売上の約3分の2を一社が占め、11月から月商が大きく落ち込む設備メンテナンス会社
茨城県内で設備の清掃・メンテナンスを手がける、少人数の専門工事会社があります。夏場は月商280万〜320万円ほどを確保できる一方、11月頃から仕事が減り始め、冬場は月商80万円前後まで落ち込む状況でした。
加えて、売上の約3分の2を特定の取引先が占めています。安定した受注先があること自体は強みですが、その一社の発注方針や工事量が変わると、自社の売上にも大きく影響します。
経営者は現場にも出ながら、自らGoogleマップなどを使って設備を保有していそうな工場や施設を探し、新規営業先のリストも作っていました。しかし、営業先の選定から訪問、現地条件の確認、見積作成までを一人で担うため、営業件数を増やすほど後工程が詰まりやすくなります。
「会うだけなら時間は取れます。ただ、その後に施工できるかを考え、見積もりを作る時間が必要です」
この会社が抱えていたのは、単純な案件不足ではありません。一社依存と季節変動が重なり、さらに新規開拓を経営者一人で進めていることが、売上を安定させにくい構造をつくっていました。
1週間で 22件の相談 がありました
- 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
- 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
- 9月8日工務店広島県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
- 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
- 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
- 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
- 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
- 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
- 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
- 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
- 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
- 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
- 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
- 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
- 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
- 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
- 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
直接受注だけでは取引開始の壁が高く、閑散期を埋める案件数も確保しにくい状況
工場やプラントなど、設備を保有する発注者から直接受注できれば、利益率や取引の主導権を確保しやすくなります。一方で、新規の専門工事会社がいきなり設備保有者へ提案しても、簡単には発注に至りません。
この会社でも前年から直接営業を進めていましたが、過去の取引や施工実績がない状態では、発注者側で社内の合意を取りにくいという壁がありました。必要性が十分に認識されていない作業の場合、「3年に1回でよい」と判断されることもあり、営業先を増やしても案件数が積み上がりにくい状況でした。
しかも、単発の直接受注が夏場に集中すれば、一社依存は少し下げられても、11月からの売上減少は残ります。必要なのは売上先を増やすだけではなく、定期点検や清掃など、実施時期をある程度調整できる継続案件を閑散期に組み込むことです。
そのため、営業先として優先したいのが、複数のオフィスビル、マンション、商業施設、病院、工場などを管理しているビル管理会社やメンテナンス会社です。一社と取引を始めることで、管理下にある複数物件へ仕事が広がる可能性があります。
直接受注と比べて利益率が下がることはあります。それでも、年間を通じた仕事量を確保しやすく、閑散期を平準化する取引先としては有力です。
直接受注は利益率を狙う販路、ビル管理会社経由は案件数と継続性をつくる販路と捉え、まず後者から土台をつくる考え方が現実的です。
ビル管理会社は既存顧客との接点があり、外注を組み込みやすい立場
ビル管理会社やメンテナンス会社を優先する理由は、すでに施設所有者との取引関係があるからです。日常清掃や設備管理など、別の業務で施設に入っていれば、追加の清掃・メンテナンスを提案する際も話を進めやすくなります。
たとえば、自社の担当者2名と外注2名のように、既存の管理業務へ協力会社を組み込むケースもあります。新規事業者が施設所有者へ直接「施工させてください」と持ち込むより、既存の管理会社を通したほうが現場へ入りやすいことがあります。
また、営業先は「ビルメンテナンス専業」と掲げる会社だけに限りません。総合建設会社や警備、不動産管理などを主力としながら、事業の一部としてビル管理を行っている会社も候補になります。
こうした会社は、管理案件を持っていても協力会社のネットワークが十分ではない場合があります。ホームページ上で対象業務を大きく打ち出していなくても、話を聞くと「既存顧客から相談されているが、対応できる外注先がいない」という需要が見つかる可能性があります。
「ホームページには対象設備が書かれていなくても、話してみたらお客様のニーズがあるかもしれません。やってみないと分からない部分があります」
一方、手当たり次第に電話をしても効率は上がりません。実際に候補企業を抽出すると、近隣だけでも1,500社を超える規模になりました。そこから営業可能な100社程度まで優先順位をつけるには、社名や業種分類だけでは足りません。
見るべきなのは、次のような取引につながる条件です。
- 自社から無理なく移動できる商圏にあるか
- 複数の建物や施設を管理しているか
- 売上や事業規模が伸び、管理現場が増えている可能性があるか
- 清掃や設備保全を外注する余地があるか
- 年1回など、定期的に発生する業務を扱っているか
- 自社の施工領域と管理物件の種類が合っているか
特に成長性は、単に大きな会社を探すための指標ではありません。売上が伸びている会社は、新しい管理物件が増え、既存の協力会社だけでは対応しきれなくなっている可能性があります。
会社規模の大きさよりも、「管理物件が増えているか」「外注先を追加する理由があるか」を見たほうが、取引開始の可能性を判断しやすくなります。
商圏と継続性で候補を絞り、小規模案件から複数物件へ広げる営業設計
販路開拓は、最初から大口案件を狙うより、入りやすい小規模案件で実績をつくり、同じ管理会社の別物件へ広げる流れが向いています。
進め方は、大きく4段階に分けられます。
1.まずは営業エリアを3段階に分ける
最初に、自社が採算を合わせやすい商圏を定めます。この会社では、湾岸部と主要高速道路沿いを最優先とし、その隣接エリア、さらに外側のエリアという3段階で整理しました。
距離だけでなく、移動時間、定期訪問のしやすさ、複数現場を一日に回れるかも見ます。継続案件は受注後も移動が発生するため、営業時点では魅力的でも、受注後に利益が残らないエリアを広げすぎないことが大切です。
2.候補企業を「管理物件数・成長性・外注需要」で絞る
対象エリア内の会社を抽出したら、ホームページや企業情報を確認します。建設業の分類だけで検索すると、不動産管理や警備を本業とする会社を見落とすため、ビル管理、設備保全、清掃、衛生管理などの事業内容まで横断して確認します。
優先順位をつける際は、次のような表を作ると整理しやすくなります。
判断項目 | 確認する内容 |
|---|---|
商圏 | 移動時間と定期訪問のしやすさ |
保有案件 | 管理する建物の数や種類 |
成長性 | 売上や管理現場が増えているか |
外注需要 | 協力会社を募集しているか、対応領域に空白があるか |
定期性 | 点検や清掃が一定周期で発生するか |
適合性 | 自社の技術や施工体制で無理なく対応できるか |
すべての情報が公開されているとは限りません。その場合は仮説を置き、実際の会話で確かめます。リストは完成品ではなく、営業結果を受けて更新するものです。
3.初回接点では案件の有無より「管理上の不足」を聞く
初回の目的を、すぐに見積依頼をもらうことだけに置くと、まだ案件化していない需要を拾えません。対象業務の有無に加え、現在の協力会社体制や外注需要を確認します。
確認したいのは、たとえば次の点です。
- 対象となる設備を持つ物件を管理しているか
- 現在は内製か外注か
- 繁忙時だけ人手が不足することはあるか
- 既存の協力会社で対応しにくい地域や工種があるか
- 定期作業の実施月を調整できるか
- 新しく増えた管理物件があるか
ここで重要なのは、自社のサービス説明だけで終わらせないことです。相手が管理する物件と協力会社体制を聞くことで、すぐに案件がなくても、どの条件なら声がかかるかが見えてきます。
4.見積もりや小規模現場から入り、閑散期の定期枠を提案する
最初の取引では、見積もり対応や小さな現場から始めます。そこで安全面、報告、施工品質、連絡の取りやすさなどを確認してもらい、次の物件へつなげます。
実績ができたら、同じ会社が管理する別物件の有無を確認します。その際、単に「ほかにも仕事はありませんか」と聞くのではなく、年間予定を踏まえて相談することがポイントです。
たとえば、毎年実施する清掃や点検について、11月から3月に対応可能な枠をあらかじめ提示します。管理会社側の実施時期に制約がなければ、夏場に集中していた仕事を冬場へ移せる可能性があります。
一社から大きな案件を一度に取るのではなく、小規模案件で実績をつくり、別物件と翌年の定期業務へ広げることで、売上の分散と閑散期対策を同時に進められます。
営業活動の評価も、アポイント数だけでは不十分です。次の数字を月ごとに残すと、狙うべき会社が明確になります。
- 接触できた会社数
- 管理物件を確認できた会社数
- 外注需要があった会社数
- 現地確認や見積もりへ進んだ件数
- 小規模案件を受注した件数
- 別物件や定期案件へ広がった件数
- 冬場へ配置できた売上見込み
専業のビル管理会社で反応が薄ければ、ビル管理をサブ事業として行う建設会社や不動産管理会社へ比重を移します。反対に、特定の施設種別で反応がよければ、その施設を多く管理する会社へ対象を絞ります。
販路開拓は、最初に作ったリストを消化する仕事ではなく、反応と受注結果から「自社が入りやすい取引先像」を更新していく活動です。
まとめ
売上の一社依存と閑散期は、別々の課題に見えて、営業先の選び方で同時に改善できる可能性があります。
設備保有者への直接営業は、利益率を確保しやすい一方、実績がない段階では取引開始の壁が高く、定期案件の数も読みづらい面があります。そこで、まずは複数物件を管理するビル管理会社やメンテナンス会社を開拓し、継続的な受注の土台をつくります。
候補企業を見る基準は、商圏、管理物件、成長性、外注需要、業務の定期性です。専業会社だけでなく、ビル管理をサブ事業として持つ会社にも目を向けます。
そして、小規模案件から取引を始め、別物件や翌年の定期業務へ広げます。実施時期を調整できる案件は11月以降へ配置し、冬場の売上を少しずつ積み上げていきます。
目指したいのは、単に新規顧客を増やすことではなく、複数の取引先から年間を通じて仕事が入る受注構造をつくることです。
自社に合う管理会社と閑散期の案件づくりを整理したい方へ
販路を広げたいと思っても、自社が直接受注を優先すべきか、ビル管理会社との取引から始めるべきかは、施工領域や商圏、現在の実績によって変わります。候補企業を集めても、どこから当たるべきか判断しにくいこともあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大をはじめ、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで経営課題を横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合はどの販路が合うのか」「閑散期に入れられる仕事を何から探すべきか」という段階でも構いません。現在の取引構造や商圏を伺いながら、次に整理すべきことを一緒に確認します。無理にサービスを勧めることはありませんので、考えを整理する場として気軽にご活用ください。



































