前提

工場への直接営業を続けても受注につながらなかった冷却設備メンテナンス会社の現在地

神奈川県の湾岸エリアで、冷却設備の清掃・メンテナンスを手がける小規模な専門工事会社があります。年間売上は3,000万円前後ですが、売上の約65%を一社に依存。夏場は月商240万〜280万円ほどある一方、11月以降は月商80万円前後まで落ち込むことが課題になっていました。

新しい販路をつくるため、前年から工場やプラントなど、冷却設備を保有する企業への直接営業を進めていました。Googleマップで設備の有無を探し、一社ずつ候補を拾う地道な方法です。

しかし、設備を持つ企業が見つかっても、受注にはなかなかつながりませんでした。

「取引がない会社から、いきなり『設備を清掃させてください』と言われても、発注者の社内で合意が取れないようです」

技術が不足しているわけでも、対象設備がないわけでもありません。直接営業では、施工能力を伝える前に、取引実績と発注者側の社内合意という壁を越える必要があります。

そこで検討されたのが、工場へ直接入るルートだけでなく、すでに発注者との接点を持つビル管理会社や設備会社の協力会社として入るルートです。

1週間で 22件の相談 がありました

  • 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
  • 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
  • 9月8日工務店広島県人材確保の相談
  • 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
  • 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
  • 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
  • 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
  • 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
  • 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
  • 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
  • 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
  • 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
  • 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
建設業界のプロ人材による360度経営支援 資料ダウンロード
課題

利益率の高い直接受注を狙うほど、実績のない会社は入口で止まりやすい構造

直接受注は、中間に会社が入らない分、利益率を確保しやすい方法です。発注者と直接関係を築ければ、追加提案もしやすくなります。

一方で、新規参入時の難易度は高くなります。工場や施設の担当者が関心を持っても、実際の発注には複数の確認が伴うからです。

  • 過去に同様の施工実績があるか
  • 安全管理や施工品質に問題がないか
  • 既存業者から切り替える理由があるか
  • 社内で新規取引先として承認できるか
  • そもそも清掃やメンテナンスの必要性を認識しているか

とくに冷却設備の清掃は、所有者側が実施頻度や必要性を強く感じていない場合があります。「3年に1回でよい」「不具合が出てから考える」という判断であれば、対象設備が存在していても案件にはなりません。

つまり、設備保有企業を数多くリストアップできても、実際の発注母数は限られます。直接受注は一件当たりの利益を期待できる反面、受注難易度が高く、案件化までの期間も読みづらい販路です。

これに対して、ビル管理会社や設備会社は、すでに工場、オフィスビル、商業施設などの管理業務に入っています。顧客との契約や連絡経路があり、設備の状態や作業時期も把握しやすい立場です。

協力会社として入る場合は利益率が下がる可能性がありますが、発注者との接点をゼロからつくる必要はありません。まずは部分受注や人員補完から始められるため、受注までの距離を短くできます。

背景

発注者との接点を持つ会社には、部分外注と人員補完から任せられる案件がある

協力会社ルートが入りやすい理由は、ビル管理会社や設備会社が、すべての作業を自社だけで完結しているとは限らないためです。

たとえば、4名で行う清掃作業のうち、2名を外部の専門工事会社に依頼する形があります。元請側の社員と一緒に作業するため、発注側は施工を管理しやすく、新しい協力会社にも仕事を任せやすくなります。

最初から一式工事を受注するのではなく、部分受注や人員補完から入れば、新規取引の心理的・実務的なハードルを下げられます。

また、狙い目はビルメンテナンスを主力事業にしている会社だけではありません。建設会社や設備会社が、事業の一部として建物管理を行っているケースもあります。

こうした会社は、ホームページ上でビル管理を大きく打ち出していなくても、管理物件を抱えている可能性があります。一方で、主力事業ではないため、協力会社のネットワークが十分に整っていないこともあります。

実際の開拓では、次のような会社が候補になります。

  • 工場や商業施設など複数の管理物件を持つ会社
  • 建物管理や設備保全を事業の一部として扱う会社
  • 売上が伸び、管理現場が増えていると考えられる会社
  • 対応エリアが自社の施工可能範囲と重なる会社
  • 清掃や設備保全の協力会社を常時必要としている会社

協力会社ルートの価値は、一件の利益率よりも、案件数、継続性、実績形成のしやすさにあります。

直接受注と協力会社経由を比べると、違いは次のように整理できます。

判断軸

発注者からの直接受注

ビル管理会社・設備会社経由

利益率

比較的高くしやすい

中間会社が入る分、下がる可能性がある

受注難易度

新規取引の承認や実績確認が必要

部分外注や人員補完から入りやすい

案件数

設備保有企業ごとに開拓が必要

一社が複数物件を管理している場合がある

継続性

発注者の必要性や予算に左右される

定期管理の一部として継続する可能性がある

実績形成

初回受注までが難しい

小さな作業から施工実績をつくりやすい

どちらか一方が常に正しいわけではありません。ただ、まだ新規顧客との実績が少ない段階では、直接受注だけに絞ると、信用を証明する材料がないまま営業を続けることになります。

解決

部分受注で信用を蓄積し、協力会社経由から直接受注へ広げる段階戦略

進め方としては、直接受注を諦めるのではなく、順番を変える考え方が現実的です。先に協力会社として施工実績と信用をつくり、その実績を材料に直接受注へ広げます。

第一段階では、ビル管理会社や設備会社に対して、仕事を丸ごと任せてもらう提案ではなく、現在不足している機能を補う提案を行います。

確認したいのは、次のような点です。

  • 対応できずに断っている設備清掃があるか
  • 繁忙期だけ人員が不足していないか
  • 一部を外注したい現場があるか
  • 管理物件で冷却設備の相談が出ていないか
  • 現在の協力会社だけでは対応しにくいエリアがあるか

ここでの判断軸は、自社が売りたい工事ではなく、相手が不足している施工力です。冷却設備の清掃を前面に出しながらも、「一式で任せてほしい」だけでなく、「2名だけの応援でも対応できる」「既存の作業班と一緒に入れる」と入口を広げます。

第二段階では、小さな案件でも施工実績として残します。件数だけでなく、対象設備、作業範囲、人数、工期、元請から評価された点を整理しておくことが大切です。

実績形成では売上額の大きさより、同種工事を安全に完了した事実と、継続して任せてもらえた記録を重視します。

第三段階では、協力会社経由で得た実績をもとに、設備保有企業への直接営業を重ねます。この段階になると、「清掃できます」という説明だけでなく、「同種設備で施工している」「管理会社との協働経験がある」と伝えられます。発注者側も社内で説明しやすくなります。

営業先の優先順位も、最初から固定する必要はありません。まず一定数に接触し、反応を見ながら調整します。

  • ビル管理専業会社の反応がよいか
  • 建設・設備事業の一部として管理を行う会社の反応がよいか
  • 一式発注より人員補完の需要が多いか
  • 工場、商業施設、オフィスビルのどこで需要があるか

ホームページだけでは、協力会社不足の有無までは分かりません。業種名だけで対象を決めず、管理物件の種類、事業の成長性、協力会社網の充足度を実際の反応から確かめることが重要です。

直接受注と協力会社経由は、競合する販路ではありません。短期的には協力会社経由で案件数と実績を確保し、中長期では直接受注の比率を高める。役割を分ければ、利益率と受注の安定性を両立しやすくなります。

まとめ

工場や施設の所有者へ直接営業しても受注できないとき、営業量だけが問題とは限りません。新規取引の実績がないことや、発注者側で社内合意をつくりにくいことが入口の壁になっている可能性があります。

その段階で直接受注にこだわりすぎるより、すでに発注者との接点を持つビル管理会社や設備会社から入る方が、実績をつくりやすくなります。

まず部分受注や人員補完で入り、施工実績と信用を蓄積し、その後に直接受注へ広げることが、専門工事会社にとって再現しやすい販路開拓の順番です。

利益率だけで営業先を決めるのではなく、受注難易度、案件数、継続性、実績形成のしやすさまで含めて、自社の現在地に合う入口を選ぶことが大切です。

自社に合う協力会社ルートを整理したい方へ

協力会社経由を優先すると決めても、どの業種へ、どの地域で、どのような提案をすべきかは会社ごとに異なります。ビル管理専業会社が合う場合もあれば、設備会社や建設会社の管理部門が有力な場合もあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大について、営業先の選定から提案内容、実行後の見直しまで横断して整理しています。

「うちの場合は直接受注と協力会社経由のどちらを優先すべきか」「部分受注の提案をどう組み立てればよいか」という段階でも構いません。状況を伺いながら次の整理先を一緒に考えます。無理に営業を進めることはありませんので、必要なタイミングで気軽にお声がけください。

お問い合わせはこちら