前提

紹介元との取引基盤はあるものの、新規獲得の進捗が3割前後にとどまる東海地方の建設関連会社

東海地方にある20名弱の建設関連会社では、取引関係のある紹介元から顧客をつないでもらい、担当者に同行して提案する形で新規開拓を進めていました。一度紹介を受けた後は顧客と直接連絡を取れますが、最初の接点づくりは紹介元の担当者に依存しています。

月間で5社ほどの新規獲得が必要な一方、目標に対する進捗は3割前後。過去には自社でのテレアポや外部業者への委託も試しましたが、十分な効果を得られませんでした。

そのため、「紹介元の名前を出して直接電話すれば、話を聞いてもらいやすいのではないか」という案が出る一方、既存の人間関係を無視した接触にならないかという懸念もありました。

相談者の言葉にも、その迷いが表れています。

「新規獲得なので、あらゆる手を尽くす必要はあります。ただ、リソースと効果を踏まえて判断しないといけません」

紹介元との関係を生かした直接営業では、電話件数を増やす前に、紹介元が持つ顧客情報を自社でも扱える状態にする必要があります。

1週間で 18件の相談 がありました

  • 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
  • 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
  • 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
  • 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
  • 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
  • 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
  • 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
  • 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
  • 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
  • 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
  • 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
  • 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
  • 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
建設業界のプロ人材による360度経営支援 資料ダウンロード
課題

紹介元の担当者だけが顧客の検討状況を把握し、自社では次の一手を決められない状態

問題は、紹介元を経由していること自体ではありません。顧客ごとの接触履歴や検討状況が自社に共有されず、案件の進め方を自社で判断できないことです。

紹介元の担当者に個別確認すると、次のような情報が出てきました。

  • すでに訪問し、具体的な話まで進んでいる
  • 提案したものの、現時点では難しいと判断されている
  • 社長ではなく、専務や実務責任者に話したほうがよい
  • 検討意向はあるが、決算後や来期まで待つ必要がある
  • 顧客側に既存の仕組みがあり、切り替えの優先度が低い

しかし、これらは一覧化されていませんでした。「反応があった顧客だけ連絡が来る」「聞けば分かるが、全顧客について網羅できていない」という状態です。

「すでに行って、こういう話になっていますよ」「ここは今は難しいですよ」という情報を担当者は持っています。一方で相談企業には、その一部しか展開されていませんでした。

このままでは、自社から直接連絡してよい顧客と、紹介元の担当者に任せたほうがよい顧客を区別できません。検討中の顧客へ別ルートから連絡すれば、これまでのやり取りを無視した印象を与える可能性もあります。

反対に、紹介元からの連絡を待つだけでは、自社の営業計画を自社で動かせません。

直接営業が進まない根本原因は、アポイントの取り方ではなく、顧客ごとの一次情報が紹介元の担当者に閉じていることです。

背景

「社長名が分かる」だけでは動けず、決裁者と人間関係まで確認する必要がある取引構造

顧客リストに会社名と代表者名があっても、それだけでは有効な営業リストになりません。

相談者からも、「会社によっては社長に話してもしょうがないところもあります」という発言がありました。建設業では、会社規模や商材によって、社長、専務、工事部門の責任者、積算担当者など、実際に検討を動かす人が異なります。

さらに、紹介元の担当者と顧客の間には、リストからは見えない関係があります。最近訪問していないように見えても、電話で継続的にやり取りしているかもしれません。表面的には商談が止まっていても、「来期なら検討する」という話まで進んでいる場合もあります。

その状態で自社がいきなり電話をすると、紹介元の担当者と自社の説明が食い違う可能性があります。直接営業を始めるなら、少なくとも以下の情報が必要です。

  • 過去の訪問、電話、案内の履歴
  • 前回接触時の反応と断られた理由
  • 実質的な決裁者と現場の窓口
  • 顧客が抱えている課題
  • 現在の仕組みや他社サービスの導入状況
  • 再接触に適した時期
  • 直接連絡する際に避けるべき話題や相手
  • 紹介元の担当者による再連絡が適しているか

「直接動いてもよい」という大枠の合意だけでは足りません。顧客によって状況が異なるため、接触方法も個別に決める必要があります。

代表者名と電話番号を集めるだけでなく、誰に、いつ、どの経路で連絡すべきかを判断できる情報までそろえて、初めて営業に使えるリストになります。

解決

担当者へのヒアリングから顧客別の接触方法を決め、協力的な一拠点で試す進め方

直接営業の仕組みは、全顧客への一斉電話から始めるのではなく、紹介元の担当者が持つ情報の回収から始めます。進め方は大きく4段階です。

1.対象顧客と担当者をひも付ける

最初に、対象エリアや拠点を一つに絞り、顧客リストへ紹介元の担当者をひも付けます。全社分を一度に整備しようとすると、確認件数が増え、協力を得るための説明も複雑になります。

既存の顧客管理システムをすぐに改修できない場合は、試行対象だけをExcelなどへ抜き出しても構いません。ここでは恒久的なシステム整備より、営業判断に必要な情報を短期間でそろえられるかを優先します。

2.5〜10分で答えられるヒアリング項目を統一する

担当者によって回答の粒度が変わらないよう、確認項目をあらかじめ決めます。

最低限そろえたいのは、次の項目です。

確認項目

確認する内容

接触履歴

いつ、誰が、どの方法で連絡したか

顧客の反応

関心あり、保留、見送りなど

決裁者

社長、専務、部門責任者、実務担当者など

課題

顧客が改善したいこと、困っていること

導入状況

紙中心か、既存システムを使っているか

再接触時期

すぐ、決算後、来期など

注意点

直接連絡を避けるべき相手や時期

推奨経路

紹介元経由、自社からDM、電話、訪問など

相談企業では、営業会議の場でヒアリングの進め方を5〜10分ほど実演し、その後、担当者ごとに情報を記入してもらう案が検討されました。単に入力を依頼するより、「何のために聞くのか」「回答後に自社がどう動くのか」まで見せたほうが協力を得やすくなります。

3.顧客ごとに接触経路を決める

情報を集めたら、全顧客へ同じ手段で連絡するのではなく、状況に応じて次の行動を分けます。

  • 紹介元経由:すでに担当者が提案中で、関係を継続したほうがよい
  • DMから電話:接触履歴が薄く、まず自社の情報を届けてから話したい
  • 自社から電話:決裁者と連絡時期が分かり、直接連絡しても問題がない
  • 直接訪問:地域や関係性から、対面のほうが話を進めやすい
  • 保留:決算期や既存提案との兼ね合いで、今は動かないほうがよい

重要なのは、電話か訪問かという手段の優劣ではありません。既存の接触履歴を踏まえ、顧客と紹介元の双方に無理のない経路を選ぶことです。

判断に迷う顧客は、紹介元の担当者へ「自社から連絡してよいか」を確認します。必要であれば、担当者からもう一度電話してもらう選択肢も残します。

4.協力的な一拠点で、情報収集から直接接触まで走らせる

全社展開の前に、担当者の動きがよく、協力を得やすい営業所を一つ選びます。相談企業でも、複数地域を同時に動かすのではなく、比較的協力的な中部エリアの一拠点に絞る方向になりました。

試行では、情報を集めるだけで終わらせず、実際のDM、電話、訪問まで実施します。そのうえで、次の点を確認します。

  • 必要な顧客情報を担当者から回収できたか
  • どの接触経路で反応が得られたか
  • 紹介元との行き違いや顧客からの苦情がなかったか
  • 1社へ接触するまでにどれだけの工数がかかったか
  • 面談化や案件化につながったか
  • 他拠点でも再現できる手順になったか

成果だけでなく、関係悪化のリスクと必要工数も検証します。そこで得た結果を営業会議へ持ち込み、対象拠点や担当者を広げていけば、感覚論ではなく実績をもとに全社展開を判断できます。

直接営業は一斉展開せず、協力的な一拠点で「情報収集・接触判断・実行・検証」まで一周させることが、紹介元との関係を守りながら仕組み化する近道です。

まとめ

紹介元を通じた営業は、信頼を得やすい一方、顧客情報が担当者の中だけに残ると、自社で案件を動かしにくくなります。

必要なのは、紹介元を外して直接営業へ切り替えることではありません。紹介元が持つ接触履歴、決裁者、顧客課題、導入状況、連絡時の注意点を共有してもらい、顧客ごとに最適な接触経路を決めることです。

進め方を整理すると、次の順番になります。

  1. 対象拠点と顧客を絞る
  2. 紹介元の担当者を顧客へひも付ける
  3. 統一した項目で一次情報を回収する
  4. 紹介元経由、DM、電話、訪問、保留を顧客別に判断する
  5. 一拠点で実行し、成果・工数・関係面のリスクを検証する
  6. 検証結果をもとに他拠点へ広げる

紹介元との関係を残しながら、自社でも顧客の状況を把握し、次の行動を選べる状態をつくることが、直接営業の仕組み化です。

自社に合った直接営業の進め方を整理したい方へ

紹介元との関係が深いほど、「どこまで自社から直接動いてよいのか」は判断しにくいものです。顧客リストはあるものの情報が足りない、ヒアリング項目を決められない、試行する拠点を選べないという段階からでも整理できます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大や元請け開拓をはじめ、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して、実行につながる形へ整える支援を行っています。「うちの場合は何から始めるべきか」という段階でも問題ありません。

状況を伺ったうえで必要な整理先をご案内し、無理に営業を進めることはありません。建設業界の経営者の懐刀として、持続的な案件獲得の仕組みづくりをご一緒します。

お問い合わせはこちら