています。事務担当者には入力や版管理、施工管理者には条件確認、経営者には最終承認というように、工程単位で役割を分けます。

外部を活用する場合

案件が重なる時期の処理量を補いたい場合や、標準化できる作業を社内から切り離したい場合に適しています。一方、施工範囲や単価を外部側だけで判断させると、確認の往復が増える可能性があります。どの情報を渡し、どこから社内判断に戻すかを先に決めておくことが欠かせません。

どの方法を選ぶ場合でも、修正対応の整理が重要です。民間工事で3回、5回と修正が続くなら、前回の見積を直接上書きするのではなく、変更点と変更理由が追える状態にします。そうすれば、担当者が変わっても、どの条件を基に現在の金額になったのかを確認しやすくなります。

改善の順番は「ソフトを替える」ではなく、「工程を分ける」「担当を決める」「判断の根拠を残す」です。その後に、現行ソフトで足りない機能があるかを判断します。

まとめ

積算ソフトを導入しても見積業務が減らない場合、問題は計算機能ではなく、見積の前後にある判断と修正対応に隠れていることがあります。

民間工事では、一案件について複数回の修正が発生します。工種ごとの専門性も高いため、すべてを一般事務の担当者やソフトに任せることは現実的ではありません。一方で、資料整理、入力、修正反映、版の照合まで経験者が抱える必要もありません。

見積業務の改善では、経験者の仕事をなくすのではなく、経験者にしかできない判断へ集中できる体制をつくることが目標です。

まずは直近の見積案件を一つ選び、条件確認、数量拾い、見積作成、修正対応、社内承認を誰が担っているかを並べてみると、最初に切り離せる作業が見えやすくなります。

自社の見積業務をどこから整理するか迷ったときに

積算ソフトを入れ替えるべきか、専任者を採用すべきか、既存社員へ分担すべきかは、見積件数だけでは決められません。工種、修正回数、判断が必要な工程、社内に残したい知識まで含めて考える必要があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行を支援しています。「うちの場合はどの工程を切り分けられるのか」「何から整理すべきかわからない」という段階でも問題ありません。

ものづくりに集中できる体制づくりに向けて、現在の業務の流れから一緒に整理します。無理にサービスを勧めることはありませんので、社内だけでは判断しにくいときの整理先としてお声がけください。

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