前提

紹介案件の受注率は高い一方、紹介を取れるかどうかは営業担当者の動き方次第という状態

東海地方を拠点に、内装工事会社との取引が多いある会社では、紹介をきっかけにした案件が高い確率で受注につながっていました。

既存顧客や取引先からつないでもらえれば、初回から一定の信頼があるため、話が進みやすくなります。新規開拓のなかでも、紹介は有力な営業経路でした。

一方で、紹介を生み出す動きは、実質的にエース社員へ依存していました。

「現状は担当者の属人化ですよね」

紹介の頼み方も、特別な営業トークがあるわけではありません。「知り合いがいたら紹介してくださいよ」と、関係性を見ながら声をかけています。その担当者には紹介を取り付ける力があるものの、いつ、誰に、どの会社を紹介してもらうかは、本人の記憶と現場判断に委ねられていました。

紹介営業の課題は、頼み方の上手下手だけではありません。紹介してほしい企業の情報を、適切な場面で取り出せる状態になっているかが大きく影響します。

1週間で 18件の相談 がありました

  • 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
  • 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
  • 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
  • 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
  • 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
  • 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
  • 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
  • 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
  • 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
  • 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
  • 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
  • 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
  • 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
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課題

「誰か紹介してください」という依頼では、受注率の高い紹介案件を継続的に増やしにくい状態

紹介営業を仕組みにするうえで、最初に見直したいのは依頼の具体性です。

「どこか紹介してください」と広く尋ねても、相手はその場で候補を思い浮かべにくいものです。紹介できる会社があっても、社名が出てこないまま会話が終わることがあります。

そこで挙がったのが、訪問先の近隣や同じ地域にある攻略企業を5社ほど選び、具体的に尋ねる方法でした。

「この会社にどうしても伺いたいのですが、社長をご存じないですか」

社名を示せば、「この社長なら知っている」「近いうちに会う予定がある」といった具体的な反応を引き出しやすくなります。紹介先が明確であれば、その場で電話をつないでもらえる可能性もあります。

ただし、攻略企業のリストを作るだけでは足りません。訪問時に手元になかったり、社内サーバーへ戻らなければ見られなかったりすると、肝心な場面で使えないからです。

この会社にも既存の顧客情報リストはありましたが、社内のローカルサーバーで管理されており、外出先からの確認には手間がかかる状態でした。別の表計算シートを作れば早く始められるものの、管理対象が増えて二重更新になる問題もあります。

紹介営業を再現可能にするには、「紹介を頼む」という行動だけでなく、営業担当者が地域別の攻略企業をいつでも確認できるところまで整える必要があります。

背景

紹介依頼のタイミングと企業間の関係性が、担当者の経験と記憶に集まっている構造

紹介依頼が属人化する背景には、建設業界ならではの企業間関係があります。

同じ地域の会社同士でも、協力関係にあるとは限りません。競合関係や過去の経緯があり、訪問先によっては別の会社名を出さないほうがよい場合もあります。

「この会社の前で、その社名は出さないでほしいということもあります」

「ここにも売りに行くのか、と受け取る人もいます」

そのため、全顧客に同じリストをそのまま見せ、一律の台本で紹介を頼む運用は現実的ではありません。紹介先候補を会社側で準備しつつ、実際にどの社名を出すかは、訪問先との関係を知る担当者が判断する必要があります。

依頼のタイミングにも同じことがいえます。候補になるのは、通常の訪問時、契約が決まった場面、納品やセットアップを終えた場面などです。しかし、納品時に紹介を判断できる社長がいるとは限りません。相手の反応やその日の状況によっては、次回へ持ち越したほうが自然なこともあります。

この会社でも紹介依頼自体は行われていましたが、「どの場面で必ず候補を確認するか」「紹介を頼めなかった場合に次回へどう引き継ぐか」までは決まっていませんでした。

標準化すべきなのは、紹介を必ず取り付けることではありません。紹介を検討する機会を漏らさず、最終判断は現場に残すという線引きです。

解決

地域別の攻略企業5社を常時確認できる状態にし、紹介を検討する場面だけ共通化する進め方

紹介営業の仕組み化は、大規模な顧客管理システムの改修を待たず、小さな地域から試すのが進めやすい方法です。

この会社で検討されたのも、まず営業活動が活発な一地域に絞り、担当者が毎回5社ほどの候補を持って訪問する運用でした。効果を確認してから、対象地域や担当者を広げる考え方です。

進め方は、次の4段階に分けられます。

1.地域ごとに紹介してほしい企業を絞る

最初から全商圏を整備しようとすると、情報更新だけで手が止まりやすくなります。まずは一つの営業エリアを選び、未接点または接点の薄い企業を抽出します。

最低限、次の情報があれば紹介依頼に使えます。

  • 会社名と所在地
  • 接点の有無
  • 導入・取引の有無
  • 紹介してほしい相手の役職
  • 過去の訪問や提案の状況
  • 社名を出す際に注意が必要な関係性
  • 最終確認日

すべてを完璧に調べる必要はありません。紹介依頼に必要な情報から先に整え、長期的な顧客データ整備とは分けて進めることがポイントです。

2.担当者が外出先で確認できるようにする

リストは、作ることより使えることが重要です。訪問前や移動中に、担当者がスマートフォンやパソコンから確認できる状態を目指します。

既存の顧客管理表を外部から安全に閲覧できるなら、そこへ紹介候補の項目を加える方法があります。すぐに改修できない場合は、一地域だけの暫定表を用意し、対象を限定して試す方法もあります。

ただし、暫定表を増やす場合は、誰が更新するか、既存データへいつ戻すかを決めておきます。短期運用と基幹データ整備を混同しないためです。

3.紹介を検討する場面を営業工程へ入れる

紹介依頼のタイミングは、一つに固定するより、複数の候補を設けたほうが運用しやすくなります。

  • 定期訪問や打ち合わせの終盤
  • 契約や発注が決まった場面
  • 納品やセットアップを終えた場面
  • 相手先の代表者や決裁者と話せる場面

各場面で紹介を必須にするのではなく、「候補企業を確認したか」「依頼できる状況だったか」を確認項目にします。頼めなかった場合は、理由と次に確認する時期を残します。

依頼文も長くする必要はありません。

「最後に一つだけ、この地域で伺いたい会社がありまして。こちらの社長をご存じでしょうか」

「もし差し支えなければ、ご挨拶の機会だけつないでいただくことはできますか」

依頼の型は短く共通化し、誰に、どの会社名を出すかは担当者が選べるようにします。

4.件数だけでなく、紹介につながった条件を振り返る

試行後は、紹介依頼数だけを追うのではなく、次の流れを確認します。

  • リストを持って訪問できた件数
  • 紹介を依頼できた件数
  • 紹介につながった件数
  • 面談や提案へ進んだ件数
  • 受注した件数
  • 依頼を見送った理由

紹介につながらなかった場合も、担当者個人の能力だけに原因を求めないことが大切です。候補企業の選び方が合っていなかったのか、相手との関係が浅かったのか、決裁者が不在だったのかを分けて見ます。

紹介案件の受注率が高い会社ほど、まずは依頼機会と候補企業の精度を整えるほうが、無理に依頼回数を増やすよりも有効です。

まとめ

紹介営業の属人化を解消するうえで、エース社員の話し方を細かく台本化することが最優先とは限りません。

必要なのは、次の状態です。

  • 地域別に紹介してほしい企業が絞られている
  • 営業担当者が外出先でも候補企業を確認できる
  • 訪問・契約・納品など、紹介を検討する場面が決まっている
  • 社名を出すかどうかの最終判断は現場に残されている
  • 紹介から面談、受注までの結果を振り返れる

紹介を取り付ける力がある社員には、その力を発揮するための材料を渡します。他の社員には、紹介を頼むきっかけと短い依頼の型を用意します。

「毎回必ず紹介を取る」ではなく、「毎回、紹介できる相手がいないか具体的に検討する」。この運用から始めると、紹介営業を無理なく会社の仕組みに変えていけます。

自社に合う紹介営業の運用を整理したい方へ

紹介案件は決まりやすいものの、誰に紹介を頼むか、どの地域からリストを作るか、既存の顧客情報をどう使うかは会社ごとに異なります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の案件獲得や元請け開拓をはじめ、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して課題を整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合はどの営業工程に組み込めばよいか」「まず何社のリストから始めるべきか」といった段階でも問題ありません。状況を一緒に整理するところから進めます。無理に営業を進めることはありませんので、考えをまとめる場として気軽にお声がけください。

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