大型4現場と100万円以下の小口工事を並行する、設立間もない設備工事会社の現在地
関西圏にある設備工事会社は、正社員と専属の一人親方を合わせて6名弱、協力会社まで含めると50名ほどのネットワークで現場を動かしています。設立から間もないものの、初年度の売上は1億5,000万円前後。翌期も2億5,000万円を超える受注の見通しが立っています。
現在動いている比較的大きな現場は、ホテル、倉庫、病院、オフィスビルなどの4件です。その一方で、100万円以下の小口工事も数多く抱えています。
仕事量が不足している会社ではありません。むしろ、大型工事と小口工事をどのように組み合わせれば、職人と管理者の稼働を無理なく平準化できるかが次の経営課題になっています。
実際、同社からは次のような言葉がありました。
「大きい現場ばかりだと、重なったときにしんどくなります。かといって、小さい現場ばかりでも、あっちへ行ったりこっちへ行ったりで大変です」
受注が増えた後に起こりやすいのが、この状態です。売上の総額だけを見れば順調でも、現場の大きさ、工期、場所、必要職種、管理負荷の組み合わせによって、実際の回しやすさは大きく変わります。
1週間で 21件の相談 がありました
- 9月11日工務店福岡県案件獲得の相談
- 9月11日外構工事会社沖縄県業務効率化システムの相談
- 9月11日解体工事会社兵庫県人材確保の相談
- 9月11日電気設備工事会社三重県案件獲得の相談
- 9月10日内装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 9月10日外構工事会社神奈川県協力会社探しの相談
- 9月10日総合建築宮崎県利益率向上の相談
- 9月9日総合土木兵庫県人材育成の相談
- 9月9日内装工事会社秋田県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
- 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
- 9月8日工務店広島県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
- 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
- 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
- 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
- 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
- 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
- 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
- 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
- 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
- 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
- 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
大型工事の重複と小口工事の移動・段取りが、同時に稼働を圧迫する受注構成
大型工事だけで年間の稼働を組むと、工程がずれた際の影響が大きくなります。予定していた着工が2〜3か月先へ延びれば、その間に職人が空きます。反対に複数の大型工事が同時に動けば、現場を取りまとめる側の負荷が一気に高まります。
この会社でも、着工延期によって数か月間仕事が薄くなり、社員や専属協力会社を休ませながら費用を負担した時期がありました。一方、現場が重なったときには、受注交渉も現場対応も担う社長から「全部を見るのがつらい」という声が出ています。
では、小口工事を増やせば解決するかというと、そう単純でもありません。小口工事は一件あたりの工期が短いため、件数が増えるほど次の負担が積み上がります。
- 現場間の移動
- 人員の組み替え
- 着工前の打ち合わせと段取り
- 複数現場の進捗確認
- 空いた日程に合う案件の選別
大型工事は「重複したときの管理負荷」、小口工事は「件数が増えたときの移動・段取り負荷」がボトルネックになります。
そのため、大型と小口のどちらが優れているかではなく、それぞれに役割を持たせて組み合わせる必要があります。受注ポートフォリオとは、単なる売上構成ではありません。職人と管理者の稼働を、異なる工期・規模・発注元の案件で支える設計です。
着工延期による空白と将来の新築需要減少を、売上総額だけでは吸収できない事情
同社が理想として挙げたのは、「5,000万円規模の現場があり、その周りに500万円規模の現場が10件ほどある状態」でした。重要なのは金額そのものではなく、大型工事を稼働の軸にして、その工程の隙間を中小規模の工事で埋めるという考え方です。
直近でも、大型工事が始まるまでの1か月から1か月半ほど、10名前後の協力会社が空く見込みになっていました。2〜3か月後の大型工事は決まっているため、長期案件を新たに入れると、今度は大型工事同士が重なります。必要なのは単なる新規受注ではなく、決まっている大型工事の着工までに完了できる、短期の案件です。
発注元の構成にも特徴があります。主要な設備会社2社からの受注が全体の約半分を占め、残りを7〜8社と同業者からの紹介案件で補っています。主要2社のうち、一方は数千万円規模の大型工事が中心。もう一方は500万〜1,000万円程度の改修工事を継続的に持っています。
この違いは、受注構成を考えるうえで大切です。
- 大型工事を供給する発注元は、年間稼働の土台になる
- 中規模の改修工事を持つ発注元は、工程の谷を埋めやすい
- 同業者からの応援・紹介案件は、短期的な空きを調整しやすい
つまり、発注元は社数だけで分散するのではなく、入ってくる案件の規模と工期が異なるように分散することがポイントです。同じような大型案件を出す取引先を増やすだけでは、着工時期が重なったときの負荷は解消されません。
さらに同社は、数年後に関西圏の大型開発が一段落し、新築工事が減る可能性も見ています。その一方で、改修工事や小規模工事は増えると予想しています。
「今、人を一気に増やしても、そのときに皆の仕事を確保できないかもしれない」という慎重さがあるのは、このためです。現在の繁忙だけで受注構成を決めず、将来増える工事種別に合わせて発注元との接点を持っておくことが、稼働を守る備えになります。
大型工事を軸に、職種別の空き工程へ短期・小口工事を配置する受注計画
受注ポートフォリオは、売上目標から逆算するだけでは組めません。まず大型工事を年間稼働の軸として配置し、その工程で生まれる空きを中小規模・短期工事で埋めていきます。
その際は、会社全体の人数ではなく、職種別の稼働と管理者の担当可能数を分けて見ることが重要です。協力会社を含めて50名動かせるとしても、全員が同じ工事に入れるわけではありません。また、職人を確保できても、現場を管理する人が足りなければ受注可能量には限界があります。
向こう3か月程度の工程について、最低限、次の項目を一覧にします。
- 案件名と発注元
- 工事の規模と予定工期
- 着工・完工予定と確度
- 必要な職種と人数
- 現場の場所
- 管理を担当する人
- 工程上の空き期間
ここで見るべきなのは、「何人空いているか」だけではありません。どの職種が、どの地域で、何日間空くのかまで明確にします。1か月空く職人に数か月の工事を入れることはできませんが、数日から数週間で終わる改修・小口工事であれば組み込める可能性があります。
受注判断は、次の順番で進めると整理しやすくなります。
1.大型工事で埋まる期間を先に固定する
契約済み、または着工の確度が高い大型工事を工程表へ先に置きます。大型工事は稼働の軸になる一方、着工延期もあり得るため、予定と確定を分けて管理します。
2.職種別に工程の隙間を確認する
全体では忙しく見えても、職種ごとに確認すると空きが生じている場合があります。自社社員、専属協力会社、必要なときに依頼する協力会社も分けて見ると、優先して確保すべき仕事量が明確になります。
3.空き期間内に完了できる案件を選ぶ
小口工事は、売上額だけで選ばないことが大切です。工期、移動距離、段取り回数、必要職種が空き工程に合うかを確認します。遠方の小口工事を何件も入れて移動が増えるなら、稼働が埋まっても現場は回しにくくなります。
4.管理者の余力を受注上限に含める
大型工事が重なった際、先に不足しやすいのは職人ではなく管理側というケースがあります。受注できる金額ではなく、無理なく管理できる現場数を上限として持つことが必要です。管理者の担当状況を工程表に入れておけば、職人が空いていても受けるべきではない案件を判断しやすくなります。
5.発注元ごとの役割を整理する
取引先を「大型案件の供給元」「中規模改修の供給元」「短期・小口案件の供給元」に分けます。足りない区分が見えたら、その案件を持つ発注元との関係づくりを優先します。
同社の場合、大型案件を出す主要取引先はすでにあります。一方、将来の新築需要減少や工程の谷を考えると、改修工事を継続的に持つ発注元との接点を増やすことが、受注構成の安定につながります。
営業先は知名度や企業規模だけで選ばず、自社の工程に足りない規模・工期の案件を持っているかで選ぶ。これが受注ポートフォリオを整える営業の判断軸です。
まとめ
大型工事と小口工事には、それぞれ異なる役割があります。大型工事は年間稼働の軸になりますが、重複すると管理負荷が高まります。小口工事は工程の隙間を埋めやすい一方、増やしすぎると移動と段取りが重くなります。
目指したいのは、どちらか一方に寄せることではありません。
大型工事で稼働の土台をつくり、その隙間を完工時期の合う中小規模・短期工事で埋めること。さらに、案件の規模や工期が異なる発注元を持ち、将来の需要変化にも対応できる構成にすること。
そのためには、売上総額に加えて、職種別の空き日数、現場の場所、管理者の担当状況、発注元ごとの案件特性を見る必要があります。受注量が増えてきた会社ほど、「取れる仕事を取る」段階から「工程に合う仕事を選ぶ」段階へ移ることが、次の成長につながります。
自社に合う案件構成と発注元を整理したいときに
大型工事と小口工事の適正な比率は、施工領域、職種構成、協力会社との関係、管理者の人数によって変わります。「大型案件はあるが、その間を埋める仕事が少ない」「取引先を増やしたいが、どのような発注元を開拓すべきかわからない」という段階から整理しても問題ありません。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の案件獲得や元請け・サブコン開拓を、現場の稼働計画や将来の受注構成まで含めて整理し、実行を支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、無理にサービスを勧めることはありません。自社の場合は何から考えるべきかを確認する場として、お気軽にご相談ください。




























