前提

関東・東海まで対応エリアを広げたい、3名規模の医療施設内装会社

九州地方を拠点とする、3名規模の内装会社があります。クリニックから直接依頼を受け、レイアウト作成、積算、発注、施工管理まで担っています。

新規開業の工事は、1件あたり2,500万〜3,500万円ほど。工期は約2カ月です。電気、水道、空調、内装大工など、20社前後の協力会社と連携して現場を動かしています。

依頼は九州だけではありません。関東や東海、中国地方など、過去の顧客や紹介を通じて全国から相談が入ります。しかし、現地で任せられる協力会社がいなければ受注できません。

「その地域には頼める業者さんがいないので、断った案件が結構あります」

一方、誰でもよいから増やせるわけでもありません。医療施設では、X線室をはじめ安全性に関わる施工があります。引き渡し後も長く責任が残るため、協力会社の施工品質は元請会社の信用に直結します。

協力会社の開拓は、対応エリアを広げるための取り組みであると同時に、自社の品質と信用を守るための取り組みでもあります。

1週間で 17件の相談 がありました

  • 9月11日工務店福岡県案件獲得の相談
  • 9月11日外構工事会社沖縄県業務効率化システムの相談
  • 9月11日解体工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 9月11日電気設備工事会社三重県案件獲得の相談
  • 9月10日内装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 9月10日外構工事会社神奈川県協力会社探しの相談
  • 9月10日総合建築宮崎県利益率向上の相談
  • 9月9日総合土木兵庫県人材育成の相談
  • 9月9日内装工事会社秋田県人材確保の相談
  • 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
  • 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
  • 9月8日工務店広島県人材確保の相談
  • 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
  • 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
  • 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
  • 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
  • 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
  • 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
  • 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
  • 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
  • 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
  • 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
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課題

「経験があります」という自己申告だけでは見抜けない施工技術

協力会社選びで難しいのは、経験年数と実際の技術力が必ずしも一致しないことです。

「何十年やっていますという人が来ても、うまいとは限らないんですよ。技術レベルはやっぱり違います」

実際、この会社では、長く経験しているという電気工事業者に依頼したところ、資格を取得してからまだ1年ほどしか経っていないことが後から分かりました。施工を確認すると、最後まで任せるのは難しい状態でした。

そこで、工事の途中で別の業者へ交代。進んだ分の費用は支払い、改めて別の協力会社へ発注しました。

「そのときはマイナスになります。でも、こちらが何年も責任を負う仕事なので、きちんとできる人に切り替えました」

着工後の交代には、二重の外注費だけでなく、工程の組み直しや手直しも発生します。後続工事にも影響します。利益を確保するはずの案件が、赤字になることもあります。

ただし、品質を妥協して引き渡せば、影響はその現場だけで終わりません。紹介やリピートを中心に受注している会社ほど、その後の信用にも響きます。

協力会社選びの失敗は、外注費の増加だけではなく、工程、利益、顧客からの信用をまとめて傷つける問題です。

背景

コンセントのわずかな傾きまで見る現場と、全国で増やしたい協力会社

この問題が起きる背景には、募集時に確認できる情報と、現場で求める品質との間に差があることがあります。

募集の段階で分かるのは、会社概要、対応工種、経験年数、保有資格などが中心です。しかし、実際に確認したいのは、図面や仕様を読み取れるか、仕上がりをどこまで意識できるか、指摘に対してどう対応するかです。

たとえば電気工事では、コンセントがわずかに傾いていたり、連続する器具の高さがそろっていなかったりすることがあります。通電していれば終わりではありません。利用者の目に触れる内装工事では、細かな納まりも品質です。

「最初に現場へ来てもらうと、だいたい分かります。直してくださいと伝えたときの反応も見ています」

この会社が求めていたのは、大規模な施工会社だけではありませんでした。むしろ、5名以下で社長自身が現場に出ている会社を希望していました。依頼内容が経営者まで直接伝わり、現場で判断できることを重視していたためです。

工種ごとの条件もあります。

  • 電気工事に必要な資格を持っているか
  • 水道工事では対象地域の指定や許可を持っているか
  • 医療施設やテナントなど、類似工事の実績があるか
  • 工事賠償責任保険に加入しているか、案件ごとに加入できるか
  • 経営者や責任者が現場にどこまで関与するか
  • 写真や動画を使った遠隔確認に対応できるか

代表は「直感でだいたい分かる」と話します。初回面談の受け答え、質問への具体性、できないことを正直に伝える姿勢などから、現場での対応を読み取っていました。

この感覚は大切です。ただ、代表だけが見極められる状態では、協力会社を増やすほど負担も増えます。

経験年数だけで選ばず、資格取得時期、類似工事、許認可、保険、現場への関与、受け答えを一つずつ確認することが、選定の精度を高めます。

解決

書類確認、小規模案件、写真管理、交代基準をつないだ選定フロー

協力会社の開拓は、募集して面談するだけで完了させず、実際の施工を確認するところまでを一つの選定フローとして考えると進めやすくなります。

1.募集前に「外せない条件」を工種別に整理する

最初に決めたいのは、理想の会社像ではなく、任せるための最低条件です。

電気、水道、空調、内装大工では、確認すべき資格や許可が異なります。すべてを一括で探すのではなく、工種ごとに条件を分けます。

最低限、次の項目を整理しておくと比較しやすくなります。

  • 対応エリアと移動可能範囲
  • 対応できる工種と作業内容
  • 必要な資格、許可、指定の有無
  • 資格を取得した時期
  • 類似する用途・規模の施工実績
  • 工事賠償責任保険への加入状況
  • 現場に入る本人の経験
  • 社長や責任者が現場へ関与する範囲

資格証は、保有の有無だけでなく取得年月まで確認します。会社として実績があっても、実際に現場へ入る担当者が同じ経験を持つとは限りません。会社の実績と、現場担当者本人の経験を分けて見ることが大切です。

2.初回面談では「できますか」ではなく、過去の進め方を聞く

「対応できますか」と聞けば、多くの場合は「できます」と返ってきます。そこで、過去の行動が分かる質問に変えます。

たとえば、次のような聞き方です。

  • 類似工事では、どの工程を担当したか
  • 図面と現場の納まりが合わないとき、どう判断したか
  • 手直しが発生した事例と、そのときの対応は何か
  • 工程が遅れそうな場合、いつ、どのように連絡するか
  • 施工写真をどのタイミングで共有できるか
  • 自社で対応できない範囲はどこか

ここでは、立派な回答を求める必要はありません。具体的な経験を自分の言葉で話せるか。分からないことを曖昧にしないか。指摘や変更に対して柔軟に対応できるかを見ます。

「誰でも完璧な人はいない」という前提も必要です。欠点がない会社を探すのではなく、自社が譲れない品質基準を共有でき、是正に応じられる会社かを見極めます。

3.最初から大きな案件を任せず、小規模案件で試す

書類と面談だけで技術力を完全に判断するのは難しいものです。可能であれば、数十万円規模の修繕や一部工程など、影響範囲を限定できる仕事から依頼します。

試行時には、完成品質だけでなく、次の点も確認します。

  • 着工前の確認が丁寧か
  • 図面や指示への質問が適切か
  • 工程と約束した時間を守れるか
  • 養生、片付け、周囲への配慮ができるか
  • 写真や進捗報告が約束どおり届くか
  • 指摘後の是正が早いか

小規模案件であっても、本番と同じ品質基準で確認します。ここを単なる顔合わせにすると、本案件へ移った後に問題が表面化します。

4.注文書に品質基準と確認方法を明記する

品質の認識をそろえるには、口頭だけでなく注文書に残します。この会社でも「厳しい注文書を切る」と話していました。

記載したいのは、金額や工期だけではありません。

  • 図面、仕様書、施工要領の優先順位
  • 仕上がりや納まりの基準
  • 工程ごとに必要な写真
  • 隠蔽前に確認が必要な箇所
  • 変更や追加工事が発生した場合の連絡方法
  • 手直しが必要になった場合の対応
  • 再発注や交代を判断する条件

基準を細かくする目的は、協力会社を縛ることではありません。「どこまでできれば完了なのか」を双方でそろえるためです。

品質基準を注文書に明文化すると、感覚的な指摘が減り、是正を依頼する根拠も明確になります。

5.工程写真で早く気づき、是正・交代の基準を持つ

遠方の現場では、毎日現地へ行くことはできません。この会社でも、写真や動画を送ってもらい、違和感があれば遠隔で指示を出していました。

写真確認は、完成後だけでは遅いことがあります。配線や配管など、後から隠れる部分は工程ごとに確認します。

たとえば、次の節目で共有を依頼します。

  • 着工前
  • 墨出し後
  • 配線・配管後、隠蔽前
  • 機器や器具の設置後
  • 仕上げ前
  • 完了時

問題が見つかった場合に備え、是正期限も決めます。それでも改善されない場合や、安全性に関わる場合は交代を検討します。

交代には損失が伴います。それでも、どの状態なら続行し、どの状態なら交代するかを着工前に決めておけば、判断が遅れにくくなります。

完成後にまとめて検査するのではなく、工程ごとに写真で確認し、手直しが小さいうちに是正することが赤字の抑制につながります。

まとめ

対応エリアを広げるには、各地域で頼れる協力会社を増やす必要があります。ただし、登録社数や名刺の数だけを増やしても、安心して受注できる体制にはなりません。

押さえておきたい流れは、次のとおりです。

  1. 工種ごとに最低条件を決める
  2. 資格取得時期、許認可、保険、類似実績を確認する
  3. 初回面談で具体的な施工経験と是正への姿勢を見る
  4. 小規模案件から依頼して実際の仕事を確認する
  5. 注文書に品質基準と報告方法を明記する
  6. 工程写真で確認し、是正・交代基準を運用する

「何十年やっています」という言葉は、判断材料の一つにすぎません。自社が守りたい品質を具体化し、その基準に沿って確認できる仕組みが必要です。

協力会社選びで目指したいのは、完璧な会社を見つけることではなく、品質基準を共有し、問題があれば早く報告・是正できる会社との関係を各地域につくることです。

自社に合う協力会社の条件から整理したい方へ

協力会社を増やしたくても、「どの条件で探すべきか」「技術力をどう確認すればよいか」がまだ曖昧なこともあります。工種や対応エリア、現場の難易度によって、見るべき条件は変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。協力会社の候補整理や開拓、選定基準づくりについても、現状に合わせて一緒に整理できます。

「うちの場合は何から決めればよいか」という段階でも問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、次の整理先として気軽にお声がけください。

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