受注も職方も足りている一方、現場を任せられる代理人が一、二人足りない内装工事会社
首都圏で内装工事を手がける、ある会社の悩みは明確でした。
「仕事を取りたいわけではないんです。今必要なのは、現場を回せる人間です」
受注はあります。施工を担う職方も、現時点では大きく不足していません。足りないのは、職人と元請担当者の間に入り、現場全体を管理できる現場代理人です。あと一、二人いれば、受注した案件をより安定して回せる状況でした。
複数の求人媒体や人材紹介も使ってきました。6年ほどで10人弱を採用したものの、期待した戦力になったのは1人。その人は現在、役員として会社を支えています。
給与テーブルや評価制度がないわけでもありません。「最初はここ。これができたら次に上がる」という基準があり、担当した売上や利益も賞与や査定に反映する仕組みへ見直していました。
それでも採用が安定しません。
この会社で足りなかったのは応募数だけではなく、「現場を任せられる人とは誰か」を選考で見極める基準でした。
1週間で 15件の相談 がありました
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
- 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
- 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
- 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
- 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
- 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
- 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
- 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
- 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
- 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
- 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
- 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
- 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
- 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
「施工管理経験者」という条件だけでは現場を好転させる力まで見抜けない採用
現場代理人の採用では、資格、経験年数、担当した工事規模に目が向きがちです。もちろん、どれも大切です。ただ、それだけで実際に現場を回せるとは限りません。
この会社が求めていたのは、単に工程表を作れる人ではありませんでした。
「職人は職人で言うことがある。元請の所長にも言い分がある。その橋渡しをどうするかなんです」
さらに、社長はこう続けます。
「知識は後からでもついてきます。その場をどう切り抜けて、どう好転させるか。職人に気持ちよく仕事をしてもらい、こちらもきちんとお金をいただける段取りをしておく。それが大事なんです」
ここで求められているのは、曖昧な「コミュニケーション能力」ではありません。現場での具体的な行動です。
- 職人と元請担当者の主張を整理し、着地点をつくる
- 工程、材料、人員、原価、請求まで先回りして段取りする
- 難しい依頼にも、すぐ「できません」と返さない
- 条件を変えれば実行できないか考え、代案を出す
- 知らないことを自分で調べたうえで、必要な部分を周囲に聞く
採用要件を「経験者」「有資格者」で止めると、本当に必要な橋渡し力、段取り力、交渉力、提案力が選考から抜け落ちます。
会社も候補者もよく見せようとするほど入社後の仕事とのずれが大きくなる構造
採用が難しいと、まず応募を増やしたくなります。求人の見せ方も、できるだけ魅力的に整えたくなります。一方、候補者側も採用されるために、経験や能力を実際より高く伝えることがあります。
この会社でも、「即戦力として採ったのに、聞いていた話と違った」ということが続いていました。面接当日の直前キャンセルや無断欠席もあり、採用活動そのものへの疲れも出ていました。
しかし、採用経路だけを変えても、同じ基準で選んでいれば結果は大きく変わりません。
仕事の実態が十分に伝わっていなければ、入社後に「思っていた仕事と違う」というずれが生まれます。現場代理人は、職人と元請担当者の間で調整しながら、工程や利益にも責任を持つ仕事です。厳しい場面もあります。
その一方で、この会社には、頑張った分を給与や賞与へ反映する評価制度がありました。担当する案件や役割を広げれば、その成果が処遇に返ってくる設計です。
これは大きな魅力です。ただし、働きやすさだけを前面に出して、現場で求める踏ん張りや責任を伝えなければ、求める人とは違う層が集まりやすくなります。
「できるかもしれないけれど、このくらいでいいと思っている人では合わない」
この言葉からも、同社が求めているのは知識量だけでなく、難しい状況でも前向きな打ち手を探す人だとわかります。
求人では会社を実態以上によく見せるのではなく、仕事の厳しさ、評価の仕組み、入社後に目指せる姿をセットで伝える必要があります。
活躍している代理人の行動を基準に求人・面接・選考を一つにつなげる採用設計
見直したいのは、求人媒体より先に採用基準です。すでに活躍している現場代理人の行動を材料に、「何ができる人を採るのか」を具体化します。
1.現場代理人の要件を行動で書き出す
この会社には、社長が信頼する若手の現場代理人がいました。難しい案件を頼まれても、最初から否定的な返事をしない人です。
「絶対に嫌とは言わないし、できないとも言わない。ゼロ回答ではなく、『こうすればできますが、どうですか』と返してくれる」
このような実例を、採用要件に落とします。
たとえば、次のように分けると整理しやすくなります。
- 入社時から求める行動:相手の話を聞く、代案を出す、自分で調べる、約束を守る
- 入社後に補える知識:材料、工法、社内書式、取引先ごとの進め方
- 合わない可能性が高い行動:わからないことを調べず丸ごと聞く、難しい依頼をすぐ断る、問題を他人任せにする
「知っているか」と「現場でどう動くか」を分けると、採用時に本当に確認すべきものが見えます。
2.求人には厳しさと見返りの両方を書く
求人情報では、都合のよい部分だけを強調しないことが大切です。
この会社なら、職人と元請担当者の間に立つ難しさや、案件の収支まで考える責任を隠さず伝えます。そのうえで、担当した売上や利益が評価へ反映されること、できる仕事が増えれば給与テーブルも上がることを示します。
伝える内容は、次の3点をそろえます。
- 現場代理人として日常的に求められる役割
- 大変になりやすい場面と、その際に期待する動き
- 何ができれば評価や役割がどう上がるのか
厳しさだけでも、魅力だけでも足りません。「何を任され、何を乗り越えれば、どう成長できるか」まで伝えることが重要です。
3.面接では過去の行動を具体的に聞く
「コミュニケーションに自信がありますか」と聞けば、多くの候補者が「あります」と答えます。これでは見極めにくいため、実際に経験した場面を掘り下げます。
質問例は次のとおりです。
- 職人と元請担当者の意見が食い違ったとき、どの順番で話を整理しましたか
- 厳しい工程や条件を提示されたとき、どのような代案を出しましたか
- 知らない材料や工法が出てきたとき、何を自分で調べ、誰に何を確認しましたか
- 現場で起きた問題を好転させた経験を、最初の状況から結果まで教えてください
- 工程だけでなく、原価や請求を守るために確認していたことは何ですか
回答では、立派な結論よりも行動の具体性を見ます。「周囲と連携しました」で終わらせず、誰に、何を伝え、どんな選択肢を出し、結果がどう変わったかまで確認します。
4.選考では現場を想定した受け答えを確認する
経歴書と通常の面接だけで判断せず、現場で起こり得る状況への対応も確認します。
たとえば、「予定していた職方が入れず、元請担当者から予定どおり進めるよう求められた」という状況を提示します。そのうえで、最初に何を確認するか、誰と調整するか、どのような代案を出すかを聞きます。
正解を一つに決める必要はありません。確認したいのは、すぐに「無理です」と返さないか、必要な情報を整理できるか、相手ごとの事情を踏まえて提案できるかです。
面接官によって評価が変わらないよう、採用要件と同じ確認表を使います。
求人、面接、選考を同じ行動基準でつなぐと、「何となく頼れそう」という印象採用を減らせます。
5.入社前に評価基準と成長像をすり合わせる
採用する側が選ぶだけではありません。候補者にも、この会社と仕事が自分に合うかを判断してもらいます。
この会社には、すでに給与テーブルと評価制度があります。そこで、入社時の期待値、半年後に任せたい範囲、その先に担当できる案件、評価へ反映される成果を具体的に説明します。
同時に、現場代理人には調整や交渉が多く、難しい依頼に向き合う場面があることも伝えます。
入社前の認識合わせは、候補者を口説くためではなく、双方が納得して働き始めるための工程です。
まとめ
現場代理人の採用がうまくいかないと、媒体や人材紹介会社を変えたくなります。ただ、先に整えたいのは「誰を採るか」の基準です。
資格や知識だけでは、職人と元請担当者の橋渡しができるか、難しい状況で代案を出せるか、自分で調べて動けるかまでは判断できません。
活躍している社員の行動を言葉にし、その基準を求人、面接、選考、入社前の説明まで一貫させることが大切です。
現場代理人の採用は、応募数を増やす前に「自社で戦力になる人の行動」を定義するところから始まります。
自社に合う現場代理人像から採用の進め方を整理するために
「求める人物像が経験者という言葉で止まっている」「面接で何を聞けばよいかわからない」という段階でも、整理を始められます。
ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。現場代理人の採用であれば、必要な行動特性の言語化から、求人内容、面接質問、選考基準の設計まで、会社の実態に合わせて一緒に考えます。
まだ方針が固まっていなくても問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、自社の場合に何から整理すべきかを確認する場としてご活用ください。



























