5名規模のシーリング工事会社に未経験者が加わった初日の状況
岐阜県内を中心に、マンションや大型施設の改修現場でシーリング工事を手がける5名規模の会社です。社員は全員が職人として現場に出ており、足りない工種や施工量は協力会社と連携して対応しています。
採用活動を本格化させたのは約3カ月前でした。最初の1カ月は応募が伸びなかったものの、その後は複数の応募が入り、選考段階で断る人も出るほど反響が増えています。そのなかで、未経験者を1名採用しました。
入社初日、社長は現場で「ここら辺は危ないよ」と声をかけながら作業を見守り、午後は少し早めに現場を離れました。新しく入った社員の建設キャリアアップシステムや現場入場に必要な登録を進めるためです。
採用の目的は、単純な増員ではありません。「自分が現場に出なくてもいいように、会社を整えていきたい」という考えがあります。将来的には社内に二つの施工班をつくり、社長が経営や次の事業に時間を使える状態を目指しています。
採用の目的は人数を増やすことではなく、社長が現場を離れられる受け皿を段階的につくることです。
1週間で 22件の相談 がありました
- 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
- 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
- 9月8日工務店広島県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
- 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
- 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
- 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
- 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
- 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
- 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
- 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
- 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
- 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
- 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
- 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
- 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
- 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
- 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
- 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
- 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
- 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
- 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
未経験者を同時に増やすと教える側の作業まで止まりやすい少人数体制
次の応募を集められないわけではありません。悩んでいるのは、採用活動を続けるか、一度止めるかという判断です。
社長の言葉は率直でした。
「もう一人くらい未経験者を入れてもいいけれど、今の人と同時になると、本当に作業が進まなくなってしまう」
5名規模で全員が現場に出る会社では、一人を教育に回すだけでも施工体制への影響が大きくなります。未経験者が二人になれば、危険箇所の説明、作業手順の確認、施工後のチェックも重なります。教える職人自身の手が止まり、既存案件への対応力が落ちる可能性があります。
年間を通じた仕事量は、現在の人数でも十分にあります。新しく取引先を増やすより、まず既存の依頼を自社で安定してさばくことが優先です。受注を増やしすぎると協力会社への依存が高まり、これまでの取引先に迷惑をかけかねないという懸念もあります。
少人数の会社では、採用できるかどうかより、教育しながら既存案件を守れるかどうかが次の採用時期を決めます。
社長が現場・教育・入場手続きを抱えるなかで必要になる採用の順番
未経験者の採用直後は、現場で技術を教えることだけが教育負担ではありません。安全面の確認や現場入場の準備など、施工以外の対応も発生します。
この会社では、社長自身が現場に出ながら、見積もりや社内管理、各種登録まで担っています。業務の一部は自作した表計算の仕組みで効率化されていますが、新人が入れば社長にしか判断できない仕事が一時的に増えます。
一方で、採用を急ぐ理由もあります。仕事を増やす前に、まず受け皿となる人材が必要だからです。
「受け皿がないことには、どれだけ仕事を持ってきても受けられない。まずは人材かな」
ここで難しいのは、将来に向けて人を増やしたい気持ちと、目の前の現場を止められない事情が同時にあることです。採用を長く止めすぎれば体制づくりが進みません。しかし、短期間に未経験者を重ねて採れば、育成のために現場の生産性が落ちます。
そのため、この会社では新入社員をまず3カ月ほど見たうえで、次の一人を考える方針です。期間だけで機械的に決めるのではなく、どこまで仕事を任せられるようになったかを確認するための3カ月です。
「3カ月たったから採る」のではなく、「一人目に任せられる範囲が増え、教育側に余力が戻ったか」を見ることが大切です。
任せられる作業範囲・教育余力・既存案件への影響で決める採用再開
次の採用時期は、日付を先に決めるより、現場の状態を三つの軸で確認すると判断しやすくなります。
1.一人目に単独で任せられる作業範囲
まず、新入社員が常に付き添いを必要とする段階から抜けつつあるかを確認します。
見るべきなのは「一人前になったか」という大きな評価ではありません。日々の仕事を、次のように分けることが現実的です。
- 一人で任せられる作業
- 最初に説明すれば進められる作業
- 常に横について教える必要がある作業
- 安全面や品質面から、まだ任せられない作業
一人で任せられる範囲が少しずつ増え、先輩職人が自分の作業へ戻れる時間が生まれていれば、次の採用を検討しやすくなります。
2.教育を担当する人の余力
教育担当者の残業や疲労だけでなく、施工の進み方を見る必要があります。新人への説明や確認によって予定していた作業が遅れているなら、まだ教育負担が重い状態です。
社長だけが教育を担っている場合は、社長が現場を離れるという本来の採用目的から遠ざかることもあります。誰が何を教えるかを分けられる状態になっているかも判断材料です。
3.既存案件への影響
次の採用によって、現在の取引先への対応が崩れないかを確認します。具体的には、工程の遅れ、手直し、協力会社への依頼量が増えていないかを見ます。
一時的に協力会社の力を借りること自体が問題なのではありません。ただし、自社施工を増やすための採用なのに、教育負担によって外注が増え続けるなら、採用の間隔を空けたほうがよい可能性があります。
次の採用は、一人目の成長、教える側の余力、既存案件への影響という三つが改善方向にあるタイミングで再開します。
また、次に未経験者を採るか、経験者を採るかでも判断は変わります。
未経験者を続けて採る場合は、一人目への付き添いが減っていることが前提になります。採用の間口を広く保ちやすい一方、教育期間が再び重なるためです。
経験者を採る場合は、現場の受け皿を早く広げられる可能性があります。ただし、「経験者」という言葉だけで判断せず、自社の主力であるシーリング工事をどこまで任せられるかを確認する必要があります。経験してきた工種や現場規模が異なれば、一定の教育は必要です。
判断の目安は次のように整理できます。
- 一人目がまだ付き添いを必要とするなら、経験者を優先する
- 一人目に任せられる作業が増えたなら、次の未経験者も検討する
- 教育担当を増やせないなら、同時期の未経験採用は避ける
- 経験者でも自社の工種を任せられないなら、教育期間を見込む
未経験者か経験者かは応募数ではなく、現在の教育負担を増やさずに施工体制を広げられるかで選びます。
まとめ
少人数の建設会社では、採用が順調だからこそ、一度立ち止まる判断が必要になることがあります。特に全員が職人として現場に出ている会社では、未経験者を同時に増やすと、教える側の作業まで止まりやすくなります。
今回の会社が考えている「まず3カ月ほど一人目の様子を見る」という進め方は、単なる採用停止ではありません。次の採用を無理なく成功させるための育成期間です。
確認したいのは、次の三点です。
- 一人目に単独で任せられる作業が増えたか
- 教育担当者が自分の作業へ戻れるようになったか
- 既存案件の工程や品質に影響が出ていないか
採用再開のタイミングは期間だけで決めず、現場に次の一人を受け入れる余白ができたかで判断することがポイントです。
次の採用時期と教育体制を一緒に整理したい方へ
「一人目をどこまで育ててから次を採るべきか」「未経験者と経験者のどちらを優先すべきか」は、現在の人数、工種、案件量、教育を担う人によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題だけでなく、入社後の教育体制や役割分担、社長が現場を離れるための組織づくりまで横断して整理し、実行を支援しています。
まだ採用再開を決めていない段階や、「うちの場合は何から整理すればよいのか」という段階でも構いません。状況を伺ったうえで、無理に採用やサービスを勧めることはありません。次の一手を落ち着いて考える場としてご活用ください。




































