前提

近畿圏の電気通信工事を中心に、少数の発注元から受注する6名規模の施工体制

近畿圏にある、設立から数年の電気通信工事会社です。代表を含む6名ほどが職人として現場に入り、案件の状況に応じて20名を超える協力業者へ声をかけられる体制を持っています。

工事の8〜9割は電気通信分野です。通信インフラや弱電設備を中心に、機器の入れ替えを伴う改修工事、オフィス、ホテル、商業施設などの施工にも対応しています。取引はほぼ法人向けで、通信工事の発注構造では二次・三次にあたる立場で仕事を受けています。

売上は年度によって6,000万円台から9,000万円前後まで幅があり、目標は1億円を安定して上げられる会社になることです。ただし、単に売上を増やすことが目的ではありません。

「1億円に届けばいいわけではなく、利益率のほうが重要です。一人当たりの労務単価も、最低3万円ほどまで持っていきたいです」

目指しているのは売上の最大化ではなく、案件量と労務単価を安定させ、利益を残せる受注構造をつくることです。

そのため、より上位の会社から直接受注することだけを狙っているわけではありません。上流へ行くほど管理責任が重くなるため、現在の施工体制に合う立ち位置で、条件を交渉しやすい発注元を増やしたいという考えです。

1週間で 18件の相談 がありました

  • 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
  • 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
  • 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
  • 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
  • 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
  • 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
  • 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
  • 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
  • 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
  • 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
  • 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
  • 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
  • 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
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課題

3〜4社の発注量に左右され、年間売上が6,000万円台から9,000万円前後まで変動する状態

一番の課題は、取引先の社数が少なく、各社の発注状況によって年間売上が大きく変わることです。

「元請の数が限られているので、そこからの発注が減ったときがしんどいんです。繁閑を埋めたいというより、発注が切れた場合を考えて増やしたいです」

複数社との取引はあるものの、年間を通じた発注割合は一定ではありません。ある会社からまとまった案件が出る年もあれば、別の会社が中心になる年もあります。仕事が多い時期には売上が伸びますが、発注元の都合で案件が減ると、自社の施工力が変わっていなくても売上が下がります。

少数の発注元に依存した状態では、自社の施工力よりも取引先の案件量が売上を決めやすくなります。

この会社が取引先を増やしたい理由は、単に売上の入口を増やすためだけではありません。複数の案件を比較し、労務単価や施工条件を踏まえて受注を選べる状態に近づけるためでもあります。

一方で、取引先を一気に増やせばよいわけでもありません。現在の人数で何社にも積極営業をかけ、同じ時期に発注が重なると、声をかけたにもかかわらず「その時期は動けません」と断ることになります。

「何社かへ一気に声をかけても、こちらが十分にウェイトを置けなくなります。それでは相手にも失礼になると思っています」

取引先開拓では、接点の数よりも、受注後にきちんと応えられる社数を見極める必要があります。

背景

人づての開拓だけでは、自社に合う発注元を計画的に選びにくい状況

これまでの開拓は、知り合いや現場で一緒になった人から発注元を紹介してもらう形が中心でした。長年この業界で働いてきた代表には人脈があり、実際に人づての紹介から新しい会社との取引にもつながっています。

ただし、紹介中心の開拓には、自社から候補を選びにくい面があります。紹介された会社が、自社の得意工種や希望単価、施工余力に合うとは限らないからです。

この会社の場合、開拓先を考えるうえで、すでにいくつかの条件が明確になっています。

  • 電気工事全般よりも、実績の厚い電気通信工事を中心にする
  • 従業員に家族がいるため、1〜3カ月の長期出張を前提とせず、近畿圏から通える現場を優先する
  • 大手すぎて条件交渉の余地が小さい会社より、現場や経営側と話が通りやすい規模を検討する
  • 通信工事の案件を継続的に保有し、協力会社へ発注する会社を候補にする
  • 自社6名と協力業者で無理なく対応できる案件量から始める

「規模が大きくなりすぎると、交渉の余地がなくなったり、組織化されていて融通が利きにくかったりします。ある程度、話が通りやすい規模のほうが合うと思っています」

また、建設業では取引階層にも配慮が必要です。一度ある会社の下に入ると、その後も同社を通して受注する関係になりやすく、既存取引先を飛び越えて上位会社へ営業すると角が立つ場合があります。

上位会社と先に関係をつくるのか、現在の発注経路を尊重して一段下から実績を積むのかは、単価だけでは決められません。既存取引への影響、求められる責任、直接取引による利点を並べて判断する必要があります。

開拓先は会社の大きさだけで選ばず、得意工種、営業エリア、保有案件、交渉のしやすさ、取引階層との相性まで見て絞ることが大切です。

解決

候補企業を条件で絞り、試験受注から施工品質の評価、継続発注へ進める開拓手順

この規模の会社に合うのは、多数の企業へ一斉に営業する方法ではなく、条件に合う候補を絞り、一社ずつ取引を育てる進め方です。

まず、自社側の受注条件を整理します。少なくとも、次の項目は営業を始める前に言葉にしておきたいところです。

  1. 得意工種:電気通信、弱電設備、通信インフラ、機器入れ替えなど、実績を示しやすい工事は何か
  2. 営業エリア:日帰りで通える範囲と、例外的に出張対応できる範囲はどこまでか
  3. 施工余力:自社社員だけで動ける人数と、協力業者を含めて対応できる人数はどの程度か
  4. 希望する案件量:月に何班、何人工、どの程度の工期なら無理なく対応できるか
  5. 受注条件:必要な労務単価、支払条件、現場管理の範囲など、継続に必要な条件は何か
  6. 対応できない工事:電気設備工事など、自社単独では難しい領域はどこか

先に「何でもできます」と広げるのではなく、継続して責任を持てる範囲を決めることが、取引先との信頼につながります。

次に、その条件に合う発注元を探します。候補企業を見る際は、売上規模や従業員数だけでなく、どの会社から仕事を受け、どのような案件を保有しているかが重要です。

今回の会社であれば、通信関連の大手企業やその系列会社から工事を受け、さらに協力会社へ発注している企業が候補になります。自社が実績を持つ電気通信工事なら、初回受注後も施工力を評価してもらいやすく、対応しきれない場合には既存の協力業者と組む選択肢もあります。

候補企業を抽出したら、次の順番で進めます。

1.発注元の案件と自社の施工領域が合うかを確認する

最初から受注を迫るのではなく、相手がどの地域で、どのような通信工事を持っているかを確認します。案件が豊富でも、遠方案件や自社で対応しにくい電気設備工事が中心なら、継続取引にはつながりにくくなります。

2.小規模または短期間の案件で試してもらう

最初の提案は、大型案件の一括受注である必要はありません。この会社が重視しているのも、「まず一度使ってもらう」ことです。

「一発目から大きな案件をくださいというより、一度うちを使ってもらいたいです。その中で、ここまで考えて動いています、ここまで対応します、というところを見てもらいたいんです」

新規取引では、会社案内の説明だけで信用を得ようとせず、小さな施工機会をつくって実際の動きを評価してもらいます。

3.施工後の評価を、次の案件と条件交渉につなげる

初回案件では、施工品質だけでなく、現場でどこまで考えて動けるか、依頼への対応範囲、協力業者を含む体制なども見られます。その評価ができた後で、次回の案件量や労務単価を相談します。

いきなり単価交渉だけを前面に出すより、「この体制と品質なら、次回以降はこの条件で受けたい」と実績を根拠に話すほうが、双方にとって判断しやすくなります。

4.継続発注を確認してから次の一社へ進む

一社との取引を始めた後は、すぐに次々と営業先を増やさず、発注頻度、案件の重なり方、採算、現場との相性を見ます。そのうえで、現在の会社を主軸にするのか、依存を避けるためにもう一社を開拓するのかを決めます。

判断時には、次の数字を取引先ごとに並べると整理しやすくなります。

  • 年間の発注額と発注回数
  • 月ごとの案件量と繁閑
  • 一人当たりの労務単価
  • 自社社員と協力業者の投入人数
  • 移動や宿泊を含む実質的な負担
  • 見積もりから受注までの確度
  • 次年度も見込める保有案件

一社を開拓して実績と採算を確認し、受注余力が残っている場合に次の一社へ進む。この順番が、小規模な専門工事会社には現実的です。

まとめ

特定の元請や発注元への依存を減らすには、営業先を闇雲に増やすのではなく、自社に合う会社を選ぶところから始める必要があります。

今回のような電気通信工事会社であれば、近畿圏で通えること、通信工事の案件を継続的に持っていること、現在の施工体制で応えられること、条件交渉の余地があることが主な判断軸になります。

そして、開拓後は小さな案件で試してもらい、施工品質と現場対応を見てもらったうえで、継続発注と単価交渉へ進みます。

「早いほうがいいけれど、焦って安定しないより、一個ずつ確実に積んでいきたい」

この考え方は、数名から十数名規模の専門工事会社にとって、無理のない販路拡大の進め方です。

取引先分散の目的は社数を増やすことではなく、発注が減っても売上と利益を守れ、受注条件を選べる状態をつくることです。

自社に合う発注元の条件から整理したい方へ

取引先を増やしたいと思っても、「どの会社へ声をかけるべきか」「上位会社へ直接つながるべきか」「今の人数で何社まで対応できるか」は、会社ごとに答えが変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の得意工種、営業エリア、施工余力、既存の取引階層、希望する案件量を整理し、開拓先の絞り込みから営業活動、受注後の体制づくりまで支援しています。

「うちの場合は、どの立ち位置の会社を狙えばよいのか」「何から整理すべきかわからない」という段階でも問題ありません。ものづくりに集中できる建設業界に向けて、状況を一緒に整理します。無理に営業を進めることはありませんので、今後の取引先開拓を考える際の整理先としてご活用ください。

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