一人親方に近い体制で、育成に時間をかけにくい専門工事会社の採用
四国地方を拠点とする、空調設備系の専門工事会社があります。現在は代表一人が職人として現場に入り、必要に応じて信頼できる協力会社と組んで施工しています。
大手工場や公共施設などの現場が中心です。上位会社からは「この現場を任せます」「あとは面倒を見てください」と頼られる立場で、仕事そのものはあります。
一方で、人を採用しても、代表が現場を離れて付きっきりで教える余裕はありません。
「未経験者を10人入れても、使いものにならなかったらどうしようもない。僕らにも見られる人数には限りがありますから」
過去には未経験者を受け入れたものの、十分に戦力化できなかった経験もありました。そのため、次に採用するなら、最低限の仕事を任せられる経験者を想定しています。
少人数の専門工事会社では、採用人数よりも「代表がどこまで手をかけずに仕事を任せられるか」が重要になります。
1週間で 17件の相談 がありました
- 9月11日工務店福岡県案件獲得の相談
- 9月11日外構工事会社沖縄県業務効率化システムの相談
- 9月11日解体工事会社兵庫県人材確保の相談
- 9月11日電気設備工事会社三重県案件獲得の相談
- 9月10日内装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 9月10日外構工事会社神奈川県協力会社探しの相談
- 9月10日総合建築宮崎県利益率向上の相談
- 9月9日総合土木兵庫県人材育成の相談
- 9月9日内装工事会社秋田県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
- 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
- 9月8日工務店広島県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
- 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
- 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
- 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
- 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
- 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
- 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
- 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
- 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
- 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
- 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
「経験10年」という申告だけでは、任せられる仕事の範囲が分からない採用
難しいのは、経験年数と実際の施工能力が一致するとは限らないことです。
「10年やっています、15年やっていますと言って入ってきても、実際に仕事をやらせたら何もできなかった人が多いんですよ」
同じ業種に10年在籍していても、経験の中身は人によって違います。
一つの作業だけを繰り返してきた人もいます。職長の指示どおりに手を動かしてきた人もいます。図面を読み、材料を拾い、他業者と調整しながら一つの区画を納めてきた人もいます。
履歴書では、いずれも「実務経験10年」と書けます。しかし、入社後に任せられる範囲は同じではありません。
資格も同様です。一定の知識を持つことは確認できますが、現場での段取り、安全への配慮、納まりへの判断まで保証するものではありません。
確認すべきなのは経験の長さではなく、その期間に「何を、どの立場で、どこまで自分で判断してきたか」です。
代表が現場に出続ける会社ほど、採用後の「やらせてみないと分からない」が重くなる事情
この会社では、代表自身が現場の施工を担っています。採用した人の力量が想定より低ければ、教える時間だけでなく、手直しや確認の負担も代表に戻ってきます。
「仕事をちょっと言って、『これをやって』と頼んで、できなかったら分かるでしょう。しばらく一緒に仕事をして、合わなかったら使い続けることはできません」
現場で一緒に動けば、実力は見えてきます。ただし、その時点ではすでに採用後です。給与や配置を決め、現場への受け入れも始まっています。
だからこそ、面接段階で実務能力をできる限り具体的に確認する必要があります。
ところが、面接で「何年やってきましたか」「この工事はできますか」と聞くだけでは、多くの応募者が「できます」と答えます。応募者が虚偽を述べているとは限りません。前職での「できる」と、自社が求める「一人で任せられる」の基準が違うこともあります。
たとえば、「ダクト工事ができる」という言葉だけでも、次のような違いが含まれます。
- 指示された場所に部材を運び、取付作業を補助できる
- 図面と墨を確認しながら、決められた範囲を施工できる
- 材料、工具、作業順序を考え、一日の段取りを組める
- 他業者との取り合いや納まりを確認し、現場を進められる
- 後輩や協力会社に指示を出し、品質と安全を管理できる
採用の行き違いは、応募者の経験不足だけでなく、会社側が求める「できる」の基準を言葉にしていないことでも起こります。
担当工程を掘り下げる面接と実技確認、試用期間の共通基準を組み合わせる採用設計
経験者採用では、面接だけで合否を決めるより、確認を三段階に分けると実力を捉えやすくなります。
「面接で経験を分解する」「安全に配慮して実技を確認する」「試用期間中に同じ基準で評価する」の三段階で判断します。
1.募集前に「入社初日から任せたい仕事」を決める
最初に、自社が求める経験者像を具体化します。「経験5年以上」と書くだけでは足りません。
たとえば、次のように整理します。
- 図面を見て、施工箇所と必要な作業を把握できる
- 指示された区画の施工を一人で進められる
- 必要な材料と工具を事前に準備できる
- 危険箇所を確認し、作業前に声をかけられる
- 判断できない納まりを放置せず、早めに相談できる
すべてを満たす人が必要とは限りません。「施工は任せたいが、材料手配までは求めない」など、会社の状況に合わせて線を引きます。
採用基準は、理想の職人像ではなく「今の会社で、どの仕事を任せたいか」から逆算すると明確になります。
2.面接では経験年数ではなく、直近の現場を時系列で聞く
「何ができますか」という質問には、応募者も抽象的に答えがちです。直近の現場を一つ選んでもらい、着工前から完了まで順番に聞くと、実際の役割が見えやすくなります。
確認したい質問は、次の五つの軸に分けられます。
#### 担当してきた工程
- 直近の現場では、どの工程を担当しましたか
- 一人で担当した作業と、補助として入った作業は何ですか
- 苦手な作業や、経験が少ない工程はありますか
#### 現場での役割
- 誰から指示を受け、誰に指示を出していましたか
- 一日の作業内容は誰が決めていましたか
- 職長や現場責任者を経験したことはありますか
#### 図面の理解
- 施工前に図面のどこを確認しますか
- 図面と現場が合わない場合、どのように対応しましたか
- 納まりで迷った事例と、そのときの判断を教えてください
#### 安全意識
- 作業前に必ず確認していたことは何ですか
- 危険だと感じて作業を止めた経験はありますか
- 周囲の作業員に声をかけた事例を教えてください
#### 段取り力
- 翌日の材料や工具は、いつ、どのように確認していましたか
- 他業者と作業が重なった場合、どう調整しましたか
- 作業が予定どおり進まなかったとき、何から見直しましたか
答えの立派さだけで判断する必要はありません。誰が、いつ、何を判断したのかが具体的に返ってくるかを見ます。
「みんなで対応しました」という回答が続く場合は、「その中でご自身が担当したことは何ですか」と掘り下げます。
面接では正解を求めるのではなく、応募者本人が担ってきた範囲を具体的な行動まで確認します。
3.実技確認は、実際に任せる仕事に近づける
面接で一定の経験が確認できたら、可能な範囲で実技を見ます。代表が話していたように、「仕事をやらせてみれば分かる」部分は確かにあります。
ただし、応募者をいきなり稼働中の現場へ入れるのではなく、安全面や労務上の扱いを整理したうえで実施します。図面を見て作業手順を説明してもらう、材料や工具を選んでもらう、模擬的な作業を確認する方法もあります。
見るポイントは、作業速度だけではありません。
- 作業前に図面と周囲を確認するか
- 必要な工具や材料を先にそろえられるか
- 不明点を勝手に処理せず質問できるか
- 安全な手順を優先できるか
- 作業後に品質を自分で確認するか
実技確認の目的は、上手な人を一発で選ぶことではありません。自社が任せたい仕事と、応募者の現在の能力の差を把握することです。
施工の速さだけでなく、確認、準備、相談、安全、仕上がりまでを一連の仕事として見ます。
4.試用期間は「様子を見る期間」ではなく、評価項目をそろえる
採用後の試用期間でも、評価基準を決めておきます。日々の印象だけで判断すると、「人柄はよいが仕事を任せられない」「口数は少ないが段取りは確実」といった違いを整理しにくくなります。
面接と同じ五つの軸で確認すると、判断がぶれにくくなります。
- 担当工程をどこまで一人で完了できたか
- 指示を正しく理解し、必要な報告ができたか
- 図面と現場の違いに気づけたか
- 安全確認を自発的に行えたか
- 翌日の作業を見越して準備できたか
各項目は、「一人でできる」「確認があればできる」「付き添いが必要」「未経験」のように段階を分けます。入社時、一定期間後、試用期間終了前に同じ表で確認すると、成長も見えます。
もちろん、試用期間中の処遇や雇用判断は、就業規則や労働条件を踏まえて適切に運用する必要があります。
面接、実技確認、試用期間で同じ評価軸を使うと、「経験者だと思ったのに」という認識のずれを早い段階で捉えやすくなります。
まとめ
「経験10年」「資格あり」という情報は、候補者を知る入口にはなります。ただ、それだけで現場を任せられるかまでは分かりません。
少人数の専門工事会社では、一人の採用が現場の受注量や代表の負担に直結します。だからこそ、経験年数を疑うのではなく、経験の中身を丁寧に分解することが大切です。
整理する順番は、次のとおりです。
- 入社後に任せたい仕事を決める
- 面接で担当工程と本人の役割を掘り下げる
- 図面理解、安全意識、段取り力を具体例で確認する
- 可能な範囲で実技を確認する
- 試用期間でも同じ基準を使って評価する
経験年数を採用基準にするのではなく、自社で任せたい仕事を基準にして、面接から試用期間まで一貫して確認することがポイントです。
経験者に何を任せたいか、採用基準から整理したいときは
経験者採用を進めたいと思っても、「うちの場合、どこまでできれば経験者と呼べるのか」「面接で何を聞けばよいのか」が曖昧なことは少なくありません。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用や組織づくりを、現場の役割や今後の事業計画まで含めて整理し、実行を支援しています。採用媒体を選ぶ前の、人物像や評価基準の整理からでもご相談いただけます。
まだ方針が固まっていない段階でも問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、自社に合う進め方を考える場として気軽にお声がけください。





























