前提

複数工種を請け負う専門工事会社が、建設業向けマッチングサービスで元請開拓を始めた段階

ある専門工事会社では、内装工事や解体工事、外構・造園関連の工事など、比較的幅広い施工に対応しています。今後の受注基盤を広げるため、建設業向けのマッチングサービスを導入し、元請会社との接点を増やし始めました。

利用開始からまだ約1カ月。すでに複数の会社とつながり、具体的なやり取りも進んでいます。経営者が考えていたのは、短期的に一件の大型案件を取ることより、一定期間をかけて取引先を増やしていくことでした。

「毎月数社の元請さんとつながって、その中から継続して仕事をもらえる関係に変えていきたいんです」

この考え方は、元請開拓の実態に合っています。新しい元請会社とは、つながった直後に案件が決まるとは限りません。施工実績や対応エリア、得意工種、見積条件を確認し、小さな依頼を経て取引が広がるケースもあります。

そのため、導入直後の受注額だけでマッチングサービスを評価すると、本来の成果が見えにくくなります。接点が商談、見積、受注、継続取引へどう進んでいるかを追うことが前提です。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

元請との接点が増えても、投じた費用を回収できるか判断しにくい状態

元請会社と数社つながったとしても、それだけでは費用対効果を判断できません。プロフィールを見てもらった、メッセージを交換した、電話で話したという段階では、まだ売上も粗利益も生まれていないからです。

一方で、利用開始から間もない時期に「まだ受注できていないから成果がない」と判断するのも早すぎます。元請側の案件発生時期や協力会社の不足状況によっては、接点を持ってから数カ月後に声がかかることもあります。

この会社でも、「元は取れるように動いています。まずはしっかりお客さんとつながっていきたい」という認識がありました。ここで整理したいのは、何社とつながったかではなく、その接点がどこまで進んだかです。

最低限、次の段階を分けて記録すると状況が見えやすくなります。

  • 接点獲得:元請会社とメッセージや電話で連絡が取れた
  • 商談化:工種、対応エリア、施工体制などを具体的に話せた
  • 見積提出:実案件について見積書を提出した
  • 初回受注:金額の大小を問わず、最初の工事を受注した
  • 継続取引:二回目以降の相談や発注につながった

「接点数」だけを成果にすると営業活動の質が見えず、「受注額」だけを見ると将来案件につながる関係を見落とします。段階別の件数と移行率を併せて見る必要があります。

背景

元請開拓は、つながった会社を取引先へ変えるまでに時間とフォローが必要

マッチングサービスの導入目的は、登録企業の一覧を増やすことではありません。自社の工種や施工体制と相性のよい元請会社を見つけ、実際の受注先に変えていくことです。

特に、内装や解体、外構など複数の工種を扱う会社では、対応できる仕事の幅が広い反面、元請側に「何を最も任せやすい会社なのか」が伝わりにくくなることがあります。つながった後に、自社の得意案件や対応可能な現場を具体的に伝える工程が欠かせません。

また、元請会社が協力会社を探す理由もさまざまです。すぐに入場できる会社を探している場合もあれば、繁忙期や今後の案件に備えて候補を集めている場合もあります。後者であれば、初回の連絡だけで案件化しなくても不自然ではありません。

このため、マッチングサービスの成果は二つに分けて考えると整理しやすくなります。

  1. 元請候補との接点をつくる成果
  2. 接点を見積・受注・継続取引に変える自社の営業成果

サービス側が接点を生み出しても、その後の連絡が止まれば受注には至りません。反対に、接点の質が自社の工種やエリアと合っていなければ、丁寧にフォローしても案件化しにくくなります。

費用対効果が見えない原因は、サービスの良し悪しだけではありません。「接点の質」と「接点後のフォロー」が分けて管理されていないことにもあります。

解決

年間目標を月次KPIへ分解し、獲得コストと粗利益で回収見込みを確認する進め方

まずは、年間で何社の継続取引先を増やしたいかを決め、そこから月次の行動と成果を逆算します。毎月の接点数だけを目標にせず、商談化、見積提出、初回受注まで目標を置くのがポイントです。

たとえば、管理表には次の項目を設けます。

  • 会社名と担当者
  • 対応工種、エリア、現場規模
  • 初回接点日と最終連絡日
  • 現在の段階
  • 紹介または相談された案件
  • 見積提出額と想定粗利益
  • 失注・保留の理由
  • 次回連絡日と確認事項

月次では、以下の数字を確認します。

  • 新規接点数
  • 商談化数と商談化率
  • 見積提出数と見積移行率
  • 初回受注数と受注率
  • 継続取引に進んだ会社数
  • 受注案件の粗利益額

費用対効果は、売上ではなく粗利益を基準に見ると実態に近づきます。売上が大きくても、材料費、外注費、現場経費などを差し引いた利益が少なければ、元請開拓に投じた費用を十分に回収したとは言いにくいためです。

基本となる確認方法は次の通りです。

  • 元請一社当たりの獲得コスト=一定期間のサービス利用費÷初回受注社数
  • 継続顧客一社当たりの獲得コスト=一定期間のサービス利用費÷継続取引社数
  • 投資回収状況=サービス経由案件の累計粗利益-サービス利用費

ただし、利用開始から一、二カ月では受注件数が少なく、獲得コストが大きく見えやすくなります。そこで、月単位の実績だけで評価を確定せず、三カ月程度の推移と年間の回収見込みを併せて確認します。

見込みを出す際は、すでに受注した案件だけでなく、提出済み見積の想定粗利益と受注確度も分けて管理します。確定した粗利益と、今後見込まれる粗利益を混ぜないことが大切です。

フォローも担当者任せにせず、段階ごとの動きを決めておきます。

  • 初回接点後:得意工種、対応エリア、施工体制を簡潔に伝える
  • 商談後:対応できそうな案件条件と必要書類を整理する
  • 見積提出後:判断時期と追加確認事項を聞く
  • 初回工事後:施工上の改善点や次回案件の見込みを確認する
  • 案件がない会社:一定期間後に稼働状況を連絡する

判断基準は「今月、利用料を上回る売上があったか」だけではありません。接点が次の段階へ進んでいるか、受注案件の粗利益で投資を回収できる見込みがあるか、継続顧客が増えているかの三点です。

進捗が弱い場合も、すぐにサービスを変えるのではなく、どの段階で止まっているかを確認します。接点は多いのに商談にならないなら、自社の工種や強みの伝え方を見直します。商談にはなるものの見積依頼がないなら、元請側が求める施工体制やエリアとのずれを確認します。見積は出るのに受注できないなら、価格だけでなく工期、対応範囲、実績の提示方法まで振り返ります。

改善する場所は、数字が落ちている段階によって変わります。段階別に管理すれば、サービスを続けるべきか、自社の営業対応を変えるべきかも判断しやすくなります。

まとめ

建設業の元請開拓は、接点を持った時点ではまだ入口です。見積依頼を受け、初回工事を任され、二回目以降の相談が来るところまで進んで初めて、安定した取引基盤になります。

マッチングサービスの費用対効果を判断するときは、次の順番で整理すると状況をつかみやすくなります。

  1. 接点、商談、見積、受注、継続取引を分けて記録する
  2. 年間の取引先獲得目標を月次KPIへ落とし込む
  3. 売上ではなく、案件の粗利益で投資回収を確認する
  4. 各段階の移行率から、止まっている場所を特定する
  5. つながった元請への次回連絡を決め、継続的にフォローする

元請開拓の投資判断では、接点の多さよりも、継続取引へ進む流れができているかが重要です。数字とフォロー履歴を残せば、短期の受注に振り回されず、年間での回収可能性を判断できます。

元請開拓の数字とフォロー体制を一度整理したい方へ

元請開拓では、サービスを増やす前に、現在の接点がどこまで進んでいるかを整理するだけでも次の一手が見えやすくなります。「自社の場合は何をKPIにすればよいか」「接点はあるのに受注へ進まない」といった段階からでも整理できます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大をはじめ、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで、経営課題を横断して整理し、実行を支援しています。建設業界の経営者の懐刀として、ものづくりに集中できる経営基盤づくりを一緒に考えます。

無理に新しいサービスを勧めることはありません。まず現状の獲得コストや営業の進み方を整理したい場合も、気軽にお声がけください。

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