半年以上前に訪問した未受注企業を、一覧で取り出せない状態
東海地方で建設関連事業を営むある会社では、新規顧客を増やすため、過去に訪問した企業への再提案を検討していました。
ところが、最初にぶつかったのは電話のかけ方ではなく、対象企業の把握でした。社内には顧客情報のリストがあるものの、ローカルサーバーで管理され、外出先から簡単に確認できる状態ではありません。営業管理に必要な項目を追加する要望も以前からありましたが、社内外のどちらで改修するか決まらず、手を付けられないままになっていました。
担当者から出たのは、「過去に行ったところのリストは、抜き出すしかないですね」という言葉です。
休眠案件の掘り起こしは、電話を始める前に「半年以上接触しておらず、まだ受注していない企業が何社あるか」を把握するところから始まります。
母数が分からなければ、既存の営業担当だけで対応できるのか、短期的に別の人員が必要なのかも判断できません。まずは基幹的な顧客管理の全面改修と切り離し、再提案に必要な対象だけを抽出することが現実的です。
1週間で 18件の相談 がありました
- 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
- 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
- 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
- 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
- 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
- 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
- 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
- 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
- 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
- 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
- 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
- 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
- 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
- 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
- 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
- 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
- 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
- 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
再提案できる母数も必要な架電工数も見えない営業管理
この会社では、提携先の営業担当と同行して訪問した後、自社で直接連絡することはありました。一方、訪問後に受注へ至らなかった企業については、状況が十分に集約されていませんでした。
提携先の担当者に聞くと、「すでに訪問して、こういう話になっています」「ここは難しいです」といった情報が後から出てきます。ただし、共有されるのは進展した企業が中心で、見送られた企業の情報まで網羅されているわけではありません。
「引っかかったところだけ連絡が来る。話したけれど難しかった、という情報は全部そろっていない」という状態でした。
このまま一斉に電話をすると、次のような問題が起きます。
- 最近別の担当者が接触した企業へ重ねて連絡してしまう
- 「決算後に再検討」など、すでに聞けていた条件を無視してしまう
- 社長ではなく専務や実務担当者が決裁に関わる企業へ、宛先を誤って連絡する
- 見送り理由が分からず、前回と同じ説明を繰り返す
- 対象件数が読めず、通常業務の合間に対応できるか判断できない
休眠案件が放置される原因は、営業担当の行動量だけではありません。「誰に、いつ、何を確認すれば再提案できるか」が案件ごとに整理されていないことが大きな要因です。
過去に外部の架電会社や一時的に採用した人材で電話をかけても、効果は薄かったといいます。休眠案件は、まったく接点のない企業への電話とは異なります。前回の経緯を踏まえられなければ、せっかくの接点を生かせません。
見送り理由や決裁時期が担当者の記憶と個別連絡に残る情報分断
情報が一覧になっていない背景には、顧客との関係を持つ人と、再提案を行う人が分かれている事情があります。
提携先の営業担当は、各社の内情をつかんでいます。「社長に話しても進まない」「専務に話したほうがよい」「今は決算対応中なので来期に検討する」といった、再提案に欠かせない情報です。しかし、それらは担当者の記憶や個別のやり取りに残り、共通の管理表へ集約されていませんでした。
自社から直接連絡する場合も、先に営業担当へ状況を確認する必要があります。すでに話が進んでいる企業へ別ルートから連絡すると、顧客を戸惑わせるだけでなく、社内外の担当者同士で動きが重なるためです。
また、電話を担える人も限られていました。過去の訪問先へ連絡するなら、実質的に一人の担当者が対応する想定でしたが、毎日の件数を決めて行動管理する体制までは整っていません。
顧客情報が存在していても、「最終接触日」「見送り理由」「次に動ける条件」がなければ、営業で使える休眠案件リストにはなりません。
全面的な顧客管理システムの整備を待つと、着手まで長い時間がかかります。短期的な掘り起こしと、中長期的なデータ整備は分けて考える必要があります。
一営業所から休眠案件を分類し、架電と改善を小さく回す進め方
最初に行うのは、対象の定義です。この会社では、直近に訪問した企業を除き、「最終接触から半年以上経過している未受注企業」を抽出する方向になりました。
期間は、自社の提案から受注までの長さに合わせて調整できます。大切なのは、担当者ごとの感覚ではなく、全社で同じ条件を使うことです。
1.再提案に必要な項目だけをそろえる
最初から顧客情報を完璧に整えようとすると、作業が止まりやすくなります。休眠案件の判断に必要な項目へ絞るのが進めやすい形です。
最低限、次の項目を一社ごとに整理します。
- 企業名と所在地
- 最終接触日
- 前回の提案内容
- 前回の見送り理由
- 再検討が見込まれる時期
- 決裁者と実務担当者
- 社内外の営業担当者
- 次回接触の条件
- 次に取る行動と予定日
見送り理由が不明なら、空欄のまま電話するのではなく、まず当時の担当者へ確認します。決裁者についても、社長と決めつけず、「社長に話すべきか、専務や実務責任者へ話すべきか」まで確認できると、連絡の精度が上がります。
管理項目は情報収集のためではなく、次の行動を決めるために設けます。入力しても連絡先・時期・話す内容が決まらない項目は、初期段階では増やしすぎないほうが進めやすくなります。
2.見送り理由と再接触条件で優先順位を付ける
一覧化した企業へ上から順番に電話するのではなく、前回の状況で分類します。例えば、次のような分け方です。
- 優先度が高い企業:検討時期が明確で、その時期が近づいている
- 確認してから動く企業:決裁者や見送り理由が不明だが、担当者から情報を補える
- 時期を待つ企業:決算後や来期など、再検討の条件が明確に決まっている
- 現時点では対象外の企業:直近に接触済み、別担当が提案中、再提案しない理由が明確
ここで重要なのは、断られた企業を一律に除外しないことです。「必要がない」と「今期は動けない」では、次回の対応が異なります。
過去の見送りを結果ではなく理由で分けると、休眠案件は「電話する先」ではなく「条件が整ったら動かす先」として管理できます。
3.一つの営業所と限られた件数で試す
全地域へ一気に広げるより、協力を得やすい一営業所や一地域に絞って始めるほうが、改善点を見つけやすくなります。この会社でも、担当者の動きがよく、情報を集めやすい一拠点から試す方針が検討されました。
小さく始める際は、次の順番で進めます。
- 対象企業を抽出する
- 営業担当者へ一社ずつ状況を確認する
- 直接連絡してよい企業を確定する
- 電話する担当者と一日の行動量を決める
- 結果を記録し、次回の連絡日を設定する
「やってみないと分からない」という判断は、営業施策では珍しくありません。だからこそ、全件を対象にする前に、協力を得やすい範囲で結果を確かめます。
4.行動量と案件復活率を分けて管理する
架電を始めたら、最終的な受注だけで評価しないことも大切です。初期段階では、少なくとも次の数字を週単位で確認します。
- 対象企業数
- 架電数
- 担当者と話せた件数
- 再検討時期を確認できた件数
- 次回の面談や提案につながった件数
- 具体的な次の行動が生まれた案件の割合
案件復活率は、対象企業のうち、面談・再提案・見積もりなど具体的な次の行動へ戻った割合として定義すると管理しやすくなります。
母数と復活率が分かれば、必要な架電工数も見積もれます。一人の営業担当で回せるのか、一定期間だけ別の人員を置くべきかも、数字を基に判断できます。
5.電話の反応を基に話し方を更新する
休眠案件への電話では、初めて連絡するような話し方を避け、前回の経緯から入ります。
例えば、「以前ご提案した際は、決算後に検討すると伺っていました。その後の状況はいかがでしょうか」と確認できれば、相手も話を思い出しやすくなります。
反応が悪い場合は、担当者の力量だけで片付けず、見送り理由別に話し方を見直します。決裁時期が合わないのか、連絡相手が違うのか、前回と同じ説明になっているのかを切り分けます。
架電数、反応、次の行動を記録し、短い周期で話し方を修正するところまでが休眠案件の掘り起こしです。
まとめ
過去に訪問した企業は、新規開拓よりも接点をつくりやすい一方、前回の経緯が整理されていなければ動かせません。
まずは、半年以上接触していない未受注企業を抽出し、見送り理由、決裁時期、担当者、次回接触条件をそろえます。そのうえで優先順位を付け、一営業所や一地域から小さく試します。
休眠案件の掘り起こしで最初に整えるべきものは、電話の台本ではなく、再提案できる母数と一社ごとの次回条件です。
全社的な顧客管理の改修を待つ必要はありません。短期的には対象を絞った管理表で動き、架電数や案件復活率を見ながら、必要な人員と管理方法を決めていくのが現実的です。
休眠案件の母数と動かし方を整理するために
「過去の訪問先はあるはずだが、一覧になっていない」「何件に、誰が、どのくらい電話すればよいか分からない」という段階では、まず対象の定義と管理項目をそろえる必要があります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大や案件獲得について、顧客情報の整理、営業体制、行動管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行を支援しています。自社の場合にどこから手を付けるべきか決まっていない段階でも問題ありません。無理に営業を進めることはありませんので、次の整理先としてお声がけください。




























