前提

「理想の取引先は利益率がいい会社」としか言語化できていない専門工事会社

新規開拓に取り組もうとしている専門工事会社でも、最初から狙うべき取引先が明確になっているとは限りません。

「理想的な取引先はどこですか」と尋ねると、「利益率がいい会社」「大口の仕事をくれる会社」といった答えは返ってきます。ただ、それだけでは具体的な企業リストや営業方針に落とし込めません。

新規開拓では、ターゲット企業を探す前に、まず自社にとっての「良い取引」を定義する必要があります。売上規模だけではなく、利益率、取引の安定性、商流、受注経路、今後の拡大余地まで含めて考えることが出発点です。

特に建設業では、接点をつくった直後から大きな仕事を受注できるとは限りません。小さな工事をこなし、相手企業の中で自社が評価される領域を見つけ、徐々に受注を広げる流れが一般的です。

そのため、狙うべき取引先は「今すぐ大きな案件がありそうか」だけでなく、数年かけて取引を育てる価値がある相手かという時間軸でも見る必要があります。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
  • 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
  • 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
  • 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
  • 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
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課題

売上規模や利益率だけで営業先を決めようとしてターゲットが定まらない状態

ターゲットが曖昧なまま新規開拓を始めると、企業リストの判断基準も曖昧になります。規模の大きい会社を並べても、自社の施工領域や商流と合わなければ、接点をつくった後の提案が続きません。

また、「利益率が高そうな会社」を選んでも、実際の利益は発注条件や価格交渉だけで決まるものではありません。工事の種類、継続性、現場の進めやすさ、自社が商流のどこに入るかによっても変わります。

ターゲット選定で整理したいのは、主に次の点です。

  • どのような工事を継続的に発注する会社か
  • 自社は商流のどの位置で受注できるか
  • 取引開始のきっかけをつくれるか
  • 小規模な受注から取引を広げられるか
  • 売上だけでなく、粗利や経営の安定につながるか
  • 既存の施工体制や得意領域を生かせるか

ここが曖昧だと、「既存領域をさらに深掘りするのか」「別の領域へ進むのか」という経営判断もできません。新規開拓の問題に見えて、実際には自社の勝ち方が整理されていないことが根本にあります。

背景

新規市場を探す前に現在の取引先と受注経路を分解できていないこと

狙うべき取引先を見つけるうえで、最も有力な材料になるのは現在の取引先です。すでに取引が成立している企業には、自社が選ばれた理由と、受注を継続できている理由が含まれています。

ところが、新規開拓を考え始めると、既存顧客とは異なる企業や市場へ目が向きやすくなります。その結果、過去にどのような経緯で取引が始まり、何が評価され、どのくらいの期間をかけて受注が増えたのかが整理されないままになります。

たとえば、現在の主要取引先が売上の大きな割合を占めるまでに、数年かかっているケースがあります。最初から大口案件を受注したのではなく、接点をつくり、小さな工事を積み重ね、相手企業の中で自社のポジションを築いた結果です。

この経緯を振り返ると、新規開拓でも見るべきポイントが変わります。

「大きな仕事を持っている会社か」ではなく、「自社が入り込み、信頼を積み、受注を拡大できる構造があるか」を見る必要があります。

加えて、ターゲットは自社の都合だけでも決められません。業界動向や経済動向といった外的要因によって、今後伸びる領域や受注構造は変わります。一方で、外部環境だけを見て市場を決めると、社長が実現したい会社の姿とずれる可能性があります。

整理すべき要因は、大きく二つです。

  • 外的要因:自社のビジネスモデル、業界動向、経済動向、商流の変化
  • 内的要因:社長のビジョン、経営理念、将来の売上構成、目指す取引関係

外的要因から実現可能な選択肢を絞り、内的要因から進む方向を選ぶ。この順番にすると、「伸びそうだから」だけでも、「社長がやりたいから」だけでもない、現実的なターゲットを設定しやすくなります。

解決

既存取引先の分解から外的要因と社長の将来像を重ねる手順

最初に行いたいのは、既存取引先を一社ずつ分解することです。頭の中で優良顧客を思い浮かべるだけではなく、同じ項目で並べて比較します。

整理する観点

確認したい内容

売上規模

年間でどの程度の受注があるか

利益率

売上ではなく、どの程度の利益が残るか

安定性

継続受注か、単発受注か

商流

元請け・一次・二次など、どこから受注しているか

受注経路

紹介、既存人脈、問い合わせなど、どのように接点が生まれたか

評価された点

技術、対応、施工領域など、何が継続受注につながったか

拡大余地

他工事、他拠点、別部署などへ取引を広げられるか

取引期間

接点から主要取引先になるまで、どの程度かかったか

この一覧から、売上が大きい会社だけでなく、「利益が残る会社」「安定受注につながる会社」「取引を広げやすい会社」を探します。複数の条件を満たす取引先があれば、その会社が一つの基準になります。

次に、その取引先との関係を再現可能な要素へ分けます。

  1. どの商流から受注したか
  2. 最初にどの工事を任されたか
  3. 何が評価されて継続受注になったか
  4. どの段階で受注量が増えたか
  5. 同じ構造を持つ企業はほかにあるか

既存取引先を「会社名」ではなく「受注が育った構造」で捉えることが、新規開拓の再現性につながります。

そのうえで、進む方向を二つに分けます。

既存領域を深掘りする場合

既存の優良顧客と似た商流、発注構造、工事領域を持つ企業を探します。すでに自社の実績や強みを説明しやすく、施工体制とのずれも比較的小さいため、再現性をつくりやすい選択です。

別の領域へ進む場合

「なぜ今までその領域に進んでいないのか」を先に確認します。接点がなかっただけなのか、実績が足りないのか、商流が異なるのか、既存の施工体制では対応しにくいのかによって、必要な準備が変わります。

別領域へ進むこと自体が目的になると、対象企業の選定が広がりすぎます。既存領域では実現できない経営上の目的がある場合に、別領域を選ぶと整理しやすくなります。

最後に、外的要因と内的要因を重ねます。

  1. 業界・経済動向から、今後の商流や需要の変化を確認する
  2. 自社のビジネスモデルで取り得る勝ち方を複数挙げる
  3. 各選択肢に近い企業を数社調べ、成立する根拠を確認する
  4. 社長が数年後に実現したい売上構成や取引関係と照合する
  5. 優先する領域と、最初に狙う企業群を決める

参考となる企業を調べるのは、他社をそのまままねるためではありません。「なぜその市場に勝ち筋があるのか」を裏づける材料にするためです。

ターゲットを決めた後も、最初から大口受注だけを目指す必要はありません。建設業の新規取引は、接点づくり、信頼形成、小規模工事、取引先内での評価、受注拡大という段階を踏むことがあります。

狙う企業、最初に受けたい工事、取引を広げる条件まで一続きで設計すると、新規開拓が単なる企業リストへの連絡ではなくなります。

まとめ

新規開拓のターゲットが決まらないときは、未知の市場を広く探すより、現在の取引先を分解するところから始めると整理しやすくなります。

押さえたいポイントは次のとおりです。

  • 理想の取引先を売上規模だけで決めない
  • 利益率、安定性、商流、受注経路、拡大余地で既存顧客を比較する
  • 既存取引先との関係が育った経緯から再現可能な要素を探す
  • 既存領域を深掘りするのか、別領域へ進むのかを先に判断する
  • 業界・経済動向という外的要因と、社長の将来像という内的要因を重ねる
  • 接点から受注拡大までの時間軸を踏まえて営業先を選ぶ

ターゲット設定は、企業リストをつくるためだけの作業ではありません。自社がどの商流で、どのような相手と関係を築き、将来どのような売上構成を目指すのかを決める経営判断です。

既存顧客の中にある勝ち筋を言語化できれば、新規開拓で狙うべき相手と、最初に取るべき行動が見えやすくなります。

自社に合う取引先と新規開拓の進め方を整理したい方へ

既存取引先を整理しても、「どの条件を優先すべきか」「既存領域を掘るべきか、別領域へ進むべきか」と迷うことがあります。社長の頭の中には判断材料があっても、営業先の条件や具体的な企業群まで落とし込むのは簡単ではありません。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大を、既存取引の整理、狙う市場の検討、企業リストの設計、実行方法まで一緒に組み立てています。「うちの場合はどう考えるべきか」「何から整理すればよいかわからない」という段階でも大丈夫です。

無理に話を進めることはありません。ものづくりに集中できる経営体制をつくるための、次の整理先としてご活用ください。

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