国土交通省は、令和8年第1四半期の「地価LOOKレポート」を公表しました。主要都市の高度利用地等における地価動向は、住宅地・商業地の全44地区で上昇し、横ばい・下落の地区はありませんでした。全地区上昇は9期連続です。

発表内容

令和8年第1四半期 地価LOOKレポート

調査期間

令和8年1月1日から令和8年4月1日まで

調査対象

全国44地区

内訳

住宅地21地区、商業地23地区

結果

全44地区で上昇、横ばい・下落なし

住宅地の動き

16期連続で全地区上昇

商業地の動き

9期連続で全地区上昇

上昇率区分

上昇3~6%が2地区、上昇0~3%が42地区

上昇3~6%の地区

銀座中央、品川駅港南口

次回公表予定

令和8年11月下旬頃に第2四半期・第3四半期の結果を公表予定

今回のポイントは、単に「土地が上がった」という話ではありません。マンション需要、店舗・ホテル需要、オフィス需要、再開発の進展が、主要都市の不動産市場を下支えしているという点です。中小建設業にとっては、今後どの発注者に近づくか、どの工種・用途の案件に人を寄せるか、見積の前提をどう置くかを考える材料になります。

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  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
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地価上昇の背景は、建設需要のありかを示している

今回の発表では、住宅地について、利便性や住環境の優れた地区におけるマンション需要が堅調であることが主な要因として挙げられています。

商業地については、再開発事業の進展、国内外からの観光客の増加、店舗・ホテル需要の堅調さ、オフィス需要の底堅さが示されています。

中小建設業の経営として見るべきなのは、地価の数字そのものよりも、その裏側にある発注ニーズです。

たとえば、マンション需要が堅調であれば、建築本体だけでなく、内装、設備、外構、改修、原状回復、維持管理まわりにも仕事が広がります。店舗・ホテル需要が堅調であれば、短工期の内装、設備更新、電気・空調、防災、修繕などの需要も意識したいところです。

もちろん、今回のレポートは主要都市の高度利用地等を対象にしたものであり、すべての地域・すべての工種にそのまま当てはまるものではありません。とはいえ、都市部の不動産需要が弱っていないという事実は、建設会社の営業判断にとって重要なシグナルです。

「全地区上昇」でも、強い場所と用途を分けて見る

今回、全44地区で上昇となりましたが、上昇率区分では「上昇0~3%」が42地区、「上昇3~6%」が2地区です。全体としては、発表資料でも「緩やかな上昇傾向」とされています。

ここで大事なのは、地価が上がっているから何でも強い、と雑に捉えないことです。

住宅地では全21地区が「上昇0~3%」です。商業地では23地区すべてが上昇し、そのうち銀座中央と品川駅港南口が「上昇3~6%」でした。

つまり、住宅地は広く堅調、商業地は全体として堅調ながら、一部でより強い動きが出ているという見方ができます。

中小建設会社としては、次のように自社の仕事へ置き換えると実務に落ちやすくなります。

  • 住宅系に強い会社:マンション関連、住環境の良いエリア周辺の改修・設備・外構需要を確認する
  • 店舗・内装に強い会社:観光客増加や商業地の動きがあるエリアで、店舗・ホテル関連の相談が増えていないか見る
  • 設備・電気・空調に強い会社:オフィス、ホテル、店舗の更新・改修需要を拾える営業先を整理する
  • 元請・地域密着型の会社:再開発周辺で派生する小規模工事、近隣施設の改修、テナント入替に伴う工事を見に行く

特に、限られた人数で施工している会社ほど、どの仕事を取りに行き、どの仕事を無理に追わないかが利益を左右します。

見積と利益管理では、土地よりも「発注者の温度感」を見る

地価上昇は、建設会社の原価に直接入るものではありません。しかし、発注者側の投資判断や物件収支には関係します。

地価が上がる局面では、事業者側も採算をより厳しく見ます。一方で、需要が強いエリアや用途では、工期・品質・対応力を重視して発注される場面もあります。

ここで中小建設会社が見直したいのは、見積の出し方と利益管理の精度です。

「忙しいから受ける」「昔からの付き合いだから同じ単価で出す」だけでは、資材費、人件費、外注費、移動時間、手戻りの負担を吸収しきれないことがあります。需要がある時期こそ、会社の利益を守るために、見積条件を丁寧に確認する必要があります。

確認したいのは、たとえば次の点です。

  • 工期に無理がないか
  • 追加・変更工事の扱いが曖昧になっていないか
  • 人員を張り付ける期間と粗利が見合っているか
  • 夜間・休日対応、短納期対応の負担が見積に反映されているか
  • 協力会社の単価上昇を織り込めているか

需要がある市場では、安さだけで勝負しない会社にチャンスがあります。品質、段取り、対応力を評価してくれる発注者を選ぶことも、経営判断の一部です。

拠点・資材置場・採用にも地価上昇は効いてくる

地価上昇は、受注面だけでなく、自社の経営コストにも影響します。

都市部やその周辺で事務所、倉庫、資材置場、駐車場を借りている会社では、賃料や更新条件に影響が出る可能性があります。今回の資料だけで個別地域の賃料上昇を断定することはできませんが、土地の価値が上がる局面では、固定費の見直しも早めに考えておくべきです。

また、都市部で工事需要が堅調であれば、人材の取り合いも続きやすくなります。職人、施工管理、協力会社の確保は、受注量以上に経営の制約になります。

「仕事はあるのに人が足りない」状態では、売上は増えても利益が残りにくくなります。だからこそ、地価や需要のニュースを見たときは、営業だけでなく、採用・協力会社・教育・原価管理まで一緒に見た方がよいです。

市場が強い時期ほど、会社の内部体制の差が出ます。

地価LOOKレポートは「先行指標」として使う

地価LOOKレポートは、主要都市の高度利用地等を対象に、地価動向を把握するための調査です。令和8年度からは半期ごとの公表となり、次回は令和8年11月下旬頃に第2四半期・第3四半期の結果が公表される予定です。

このレポートは、個別案件の受注予測そのものではありません。けれども、不動産市場の熱量を早めに知るための材料としては有効です。

中小建設業では、日々の現場に追われていると、どうしても目の前の見積依頼や紹介案件に経営判断が引っ張られます。しかし、少し引いて見ると、どの用途が伸びているか、どの地域で投資が続いているか、どの発注者が動きやすいかが見えてきます。

今回のニュースからは、少なくとも次の3点を確認しておきたいところです。

  1. 自社の受注エリアで、住宅・商業・ホテル・オフィスのどの需要が強いか
  2. 今の見積単価と工期条件で、きちんと利益が残っているか
  3. 需要がある分野に人員・協力会社・営業活動を寄せられているか

地価上昇は、遠い不動産ニュースではありません。建設会社にとっては、次の仕事の出どころを読むための経営情報です。

自社の受注戦略にどう落とすかを整理する

今回のような市場ニュースは、「うちには関係あるのか」「どの発注者を見ればいいのか」「今の単価で受け続けてよいのか」といった問いに分解すると、経営に使える情報になります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。販路拡大や利益管理、協力会社体制の見直しなど、「ものづくりに集中できる建設業界へ」向けて、建設企業の持続的成長を支援しています。

今回の地価動向を見て、「自社の場合はどの用途を狙うべきか」「見積や人員配置をどう見直すべきか」を一度整理したい場合は、壁打ちの段階でも構いません。無理な営業はいたしませんので、必要な論点を一緒に整理する場としてご活用ください。

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